ハリガネムシの幼生はコオロギの体内に侵入し、そこで成長する。交尾には水が必要になるため、ハリガネムシはコオロギの脳を操って川に飛び込ませる。こうしてコオロギはそこにすむ魚にとっての重要な食料となる。(PHOTOGRAPH BY ANAND VARMA, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 子どものころから海洋生物学者になることを夢見ていたチェルシー・ウッド氏は、サメやイルカの研究にいそしんでいた。ところが大学のインターンの最中、なぜか巻き貝の内臓を顕微鏡でのぞくことになった。 巻き貝はなじみのある生物だった。幼いころには、海辺の岩にへばりついているものを引きはがしてバケツに入れ、はい回るのを眺めたものだ。ただし、その中身を見たことは一度もなかった。殻を割って柔らかい部分を取り出し、顕微鏡で拡大すると、「大量の小さなソーセージ状のものが中からわらわらと出てきました」と、ウッド