2020年4月、藤井聡太は七段だった。 2021年4月、藤井は王位・棋聖の二冠王だった。 そして2022年4月、藤井は竜王・王位・叡王・王将・棋聖の五冠王で新年度を迎えた。 最初のタイトル戦は叡王戦五番勝負だ。藤井は3月9日にB級1組順位戦を戦って以来、1ヶ月以上も公式対局が入ってない。ライバルであり研究会仲間との永瀬拓矢王座とはオンラインで指しているが、対面での研究会は2年以上も行えていない。対面での真剣勝負からは遠ざかっている。 一方で竜王として免状の署名など、タイトルホルダーとしての仕事は山積みだ。調整はできているのか、と一抹の心配をしていた。 将棋界注目の第7期叡王戦五番勝負第1局は、4月28日に行われた。 挑戦者は藤井より7歳上の出口六段、27歳 挑戦者となったのは出口若武(わかむ)六段。年齢は藤井より7歳上、奨励会入会も5年先輩だが、棋士になったのは藤井が2年半早い。出口は兵庫