ここには、刊行年度の古い本がズラリと並んでいる。これも中古本の選書リストの一部と思われるかもしれない。だが実は、これは多賀城市立図書館がツタヤ図書館としてリニューアルオープンする前、昨年4月に決裁された除籍(廃棄)本リストの一部分である。 この除籍リストをみると、ほとんどは雑誌のバックナンバーで、単行本の除籍は少ないが、その単行本には生活・実用書がズラリと並んでいる。 注目したいのは、いつ発行の本かだ。この除籍本の「受入日」(実質的には刊行年)をみると、1990年代もあるが大半は2000年代だ。前回記事で紹介した選書リストの料理本に数多くの90年代出版のタイトルが並んでいたのと比べたら、むしろ廃棄した本のほうが新しいくらいである。 市民の貴重な税金で購入する本が、廃棄した本より古いというのはどういうことなのか。これから購入しようとしている本のリストと、不要として廃棄した本のリストの見分けが
大阪府泉佐野市の小中学校図書室から、子どもたちの知らない間に「はだしのゲン」が消えていた。きっかけは作品の「差別的表現」を問題視した市長の意向だった。市長の価値観で教育行政が左右された事態を校長らは批判。市教委は20日に返す方針を示した。 「いかなる理由があっても、市教委が一方的に蔵書の閉架や回収を行うことは校長として違和感を禁じ得ず、到底受け入れられない」 市立小中学校の校長でつくる市立校長会は1月23日、強い調子で回収に抗議する文書を中藤辰洋教育長に手渡した。だが教育長は市長の意向を理由に「何らかの指導が必要」と譲らず、「閲覧記録を確認するなどして読んだ子を特定し、個別に指導できないか」と打診したという。 校長会はこれを拒否。「不適切な表現があるからといって一律に閲覧制限をするのは教育になじまない」「大量の蔵書から不適切な表現が含まれる作品を拾い出し、語句を逐一訂正指導するようなことは
松江市議会に「ゲン」の撤去を求める陳情をした自営業の男性(35)は21日、朝日新聞の取材に応じた。「市教委は、ぼくが(不採択となった陳情で)訴えた歴史認識の誤りではなく、描写を問題にしており、不満はある」「こんな漫画を義務教育の学校図書館に置くべきでなく、読みたければ自分で買って読めばいい」と持論を述べた。 男性は、昨年10月まで松江市に住み、いまは高知市在住。昨年11月には高知市議会と高知県議会にも「ゲン」撤去を求める陳情をしたという。松江市教委を数回訪れ、「ゲン」撤去を要求して職員と押し問答する様子を撮影した映像を動画投稿サイトにも投稿。自身の活動について「国益を損なう行為が許せない。日本人としてふつうのことをしているだけ」と述べた。 最新トップニュース
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