国勢調査によれば、日本には2000年まで468万人の「営業職」がいた。ところが2015年までに336万人に減った。営業マンはどこへ消えたのか。統計データ分析家の本川裕氏は「ITによる流通の構造変化により、事務職に取って代わられたようだ」という——。 本稿は、本川裕『なぜ、男性は突然、草食化したのか』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。 躍進する職業は時代を反映「工業化・ハイテク化で伸びた職種は?」 ネット社会化は、通信費の負担増大ばかりでなく人々の雇用や職業の構造についても影響を及ぼしつつある。ここでは、まず、その実態に関わるナゾに迫ってみよう。 図表1は、国勢調査の行われた5年おきに、就業者数の増加率がトップ、および2番目の中分類の職業を列挙したものである。 高度成長期の1960年代後半までは、工業化が著しく進み、それとともに企業社会が大きく成長した時代であり、職業的には、