ブックマーク / www.tokyobookgirl.com (16)

  • 2024年のリーディングチャレンジ(ロマンス小説編) - トーキョーブックガール

    みなさんにとって、2023年はどんな年でしたか? わたしにとっては、愛犬の闘病や介護に始まり、看取りや大切な人の死を経験した、辛い1年でした。一言で言うとすると、 Espero que la salida sea alegre y espero no volver nunca más というフリーダ・カーロの言葉が思い浮かぶくらい。 戻りたくない、でも思い出になってしまうのも嫌で2023年を立ち去りたくない、という気持ち。 ただし辛いことがあった分、に支えられた1年でもありました。 かけがえのない人生のパートナーで、苦しいときにずっとそばにいてくれる母のようでもあり、無邪気な娘のようでもあった愛犬。このブログは彼女と一緒に過ごす時間に、彼女のそばで綴っていたものなので、なんだか見るのが辛くなって遠ざかっていたのだけれど、今年はできる範囲で投稿しようと思います。 そういうわけで、2023

    2024年のリーディングチャレンジ(ロマンス小説編) - トーキョーブックガール
  • 2022年 国際ブッカー賞ロングリスト - トーキョーブックガール

    www.tokyobookgirl.com あっという間に3月。国際ブッカー賞のロングリスト(Women's Prize for Fictionも〜)も発表されました。 thebookerprizes.com ロングリスト入りしたのは13冊。今年はアジア圏の小説が5作品とかなり増えているのが特徴的(去年は残雪のみ、一昨年は小川洋子のみ)。うち2作品は韓国文学で、すでに日語訳が出版されている韓国文学『大都会の愛し方』もノミネートされている。 あとは、2017年に国際ブッカー賞を受賞したイスラエルのデイヴィッド・グロスマンや、2018年に受賞したポーランドのオルガ・トカルチュクの作品も。どちらも、もっと邦訳してほしい……。 Paradais / フェルナンダ・メルチョール(Sophie Hughes訳)スペイン語 『ヘヴン』Heaven / 川上未映子(Samuel Bett & David

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  • 『カラーパープル』 アリス・ウォーカー - トーキョーブックガール

    [The Color Purple] 1985年にスピルバーグによって映画化された『カラーパープル』は2005年ブロードウェイミュージカルにもなった。そしてなんと、このミュージカル版を映画化するというニュースが昨年末に発表された。 プロデューサーは1985年の映画を手がけたスティーブン・スピルバーグに、ミュージカルのプロデュースを手がけたオプラ・ウィンフリー(1985年の映画にも出演している)とクインシー・ジョーンズ(1985年の映画音楽担当)! これは今から楽しみですね。 pitchfork.com というわけで久しぶりに原作を引っ張り出し、映画も観てみた。 この1986年出版の集英社文庫、現在までずっと増刷を重ねているんですね。私が持っているのは2008年版で第39刷。すごいなあ。 カラーパープル (集英社文庫) 作者: アリスウォーカー,柳沢由実子 出版社/メーカー: 集英社 発売

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  • 『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ミア・カンキマキ(末延弘子・訳): 推しとの歳の差、1006歳 - トーキョーブックガール

    [Asioita jotka saavat sydämen lyömään nopeammin] どうしたらいいかわからないこと。 三十八歳にもなって実家の二階にある自分の部屋に移ること。 六十三歳になる父に、部屋を引き渡すために七時間かけてすみずみまで一人で掃除をさせること。 しまいには父と手まねで喧嘩すること。 清少納言を求めて、フィンランドから京都へ 作者:ミア・カンキマキ 草思社 Amazon フィンランド人の「私」(著者)の10年来の推しは、900年代の京都に生きた清少納言。『枕草子』の英訳を大学で読んで、夢中になったのだ。なんとなく人生が行き詰まっているような、飽き飽きしているような気持ちを抱えていた「私」は思い切って長期休暇制度を利用し、京都で暮らすことにする。清少納言は何を見て、何を感じて生きていたのか、知るために。 書はそんな「私」の1年、東日大震災などさまざまな予想

    『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ミア・カンキマキ(末延弘子・訳): 推しとの歳の差、1006歳 - トーキョーブックガール
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2022/02/01
    本屋で見かけてからずーっと気になっていた作品です!ブックガールさんが紹介してくださって、ますます読みたくなりました!
  • 白人として生きる黒人女性の話『Passing』(ネラ・ラーセン) - トーキョーブックガール

    ここ数週間、やたらと出版社さんのSNSでネラ・ラーセンのPassingを見かけるので、???と思っていたら、Netflix映画化されていたのだった。 www.netflix.com いい機会だから読んでみようと購入した原作も短めだし、映画も1時間半ちょっとと短めなので、さっと読んでさっと視聴したのだが、深い余韻の残る作品である。映画の方は女優レベッカ・ホール(『それでも恋するバルセロナ』のヴィッキー役など)の監督デビュー作。1920年代を舞台にした物語で、白黒で撮影されているのだが、その色調によって「白人のふりをする黒人」という問題が浮き上がってくるのはもちろん、ニューヨークの街の光と音の美しさが際立ち、なんとも印象的。 Passing (English Edition) 作者:Larsen, Nella Amazon こちらはNetflix版の装丁。 Passing: Official

    白人として生きる黒人女性の話『Passing』(ネラ・ラーセン) - トーキョーブックガール
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2021/12/23
    初めて知る本でした!紹介してくださってありがとうございます。本、映画ともにみてみようと思います!
  • 夏〜秋に読んだ世界文学 - トーキョーブックガール

    いつの間にか夏が終わり、9月1日からぐっと冷え込み、秋らしい秋を感じることのできないまま11月がやってきた。 我が家では9〜10月、コロナの影響で保育園休園、夫が不調でMRI(問題なしだった、よかった)、わたしは料理中に「彼女の体とその断片……薬指の標……」と思わず頭に浮かぶほどザックリと指を切ってしまい、愛犬の具合まで悪くなり2次病院や名医を探して東奔西走(結局病気の疑いは晴れ、投薬で回復)と、踏んだり蹴ったりだったけれど、こうして振り返ってみると大したことなくてよかった。家族みんな生きててまあまあ健康なら◎と、幸せのハードルがダダ下がりしたため毎日が楽しく、まさに怪我の功名です。コロナ以降初めての旅行もして、何も考えずにぼーっとすることの素晴らしさを噛み締めました。そんな数か月の間に読んだ世界文学を、連想順に。 Beautiful World, Where Are You / サリー

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  • Girlsplaining: A (Sorta) Memoir / Katja Klengel(Nika Knight訳) - トーキョーブックガール

    [Girlsplaining] どっぷりとはまってしまった自伝的グラフィックノベル。著者はドイツの方で、わたしが読んだのは英訳(原書は2018年、翻訳は2021年出版)。 Girlsplaining (English Edition) アーティスト:Klengel, Katja 作者:Klengel, Katja BOOM! - Archaia Amazon 1988年生まれ、ベルリン在住の29歳(当時)の著者が執筆した自伝的コミックで、ピンク基調のイラストがかわいく、「何を描こう? キャリー・ブラッドショーの『I couldn't help but wonder...』みたいなキャッチフレーズが必要かな?」という冒頭のコラムもチャーミング。 毛深いことに悩んでいた10代を振り返り、だれにもわたしをhair-shamingする権利などなかったと気づくエピソードや、性差別主義的な言葉を投げつ

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  • 夏に読んだ翻訳文学(WIT month) - トーキョーブックガール

    いよいよ8月も最終日。皆様はどんな読書の夏を過ごしましたか? わたしは実に4年ぶりに、読書に没頭できる夏休みを堪能しました。いろんな方との話をする機会もあり、readathonにも挑戦したりして、それはそれは楽しい夏でした! さらに8月はwomen in translation月間。ということで、こちらは最近読んで素晴らしいと感じた女性作家の作品(あるいは翻訳者が女性の作品)リスト。1か国1冊ずつ。4年間積みに積んだ「夏に読みたい」と、新刊です。半分くらいはInstagramにも投稿済み。 女性作家の作品 🇲🇽『赤い魚の夫婦』グアダルーペ・ネッテル(宇野和美訳) 🇺🇸『幸いなるハリー』イーディス・パールマン(古屋美登里訳) 🇮🇹『リラとわたし(ナポリの物語)』エレナ・フェッランテ(飯田亮介訳) 🇨🇦『THIS ONE SUMMER』マリコ・タマキ、ジリアン・タマキ(三

    夏に読んだ翻訳文学(WIT month) - トーキョーブックガール
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2021/09/02
    どの作品もとてもおもしろそう。知らなかった作品ばかり!
  • Tender is the Flesh / Agustina Bazterrica: ヒトがヒトを食べるようになった世界を描くディストピア小説 - トーキョーブックガール

    [Cadáver exquisito] アルゼンチンの牛肉は格別においしい、とよく聞く。パンパを走り回り、牧草をべて育つ牛の肉は締まっていて脂身が少なく、いわゆる肉らしい肉なのだと。牛肉消費量も年間285万トンで日の2倍*1、1人あたりの消費量はなんと日の6倍だ*2。 そんなアルゼンチンだからこそ生まれたのではないかと思うディストピア小説がCadáver exquisitoである。2020年にはTender is the FleshとしてPushkin Pressから英訳が出版された。 Tender is the Flesh: ‘A thrilling dystopia that everyone should read’ DAZED (English Edition) 作者:Bazterrica, Agustina Pushkin Press Amazon 原書はこちら。今回は英語

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  • 『中国が愛を知ったころ』張愛玲(濱田麻矢・訳) - トーキョーブックガール

    「沈香屑 第一炉香」、「中国が愛を知ったころ」、「同級生」からなる短編選。これでついに、日語に翻訳されている張愛玲はすべて読み終えてしまったことになる。この先どうやって生きていけばいいの……涙。 *装丁には、近道聡乃さんのイラストレーションが。 中国が愛を知ったころ――張愛玲短篇選 作者:張愛玲 岩波書店 Amazon 「沈香屑 第一炉香」はこのように始まる。 どうかお宅に伝わる、まだらに緑青が浮いた銅の香炉を出してきて、沈香を焚きながら戦前の香港の物語をお聞きください。その沈香が燃え尽きる頃、私の話も終わるでしょう。 翻訳は濱田麻矢さん。なんて優美で流麗な……温かみのある伽羅の香りがふわっと漂ってくるようで、その香りとともになぜか郷愁を誘う胡弓の音が聞こえ、昔の香港が目の前に立ち上がってくるような、そんな文章である。これに続く、香港の山の手の豪邸の描写も思わず息をのむほど美しい。 「沈

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  • エマ・ワトソンのブッククラブ「お題本」リスト【最終更新 2021-01-06】 - トーキョーブックガール

    何度か書いた、エマ・ワトソン主催のフェミニストブッククラブ"Our Shared Shelf*1"。Goodreads上のバーチャルブッククラブで、誰でも参加可能である。 お題は現在は2ヶ月に1冊発表されており、全て「女性」や「平等」をテーマにした面白いものばかりなので、リスト化してみた。日語訳されていないも多いがほとんどが読みやすく、英語での読書にもおすすめ。 [最新情報] 2020年より、エマ自身によって2ヶ月に1回発表されていた「お題」は廃止に。 Our Shared Shelfは"unmoderated"なブッククラブとなりました。 エマ・ワトソンによる告知は以下のとおり。 わたしも、Instagram主体でOur Shared Shelfの活動を続けたり、ウォッチしたりしようと思っています。 I will not be making the regular bi-mont

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  • ギラー賞 歴代の受賞作品 - トーキョーブックガール

    もともと別の記事にくっつけていたのですが、自分が探しにくかったので、こちらに。歴代の受賞作品は以下のとおり。意外と日語に訳されていない。 歴代の受賞作品(1994年〜2019年) 2021年: What Strange Paradise / オマル・エル=アッカド 2020年: How to Pronounce Knife / Souvankham Thammavongsa 2019年: Reproduction / Ian Williams(イアン・ウィリアムズ) 2018年: Washington Black / Esi Edugyan(エシー・エドゥージャン) 2017年: Bellvue Square / マイケル・レッドヒル 2016年: Do Not Say We Have Nothing / マドリン・ティエン 2015年: Fifteen Dogs / アンドレ・アレクシ

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  • 2021年 ブッカー賞ロングリスト - トーキョーブックガール

    *9月14日に発表されたショートリストはこちらから。 www.tokyobookgirl.com 7月27日(英国)、ブッカー賞が発表となった。ホームページ(下)ではChair of the 2021 Judgesを務めているマヤ・ジャサノフさんのコメント動画も閲覧できる。 The Booker Prize 2021 | The Booker Prizes 2019年は発売前のマーガレット・アトウッドの『誓願』がノミネートされていたけれど、今年も発売前のリチャード・パワーズの新作がロングリスト入り。ノミネート対象となるのはその年の9月末までに発売される作品なので、審査員の人たちはゲラも読んでいるのですよね。2012年の審査員だったDinah Birchは、7か月で145冊読んだとか。半年強で! 145冊! theconversation.com A Passage North / Anuk

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  • 『フィーメール・マン』とか『女の国の門』とか - トーキョーブックガール

    『フィーメール・マン / Female Man』ジョアナ・ラス(友枝康子訳) 数年前、『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだときに「あ、あれ再読しよう」と思い、先日ついに発売されたよしながふみ漫画『大奥』の最終巻を読んで「あ、今度こそあれ読もう」と思った『フィーメール・マン』をついに読んだ。 どうしてそう思ったかというと、 ・『キム・ジヨン』は主人公の女性の名前が「J」から始まる名前だったから ・『大奥』は、「疫病で男性がいなくなった世界」を描いていたから この2つは『フィーメール・マン』の大事なポイントでもある。 www.tokyobookgirl.com 初めて読んだのは大学生のときで、めちゃくちゃ難解だなと思った。大人になって社会経験も積んだ今なら、さらさら読めてしっかり理解できるだろうと期待しながら開いたが……やっぱり難解だった〜! *日語訳は、サンリオSF文庫で絶版になってい

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  • カズオ・イシグロが読んでいた本 - トーキョーブックガール

    そういえば数年前、「イシグロの次の小説SFだろうな」と思ったことがあったな、なんでだっけな……と考えていて、思い出した。イシグロが読んでいるに、テクノロジーについての作品があったのだった。The Guardianのお気に入り記事の1つに、作家が読んでいる(または夏に読みたい)を紹介するというものがあって、イシグロも何度か登場している。 インタビューでは2019年にはもう『クララとお日さま』をほとんど書き上げていたようなことを話していたし、関連性はないかもしれない、というか何百冊と読んでいるうちのほんの数冊なのだろうけれど、イシグロが『忘れられた巨人』執筆後に読んだと語っていたをまとめてみた。 カズオ・イシグロが読んでいた The Return: Fathers, Sons and the Land In Between / Hisham Matar 『マザリング・サンデー』グレア

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  • 2020年のWomen's Prize、ピューリッツァー賞、ギラー賞、全米図書賞 - トーキョーブックガール

    ひゃ〜、去年と同じことになっちゃった。全然書けなかったので、今年もまとめて、わたしが普段注目している英語文学関係の文学賞をふりかえります。 今年は全然休まずしゃかりき仕事して勉強して育児してきたので、12月は15日くらいから休んでやる!と思っていたのだが、クライアントに投げてから音沙汰がなく死んだと思い込んでいたプロジェクトが水面下で生きていたことが判明し、お祭りみたいにてんやわんやになっている今日この頃。いつも早々に用意するクリスマスプレゼントも、まだ夫の分しか買ってない。 12月は体調を崩しやすい月だから、みなさまも暖かくして、体調に気をつけて過ごしてくださいね。 2020年 Women's Prize for Fiction Hamnet / Maggie O'Farrell 2020年 ピューリッツァー賞 『ニッケル・ボーイズ』コルソン・ホワイトヘッド ファイナリスト: The D

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