主人公の黒川森生(もりお)は、地元で無敗のヤンキー青年です。小学生の頃、高校生と闘い打ち負かしたことから、『黒ヒョウのモリ』の通り名で恐れられています。 ある日、子分二人と、点字ブロックの上を歩いていた森生。すると後ろから突然、棒状のもので攻撃されてしまいます。 「ジャマだよ」と、盲学校に通う16歳の女子高生・赤座ユキコの白杖が、お尻を一刺ししたのでした。 泡を吹きつつも、森生はユキコに詰め寄ります。「俺の顔には、刀傷があるぜ」。すごむつもりで、弱視で目が見えづらいユキコに説明すると、何と顔を近づけ心配してきたのです。 「大変じゃん! 赤チンいるか!?」。まっすぐな眼差しに、顔を赤らめ、たじろぐ森生。この体験から、彼はユキコを慕うように。一緒に行動するとき、背景色と見分けがつくよう、明るい色の服を着た方が良いなど、森生はユキコの事情を学んでいきます。 二人の絶妙な距離感や、障害を巡る気付き