*Twitterの下書きに溜めた思いつきが下書きから溢れたため、こちらに投稿した。あまりまとまってはいない。最後の方は個人的な感傷しかない。あらかじめご留意ください。読みごたえのある論が読みたい既読者は「この世界の中で、この世界を超えて――伴名練とSF的想像力の帰趨 - “文学少女”と名前のない著者」を読みに行くべき。 以下にネタバレはないはず。 1. 通して読んだ感想 こうして短編集でまとめて一気に読むと、世界や世の趨勢のような大きなものに対する、伴名作品の登場人物たちの対抗手段は「仕組みを理解してフェアに利用すること」なのだなと思った。舞台設定のルールは逸脱しない。そういえば伴名練は、改変世界、SF的アイディアによって変わった社会を書くのを得意としている作家だった。 この『なめらかな世界と、その敵』がどんな本かと聞かれたら「SFが大好きな、優秀なSF職人の仕事が見られます。研鑽の成果が