「自分はひとりの人間であり、無感情でも冷徹でもない」とSNSでアピールする企業の経営者たちが増えている。好意的な意見もあるが、「自分も話したくないことを明かさないといけないのでは」とプレッシャーを感じている従業員も多い。 いったい、どれだけ「さらけだす」のがちょうど良いのだろうか──米紙「ニューヨーク・タイムズ」が考察する。 海外の経営者が学ぶスキルが変化している フィンテック企業サークルアップの共同創業者で、CEOを務めていたライアン・カルドベック(43)は、従業員45人のおよそ15%を解雇した際に、こらえきれずに泣き崩れた。彼はいま、従業員に対して自分の感情をもっと率直に伝えていると話す。と同時に、企業幹部として胸の内や悩みを必要以上にさらけ出さないよう、バランスをとるのに苦慮することもある。 「以前は、会議で週末の話などについて雑談しながら、『妻と大喧嘩しちゃってね』なんて漏らしたり