米マサチューセッツ州にある天然ガスのパイプライン。同様のパイプラインが米国内に張り巡らされている。新たな研究によって、パイプラインが社会的に脆弱な地域に集中していることがわかった。(PHOTOGRAPH BY JESSICA RINALDI, THE BOSTON GLOBE/GETTY IMAGES) 米南東部ノースカロライナ州に「アトランティック・コースト・パイプライン」の敷設計画があると聞いたときのことをライアン・エマニュエル氏はよく覚えている。建設予定地は、氏が属するネイティブアメリカンのラムビー族が多く住む地域だった。 この地域には、天然ガスの圧縮ステーションや他の大型パイプラインなど、化石燃料のインフラがすでに数多く存在していた。それなのに、なぜこれ以上の設備が建設されようとしているのかと、エマニュエル氏はいぶかった。この地に暮らす3万人の先住民にとって公平でも安全でもないので