本対談は2022年3月30日に収録されました。 『Voice』2022年6月号掲載の「米国のジレンマと『核三極体制』リスク」は本稿より抜粋・編集しています。 対プーチンに「出口」はあるか村野:まずはロシアによるウクライナ侵攻について伺います。当初ロシアは、短期間でキエフを制圧し、戦略目標を達成しようとする「電撃戦」――あるいは、中国が台湾侵攻の際に企図しているとされる「ショート・シャープ・ウォー」――を試みていましたが、どうやらこれには失敗し、こう着状態に陥っているように見えます。こうした現状を総合的にどのように評価されているでしょうか。またウクライナ情勢をめぐり、どのような点に注目されていますか。 クレピネビッチ:かつてアイゼンハワー大統領が「どんな戦争にもサプライズがある。ひとたび戦争に踏み切れば、何が起こるか予想できることなどない」と述べたことがありますが、ウクライナでも同様のことが