猫の殺処分に心を痛めた愛知県豊橋市の少女の作文「78円の命」がインターネットなどで広がり、共感を呼んでいる。賛同した東京の若手アーティストらが作文を絵本やポスターにして、全国の子どもたちに命の大切さを伝えようと動きだした。 (小椋由紀子)
障害者差別解消法が四月から施行される。不当な差別を禁止し、必要な配慮をするよう義務づけていて、障害者政策を大転換する内容。しかし法成立から二年半たつのに、省庁の中には法律で義務づけられた指針を民間事業者に通知していないなど、政府の対応は遅れている。このまま事業者への周知が進まなければ、法律が現場で適用されず、障害者の要望が実現しない事態になりかねない。 (城島建治) 法律は二〇一三年六月に成立した。国の機関、地方自治体、民間事業者に対し、不当な差別的対応を禁止した上で、合理的な配慮(その場で可能な配慮)を義務づけた。法の趣旨を周知するには時間が必要との理由で、施行は約三年後になった。 合理的な配慮とは、例えば車いすを利用する人に建物入り口に段差スロープを設置すること。負担が過重にならない範囲で、障害者の要望に対応しないといけない。行政機関は法的義務、民間は一律に対応できないとして努力義務に
東京都日野市が、公用封筒に印刷された「日本国憲法の理念を守ろう」という文言を黒く塗りつぶし、市民らに発送していた。古い封筒を使う際、現行型のデザインに合わせるためだったと釈明したが、市民らから抗議など50件が相次ぎ、大坪冬彦市長が公式ホームページで「遺憾」と陳謝 東京都日野市が、公用封筒に印字された「日本国憲法の理念を守ろう」という文言を黒く塗りつぶし、市民らに七百~八百枚を発送していたことが分かった。市側は「封筒は古いデザインで、現行型に合わせるため」と釈明しているが、市民から抗議の声が寄せられ、大坪冬彦市長が市のホームページ(HP)で「誤った事務処理で市民の皆さまに誤解を与えた」と対応のまずさを認めた。 (加藤健太)
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について、政府は「国民の命を守るために必要だ」と繰り返している。他国領域で武力行使はできないとしながらも例外的に「中東・ホルムズ海峡での機雷掃海はできる」とする。これに対し、朝鮮戦争の最中に米軍の要請による機雷掃海の関連任務に携わった元自衛官は「ホルムズでの機雷掃海は日本の自衛とは関係ないのではないか」と疑問視している。 (荘加卓嗣) 「日本のためというより、『親会社』のような米軍に忠誠を示すためのどぶさらいのようだった」。朝鮮戦争の際、機雷掃海に関する任務に従事した信太(しだ)正道さん(88)=神奈川県逗子市=は当時を振り返る。 一九五〇年に朝鮮戦争が起きると、米軍は北朝鮮が朝鮮半島周辺海域に敷設した機雷の除去を日本に要請。政府は同年十~十二月、海上保安庁の掃海艇四十六隻と約千二百人からなる日本特別掃海隊を派遣したが、一隻が
ロックが若者の音楽だったのは過去のことで現在、その市場を支えているのは間違いなく中高年である。人生を季節にたとえれば、二十歳代は盛夏だろうが、日差しの強い季節を取り返したくて中高年はあの音楽と手を切れない▼一枚二万円近い海外アーティストのコンサートへ出かけ、昔のCDのリマスター盤を大量購入する。楽器店でフェンダー社製のギターを買おうかどうかで悩んでいるのは若者ではなく、人生を折り返した人たちである▼コンサートは観客にとって同窓会と同じでアーティストの健在ぶりを確認し、客同士がお互いの老いた姿を見て時の経過を思い、人生を振り返る▼ムーンライダーズのかしぶち哲郎さんが十七日亡くなった。六十三歳。一九七五年結成のライダーズは無期限休止中だが、解散はしていないので現存する日本最古のロックバンドの一つである。ずっと、追いかけてきた人もいるだろう▼二年前の休止コンサートで、リードボーカルの鈴木慶一さん
海上自衛隊最大の艦艇となるヘリコプター空母型護衛艦「いずも」(基準排水量一九、五〇〇トン)の命名・進水式が六日、横浜市内で行われた。再来年三月に引き渡され、海上作戦や災害派遣、海外活動に活用される。 平らな甲板、右寄りの艦橋を持つ外観は空母そっくり。就役中のヘリ空母型護衛艦「ひゅうが」型より一回り大きい。多目的艦を目指した結果、大型化したという。建造費はイージス護衛艦並みの一千二百億円。 政府は憲法の制約から「攻撃型空母」は保有できないとしているが、国際的には「ヘリコプター空母」に分類される「いずも」は戦闘機を搭載すれば「攻撃型空母」に変身する。海自は「戦闘機や垂直離着陸機オスプレイを搭載する予定はない」とし「空母ではなく、護衛艦」と主張する。 対潜水艦ヘリ七機を搭載し、ほかに大型ヘリ二機を搭載可能。他の艦艇に燃料を提供できる洋上補給機能もある。艦内には手術室と三十五病床があり、海外派遣や
【カイロ=石川保典】エジプトのモルシ政権が倒れた後、モルシ政権の実権を握っていた穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団のメンバーや支持者と誤解されないよう、イスラム教徒の証しとされるひげをそり落とす人が増えている。同胞団をめぐるエジプト社会の対立の根深さを象徴している。 古着屋が軒を連ねるカイロ市内のブラーク地区の理髪店。カーレンタル業ワリードさん(34)は六日夕、数センチあったひげをすっかりそった。同胞団のメンバーと勘違いされたのが理由だ。 長いひげをはやしていたワリードさんの友人も、バスの中で反モルシ派の乗客と口論になって「おまえのひげを切り落とす」と脅されたと聞き、そることに決めたという。この理髪店では三日間で十五人がひげを落とした。
東京都府中市西原町で十三日、二階建て民家(六十平方メートル)が全焼した火災。逃げ遅れた独り暮らしの高齢男性(97)を救ったのは、隣に住む鉄工業大川正雄さん(74)だった。約三年前に心臓バイパス手術を受け、医者から激しい運動を止められていた大川さん。「とにかく助けなければ」。無我夢中で煙の中に飛び込んだ末の「老老救助」だった。 (福田真悟) 自宅一階の居間のこたつに入り、お茶をすすってくつろいでいた同日午前十時五十分ごろ。窓の外いっぱいに煙が立ちこめていた。「隣のおじいちゃんは大丈夫か」。親類でもなく、日ごろからさほど付き合いもない。だが、この男性は耳が不自由だということを知っていたので、心配になった。 妻の愛子さん(66)に「消防車!」と指示しながら、家を飛び出し、男性宅へ。玄関のドアをたたいても、反応はなく、足で蹴破って開けた。室内は白煙が充満し、どこにいるのか分からない。しばらくすると
天皇陛下の記者会見の全文は次の通り。 ―1年を振り返って印象的な出来事を聞かせてください。 今年は2月に心臓の手術を受け、多くの人々に心配を掛けました。誕生日に当たり、当時記帳に訪れてくれた人々をはじめ、今も私の健康を気遣ってくれている多くの人々に対し感謝の気持ちを伝えたく思います。 東日本大震災から1年9カ月がたち、被災地に再び厳しい冬が巡ってきています。放射能汚染によりかつて住んでいた所に戻れない人々、雪の積もる仮設住宅で2度目の冬を過ごさなければならない人々など被災者のことが深く案じられます。震災時の死者行方不明者数は1万8千人余と報じられましたが、その後、2千人以上の震災関連の死者が生じたため、犠牲者は2万人を超えました。地震や津波を生き抜いた人々が厳しい生活環境下、医療などが十分に行き届かない状況の中で亡くなったことは誠にいたわしいことと感じています。また、被災地の復興には放射能
支柱から野球のボールが見つかった東京タワー。奥中央の増上寺境内にはタワー建設当時、資材置き場があったとされる=16日、東京都港区で、本社ヘリ「あさづる」から(坂本亜由理撮影) 東京タワー(三百三十三メートル、東京都港区芝公園)のてっぺんに近い支柱の中から見つかった古い軟式野球ボール。経緯は謎のままだが、タワーを運営する日本電波塔にこれまでに十五件の情報が電話やメールで寄せられた。このうち十件が「建設当時、近くの資材置き場周辺で野球をした」との情報だ。資材に紛れ込んだボールが高所に運び上げられたという説が有力? (井上幸一) 日本電波塔によると、一九五八年に完成したタワーの建築工事中、隣接する増上寺の境内に建築資材が置かれていた。十件の情報は、かつて野球少年だった六十~七十歳代の男性から。 「子どものころ、芝公園で野球をした。そばに資材が置いてあった」 「あの辺で野球をしたことがある」 「部
テレビを見ず、ゲームもせずに家族とだんらんする「ノーテレビ・ノーゲームデー」について、さいたま市の清水勇人市長は一日、「存在意識が薄れてきている」と述べ、自ら学校を回って実施を促す考えを示した。 同市教委は毎月二十三日をテレビもゲームもない日として、家族で話をしたり本を読んだりするよう呼び掛けている。市長は「市内の全小中学校に呼び掛けているのに、実施はおろか知らない人もいる」と現状を説明。市長は日常的に学校訪問を続けているが、この場で学校側に「きちんと実施するよう呼び掛けたい」と話した。 一方、今回の取材では、同市議会の中山欽哉議長にもインタビューした。議長は友人の紹介でフィリピンでボランティア活動をした経験を説明。ごみの山の中に家族が住み、子どもたちがごみを拾って食事のお金を稼いでいるのを見たという。日本に帰ってきて「自分に何ができるか」と考え、「希望や夢をかなえることができる仕事を」と
ボクシング漫画「あしたのジョー」ゆかりの東京都台東区が、主人公・矢吹丈に特別住民票の交付を計画したが、著作権者側の「『さすらい』のイメージに似合わない」との指摘で見送っていたことが分かった。 漫画の舞台は台東区山谷地区がモデルで、かつて実在した「泪(なみだ)橋」と同名の橋が登場する。区によると、山谷地区のいろは会商店街が今月七~九日に開催する「あしたのジョーのふるさと祭り」に合わせ、区は矢吹の特別住民票を、同商店街の青木照広理事長に交付する計画だった。 しかし今月初め、著作権者側が「矢吹に住民票は似合わないのでは」と指摘。さらに、矢吹の指導者・丹下段平への交付を提案したが、区は「主人公に交付したい」と今回は断念した。 商店街は来年夏、矢吹の銅像建立を計画しており、生沼正篤副区長は「建立に合わせて交付できるよう理解を得たい」と話している。 特別住民票は、自治体が地元ゆかりの架空の人物らに交付
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の真下を通り、室戸岬(高知県)に延びる長さ四百キロの巨大な活断層が存在する可能性があることが、鈴木康弘名古屋大教授(変動地形学)らの研究で分かった。中電は独自の調査結果で活断層の存在を否定しているが、東日本大震災を受け、専門家らは耐震評価の見直しを訴えている。 日本列島周辺の海底を調査した海上保安庁のデータを基に、鈴木教授と中田高広島大名誉教授らが二〇〇九年に詳細な海底地形図を作製し、研究を進めている。その結果、浜岡原発周辺の太平洋岸から室戸岬付近まで四百キロにわたり幅十~三十キロ、深さ三百~千メートルの海底のたわみ「撓曲(とうきょく)」を確認。「遠州灘撓曲帯」と名付けた。
神奈川県は11日、同県南足柄市で9日に採取した「足柄茶」の生葉から、暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。同県産の農産物が暫定基準値を超えたのは初めて。 県は南足柄市などに対し、今年産の茶の出荷自粛と自主回収を呼び掛けた。県によると、足柄茶の生葉は県内17市町村で生産しており、他市町村の生葉の検査も早急に進める。 県によると、南足柄市の生茶から1キログラム当たり550〜570ベクレル(基準値同500ベクレル)の放射性セシウムを検出。放射性ヨウ素は検出されなかった。今年収穫された足柄茶は、6日に出荷が始まったばかりだった。
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