国内で発見例がない、球状の歯が生えた海生爬虫(はちゅう)類の化石が、宮城県気仙沼市本吉町にある中生代初期で三畳紀前期(約2億5000万年前)の地層から見つかったと、東京都市大の中島保寿准教授(古生物学)が発表した。三畳紀前期の海の生態系を解明する貴重な手掛かりとして注目される。 中島准教授が8日に東京であった日本古生物学会で発表した。2016年に東京大の学生が本吉町大沢の海岸で発見。19年夏に持ち込まれた化石を中島准教授が調べた。 縦10センチ、横12センチほどの岩に骨の破片のようなものが集まっていた。特徴的な黒い球状の歯から、中島准教授が海生爬虫類と推測した。貝や甲殻類の殻などをかみ砕くために歯が丸くなっているという。 中島准教授によると、三畳紀前期の地層で、同じような球状の歯を持つ海生爬虫類の化石が見つかったのは米国やノルウェーに限られており、国内だけではなくアジアでも発見例がない。エ