そして、舞う雪… (…底で騒ぐ突起の群… (…その、一塊が… (…不意に、沸騰する… (…そして、崩れた底のさらに下に… (…新たな「底」がのぞく… 浮上する泡は 表面が突起で覆われた 「まるで袋」のように 膨張を続けるのだ 打ち上げられるのは 北の、遠い涯の 雪の厚く降り積もった砂浜 白い鳥だけが見下ろしている 雪が風に舞う 波が凍る砂浜を齧る 遠い砂浜 科学にできることはもはやなく あるいは言葉はただたんなる窒息間際のうめきになり あとは「底」がいくつ現れるのかを 数え上げる子供の声だけが、必要なのだ それに気づくのも あの声の主 私が、あの遠い涯 あの北の暗い坑道に置き去りにしたままの (…置き去りにされたままの、子供… 砂浜に打ち上げられた 袋を蹴りながら駆けてゆく足跡が 雪原と波打ち際のわずかの境界を どこまでも続く そして、舞う雪 ***** 文学が好きな方なら、以下の詩集はお