東大に93人、京大に33人、旧帝大に70人……安倍晋三の意を受け、葛西敬之が創設した「全寮制スパルタ校」の卒業生たちの進学先 「葛西敬之?そんなたいして有名でもない企業経営者が、日本を牛耳ってたなんて、そんなわけないだろう」 本書を読む前は、多くの人がそう思うようだ。森功著『国商 最後のフィクサー葛西敬之』では、一企業経営者にすぎない葛西氏が、官邸の人事を牛耳り、霞が関と内通して政策に口を出し、はてはNHKの会長選びに介入してマスコミを支配する姿までが描かれる。 前回記事に引き続き、本年度の講談社本田靖春ノンフィクション賞(7月20日に最終選考会)にもノミネートされた本作から一部を抜粋してお届けする。 第一次政権で「教育改革」を安倍にやらせた 「桃李(とうり)もの言わざれども、下自(したおの)ずから蹊(みち)を成す」 司馬遷の「史記」を好んで読んだ葛西敬之は、第一次安倍晋三政権の「教育再生