昭和天皇の実像に迫る第一級の資料を、手に取って読めるようになります。 初代宮内庁長官が戦後占領期などの5年近くにわたる昭和天皇との対話を詳細に書き残した『拝謁記』が、今年12月から順次公刊されることがわかりました。 『拝謁記』は、戦後の日本国憲法のもとで昭和23年から5年半にわたり宮内庁やその前身の宮内府のトップを務めた田島道治が、手帳やノートあわせて18冊に在任中の600回余りの昭和天皇との対話を詳細に書き留めたもので、長年極秘に保管されたあと、おととし夏に内容が明らかにされ、大きな反響を呼びました。 『拝謁記』によって、昭和天皇が ▽敗戦後の退位を巡る問題が決着したとされる東京裁判の後にも、退位の可能性に言及していたことや、 ▽独立回復後の安全保障が現実的な課題となる中で、戦前のような軍隊を否定しつつも、再軍備やそれに伴う憲法改正の必要性に繰り返し言及していたことが初めて明らかになりま