ソ連崩壊後に到来した「日本ブーム」 アガニョーク誌は〇六年一三号で、日本ブランド人気について特集を組み、「現在のロシアで、『日本』という言葉は国の名称を離れて一つのブランドとして受け取られている。日本は文化的な手段によって広大な領域を獲得し、ロシア人の心を捉えた」と書いた。 ロシア人はソ連時代から、戦後の経済復興を果たした日本への好奇心が強かったが、閉鎖社会のためアクセスは限定された。史上初めて消費社会に入ったのを機に、空前の日本ブームが到来したのだ。 ただし、日本企業はまだ日本ブームを有効活用できていない。安価な偽ブランドの日本酒や梅酒、日本茶を製造し、ロシア市場で利益を挙げているのは中国企業である。 日本企業のロシア市場進出には、三つのプロセスがあった。ソ連崩壊前後、まずテレビやラジカセなど日本の電化製品が流入し、受け入れられた。第二段階は二〇〇〇年代初期からで、日本車が飛ぶように売れ