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河合薫の検索結果1 - 40 件 / 73件

河合薫に関するエントリは73件あります。 社会労働生活 などが関連タグです。 人気エントリには 『「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感』などがあります。
  • 「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感

    書こうか書くまいか散々悩んだ結果、やはり書こうと思う。 なぜ、悩んだのか? 一つには、何から書いていいか分からないほど、「絶望」に近い感情を抱いたこと。そして、もう一つは、どうしたら伝えたいことが伝わるか、最善の方法が見つからなかったからだ。 が、今書いておかないと後悔しそうなので、書きます。 テーマは「人さまに迷惑をかけるな!」といったところだろうか。 まずは、遡ること14年前に起きた、忘れることのできない“ある事件”からお話しする。 2006年2月1日、京都市伏見区の河川敷で、認知症を患う母親(当時86歳)を1人で介護していた男性(当時54歳)が、母親の首を絞めて殺害した。自分も包丁で首を切り、自殺を図ったが、通行人に発見され、未遂に終わった。 男性は両親と3人で暮らしていたが、1995年に父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる。一方、男性は98年にリストラで仕事

      「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感
    • 9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ

      先日、講演会後の懇親会で、管理職が20代の社員たちの日本語能力に悩まされているという話で盛り上がった。 「9時スタートの研修会なのに1分前にドサドサと入ってきて、5分、10分の遅刻は当たり前。なので『9時10分前には集合するように』と言ったら、キョトンとした顔をされてしまって。ま、まさかと思いつつ『8時50分に来るのよ』と念押ししたんです。そしたら、『あ、そういうこと』って。もう、わけが分かりません」 こんな“珍事件”に面食らった上司たちの嘆きが、「これでもか!」というくらい飛び出したのである。 確かに、私自身、店で領収書をもらおうとしたときに、「???」という事態に何度か出くわしたことがある。 【ケース1】 河合「領収書をお願いします」 店員「宛名はどうしますか?」 河合「上、でいいです」 店員「うえで、ですね!」←自信満々感満載 河合「……は、はい」 するとなんとその店員は宛名の部分に

        9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ
      • 「氷河期世代」25年間で年収195万円減 退職課税見直しで続く無間地獄(河合薫) - エキスパート - Yahoo!ニュース

        いったいどこまでこの国は、愚策のツケを“氷河期世代”に払わせるつもりなのか。 政府は16日、今年の「骨太の方針」を決定し、退職一時金課税制度を見直し、労働移動を促すことが盛り込まれた。企業があの手この手で講じてきた“45歳過ぎたらお引き取り願いたい策”に加え、国が「会社に長くいてもいいことな~にもないから。次行こっ! 次!」という増税策に踏み切ったわけだ。 退職所得課税に白羽の矢がたったのは、リストラの嵐が吹き荒れた1990年代初頭だ。「退職所得課税って、経済復活の邪魔になるんじゃね?」という経済成長の阻害要因説が指摘され、その後は賃金の高いシニア世代をなんとしてでも切りたい大御所たちが、「優遇措置があるから転職しない」だの、「優遇措置があるから会社にしがみつく輩が増える」だの、「雇用の流動化の邪魔」だの難癖をつけ続けた。 そして今回、岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」と「どうにかして

          「氷河期世代」25年間で年収195万円減 退職課税見直しで続く無間地獄(河合薫) - エキスパート - Yahoo!ニュース
        • 「課長にすらなれない」──絶望する40代社員が増えるワケ

          私が入社した時は、40歳ぐらいでみんな課長になっていました。ところが、だんだんと景色がかわってきた。課長になれず、係長止まりの人がたくさん出てきたんです。係長っていっても、中身はヒラとほとんど一緒。給料も変わらないし、仕事内容もほとんど同じ。唯一の違いは、まわりより年上ってことくらいです。 私も係長ですが、コロナ禍前までは「うまくいけば課長になれるかもしれない」と思っていました。でも、今は絶望しかない。事業再編でポストが激減し、若手の抜擢(ばってき)にも注力しはじめ、40代の私は万年係長がほぼ決定です。 この先、給料も上がらず、“意識高い系”の年下の元で働かなきゃならない。転職といっても、私くらいの年齢で肩書きがないと、書類すら通らない。 河合さん(筆者)はよく、役職定年のおじさん会社の悲哀を記事に書いているじゃないですか。私のような役職にもつけない40歳はこの先、どうやって生きていけばい

            「課長にすらなれない」──絶望する40代社員が増えるワケ
          • 退職か、働かないおじさん化か──50代社員を“用済み”扱いする社会のひずみ

            退職か、働かないおじさん化か──50代社員を“用済み”扱いする社会のひずみ:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ) 今回はまず、大手企業に勤める大和さん(50代男性)の話をお読みください。 うちの会社は52歳になるとセカンドキャリア研修を受けさせられます。通称“肩たたき研修“です。研修のことは、先輩からも聞いていたので「まぁ、仕方ないなぁ」と考えていました。 ところが、それだけで終わりませんでした。そのあと上司との面談があって、早期退職に希望するかどうかを聞かれたんです。これはさすがにショックでした。というか、怒りを感じました。 つい先日までかなり多忙で、会社からの期待も受け、順調に過ごしていたんです。なのに突然、別セクションに異動を命じられ「早期退職するという選択もあるけど……」って。つまり、私は用済み、と言われたんです。怒りに任せて、早期退職に応募します、と言いそうにな

              退職か、働かないおじさん化か──50代社員を“用済み”扱いする社会のひずみ
            • 「50代のおじさんなら叩いてもいい」と考える日本社会の歪み | 文春オンライン

              世間で流布する「働かないおじさん」という言葉。こうした流行り言葉は、ときに当事者たちに“多大な悪影響”を招くことをご存知だろうか? 50代おじさんたちが立たされている窮地、そして過剰な「働かないおじさん」報道の問題を、健康社会学者の河合薫氏の新刊『50歳の壁 誰にも言えない本音』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む) 働かないおじさんは「呪いの言葉」 「働かないおじさん」という世間に流布する言葉は、ただの言葉ではありません。人の内面に入り込み、周りに伝染させる威力を持つ、「呪いの言葉」です。 「あれこれ試してみたんですが、ダメですね。っていうか、客観的に見ると、私も何もしていないと思われているんじゃないかって。私がここにいること自体がお荷物なのか? 周りとか関係ないと思えば思うほど、気になってしまうんです」 こう切り出したのは、某大手企業に勤めていた白木さん(仮名

                「50代のおじさんなら叩いてもいい」と考える日本社会の歪み | 文春オンライン
              • 菅首相、言葉なき「しどろもどろ会見」で広がる絶望

                この問題には触れないでおこうと思っていた。が、100日のハネムーン期間をすぎてもなお、目に余り、少々耐え難いので、今回取り上げようと思う。 テーマは「自分の言葉で話すことができないリーダー」についてだ。 私は常々、「リーダーの言葉」の重要性を訴えてきた。 ところが、どういうわけかこの国のリーダーたちは“言葉”を持っていない。 はい、そうです。現在の“リーダー”菅義偉首相もその1人で、とにもかくにも「言葉のなさ」にがっかりされっぱなしなのだ。 リーダーの武器は「言葉の力」のはず… 国会では、常に原稿を棒読みし、ぶら下がり取材でさえ原稿を読み上げる始末だ。数日前から前を向いて話すようになったが、そこに「自分の言葉」はない。 「もともと、言葉ではなく行動で示すタイプ」だの、「新型コロナウイルス対策については、担当大臣が頻繁に会見しているので、自分がわざわざ目立たなくてもいいと考えている」だの首相

                  菅首相、言葉なき「しどろもどろ会見」で広がる絶望
                • 「米すら買えない」ひとり親に罵詈雑言 底意地の悪さが生む日本の貧困

                  想像力の欠如なのか? 数年前に横行した生活保護たたきと同じなのか? 「お米が買えない」という調査結果の報道に対するSNS(交流サイト)の反応に、何とも言葉にし難い嫌な気分になった。 異論・反論・疑義が相次いだのは、全国のひとり親家庭を支援する団体でつくる「シングルマザーサポート団体全国協議会」の調査結果だ。 「黙れ!」「嘘つき!」といった声 協議会所属の団体が支援しているひとり親約2800人を対象に、「生活必需品の物価高が、ひとり親家庭の生活に与える影響」に関するインターネット調査を実施したところ、お米などの主食を買えない経験があった人が半分以上いたことが分かった。 この結果を共同通信などが、「ひとり親、米を買えず5割超 物価高で、支援団体が調査」との見出しで報じたところ、瞬く間にSNSで拡散され、「そんなことあるわけない」という意見がSNSに飛び交ったのである。 「浅はかな記事。マスコミ

                    「米すら買えない」ひとり親に罵詈雑言 底意地の悪さが生む日本の貧困
                  • 黒人差別問題から省みる日本人の「普通」地獄

                    今回は感情の赴くままに書く。なので、読んだ方も感情の赴くままに考えて欲しい。 「まず、俺は誰も責める気はない。文句を言うつもりもない。これが差別だとかどうとかそんなの本当にどうでもいい話」 これは6月15日に、東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手が「自分のものすごく嫌だった過去」を、ツイッターでさらけだした際に、冒頭に書かれていた言葉だ。 オコエ選手が「周りと違うと初めて認識させられた」のは、保育園で先生が「みにくいアヒルの子」を読んでくれたときの周りの子供たちのまなざしだった。うつむき耳をふさぎ、孤独を感じたオコエ選手は、その後も“心が無くなる瞬間”をたびたび経験する。 「親の似顔絵を書くとき、顔は肌色で描きなさいと言われた」 「おまえの家で虫とか食うんだろうと罵られた」 「甲子園に黒人は出るなとか聞こえてきた」……etc.etc 「ここから飛び降りて生まれ変わって、普通の日本人

                      黒人差別問題から省みる日本人の「普通」地獄
                    • 「50代より働かないZ世代」の光と闇 遅刻のお詫びは絵文字のLINE

                      今回は少々取り上げにくいテーマについて、あれこれ考えてみる。 と、決めたものの、さて、どうやって書き進めよう。このテーマはセンシティブな問題をはらんでいるので、いつも以上に文章の構成が決まらない。 ……とにかく、筆が進むままに書いてみるので、最後までお付き合いをよろしくお願いします。 まずは、某企業に勤める部長職である男性の“Z世代”への不平不満から。はい、何かと話題のZ世代です(※Z世代に厳密な定義はないが、一般的には1990年中ごろ~2010年生まれを指す)。 「ご指摘、ありがとうございます!」と絵文字付きLINE 「働かないおじさんってよくいいますけど、実際には働かないZ世代のほうが問題だと思うんですよ。だいたいの人が、心の中ではそう思っているのに、口に出せない。そういう“圧”みたいなのがあるじゃないですか。 今、メディアは、やたらとZ世代、Z世代って持ち上げて、“若い人の意見を聞こ

                        「50代より働かないZ世代」の光と闇 遅刻のお詫びは絵文字のLINE
                      • 増える「50代おじさん起業」と稼げない現実の過酷さ

                        50代の“会社員”がざわついている。 とうとう尻に火がついた、と表現したほうが正確かもしれない。 連日、名だたる企業の「過去最悪の赤字額」が発表され、上場企業の希望退職募集人数も1万人を突破(東京商工リサーチ2020年9月15日集計)。コロナ前から急増していた「黒字のうちに辞めてもらっちゃお!」派に、「もう無理なんでひとつよろしく!」派の赤字企業が加わり、それまで「とりあえず定年まで様子見」だった人たちが、「今変わらなくて、いつ変わる!?」とざわついているのだ。 「コロナで在宅勤務を経験して、自分が社畜だったと気づいてしまってね。コロナ前はそんなこと思ったことなかったし、社畜という言葉に嫌悪感もありました。だって、会社員なんですよ。会社で一生懸命仕事しないで、どうしろっていうんだと。 でも、他の生き方もあるんじゃないかって、独立を考えるようになりました。 長年社畜をやってきた人間が独立だな

                          増える「50代おじさん起業」と稼げない現実の過酷さ
                        • ハローワーク職員がワーキングプア? 年収200万円公務員の実態

                          私は講演会に呼ばれたときに、担当者の方に必ず聞くことがある。 企業の場合は「女性の役員は何人くらい、いらっしゃるんですか?」、地方自治体の場合は「これからは地方地自体が色々と頑張らなきゃいけない時代ですね」といった具合だ。 ん? 質問のトーンが違うじゃないかって? はい。そうです。後者は質問とは言い難い、が、これでいいのです。 常勤公務員の「枠の外」にある存在 「女性活用」というワードはほぼ完全に企業にも浸透しているので、大抵の場合、この質問から“その企業が直面している問題”に話は転がっていく。 一方、地方自治体では、高齢者や児童に関する相談への対応など住民に寄り添う仕事が増えているので、「いや~、実は……」という具合にさまざまな話題に広がるのだ。 そこで決まって登場するのが、「非正規公務員」問題だ。 非正規公務員とは、「常勤公務員」の枠外で任用されている「非常勤の公務員」のこと。行政のス

                            ハローワーク職員がワーキングプア? 年収200万円公務員の実態
                          • 女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩

                            「夢は35歳で、世帯年収3000万円になることなんです! だから、大企業にしか就活してません」 目をキラキラさせて“夢”を語るのは、現在、就活中の女子大学生だ。 世帯年収3000万円って? 共働きで稼いでも1人当たり1500万円の年収が必要になる。30代そこそこでそんな給料をくれるなんて、大企業の中でも限られていると思うのだが……。 リソース格差が世代を超えてつながっていく 学生「結構ありますよ~。IT(情報技術)系とか外資系とか」←断言! 河合「でも、倍率高いでしょ?」 学生「どうですかね~。でもやっぱり、人並みの生活したいですし~」←楽観 河合「ひ、人並みねぇ……。もし、大企業入れなかったら? 給料高い中小企業とか?」 学生「中小企業……(笑)。入れなかったら好きなことやります!」←自信たっぷり 河合「す、好きなこと。つまり、フリーランスとか、起業とか?」 学生「ですかね~。はい、好き

                              女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩
                            • 上がらぬ賃金と「雇用維持」というまやかし

                              「雇用を維持するためには~」「雇用維持が一番大事~」「雇用維持ができなくなる~」etc.etc.。この数日間、タコを通り過ぎて耳にイカができるほど、「雇用維持」という言葉を聞かされている。 そう。最低賃金を巡る長時間の攻防である。 労働組合側が賃上げの継続を求めたのに対し、経営者側は凍結を主張。33時間に及ぶ協議の結果、2020年度の最低賃金は、事実上据え置きで決着した。 報道によると、小委員会に参考資料として提出された経済指標は、景気の落ち込みを示す内容だらけだったが、6月の賃金改定状況調査の結果は、前年同月比1.2%上昇していたという。日本労働組合総連合会の神津里季生会長は「上がっているじゃないか!」と声をあげるも、経営側が歩み寄ることはなかった。 もっとも、4月9日の時点で日本商工会議所が、「最低賃金は4年連続で3%台の大幅引き上げが続き、賃金引き上げを余儀なくされた企業は4割超(1

                                上がらぬ賃金と「雇用維持」というまやかし
                              • 定年延長やめときゃ良かった 契約破りの末路

                                もうかれこれ15年ほど前になるだろうか。 インタビューをする度に、「コーチばかりがベンチに陣取ってる感じ」だの、「口だけ番長だらけで、いやになる」だの、「社員全員の会議の後、管理職会議があるのだけど、ほぼ同じメンバーで、笑うに笑えない」だのという話を聞かされてきた。「いつまで私はペーペー扱いされるんだ」と、会社の高齢化を嘆く30代が山ほどいたのだ。 やがて、その高齢化対策の一環として、役職定年制度が一般化し、希望退職という名のリストラが横行し、“口だけ番長”たちは“群衆の中で息を潜める働かないおじさん”になった。その一方で、「なんか違う」と辞めてしまう若者に手をこまねいていたら、社内の平均年齢だけがどんどん上がり、「シニア社員をなんとかしないと、会社が存続できない!」と危機感を抱く企業が少しずつ増えた。 現場を任せられるのは誰? 本音では(シニア社員には)「できればお引き取り願いたい」。が

                                  定年延長やめときゃ良かった 契約破りの末路
                                • のど元過ぎれば差別、非正規、低賃金も忘れるの愚

                                  どうやら早くも明るい兆しが見えてきた、らしい。 緊急事態宣言後に暴落した日経平均株価は、わずかひと月で回復し、乱高下を繰り返しながらも全体的には上昇基調をたどっている。また、内閣府が8日に発表した5月の景気ウオッチャー調査(街角景気)では、過去最低水準を付けた4月からは大幅に持ち直した。 結果報告書によると基調判断を、前の月の「新型コロナの影響により、極めて厳しい状況にある中で、さらに悪化している」から、「新型コロナの影響により、極めて厳しい状況にあるものの、悪化に歯止めがかかりつつある」に上方修正したという。 3~4月の段階では多くの専門家たちが、「リーマン・ショックより厳しいし、長引く。経済の回復にはかなりの長期化が予想される」と指摘し、感染拡大防止策の最中には「命か経済か」という言葉が繰り返された。なので“明るい兆し”が見えてきたなら、よかった。期待も込めて。うん、ホントに良かった、

                                    のど元過ぎれば差別、非正規、低賃金も忘れるの愚
                                  • 50歳男性の生涯未婚率が爆増 非正規はついに6割超え、健康も悪化

                                    「マジ?!」 ……あまりの衝撃に、朝っぱらから悲鳴を上げてしまった。 なんと「非正規で働く男性の50歳のときの未婚率(生涯未婚率)が、2020年の国勢調査で6割に達したことが分かった」という(日本経済新聞6月8日朝刊「生涯未婚」非正規男性の6割 将来への不安根強く)。 天と地がひっくり返らないと…… ご承知のとおり、生涯未婚率は増え続けている。 1960年代までは2%程度で推移していたが、その後は上昇に転じ、1990年には男性が5%を超え、2000年には女性も5%に突入した。以前は男女とも足並みがそろっていたのに、男性未婚率の爆増ぶりは著しく、20年の国勢調査で男性28.3%(前回24.8%)と3人に1人に。が、同じ男性でも正社員か? 非正規か? で、結婚しない・できない率が全く異なる。 雇用形態別に分析すると、非正規雇用の未婚率が圧倒的に高いのだ。……という事実は、私自身、これまで何度も

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                                    • 「ゾンビ企業は淘汰せよ!」の虚構と経営者の意地

                                      今回は「経営者の意地」について、あれこれ考えてみようと思う。 まずは、ある小企業の社長さんのお話からお聞きください。 「今まで経験したことがないくらい、経営は厳しいですよ。しかも、今回は先が見えないから余計にしんどい。でもね、会社をやるってことはそんなこと承知の上でやってるわけです。いいときもあれば悪いときもある。会社を経営する以上、雇用を守ることは経営者の使命です。だから、国の持続化給付金や雇用調整助成金はありがたい制度だし、色々な問題はあったにせよ、中小企業に対して(助成額を)手厚くしてくれたのは、国が中小企業を守ろうとしてくれている姿勢の表れの一つなんじゃないでしょうか。 ただね、解せないのは、そういったやり方を批判する人たちがものすごくいるってことです。 『時代に合わない企業はさっさと潰した方がいい』なんて、あけすけなことを言う学者先生もいるでしょ。あれは……ずいぶんですよね。 だ

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                                      • コスト削減のいつか来た道「ジョブ型」雇用の危うさ

                                        新型コロナ感染防止策で、いつも以上に“勝手にひとり在宅勤務”が4月以降続いていたのだが、少しずつ外の方たちとリアルにお会いする仕事が入るようになった。 社長さんとの対談や鼎談(ていだん)、リモート講演会やセミナー、会社の役員さんたちとの意見交換会などなど、年齢や職種、企業規模はバラバラだが、久しぶりに会う皆さまの関心は、もっぱらこれからの働き方、働かせ方だった。 今風の言い方をすると、“アフターコロナ”における“ニューノーマル”といったところだろうか。 が、何か以前と違う。 なぜかこの数日間お会いした方たちから紡がれる言葉には、生臭さがなかった。これまで現場の人たちの言葉には、独特の温度があり、あまりのドロドロした粘っこさに、「人間って……大変」とため息をついたものだった。ところが、今回はどの会合でもそれが全くといっていいほど無い。 アフターコロナという、いつの、どこの、どういう手触りかも

                                          コスト削減のいつか来た道「ジョブ型」雇用の危うさ
                                        • 働きがい問われる年、シニアのリストラが若者にも悪影響

                                          2020年が到来してしまった。 新年早々「しまったとは何事だ!」と怒られそうだが、2013年にIOC(国際オリンピック委員会)のジャック・ロゲ氏が「TOKYO 2020」と書かれたフリップを掲げたのが、ついこの間のようで。「まだまだ先」が「今」となり、少々戸惑っている。 しかも、2020年はこれまで何度も書いてきた通り、あちこちが「50代以上だらけ」になる未曽有の中高年があふれる時代の到来だ。 大人(20歳以上)の「10人に6人」が50代以上で、40代以上に広げると「10人に8人」というリアルがどんなものなのか? 私には皆目見当がつかないのだが、色々な意味でかなり深刻な問題が生じることは間違いないだろう(参考コラム「現実、企業は50歳以上を“使う”しかないのだ」)。 もっとも一番の心配は、社会や企業がこの超少子高齢化社会にリアリティーを持てていないのではないか?ということ。本気で中高年が社

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                                          • 宗男氏長女を襲った「望まない孤独」と対策への使命感

                                            「望まない孤独」が注目されている。 人間は独りで生まれ独りで死ぬ。つかの間の孤独感は日常にあふれている。よって、つい私たちは「それも人生」と受け入れてしまいがちだ。だが「孤独」と「つながり」はコインの表と裏ではない。両者が矛盾なく、同時に成り立っている状態こそが精神的にも身体的にも社会的にも健康な状態である。 ところが、人とつながりたいのにつながることができない。「助けて!」と言いたいのに言うことができない。言える人もいない。そんな孤立した状態に置かれ、生きる力を奪われる人たち、特に若い人が以前にも増して顕在化している。 珍しく迅速な対応をした政府 そこで政府は、坂本哲志内閣府特命担当大臣(少子化対策、地方創生)に「孤独・孤立対策」を兼務することを指示。さらに、3月末の決定を目指す「子供・若者育成支援推進大綱」の改定案で、「孤独や孤立問題への対応を強化する方針」を明記した上で、増加する自殺

                                              宗男氏長女を襲った「望まない孤独」と対策への使命感
                                            • 河合薫 なぜ日本の「ジジイの壁」はこれほど強固なのか

                                              この記事の3つのポイント 保身に権力を使う人が「ジジイの壁」を築く 意思決定層と現場の乖離(かいり)が拡大 海外では「ジジイの壁」はできにくい コンプライアンスの徹底により、労働環境が大きく変化した日本。しかし、信じがたい企業不祥事がニュースをにぎわせることも……。不祥事の一因には、意思決定層と現場の間に立ちはだかる「ジジイの壁」が関係しているかもしれません。

                                                河合薫 なぜ日本の「ジジイの壁」はこれほど強固なのか
                                              • 大企業との賃金格差22年で3倍超 見捨てられる中小とこそくな買いたたき

                                                  大企業との賃金格差22年で3倍超 見捨てられる中小とこそくな買いたたき
                                                • 豊田自動織機が堕ちた「加速のわな」 増殖する何もしない社員たち

                                                  このところ雑誌や新聞の取材、ラジオや音声メディア「Voicy」への出演やら何やらで、メディアに関わる人たちと会う機会が続いた。彼ら、彼女らは共通して、政治家の裏金や企業の不正への問題意識が高い一方で、「うちの会社~」問題も抱えていた。 面白かったのが「うちの会社~」問題を嘆きだすと“会社員”の顔になることだった。 あまりにひどすぎて吹き出してしまうほど 「この数年で働く環境ってすごく変わったのに、上は変わらない。上が変わらない限りどうにもならない」 「壁って河合さんは呼んでいるけど、壁の向こうの化石化がますますひどくなってて、自分でどうこうできるレベルではない」 「不正とかはうちの会社ではないでしょうけど、仮にあったとしても、言っても無駄なような気がしてしまう」 「決まったことだけ降りてきて、いちいち説明とかないから、長いものに巻かれるしかない」 「思考停止を装わないと会社では生きていけな

                                                    豊田自動織機が堕ちた「加速のわな」 増殖する何もしない社員たち
                                                  • 管理職は本当に罰ゲームか 孤独な課長が量産されたワケ

                                                    この記事の3つのポイント 管理職になりたがらない若い世代が増えている 振る舞い方の手ほどきをする先輩が減ったことも一因 会社として管理職の育成、教育の徹底などが必要に 最近「管理職」について意見を求められることがやたらに増えた。 「管理職は“罰ゲーム”だといわれていますが、ビジネスパーソンにインタビューしていて、どう思いますか?」 「罰ゲーム化している管理職で、どうしたらやりがいを見いだせるのでしょうか?」 「管理職が罰ゲームといわれる理由は、責任だけを押し付けられて、こき使われることだと思うのですが、他にどういった理由があるのでしょうか?」 etc.etc……。 女性社員は管理職になりたがりません 「若い世代が管理職になりたがらない問題」は数年前からあった。が、罰ゲームというワードが管理職とセットで語られるようになったことで、より関心が高まったように思う。 管理職は……はたして罰ゲームな

                                                      管理職は本当に罰ゲームか 孤独な課長が量産されたワケ 
                                                    • 40歳以上が6割強 会社にしがみつく「老害社員」のホンネと実態

                                                        40歳以上が6割強 会社にしがみつく「老害社員」のホンネと実態
                                                      • 43人死亡、永寿総合病院の奮闘が教えてくれた働く意義

                                                        新型コロナウイルスに214人が感染し、43人が死亡。国内最大規模の院内感染を招いた永寿総合病院・湯浅祐二院長の記者会見が1日に行われた。 会見の資料として、看護師や医師などの手記を公開したことについて、「自分たちの失敗を美談にすり替えるな!」といった批判が一部あったようだが、個人的には、質疑応答も含めた1時間20分超にわたる記者会見は、1ミリの無駄もない、実に誠実な会見だったと受け止めている。 特に、批判の的となった“戦場”を経験したスタッフの生きた言葉=手記は、未知のウイルスの脅威を知る上で極めて重要な資料だったし、湯浅院長が時折声をつまらせ、明かした事実も、実に考えさせられる内容だった。 感染症に襲われた医療現場のリアルは、働くということ、役割が人に与える影響力、ミッション、存在意義、チームなど、根本的な問いを投げかけていた。 集団感染の現場の記録を次に生かすには たくさんの患者さんの

                                                          43人死亡、永寿総合病院の奮闘が教えてくれた働く意義
                                                        • 河合薫 なぜ日本の「ジジイの壁」はこれほど強固なのか

                                                          ダイバーシティ推進やパワハラ防止、働き方改革、コンプライアンス(法令順守)の徹底など、企業を取り巻く労働環境は一昔前と比べて変化しました。けれど、意思決定層と現場との間に立ちはだかる「ジジイの壁」は一部の組織に依然として残っています。なぜ日本では「ジジイの壁」が生まれやすく、これほど強固なのか。日経プレミアシリーズ『 働かないニッポン 』の著者、河合薫さんに聞きます。 意思決定層と現場の間に分厚い「壁」 編集部(以下、――) 自民党の裏金疑惑やダイハツの品質不正問題、日本大学の一連の不祥事など、最近のニュースを見ていて、河合さんが7年前に刊行した『 他人をバカにしたがる男たち 』(日経プレミアシリーズ)の中で触れていた「ジジイの壁」という言葉を思い出しました。 河合薫さん(以下、河合) 「ジジイの壁」という言葉を聞いて、「ジジイ」という言葉に抵抗を感じる人も多いかもしれませんが、男性を指し

                                                            河合薫 なぜ日本の「ジジイの壁」はこれほど強固なのか
                                                          • 新型コロナが引き出した大衆の深層心理の闇

                                                            「社会生活や人間関係を汚染するものこそが、新型コロナウイルスがもたらす最大の脅威だ」──。 これはSNSでも話題になった、イタリアの高校のドメニコ・スキラーチェ校長が生徒たちに送ったメッセージの一部だ。 校長先生は、「外国人に対する恐怖やデマ、ばかげた治療法。ペストがイタリアで大流行した17世紀の混乱の様子は、まるで今日の新聞から出てきたようだ」と、1630年にミラノを襲ったペストの流行について書かれた『許嫁(いいなずけ)』を紹介。「感染拡大のスピードは、昔は少しゆっくりだったかもしれないが同じで、それを止める壁は存在しない。目に見えない敵からの脅威を感じているときは、仲間なのに潜在的な侵略者だと見なしてしまう危険がある」と説いた。 ふむ。まるで今の日本だ……。 車内で咳(せき)をしただけで怒号が飛び、ドラッグストアの前ではマスク購入を巡る取っ組み合いのけんかが起きている。私の友人は電車の

                                                              新型コロナが引き出した大衆の深層心理の闇
                                                            • 氷河期世代、生活水準は「下の下」 親は死ぬまで子の面倒を見よ

                                                              「“捨てられる50歳”とかいいますけど、私たちはずっと捨てられてきた。景気が悪いからって会社が勝手に採用を控えたのに、まるで私たちに能力がなかったみたいないわれ方をされてきた。結局、私たちは何者にもなれない。40歳を過ぎても肩書も付かない。先のことを考えると気分が悪くなるので考えないようにしていますけど、病気にでもなったら全て終わりですね」 こう嘆くのは、40代の男性会社員。いわゆる“就職氷河期世代”(1990年代後半から2000年代前半に就職活動をした人)だ。 氷河期世代が参加したのか、分からない 改めて言うまでもなく、氷河期世代はたまたま就職時の時代が悪かっただけで、まるで泥沼に入り込んだように「不遇」につきまとわれた世代だ。 ずーっとずーっと「なんとかせいよ!」と、専門家や研究者たちが指摘してきたのに、国の動きはとんでもなく鈍かった。 やっと重い腰を上げたのは、5年前。しかし、どれも

                                                                氷河期世代、生活水準は「下の下」 親は死ぬまで子の面倒を見よ
                                                              • 年下困らす「役職なし」50代おじさんの絶望と幸福感

                                                                「色々とやってはいるんですが……難しいですね。ホント、どうしたらモチベーションを上げてくれるのか。自分では言葉を選んでコミュニケーションをとってるつもりなんですけど、あからさまに嫌な顔されるとこたえます。年上部下って、ストレス以外の何物でもないです」 ここ数カ月、40代のリーダーたち向けの講演会やセミナーが立て続けにあったのだが、以前にも増して“こんな悩み”を訴える管理職が増えた。 いわく「頭痛の種は、50代の役職定年者」だと。 上司は女性、しかも30代…… 学ぼうとしない、理解しようとしない、自分のことしか考えない、会話しようとしない、などなど、「ないない攻撃」にへきえきしているのだという。 私も“年上部下”たちとは同年代。悩みを訴える“年下上司”たちに、「いやいや、おじさんおばさんたちも、実は内心〇〇なので、ほにゃららほにゃら~してみて」などとアドバイスする半面、彼・彼女ら(=年下上司

                                                                  年下困らす「役職なし」50代おじさんの絶望と幸福感
                                                                • 男は超つらいよ 首相に“見捨てられた”非大卒男の嘆息

                                                                  「今度生まれてくるとしたら、女と男どっちがいいですか?」 こんな愚問、いや、子供じみた質問に、あなたならどう答えるだろうか? 「今の日本で、もう一度男に生まれたいなんて言えるのは、勝ち組だけですよ。僕は、男に生まれてよかったと思ったことは一度もありません。ありとあらゆる場面で、差別され、苦しんできました。でも、(男性こそ差別されているとは)絶対に言えない。言っちゃいけないんです」 実はこれ、先日行われた菅義偉首相の所信表明演説について、私がメルマガで書いた意見に対して寄せられたメールである。 メルマガでは所信表明で語られた「安心の社会保障」の内容のうち、「わが国の未来を担うのは子供たちであります。長年の課題である少子化対策に真正面から取り組み、大きく前に進めてまいります」という菅首相の言葉に触れつつ、男性の生涯未婚率が1990年代以降急激に増加していることを書いた。 つまり、不妊治療への保

                                                                    男は超つらいよ 首相に“見捨てられた”非大卒男の嘆息
                                                                  • 低所得は自己責任? 自分さえ良ければいい人増殖社会

                                                                    今回は「努力と自己責任」について、あれこれ考えてみる。 もうすでにかなり前の出来事のように感じてしまうが、「トランプかバイデンか? どっちに転んでも、結論が出るのは年明けになるぞ!」と米国大統領選挙に関する報道で、メディアが盛り上がっていた最中、少子化対策を担当する坂本哲志内閣府特命担当大臣(一億総活躍担当)の発言が物議を醸していた。 坂本大臣は、閣議後の記者会見で、現在、中学生までの子供がいる世帯に支給されている「児童手当」のうち、所得が高い世帯にも特例的に月5000円を支給している「特例給付」について、廃止も含めて検討していることを明らかにしたのである。 「900億円を待機児童解消に充てる」というが…… さらに、支給額の算定基準が「世帯で最も稼ぎが多い人の収入をベースにする方式」から、「世帯全体の収入を合算する方式」に変更することも検討しているという。 これらの2つの案が実際に変更され

                                                                      低所得は自己責任? 自分さえ良ければいい人増殖社会
                                                                    • JOC理事山口香氏「米国が五輪“辞退”なら、IOCも決断迫られる」

                                                                      河合薫氏:東京オリンピックから、ちょっと話題を変えますね。山口さんのこちらの本(『女子柔道の歴史と課題』)を読ませていただいて、(講道館柔道の創始者である)嘉納治五郎がかなり早い時期から女子柔道というものをつくっていた、ということに驚きました。私がやっていた剣道とは全く違うんですね。私は剣友会ではいつもお豆でしたから(笑)。 山口香氏:スポーツ界は圧倒的に男社会ですよね。ところが今の柔道をつくり上げた嘉納治五郎は、非常に先見の明があった方で、明治15年(1882年)に講道館柔道をつくった約10年後に、女性の門下生を入れているんです。これからの時代は、女性の活躍も国益になると考えたのです。当時はご承知の通り、女性は家にいて、自分の健康より夫と子供を最優先するのが当たり前でした。でも、嘉納治五郎は、これからの世の中は、性役割とは関係なしに、女性も自分の心と体の健康をしっかりつくることが、国の力

                                                                        JOC理事山口香氏「米国が五輪“辞退”なら、IOCも決断迫られる」
                                                                      • 複雑化する「老老介護」と90歳認知症医師の孤独

                                                                        なんとも痛ましい事件が、また起きてしまった。 88歳の母親が寝たきり状態の70歳の娘を刃物で刺し、無理心中を図った。パーキンソン病の娘を母親が介護する「逆・老老介護」。88歳の母親は、70歳の娘の車いすを押し、おむつ替えや着替えなどの身の回りの世話をしていた。 親子は「サービス付き高齢者向け住宅」で暮らし、母親は周囲に「このまま介護を続けていくにはどうしたらいいのか。お金も大丈夫かしら」と、事件の1カ月ほど前から、漏らすようになったと報じられている。 親子が暮らしていたサービス付き高齢者向け住宅は、「自立して生活できる高齢者」が安心して暮らせることを目的に、「地域包括ケアシステム」拡充の施策として2011年に創設された。立地場所や、サービス内容によって家賃は大きく異なり5万~30万円超。安否確認や生活相談はあるけど、介護サービスを受けるには外部の在宅介護サービスを利用する必要がある。 ただ

                                                                          複雑化する「老老介護」と90歳認知症医師の孤独
                                                                        • あえぐ「役職なし氷河期世代」 やる気も健康も悪化、頭悩ます50代上司

                                                                            あえぐ「役職なし氷河期世代」 やる気も健康も悪化、頭悩ます50代上司
                                                                          • 昇進嫌がる40代、切り捨て御免50代、会社を支えるのは誰

                                                                              昇進嫌がる40代、切り捨て御免50代、会社を支えるのは誰
                                                                            • スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末

                                                                              3月22日に「報道ステーション」(テレビ朝日系列)が公開したウェブ用CMに批判が殺到し、削除される事態になった。もうすでにあちこちのメディアで色々な人が色々な意見を書いているのだが、多くの人たちから意見を聞かれたので、お答えする。 まずは、ご覧になっていない方のために、簡単に内容を説明します。 CMは20代と思われる会社員の女性が、「先輩が産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって」「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的にかかげている時点で、何それ、時代遅れって感じ」「化粧水買っちゃたの。すごいいいやつ」「それにしても消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね?」などと視聴者に話しかけるもので、最後は「こいつ報ステみてるな」というテロップで終わるものだった。 「男性たちの声」なぜ取り上げない? 公開直後から批判が殺到し、私も知人から「これひ

                                                                                スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末
                                                                              • 「40代がやる気を失うのは会社のせい」という根拠

                                                                                コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

                                                                                  「40代がやる気を失うのは会社のせい」という根拠
                                                                                • 「JAL123」騒動が映す月日の流れと揺らぐ働く意義

                                                                                  不思議なものでかれこれ20年近く、現場の声に耳を傾けたり、社会問題に関するコラムを書き続けたりしていると、時代の空気の変化を敏感に感じとることができる。 そんな私が思うのは、今、私たちは「働き方」「働かせ方」の大きな転換期にいるということ(これは誰もが感じていることでしょう)。そして、この変化は、今、私たちが考えている以上に大きなプラスと、想像もしていなかった果てしないマイナスをもたらすってこと。いかなる変化もプラス面は分かりやすく、マイナス面は分かりづらい。その正体は、具体的な出来事が起きて初めて分かるものだ。 「取り返しがつかない事態」を予見する難しさ 少々、例えが悪いかもしれないけれど、戦後70年のときに行った戦争経験者たちのインタビューで、「気がついたら戦争になっていた」と多くの人たちが語っていたことを、最近思い出すことが多い。あるいは、産業革命の最中、工場から立ち上る黒い煙を見た

                                                                                    「JAL123」騒動が映す月日の流れと揺らぐ働く意義

                                                                                  新着記事