国内の株式市場は、「ひどい相場」になった。 「ひどい相場」とは、自分の見通しが外れたから、そう言っているわけでない。確かに前回5月17日(日)付のコラム「日本株は大幅下落する可能性が残っている」では、日経平均株価がすぐでないとしても、いずれ1万7000円台への下落に向かうと予想したが、実際には逆に、5月29日(金)までで11連騰(連日の上昇)を記録した。これは1988年以来27年ぶりのことであり、平成バブル崩壊後は初めてだ。 海外で「吊り上げられる」日経平均 このように見通しを大きく外し、読者の方々には申し訳なく思っているのだが、「ひどい」といった真の理由は、最近の国内株価の相場付きが極めて悪いからである。 たとえば先物との関係では、かつては先物主導で株価が上昇する場合、東京市場で先物が買い上げられ、それが裁定取引(割高になった先物を売り、現物株を買う)によって現物市場に波及して、東京時間