それは2004年に休刊したスキャンダル雑誌「噂の真相」に対する広告打ち切り事件だ。同誌で副編集長を務めていた川端幹人がこんな体験を証言する。 「当時、「噂の真相」は毎月一回、「週刊文春」に目次広告を出稿していたんですが、93年11月中旬、突然、広告掲載打ち切りを通達されたんです。広告を扱っていた代理店からの通達でしたが、理由を聞いても一切教えてくれない。それで、裏からいろいろ調べたら『噂の真相が批判している作家や文化人、さらには社の上層部からのクレームがあった』ということがわかった。結局、話し合いで翌々号の94年1月号まで出稿する事になったんですが……」 しかし、事態はこれだけで終わらなかった。最後となった「噂の真相」94年1月号の広告には、JR東日本批判を展開しながら圧力に屈した「週刊文春」を批判する「JR東日本に完全屈服した文藝春秋の敗北の裏!」という記事の見出しが掲載されていたのだが