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評論の検索結果161 - 200 件 / 390件

  • 屈指の名作となった朝ドラ『おちょやん』の山場を13時ニュース三條アナ視線で振り返る(堀井憲一郎) - エキスパート - Yahoo!ニュース

    「家庭」を別の角度から描き、朝ドラ史上屈指の名作となった『おちょやん』 朝ドラ『おちょやん』で描かれていたのは「家庭」だった。 主人公の竹井千代(杉咲花)は家庭にめぐまれていない。 血縁によって構成される本来の「家庭」との縁が薄く、それでも懸命に生きていた。 でも、人は血縁とは関係なく家庭が作れるし、それで幸せになれる。 そういうことを示した大柄な物語だった。 「家庭に恵まれない時代」の前振りが長く、最後の最後になってやっと「一人で生き抜く人間にとっての家庭」の姿を見事に見せてくれた。 ずっと見ていて、大きくあたたかさで覆われた。 最後までみるととても幸せな気分になれたという点で、朝ドラ史上、屈指の名作だったとおもう。 「あさイチ」の朝ドラ受けと昼の再放送あと NHK総合の朝ドラの放送は、朝が8時から、昼の再放送が12時45分からである。昔からずっとそうである。朝8時なのは2010年からだ

      屈指の名作となった朝ドラ『おちょやん』の山場を13時ニュース三條アナ視線で振り返る(堀井憲一郎) - エキスパート - Yahoo!ニュース
    • ブギーポップ(2019)は大失敗。

      (元増田) 結局ブギーポップの2019年の再アニメ化は失敗なのか? 「完全にうまく行くことなんかこの世にはないさ。みんな、多かれ少なかれどこかで取り返しのつかない失敗をしながら、それでも生きているんだ」 「失敗するとわかっていても?」 「それが失敗だと誰が決めるんだ?」 俺がだ! VSイマジネーター! 飛鳥井先生〜!苦悩する能力者がイマジネーターに精神的に追い詰められて新世界の神みたいに堕ちてくとこがたまらん!さすがマッドハウス! 偽ブギポに扮した正樹がチンピラをボコり倒して衣川琴絵(中身はEちゃん)の頭に銃口をゴリッと突きつけるアクション!凄すぎて、その後の本命のはずの凪をちょっと食ってたぐらいだからね(苦笑) 飛鳥井仁とスプーキーEの対決と、あっけない幕切れ!鳴り響くマイスタージンガーの中、遂に「本物」と出会う偽ブギーポップ=正樹!ブギーポップと飛鳥井仁の対決と、やはりあっけない幕切れ

        ブギーポップ(2019)は大失敗。
      • 日本アニメ映画史に刻まれる“傑作” 『漁港の肉子ちゃん』が描く日常におけるファンタジー

        『かぐや姫の物語』、『風立ちぬ』と、日本のアニメーション映画の複数の時代を代表する高畑勲監督、宮崎駿監督、両名の巨匠の集大成といえる2作品が公開された2013年から数年の間、盛んに言われるようになったのが、「ポストジブリ」という言葉だった。国民的なアニメーション映画を生み出す、巨匠擁するスタジオジブリの役割を、どこが、誰が今後担うのかという予想が飛び交ったのである。 しかし、その種の議論は次第にトーンダウンしていくこととなる。なぜなら、その後『君の名は。』(2016年)や『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)のように、スタジオジブリとは毛色の異なるアニメーション映画が大ヒットを記録することになったからだ。一方で、『名探偵コナン』劇場版シリーズも多くの動員を獲得している。そんな現在、『この世界の片隅に』(2016年)や『夜明け告げるルーのうた』(2017年)以来となる、作品の質とテー

          日本アニメ映画史に刻まれる“傑作” 『漁港の肉子ちゃん』が描く日常におけるファンタジー
        • 『竜とそばかすの姫』感想 『サマーウォーズ』の弔い合戦、『ぼくらのウォーゲーム!』の更新 - さめたパスタとぬるいコーラ

          これまでの細田監督のオリジナル長編映画で一番よかったです。 見終えてまず、ようやく細田作品で『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』のインターネット描写が更新された、との感慨を覚えました。 『サマーウォーズ』公開時、演出のキレに圧倒されつつも、「釈然としない」気持ちが残ったのをよく覚えています。作品の大筋が『ぼくらのウォーゲーム!』と似通っていること自体はマイナスとは思っていません。「エヴァ」の新劇場版シリーズや新海監督の『君の名は。』のように、過去作の要素に別のスパイスを足して復刻する試みは、悪いことではない。しかし『サマーウォーズ』では、インターネットを巡る描写が『ぼくらのウォーゲーム!』に比べ単純に後退しているようだったのが引っかかりました。 『ぼくらのウォーゲーム!』の最も気に入っている点は、ネット民を「ありがた迷惑な存在」として描いたことでした。外野からの身勝手な声援は

            『竜とそばかすの姫』感想 『サマーウォーズ』の弔い合戦、『ぼくらのウォーゲーム!』の更新 - さめたパスタとぬるいコーラ
          • 炎上覚悟で書くんだけど、ラノベ史において「妖精作戦」がこれほど重要視されるのがよくわからない。笹本祐一作品だと「ARIEL」のほうが重要ではないかという話

            けたじぃ@しいたけ堂 @shiitake_do 炎上覚悟で書くんだけど、 ラノベ史において「妖精作戦」がこれほど重要視されるのがよくわからない。笹本祐一作品だと「ARIEL」のほうが重要ではないか、と常々思っている。 そもそも「妖精作戦」て当時そんなにヒットしたの? 当時ソノラマ文庫よく読んでいたけど、全然知らなかったよ。 2024-04-15 13:05:05 けたじぃ@しいたけ堂 @shiitake_do 笹本祐一という作家を知ったのは、獅子王で「ARIEL」が話題になってからだったなぁ。 街の本屋で平積みされていたソノラマ文庫は、菊地秀行や夢枕獏、アニメノベライズが多くて、清水義範作品は棚にズラッと並んでいて、買わなかったけど人気あるんだなと名前だけは知っていた感じ。 2024-04-15 13:14:08 けたじぃ@しいたけ堂 @shiitake_do 90年代ラノベへの連続性は「

              炎上覚悟で書くんだけど、ラノベ史において「妖精作戦」がこれほど重要視されるのがよくわからない。笹本祐一作品だと「ARIEL」のほうが重要ではないかという話
            • 映画『天気の子』感想。シン・新海誠汁、度数100%に気持ち良く酔える大傑作 - 社会の独房から

              悲惨な事件があった。 テレビやネットでは連日その話題で持ちきりで、何とも言えない負の感情が僕を支配していた。それは決して怒りや憎しみで心が燃え上がっているのではない。ただただ、巨大なマイナスの感情に身体中が覆われ、どうしようもない無気力さに打ちひしがれ涙がこぼれ落ちるだけだ。 それでも目の前にはやらないといけない仕事があるし、サラリーマンとして、大人としての責任も一応ある。この社会では自分の感情と社会とルールとの折り合いをつけながら生きていかないといけない。今までの人生そうやって生きてきた。どんな時も、どんな悲しい時も。それは分かっている。分かっているが、非常に苦しい。 心がどうしようもなく苦しいのだ。 ゲームをしたり、テレビを見ても心が晴れることなどなく、この映画も観る元気が沸かなかったが、まだ、こんな事件が起きるなんて微塵も思っていなかった時に予約したIMAX料金の2800円を無駄にす

                映画『天気の子』感想。シン・新海誠汁、度数100%に気持ち良く酔える大傑作 - 社会の独房から
              • スピッツはなぜ「誰からも愛される」のか〜「分裂と絶望」の表現者(伏見 瞬) @gendai_biz

                11月14日、NHK紅白歌合戦の出場歌手が発表された。事前にスピッツの初出場が取り沙汰されていたものの、発表リストにその名前はなかった。しかしネット上には落胆の声は少なく、むしろどこか安堵したような書き込みが目立つ。この独特の存在感は何なのだろう。批評家の伏見瞬氏がその独特の魅力を語る。 誰からも嫌われないスピッツ スピッツが20年以上にわたり、日本のポップミュージック界でトップランクの人気を保ち続けてきたバンドであることは誰も否定できないだろう。浮き沈みの激しい世界で生き残り続けてきたこと自体驚嘆に値するけれども、それ以上に驚くべきなのは、彼らが誰からも嫌悪されないバンドになったことではないだろうか。 商業的に成功したミュージシャンの多くは、どうしても一部の音楽好きから軽蔑の念を抱かれがちだ。ブレイクした歌手やバンドが、大衆迎合の低俗な音楽家だと見なされたり、作品自体の質に目を向けない商

                  スピッツはなぜ「誰からも愛される」のか〜「分裂と絶望」の表現者(伏見 瞬) @gendai_biz
                • 『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』 - HONZ

                  本書は、海外における日本アニメ研究の第一人者による「宮崎駿論」決定版とも言うべき一冊である(原書はMiyazakiworld: A Life in Art, Yale University Press, 2018)。通読してまず実感するのは、著者スーザン・ネイピアの「ミヤザキワールド」に対する並々ならぬ愛情の深さだ。自身も優れたストーリーテラーであるネイピアの語り口は優しく滑らかで、宮崎の人生や時代背景が創作過程にどのような影響を与えたのかを、難解な専門用語に頼ることなく紐解いていく。ネイピアは、宮崎の作品世界を読み解くために、監督に関する膨大な日本語の(そして日に日にボリュームを増す英語の)文献や資料を渉猟しただけでなく、作品にインスピレーションを与えた自然や場所にも自ら足を運んで観察している。 現在、タフツ大学で修辞学教授を務めるネイピアは、これまで日本文学とファンタジーやアニメに関す

                    『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』 - HONZ
                  • 「映画大好きポンポさん」 大事なのは“自分がそこにいる理由”を見つけること【藤津亮太のアニメの門V 第71回】 | アニメ!アニメ!

                      「映画大好きポンポさん」 大事なのは“自分がそこにいる理由”を見つけること【藤津亮太のアニメの門V 第71回】 | アニメ!アニメ!
                    • それでも、言葉を尽くして生きなければならない | 映画評『ドライブ・マイ・カー』 | フラスコ飯店

                      (C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会 言葉とは何だろう。言葉が通じるとは、話をするとは、どういうことだろう。言葉を使うことは否応なく、言葉を使わなければ出会うことのなかった深い深い孤独と対面することでもある。同時に、言葉がなければ見ることのできない祝福の光を浴びることでもある。そのような孤独の暗闇と、トンネルの先にある朝の海のような眩しい光とのあわいを、一台の赤い車が走ってゆく。 『ドライブ・マイ・カー』という映画について語る時、まず僕はこういった抽象的なイメージを語らなければならない。すぐさま細部を語るには、あまりにこの映画の引力が強すぎる。 文・すなば 1991年生まれ。会社員として働く傍ら文筆家として活動。海とシティが好き。2021年10月に初の単著『さよならシティボーイ』(トーキョーブンミャク)刊行。 →『さよならシティボーイ』について詳しくはコチラ 本当は誰も、同じ言

                        それでも、言葉を尽くして生きなければならない | 映画評『ドライブ・マイ・カー』 | フラスコ飯店
                      • 【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第43回 追悼:偉大なる先輩、池田憲章さん

                        池田憲章さんが亡くなった。その訃報は12月10日、日本SF作家クラブからアナウンスされた。「かねてから入院加療中であった池田憲章会員が、去る10月17日、お亡くなりになりました。享年67歳。心よりご冥福をお祈りいたします」(メールからの引用)。訃報のタイミングがズレているのはご遺族が49日を待って連絡されたためである。 氷川は同人「怪獸倶楽部」の後輩でもあるし、単行本「アニメ大好き! ヤマトからガンダムへ 池田憲章/編」(1982年11月1日発行/徳間書店)と共著もある。「宇宙戦艦ヤマト」関連のパートは氷川が中谷達也名義で執筆したが、当時まだ珍しかった評論本として、いまでも時々話題に出ることがあって、大事な財産のひとつである。 訃報が届いたとき、あらためてその若さと、失われてしまった知識の宝庫に愕然とした。いったん話し出すと止まらない機関銃トーク、人間データベースのごときエネルギッシュな語

                          【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第43回 追悼:偉大なる先輩、池田憲章さん
                        • 富野由悠季「ガンダムで伝えたかった」熱い信念

                          富野由悠季監督は現在78歳。昨年秋に劇場版『GのレコンギスタⅠ 行け!コア・ファイター』が公開されたのに続き、2月21日からは劇場版第2作『GのレコンギスタⅡ ベルリ撃進』の公開も控えている。また『富野由悠季の世界展』も島根県立石見美術館で開催中で、同展覧会は今年も各地を巡回する予定だ。1970年代からおよそ半世紀にわたって監督として第一線を走ってきた富野監督とは、はたして“何者”なのか。 「逆襲のシャア」の卓越した演出力 言うまでもなく富野監督はまず、明確なスタイルを持った演出家である。富野演出の手際のよさをコンパクトに体感するなら、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)の冒頭10分を見るとよい。 キャラクター同士の会話を使い、観客を現場に立ち会わせるかのように映画の中に導いていく導入から始まり、画面の上手と下手を巧みに使って画面内の情報を整理して伝えながらストーリーは進んでいく

                            富野由悠季「ガンダムで伝えたかった」熱い信念
                          • ジャンル愛に満ち溢れたシミュレーションRPGの福音『トライアングルストラテジー』レビュー

                            『トライアングルストラテジー』は3月4日にスクウェア・エニックスが発売したシミュレーションRPG(以下、SRPG)。『OCTOPATH TRAVELER』などで高い評価を得たドット絵と3Dが融合した「HD-2D」をグラフィックスとして採用し、伝統的な戦術級の(タクティカル)SRPGを現代に再興しようとした野心作である。 本ジャンルのファンであるならば、スクウェアの黄金時代にはオーソドックスなRPG以外にも、『FRONT MISSION』や『バハムートラグーン』といったSRPGの代表作があったことを覚えているだろう。そして、ジャンル内での最高傑作とも知られる『タクティクスオウガ』を制作した松野泰己が後にスクウェアに移籍し、『ファイナルファンタジータクティクス』を作り上げたことはもはや伝説的なエピソードだ。本作のトレーラーを見たファンなら、当然のようにこれらの過去の名作を想起してしまう。 だが

                              ジャンル愛に満ち溢れたシミュレーションRPGの福音『トライアングルストラテジー』レビュー
                            • 「天気の子」で帆高は罰を受けるべきか(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル

                              ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                「天気の子」で帆高は罰を受けるべきか(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル
                              • 【追悼・山崎元さん】金融の「不都合な真実」に切り込み続けた経済評論家が遺したもの

                                DOL特別レポート 内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。 バックナンバー一覧 ダイヤモンド・オンラインで連載『山崎元のマルチスコープ』を毎週執筆してくださっていた経済評論家の山崎元さんが、1月1日に食道がんで亡くなりました。65歳でした。山崎さんは、2007年から15年以上にわたって同連載を執筆。投資家や一般読者の目線に立った、金融業界の“不都合な真実”に鋭く切り込む資産運用に関する記事を中心に、幅広いテーマで世の中に情報発信や問題提起をしてくださいました。そんな山崎さんに哀悼の意を表し、同連載と動画連載『【山崎元×馬渕磨理子】マルチスコープ』の中から「これぞヤマゲン節」と思える代表記事をピックアップし、ご紹介したいと思います。有料会員限定の記事を含めて、1月中の期間限定で全ての読者に向けて公開します。山崎

                                  【追悼・山崎元さん】金融の「不都合な真実」に切り込み続けた経済評論家が遺したもの
                                • #鬼滅の刃 全23巻 【完】 評論(ネタバレ注意) - #AQM

                                  「生きていることはそれだけで奇跡 あなたは尊い人です 大切な人です 精一杯生きてください 最愛の仲間たちよ」 TVアニメがきっかけでこの漫画が流行った時点で17〜18冊ぐらい出ていたので、乗り遅れました。友達と鬼滅の話ができなかったので、ちょっと寂しかったです。 イッキ読みするのに17冊は億劫(おっくう)だったので先延ばししたけど、この12月4日に最終23巻が出ると聞いたので、やっとイッキ読みをしました。正確には11月29日の日曜日に22冊をイッキ読みして、23巻の発売に備えました。22冊イッキ読みはやっぱり少し疲れました。 でもとても面白かったです。 過去のジャンプ作品やバトル漫画作品で培(つちか)われたノウハウやエッセンスが惜しげもなく投入された特徴が随所(ずいしょ)に見えて、大ヒット作であるだけにそのルーツを探ってオタクな自分が大好きな「アレに似てる、コレに似てる」と並べ立てる例のア

                                    #鬼滅の刃 全23巻 【完】 評論(ネタバレ注意) - #AQM
                                  • 2022年アニメ映画総括『かがみの孤城』『すずめの戸締まり』『犬王』『THE FIRST SLAM DUNK』は「石」か「大波」か(藤津亮太) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

                                    アニメ評論家・藤津亮太が2022年のアニメ映画を振り返る。キーワードは「大波のような映画」と「石のような映画」。激しいアクション、キャラクターの感情といった魅力の横溢する「大波のような映画」が趨勢であるように見えるが、確実に「石のような映画」が増えつつある。たとえば『かがみの孤城』のような……。進化しつづけるアニメ表現を考察。 期待されている「大波のような映画」 「大波のような映画があり、石のような映画がある。石のような映画をつくったのは、たぶん小津とブレッソンだ。一方、大波のように映画をうねらせるのはスピルバーグだ。セルジオ・レオーネだ。ベルトリッチだ。」 映画評論家の畑中佳樹は著書『夢のあとで映画が始まる』の中でこんなふうに記している。多分に感覚的な言葉ではあるのだけれど、だからこそ実感に訴えてくる部分がある。 2022年のアニメ映画を振り返ると当然ながら「大波のような映画」が注目を集

                                      2022年アニメ映画総括『かがみの孤城』『すずめの戸締まり』『犬王』『THE FIRST SLAM DUNK』は「石」か「大波」か(藤津亮太) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
                                    • ゴダールが映画を一新…それは真っ赤な噓である 蓮實重彦さん寄稿:朝日新聞デジタル

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                                        ゴダールが映画を一新…それは真っ赤な噓である 蓮實重彦さん寄稿:朝日新聞デジタル
                                      • 『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優

                                        (2024年2月18日追記) 本記事の剽窃が発覚しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。 はじめに 前回鼎談(歴史編)に引き続き、ゲストを入れ替えて『鬼滅の刃』に関するオンライン鼎談を実施した。今回は「文学・思想編」と題して、文学・思想研究者の二人をお招きした。前回鼎談のテーゼを踏まえつつも、また別の着眼点から議論を尽くすことで、『鬼滅の刃』をさらに立体的に把握することが可能となった。私としても、切り口一つで作品の風景を一変させられる批評という営みの豊かさを再認識することができ、大いに刺激を受けたところである。以下では、歴史研究とはひと味もふた味も違う文学・思想研究の奥深さ、その一端が読者諸賢の眼前に広がることだろう。 参加者(敬称略) 長谷川晴生(はせがわ・はるお) 最近は「ヨーロッパの右翼に詳しい人」という扱いを受けているものの、本人としてはドイツの文学と思想を学んでいるつもり。

                                          『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優
                                        • 異色のアニメーション映画 『映画大好きポンポさん』はなぜ多くの観客の共感を集めるのか

                                          イラスト、漫画投稿サイト「pixiv」で人気を得て出版もされた、映画への愛情をぶつけた同名漫画のアニメーション映画化作品『映画大好きポンポさん』が、一部で話題を呼んでいる。 本作が特徴的なのは、一般に「アニメ絵」と呼ばれる、日本のアニメーション作品特有の絵柄で、実写映画の製作を描いているという点だ。本作はそんな、普段はあまり交わることのないジャンル同士の垣根を越えて、両方に足をかける珍しい存在になっているのだ。 『映画大好きポンポさん』がアニメーション映画として異色作だと感じる理由は明らかだ。漫画作品は作家自身のスキルに大きく左右される。原作者・杉谷庄吾自身の絵柄が、もともと日本のアニメに強く影響された画風であり、同時に実写映画に興味を持ったパーソナリティであるならば、原作漫画のような作品が出来上がることは、何も不思議ではない。しかし、アニメーション映画ともなれば、莫大な製作費と大勢のスタ

                                            異色のアニメーション映画 『映画大好きポンポさん』はなぜ多くの観客の共感を集めるのか
                                          • 実写とアニメの境を見直す杉本穂高の連載開始 第1回は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』評

                                            はじめに 連載を始める前に、この連載意図を記しておきたい。前置きとしてはやや長いかもしれないが、お付き合いただけると幸いだ。そんなのどうでもいいので、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』について読みたいという方は飛ばしてしまっても構わない(3ページ目から本論です)。ただ、この前置きを読んでおくと、本論の理解は深まるはずだ。(本稿には、『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレが含まれます) 現代における「アニメーションならでは」という言葉のいびつさ アニメーション映画に関する文章で、「アニメーションならではの」という言い方を見かける機会は数多い。 アニメーションに対置される映画のジャンルは「実写」である。しかし、アニメーションならではの魅力は常々言われるのに、「実写ならではの魅力」が語られることはほとんどないのはなぜだろうか。 それは、「アニメーションならでは」という言葉を使う時

                                              実写とアニメの境を見直す杉本穂高の連載開始 第1回は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』評
                                            • 朝日新聞「文芸時評」の記述めぐり議論 桜庭一樹さん、鴻巣友季子さん:朝日新聞デジタル

                                              ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                朝日新聞「文芸時評」の記述めぐり議論 桜庭一樹さん、鴻巣友季子さん:朝日新聞デジタル
                                              • 『パラサイト 半地下の家族』滑稽さを笑えない―現代の格差に寄生した傑作|CINEMORE(シネモア)

                                                ※本記事は核心的なネタバレには抵触していませんが、映画の内容には踏み込んでいますので、映画鑑賞後にお楽しみいただくことをお勧めします。 『パラサイト 半地下の家族』あらすじ 全員失業中、“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。長男ギウは、“高台の豪邸”で暮らす裕福なパク氏の家へ家庭教師の面接を受けに行く。そして兄に続き、妹ギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…。この相反する2つの家族の出会いは、次第に想像を遥かに超える物語へと加速していく——。 Index 「社会性」と「娯楽性」のかけ合わせが絶妙 万人の“興味”を喚起させるデザイナー的思考 経済的「格差」を、高低差と「上る/下る」で表現 寄生が浮き彫りにする真理――人間の本質は変わらない 「格差」を覆す答えは、どこにあるのか 「社会性」と「娯楽性」のかけ合わせが絶妙 笑いが引きつり、狂おしいほどの憐憫といたたまれなさに包まれる。 132分の間、

                                                  『パラサイト 半地下の家族』滑稽さを笑えない―現代の格差に寄生した傑作|CINEMORE(シネモア)
                                                • 『リコリス・リコイル』はドストエフスキーの児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ!|海燕(ライター)

                                                  『リコリス・リコイル』はドストエフスキーの児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ! ども、皆さん、アニメ『リコリス・リコイル』観ています? めちゃくちゃ面白いですね! 後世に残る名作かといったら必ずしもそうとはいえないと思うのだけれど、少なくとも「いま」、このときにリアルタイムで見る作品としては破格に面白い。 一方でいったいこの面白さの正体は何なのだろうと考えてみてもうまく言語化できないわけで、何かこう、隔靴掻痒のもどかしさを感じないでもない。第一話を観た時点で直観的に「これは新しい!」と思ったのだけれど、その「新しさ」を言葉にしようとするとうまくいかない。 そこで、以下ではなるべくていねいに『リコリコ』の「面白さ」と「新しさ」を的確な言葉に置き換えていきたいと思う。読んでね。 さて、まず、いま人気絶頂の『リコリコ』についていえることは、これが何か非常に「不穏なもの」を

                                                    『リコリス・リコイル』はドストエフスキーの児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ!|海燕(ライター)
                                                  • 『エヴァ』他抑え伊藤智彦監督の21年BEST1は『少女☆歌劇レヴュースタァライト』!

                                                    ーー伊藤さん、2021年もお疲れ様でした。早速今年のアニメ業界を振り返ってみたいのですが、まずは興行収入100億円突破と今年最大のヒット映画となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(以下シンエヴァ)についてです。伊藤さんは影響を受けた作品としてテレビシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』を挙げていますが、シンエヴァについてはどんな感想を持ちましたか。 (以下伊藤):確かに終わった感じはすごくするのですが、振り返ると約20年前に公開された旧劇場版で終わってたんだと改めて思いました。今回の新劇場版のように、懇切丁寧に終わってほしかった人は実際にはどのくらいいたんだろうかと。ゲンドウがモノローグで「一人が好きだった」などと語っていて、「こういうことが聞きたいわけではないのだよな」という思いになってしまいましたね。とは言いつつも「こう終わらすしかないよね」と感じながら、2時間30分の上映を背筋を

                                                      『エヴァ』他抑え伊藤智彦監督の21年BEST1は『少女☆歌劇レヴュースタァライト』!
                                                    • 「子供が成長するというのはどんどん可能性を失っていくことです」『千と千尋の神隠し』千尋の“足元”から浮かび上がる“ナゾ” | 文春オンライン

                                                      『千と千尋の神隠し』で一番要となるシーンは、ラスト間際、主人公・千尋が、湯屋“油屋”のある世界からトンネルを通って帰っていく場面だ。このシーンの見せ方が、『千と千尋』という作品の持つ意味合いを決定づけているといってもいい。 『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)は2001年公開。興行収入316億8,000万円(当時の日本歴代興行収入第1位)を記録した大ヒット作というだけでなく、第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞、第75回アカデミー賞でアカデミー長編アニメ映画賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を受けた作品である。 物語は10歳の少女・荻野千尋が、引っ越しの途中で怪しい町へと迷い込んでしまうところから始まる。そこにあったのは神々が通う湯屋“油屋”。両親が豚になってしまった千尋は、湯屋の主である湯婆婆に名前を奪われ、千(せん)として湯屋で働くことになる。 千はそこで、湯屋で働く謎の少年ハク、お客の

                                                        「子供が成長するというのはどんどん可能性を失っていくことです」『千と千尋の神隠し』千尋の“足元”から浮かび上がる“ナゾ” | 文春オンライン
                                                      • 『青天を衝け』視聴率好調、じつは「慶喜と薩摩」の描き方が圧倒的にウマかった…!(堀井 憲一郎) @gendai_biz

                                                        不思議な魅力に満ちている 『青天を衝け』の描く幕末は、なかなか痛快である。 大河ドラマ幕末ものとしては非常にめずらしい。 見ていてなんだかうきうきしてくるのだ。 『青天を衝け』はそういう不思議な魅力に満ちた大河ドラマである。 特に、主人公の渋沢栄一が一橋慶喜の家臣となってからが見ていて楽しい。 一橋慶喜はやがて征夷大将軍となり、「歴史的な敗者」となることはわかっているのだが、そのことを知って見ていても、何だか楽しいのである。 痛快だったのは、たとえば、14話。 一橋慶喜が「参預会議」のメンバーを率いて公卿の中川宮を訪れ、その面前で彼らを「大愚物!」と言い切るシーンである。 「参預会議」は便宜的ながら当時の京都政局の最高決定機関であった。そこには徳川家からだけではなく、外様大名(島津久光、伊達宗城、山内容堂)も加わっている。なかでも薩摩の島津久光は裏で工作を重ねて「京都政局」の中心に居座ろう

                                                          『青天を衝け』視聴率好調、じつは「慶喜と薩摩」の描き方が圧倒的にウマかった…!(堀井 憲一郎) @gendai_biz
                                                        • 『劇場版少女歌劇レヴュースタァライト』感想─演出と物語の乖離がもたらす空虚さ|檜山バターン

                                                          『劇場版少女歌劇レヴュースタァライト』を鑑賞したことは、おそるべき体験だった。 見ていて、「ああいいな」と思うようなカットはそれなりにあった。それも今までのセルアニメの流れを組む作品ではなかなか見たことがないような映像表現がたくさんあった。 しかし見終わったあと、私はぐったりとした気分で劇場を出た。虚脱感というか、意気消沈というか。なんの感情も持てないまま、いらだちに似たなにかが体に充満していた。それは次第に空虚さに変わって無常な切なさになった。人の多い池袋でなかったらそのまま涙を流していたかもしれない。 作品についてまず子供っぽい比喩で語るとすれば、きらびやかなおもちゃ箱のなかになにもなかったような感じだろうか。いや、おもちゃ箱のなかががらんどうなことは見ている最中からわかっていた、でも、でもここにはなにかあるんじゃないかという、期待を膨らませる手品というか仕掛けがあるから、私はそこに何

                                                            『劇場版少女歌劇レヴュースタァライト』感想─演出と物語の乖離がもたらす空虚さ|檜山バターン
                                                          • 8月の朝日新聞文芸時評について。

                                                            今月の文芸時評中に取り上げた桜庭一樹さん「少女を埋める」(文學界)の評に関してです。 まず、本作は自伝的要素はあるとしても、「文學界」に「創作」として発表された作品であり、わたしは一つの「小説」として読んでいますので、作者のご家族に関する「事実」については切り離して考えさせてください。 それから、小説というのは、ある種の選択と要約を含まざるを得ません。「すべてを文字化することができない」以上、その...

                                                              8月の朝日新聞文芸時評について。
                                                            • 傷物達を抱きしめて──映画『傷物語』とアニメーションの政治性|あにもに | 週末批評

                                                              『傷物語〈Ⅰ鉄血篇〉』PV 物語のみを抽出してみると、『傷物語』はきわめて単純明快な怪異譚であることが分かる。主要な登場人物は阿良々木とキスショット、同級生の羽川翼と怪異の専門家である忍野メメの4人しか登場せず、その他のキャストはせいぜい3人のヴァンパイア・ハンターくらいである。また、原作の小説に特徴的であった一人称の語りを映画では極力排除しており、物語に関しては必要最低限でシンプルな構造を徹底的に志向していると言える。 しかしながら、『傷物語』の映像はそのミニマルな作劇とは裏腹に、ある種の過剰さに彩られている。合計で3時間半を超える長尺もさることながら、劇中で描かれるスプラッターやエロティシズムはすべて極端な仕方で演出されており、ともすれば冗長のそしりを免れないほど執拗に描写を重ね続ける。この過剰さは『化物語』の頃からすでにその傾向が認められたが、本作のそれは量的にも質的にも肥大化してい

                                                                傷物達を抱きしめて──映画『傷物語』とアニメーションの政治性|あにもに | 週末批評
                                                              • 『スタン・ゲッツ―音楽を生きる―』 ドナルド・L・マギン、村上春樹/訳 | 新潮社

                                                                天才的ジャズテナーサックス奏者スタン・ゲッツの克明な伝記。ジャズファンなら必ず聴いているはずだがそれ以外の方なら、ボサノバの名曲「イパネマの娘」でテナーを吹いている人といえば思い出してくれるでしょう。ジョン・コルトレーンやマイルス・デイビスのようにジャズに革命を起こしたミュージシァンではないが、その時代に応じてまたその時の共演者によって美妙に反応し影響を受けながら自分の魂を深めていくジャズマンだ。その才能が見事に開花したのが「イパネマの娘」。ボサノバという当時ブラジルの片隅で生まれたポルトガル語でしか歌われなかった音楽を、全く無名の歌手アストラッド・ジルベルトに英語で歌わせジャズに巧みに取り込んで世界的にヒットさせた。これはジャズ史上最も多く売れたレコードのひとつで1965年グラミー賞において投票の結果ビートルズの「抱きしめたい」を抜き最優秀レコードに、またボサノバを創った一人であるジョア

                                                                  『スタン・ゲッツ―音楽を生きる―』 ドナルド・L・マギン、村上春樹/訳 | 新潮社
                                                                • 【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第18回 ダイナミックレンジに宿った生命の感覚

                                                                  2016年に映画「君の名は。」で興収250億円を記録し、一躍ヒットメーカーとなった新海誠監督の新作「天気の子」が公開された。さっそく2日目(7月20日)の土曜日、レーザーIMAXの劇場を選んで鑑賞した。理由は「雲や雨のデリケートさを味わいたい」ということに尽きる。作中の大半が曇天か雨天の中、雲や雨滴が表現する感情の重みと変化、晴れ間との対比を、ドラマと密着して体感するためである。 それに絡めた今回のキーワードは「ダイナミックレンジ」とした。4Kテレビのスペックとしても「HDR(ハイ・ダイナミックレンジ)」の重要性の高まっている昨今である。これは輝度(明るさ)に関する用語で、暗いところから明るいところまで、どれくらい細やかに表現できるか、それを高度化したものだ。生物進化上、「視覚」は明暗差のみ感知できる器官から始まっている。だから明暗は「生理的な気分」の根源を大きく左右する。そして新海誠監督

                                                                    【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第18回 ダイナミックレンジに宿った生命の感覚
                                                                  • 初代『ウルトラマン』にみる、普遍性と時代性 - スーパーふどげりさ

                                                                    シキポンマニア【誰?】にはご存知だろうが、私は本当に作品を見ていないほうだ。もうマジでびっくりするくらい見ていない。どれくらいかというと、初代『ウルトラマン』だって、総集編ビデオなどで触れてはいたものの、本編を通して見たことがなかったくらいに。 しかし、『シン・ウルトラマン』公開が迫ったため、予習としてこの度、全話を初めて通して鑑賞した。 そして感想は……。 めっっちゃ面白かった…………。 ということで、既に語り尽くされたといっても過言ではない作品である『ウルトラマン』だが、それでも記すことに意味があると信じて、感想を書いてみたい。 優れた作品は「時代性」と「普遍性」を同時に獲得している、というちょっとした持論がある。たとえば『シン・ゴジラ』は、東日本大震災を受けて作られた作品であり、当時の記憶が残る日本人だからこそ深い共感を呼び起こす作品になっていたと同時に、時代を選ばない面白さも備えて

                                                                      初代『ウルトラマン』にみる、普遍性と時代性 - スーパーふどげりさ
                                                                    • 『Stray』レビュー。猫になることで見えてくる、異種族とのつながりの尊さ - AUTOMATON

                                                                      猫は人間ではない。人間は猫ではない。互いに声を掛け合ったところで、意味を持った言葉として伝わっているのか証明する手立てはどこにもない。だが私たちは、異なる種族との間に繋がりを感じる瞬間が存在する。それは願いであり、同時に確信でもある。『Stray』はプレイヤーを「猫」という人間以外の種族に変換することによって、私たちの普段を異なる視点で描くのみならず、種の違いが何を意味するのか、異なる種族同士が結ぶ関係性について、丁寧にはっきりと描くことに成功している。 作品紹介 『Stray』は、Annapurna Interactiveより発売されたアクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは一匹の迷い猫として、ネオンきらびやかなサイバーパンク風の街並み、薄暗い裏路地を駆け回りながら、仲間のいる外界への脱出を目指す。開発を手掛けたのはBlueTwelve Studio。所属クリエイターの数よりも猫の

                                                                        『Stray』レビュー。猫になることで見えてくる、異種族とのつながりの尊さ - AUTOMATON
                                                                      • ラノベ評論家が必要とされない本当の理由 - とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

                                                                        またもや「ラノベ評論家必要論」が語られているわね。 ラノベが売れないのは評論家が育ってないせい? 評論家が嫌われるのは、コミュニティへの敬意を払わず土足で踏み込むから ラノベが売れないのは評論家が育ってないせい? 必要論が語られるのはこれで二回目。 前回は『異世界誕生 2006』が「迷惑系まとめブログ」に取り上げられたことを講談社ラノベ文庫のシゲタが好意的に扱ってしまい、売上一辺倒な評価軸への批判として「評論家必要論」が上がったわ。 togetter.com ぶっちゃけ、ライトノベルの軸が「売れ行き」という1軸だけで評価されるようになった結果、まとめサイトに取り上げられることを喜ぶようになってしまったともいえる。内容を評価する文藝賞が存在しないことの悪弊が出てると思うけど、まさかこう表出するとは思わなかった。 — nakatsu_s (@nakatsu_s) 2019年10月21日 確かに

                                                                          ラノベ評論家が必要とされない本当の理由 - とある王女の書評空間(ラノベレビュー)
                                                                        • ライトノベルを批評するには - 水城正太郎の道楽生活

                                                                          前回の日記への反響として「多くの人によるネットへの感想、プロによる批評、文学賞やランキングがないと小説は売れない」というものがありました。意見としてうなずくほかなく、だからこそコミュニティを築くことは大事だと思うところがあります。ですが、ライトノベルと呼ばれる作品において、文学賞や批評が可能かどうか? となると少し考えてしまうことになります。 というのも、ライトノベルはそのようなものを拒否してきたという過去があります。実例はウェイバックマシンでは参照できるはずですが、“ライトノベル”という単語が盛り上がった初期の頃、ファン有志によるライトノベル特集サイトが作られました。期間限定の祭りではありましたが、有名作家にコラム執筆を依頼などしていました。ですが、このムーブメントを多くの作家は歓迎しませんでした。過去発言を集成するのは難しいし、公での発言は少なかったかもしれませんが、「このままでは特定

                                                                            ライトノベルを批評するには - 水城正太郎の道楽生活
                                                                          • ご注文はゼロ・トゥ・パン - 本しゃぶり

                                                                            『ごちうさ』に含まれているのは、かわいさだけではない。 本作にはビジネスで成功するための知識が存在する。 これは賛成できないかもしれないが、大切な真実だ。 10年分の経験値 『ご注文はうさぎですか?』は今年で10周年*1。これを記念して秋に原画展が開催される。最近そのイベントビジュアルが公開されたが、たしかに10年の重みを感じさせるだけの風格があった。 ☕イベントビジュアル公開☕ 『ご注文はうさぎですか?展 Café Lumière(カフェ・ルミエール)』のイベントビジュアルを公開いたしました! Koi先生描き下ろしのチノたちがラビットハウスでお待ちしております。 是非ご堪能ください! ▼イベントHPhttps://t.co/7iMVMkqz5g#gochiusa #ごちうさ展 pic.twitter.com/zqf2vuTzIe— ご注文はうさぎですか?展 Café Lumière (@

                                                                              ご注文はゼロ・トゥ・パン - 本しゃぶり
                                                                            • 映画評論家・小野寺系氏にゲームは作家性が尊重されていないという根拠を聞きたかった議論

                                                                              小野寺系 / Kei Onodera @kmovie 【ネタバレ注意】近年最大の衝撃作となったゲーム「The Last of Us Part II」について書きました。“プレイする映画”の異名をとる本シリーズが描いた極限の人間ドラマとは?ゲームと映画の関係を考えながら、本作が切り拓いた新しい表現の可能性を、完全ネタバレで考察します。 realsound.jp/tech/2020/07/p… pic.twitter.com/R22wbOMO4f 2020-07-31 12:24:47

                                                                                映画評論家・小野寺系氏にゲームは作家性が尊重されていないという根拠を聞きたかった議論
                                                                              • 『ONE PIECE FILM RED』メガヒットから考える。今、観客がアニメに望むものとは?(藤津亮太) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

                                                                                このメガヒット背景の背景には何があるのか。それぞれの映画が観客が望む“何か”に応えているからこそ、このヒットが実現しているはずだ。それは何なのか。 日本のアニメの興行を考えるときに、いつも思い出し(そしていつも引用する)文章がある。これは映画監督・黒沢清が書いたもので、「人間なんかこわくない」(青土社『映画はおそろしい』所収)の一節だ。ここで黒沢は、世間が何を「映画」と呼んでいるかについて考えている。 多分ジョン・フォードだ。彼自身がたくらんだと言うより、彼の評価のされかたあたりからぐーんと映画は人間ドラマに接近した。が、それでもフォードの映画にはスペクタクルの要素や派手なアクションがあり、何かそういう「見せる」娯楽性と人間の深みとが一体になった理想的形態としての道を映画は歩むのか、と当時は見えたのかもしれない。その後歴史的にはまあいろいろあったわけだが、「見せる」スペクタクルと「感銘させ

                                                                                  『ONE PIECE FILM RED』メガヒットから考える。今、観客がアニメに望むものとは?(藤津亮太) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
                                                                                • 『トイ・ストーリー4』なぜファンが戸惑う内容になったのか? 作り手のメッセージから読み解く

                                                                                  『トイ・ストーリー』第1作(1995年)は、ピクサー・アニメーション・スタジオの最初の長編作品であると同時に、世界初の長編フルCGアニメーション作品でもある。CGによる表現がアニメーションの主流になりつつあるいま、世界初の長編アニメーションである、ディズニークラシック『白雪姫』(1937年)と同様に、それはアニメーションの変革を象徴する重要な作品となったといえるだろう。 CGという発達段階の表現手法がとられていることから、新作が作られるたびに飛躍的な進歩を遂げてきた、このシリーズ。全体的にバランスが安定し、作品として円熟の域に達した『トイ・ストーリー3』では、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞するなど、大きな評価を受けた。なかでもその結末は、シリーズを締めくくる“完璧な”ラストだと賞賛されることが多い。 だが、ここで紹介するシリーズ第4作『トイ・ストーリー4』は、そんなファンや多くの観

                                                                                    『トイ・ストーリー4』なぜファンが戸惑う内容になったのか? 作り手のメッセージから読み解く