終戦直後の1945年9月に米軍が接収した東京・六本木に今も残り続ける「赤坂プレスセンター」。接収解除後はNHKの放送センターが建つはずだった。放送センターや紅白歌合戦でおなじみのNHKホールなどは現在、渋谷にあり、その経緯には米軍が深くかかわっていた。 東京・六本木にヘリポートを備えた米軍の「赤坂プレスセンター」について、誕生から現在までをひもとく「赤プレ・占領の歴史」は全7回です。連載ページ「特権を問う」に掲載します。 日本は52年のサンフランシスコ講和条約発効で独立国家として主権を回復する。連合国軍による占領は終わるが、日米両政府は同時に安全保障条約を結び、米軍の駐留は引き続き認めた。米軍は接収を解除して条約に基づき「提供」を受けた形に変える。一方で不要な接収地は順次返還し、拠点を都心から郊外の基地に集約させていった。 米側、撤去に難色 かつて日本軍の駐屯地があった六本木一帯も返還対象