理化学研究所(理研)脳神経科学研究センターキャリア形成推進プログラムの前川素子上級研究員(同分子精神遺伝研究チーム研究員兼務)、分子精神遺伝研究チームの吉川武男チームリーダー、大西哲生副チームリーダーらの共同研究グループは、脂肪細胞型脂肪酸結合タンパク質FABP4[1]が自閉スペクトラム症[2](自閉症)のバイオマーカー[3]になり得る可能性を発見しました。 本研究成果は、自閉症の病態理解のためのバイオマーカー開発に向けた取り組みに貢献すると期待できます。 自閉症の詳しい病態を明らかにするために、自閉症の生物学的再分類[4]に役立つバイオマーカーの開発が望まれています。しかし今のところ、自閉症には臨床診断に役立つバイオマーカーが存在しません。 今回、共同研究グループは、定型発達児と自閉症児の血液サンプルを用いた解析により、低年齢の自閉症児では定型発達児と比較して血中のFABP4濃度が低いこ