免疫のないブタを、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などの研究チームが開発した。免疫不全の実験動物にはマウスやラットがあるが、ヒトに近い大型動物で成功したのは世界で初めて。拒絶反応を起こさないため、ヒトの細胞を移植し、医薬品の効き目を調べたりするのに利用できると期待される。13日付の米科学誌セル・ステムセルに発表した。 チームは、ブタの胎児から採取した体細胞に、免疫の機能を失わせた遺伝子を導入。個体を再生する「体細胞クローン技術」を利用して、遺伝的に同じクローンブタ40頭を誕生させたところ、うち14頭が免疫に必須な胸腺のないブタになったことを確認した。免疫不全ブタは感染症に弱いために短命になるが、うち5頭に正常なブタの骨髄を移植し、3頭が1年2カ月〜1年9カ月生存している。 現在、免疫不全マウスなどにヒトの細胞や組織を移植し、白血病などを再現したり、新薬の候補物質の効き目を調べたりする研
浜松市が政令指定都市になった07年から市のマスコット兼福市長を務めてきた「ウナギイヌ」の退任式と、後継「出世大名家康くん」の就任式が30日、同市長室で行われた。 赤塚不二夫さんの人気漫画「天才バカボン」に登場するウナギイヌは、就任以来数々のイベントに登場。しかし年間105万円の著作権料がかかることなどから、市制100周年記念マスコットで「自前キャラ」の家康くんにバトンタッチすることになった。 鈴木康友市長がウナギイヌに感謝状、家康くんに福市長の委嘱書を授与。この後両キャラはぎこちなくもガッチリと握手して最後のツーショット。ユーモラスな仕草が周囲の笑いを誘った。【沢田均】
海面近くで漂うマンボウの群れ。体を横にしてひなたぼっこをしているようにも見える=関口圭子・国際基督教大研究員提供 マンボウがひなたぼっこをするように海面近くで漂いながら、コアホウドリに寄生虫を取ってもらう様子の撮影に北海道大などの研究チームが成功した。マンボウの生態は謎が多く、海鳥との共生関係を示す証拠として注目されている。 北大水産学部の練習船「おしょろ丸」に乗船していた同学部と国際基督教大の研究チームは10年7月2日、北太平洋北部(青森から東に約2000キロ)でマンボウの群れに遭遇した。いずれも体長40センチ程度の子供のマンボウで、少なくとも57匹確認。約1時間半も船の近くを漂っていた。 その間、数羽のコアホウドリ、クロアシアホウドリがマンボウをつつくような行動を取っていたが、マンボウは逃げることなく、海鳥が近づくと体を横にする姿も見られた。その様子を撮影した写真を拡大したところ、コア
1964年に建ち、老朽化した鶴岡市立加茂水族館(鶴岡市今泉大久保)の新築計画を進める市は、新水族館の基本設計図を公表した。屋上が緑化された3階建てで、らせん状に緩やかに下りながら展示を巡る形になっている。メーンは世界最大級という直径5メートルのクラゲの水槽。水槽にはミズクラゲの中でもカサの直径が30センチを超える巨大な個体を1万匹近く入れる計画で、こちらも世界最大級の壮観さとなる。 市の登録業者から水族館建設で実績のある6社を選び、うち技術提案した4社を対象にして今年2月に設計プロポーザルを行った結果、日本設計(東京)に決めた。日本設計が市に基本設計を提出した。 基本設計によると、延べ床面積は現水族館の約2倍の3636平方メートル。クラゲに特化した水族館だけに、クラゲを展示する水槽は現行の20立方メートルから147立方メートルと7倍超に拡大充実させる。魚の水槽も85立方メートルから119立
◇自由な個人の連帯こそ 3月の震災以降、しきりに連呼されるようになった言葉に「絆」がある。「3・11」「帰宅難民」「風評被害」「こだまでしょうか」といった震災関連の言葉とともに、今年の流行語大賞にも入賞を果たした。 確かに私たちは被災経験を通じて、絆の大切さを改めて思い知らされたはずだった。昨年は流行語大賞に「無縁社会」がノミネートされたことを考え合わせるなら、震災が人々のつながりを取り戻すきっかけになった、と希望的に考えてみたくもなる。 しかし、疑問もないわけではない。広辞苑によれば「絆」には「(1)馬・犬・鷹(たか)など、動物をつなぎとめる綱(2)断つにしのびない恩愛。離れがたい情実。ほだし。係累。繋縛(けいばく)」という二つの意味がある。 語源として(1)があり、そこから(2)の意味が派生したというのが通説のようだ。だから「絆」のもう一つの読みである「ほだし」になると、はっきり「人の
戦後落語界の風雲児として絶大な人気を誇った、立川談志(たてかわ・だんし<本名・松岡克由=まつおか・かつよし>)さんが21日、死去した。75歳。 東京都出身。小学生のころから寄席に通い、1952年、16歳で五代目柳家小さんに入門、小よしを名乗った。63年、五代目談志を襲名し真打ちに昇進した。
京都大生存圏研究所(京都府宇治市)の矢野浩之教授(生物材料学)は21日、カニの甲羅を透明にすることに成功したと発表した。熱に強く柔らかな材料として、有機ELディスプレーや太陽光発電の素材への応用が期待できるという。英国王立化学会の専門誌「ソフトマター」に掲載される。 カニの甲羅は、「キチン」という高分子の極めて細い繊維からできている。研究グループは、化学処理してたんぱく質などを除いた甲羅に、アクリルなどの樹脂を染み込ませると透明化することを発見した。 この原理を応用し、たんぱく質などを除いた甲羅を粉末にして紙でろ過し、樹脂を加えて透明シートを作製。シートはキチン繊維の効果で、元の樹脂より10倍も熱に強く、ディスプレー基板にも十分な強度があるという。ガラスと違ってロール状にもでき、加工も容易だ。 矢野教授は「カニやエビだけでなく、将来は植物繊維も利用できるだろう。バイオマス資源の可能性がさら
気象庁は27日、関東甲信と東海地方が梅雨入りしたとみられると発表した。ともに平年より12日早く、昨年より17日も早い。関東甲信は1951年の統計開始以降で、63年の5月6日に次ぐ2番目、東海は3番目(タイ)の早さという。 フィリピン東方海上で積乱雲の活動が活発化し、暖かく湿った空気が日本付近に流れ込みやすくなっていることが梅雨入りを早めた原因とみられるという。 日本付近は今後も、本州南岸に停滞する梅雨前線の影響で、30日ごろまで全国的に雨が降るところが多くなる見込み。猛烈な台風2号がフィリピンの東を北上しており、影響が出る恐れもある。 近畿地方以西は、九州北部を除き既に梅雨入りしている。【池田知広】
浜松市南区の自動車大手スズキの鈴木修会長兼社長は7日、浜岡原発の運転停止要請について「国の最高決定権者として正しかったのではないか。自分がもしそういう立場だったら、同じようなことをしたと思う」と述べ、菅直人首相の決定を支持した。一方で「国民に生活の様式をもっと質素なものに変えてくださいと強く要望すべきだったと思う」と注文を付けた。 また、運転停止による操業への影響は「仮定の問題には答えられない。大きな問題にならないよう、みんなが協力し合う生活をやっていくことだ」と語った。【沢田均】
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