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  • 新海誠が描いてきた雨――『天気の子』公開に寄せて - boogyman's memo

    新海誠監督の最新作『天気の子』の公開がいよいよ目前まで迫っている。 予告編を見ても明らかなように『天気の子』のテーマに「雨」が深く関係しているのは間違いない。連日降り続く雨と“100%の晴れ女”というキーワード、それが世界をどんな風に動かしていくのか、封切りが待ち遠しい。 ところで、新海誠監督は「雨」に並々ならぬ思い入れを持つひとだ。その結実した形のひとつが様々な雨によって移り変わる心情を細やかに描いてみせた『言の葉の庭』であり、「雨と新海」の極北といってもいい。 では、新海誠がいつから雨を降らせてきたのかというと、古く自主制作時代からだ。 季節は春の初めでその日は雨だった。だからの彼女の髪も僕の体も重く湿り、辺りは雨のとてもいい匂いで満ちた。 1999年公開の短編アニメーション『彼女と彼女の猫』はこんなモノローグで始まっている。ブレてないな、と思わせるのは、ただ雨が降っている状態を描くの

      新海誠が描いてきた雨――『天気の子』公開に寄せて - boogyman's memo
    • 若きアントニオ猪木の寝技が、ガチ過ぎてファン驚愕〜「柔術を知ってたとしか思えない」「アリがビビる訳だ…」

      ガチの総合格闘技が定着し、普及したからこそ、その視点で古いプロレスを見ると「あれ?この技術は…」とかと気づくことがあります。そもそも、ネット世代にとって猪木は「ダーって言う面白おじいちゃん」であっても「全盛期の動きを見たことない」人がほとんどですよね…あらためて見てみると?

        若きアントニオ猪木の寝技が、ガチ過ぎてファン驚愕〜「柔術を知ってたとしか思えない」「アリがビビる訳だ…」
      • “映画とアニメの境界”をアカデミー賞などから考える 2024年春のアニメ評論家座談会

        取材=間瀬佑一、文・構成=すなくじら、写真=『君たちはどう生きるか』©︎2023 Studio Ghibli 映画とアニメーションの垣根が曖昧になりつつある昨今、その変化の最前線を映し出したのが2024年の数々の映画賞だった。 日本が誇るアニメーション界の巨匠、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』が第96回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。同賞の日本からの受賞は、同じく宮﨑が監督を務めた『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりとなった。本作が世界最高峰の映画祭で評価されたことは、アニメーションの新たな地平を切り開く出来事と言えるだろう。一方、インターネットを中心に社会現象にまで発展した『すずめの戸締まり』が同部門にノミネートされるなど、大衆性とアーティスティックな表現が交錯する現在のアニメーション事情を象徴する出来事も相次いだ。 こうした状況を受け、本座談会では映画ライターの杉本穂高氏、

          “映画とアニメの境界”をアカデミー賞などから考える 2024年春のアニメ評論家座談会
        • 『このラノ』式、ライトノベル400字レビューの書き方|岡田勘一[編集者・ライター]

          進捗どうですか。 マイストリート岡田です。 このnoteは、編プロ所属の編集者である岡田が、そのときそのときの思ったことを書き連ねていくやつです。 夏休み。夏休みといえば読書感想文…… ではなく、『このライトノベルがすごい!』の準備が始まる時期ですね!! 『このラノ』という言葉が出てくると、その年の終盤にさしかかっていると感じられ、さながら季語のような趣があります。 ということで今回は、タイトルにも書いている通り『このラノ』の作品ガイドとして載っているレビュー原稿が、どのように書かれているのかを解説していきます。 400字の中に、どんな要素が入れ、どんなことを説明すれば作品の魅力を伝えることができるのか。それを詳らかにしていこうと思います。 ■400字に作品の魅力を圧縮せよ 『このラノ』は昨年刊行された「2021」からリニューアルして、作品ガイドレビューの文字数が400字になりました。これ

            『このラノ』式、ライトノベル400字レビューの書き方|岡田勘一[編集者・ライター]
          • ラノベと評論の件

            https://ranobeprincess.hatenablog.com/entry/2020/09/25/141312 他カテゴリの侵略はともかく、格闘家の「上がり」や「一発屋芸人は営業で稼いでる」に近似する、「本は出にくくなったラノベ作家の、お小遣い程度にはなる評論市場」はあってもいいんじゃねという気がするのよね。 つまるところ一足飛びにラノベ界隈に評論市場を作ろうというのが安直で横着なわけで、まずは「一般小説の文庫末尾にはある解説」をラノベにも導入するところから始めるべき。 作家的にも「あの人に自作の解説を書いて貰いたい」という欲求は少なからずあるはずだと思うのよ。 商品の完成度という意味でも、 『本好きの下剋上』には現実の本キ○ガイ、日下三蔵や荒俣宏や北村薫辺りの解説文が欲しかったし、 『魔法科高校の劣等生』には有名プログラマやSEの解説文があっても良かったでしょ。 『SAO』に

              ラノベと評論の件
            • 劇場版『鬼滅の刃』が驚天動地の成績を生み出した理由 映像に施された工夫から紐解く

              社会現象となっている『鬼滅の刃』の人気が、興行収入という数字で示されると、まさに驚天動地としか言いようがない。一方でアニメに詳しくない方は「何がそこまで人気なのだろうか?」と疑問に思われるだろう。今回は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を制作したufotableの特徴と、今作で凝らされた映像の工夫や、高いクオリティを誇る各セクションの魅力について考えていきたい。 『鬼滅の刃』のアニメシリーズを制作するufotableは、アニメファンの中でも特別視されることも多いスタジオだ。その理由はどの作品であっても、1話観ただけでわかる圧倒的な映像美。日本のアニメスタジオは会社の規模にもよるが、作画のみを自社で行い、撮影、美術などの他のセクションは、それらを得意としている外部の制作会社に発注を行うことも多い。また作画部門を担当していたとしても、実際に絵を描くアニメーターは自社に所属していない、フリーの人材

                劇場版『鬼滅の刃』が驚天動地の成績を生み出した理由 映像に施された工夫から紐解く
              • [1]社会現象となった『モルカー』と異色の長編『JUNK HEAD』 - 叶精二|論座アーカイブ

                [1]社会現象となった『モルカー』と異色の長編『JUNK HEAD』 叶精二 映像研究家、亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師 日本が「アニメ大国」と語られるようになって久しい。日本の「アニメ」は、人物を線で括って塗りつぶし、写実的平面画や3D-CGの空間で躍動させる「セルルックアニメーション」を指すことが圧倒的に多い。これまで「ストップモーション(コマ撮り)・アニメーション」が注目される機会は極めて少なかった。 「ストップモーション」とは、パペット(人形)や無機物などの立体、またはレリーフや板などの半立体のキャラクターをミニチュアセットや背景画等に設置し、1コマずつ撮影して制作されたアニメーションを指す。従来はCMやミュージッククリップ、NHK・ Eテレのシリーズ枠『プチプチ・アニメ』などが活躍の場であった。ほとんどが短編で、自主制作の意欲作が国際映画祭で受賞

                  [1]社会現象となった『モルカー』と異色の長編『JUNK HEAD』 - 叶精二|論座アーカイブ
                • 「商業媒体で“アニメ批評”は難しい?」 メディア各社にアンケートしてみた

                  商業媒体でアニメの記事を作る上で、画像や映像を引用の範囲を超えて使用するのであれば、版権元への許諾申請が避けて通れません。その中で、素材を提供する版権元への「忖度」が発生し、自由な評論の妨げとなることはないのでしょうか? ねとらぼ編集部では「商業媒体で“アニメ批評”はなぜ難しいのか?(本当に難しいのか?)」をテーマに、当事者であるメディア各社にアンケートを実施。14媒体の内、5媒体(「ねとらぼエンタ」を含む)から有効な回答がありました。 回答があったのは「IGN JAPAN」「朝日新聞」「アニメイトタイムズ」「KAI-YOU.net」「ねとらぼエンタ」の5媒体。「『アニメ批評』の記事が作りにくいという実感はありますか?」という質問に対して、「ある」と答えた媒体はありませんでした。各媒体の回答全文は次ページで。 アンケートの回答全文を読む このテーマはしばしば議論の対象になってきました。例え

                    「商業媒体で“アニメ批評”は難しい?」 メディア各社にアンケートしてみた
                  • 女性用風俗はなぜ急増する? 低リスク・低コストなビジネス構造と、過剰サービスに疲弊する男性セックスワーカーたち|FINDERS

                    CULTURE | 2022/05/31 女性用風俗はなぜ急増する? 低リスク・低コストなビジネス構造と、過剰サービスに疲弊する男性セックスワーカーたち 「女性用風俗」――つまり、男性セックスワーカーが女性客に性感マッサージなどのサービスを行う性風俗店が近年急増している。「... 「女性用風俗」――つまり、男性セックスワーカーが女性客に性感マッサージなどのサービスを行う性風俗店が近年急増している。「女性向け風俗」あるいは略して「女風」と呼ばれることもあり、そこで働くセックスワーカーは「セラピスト」と呼ばれている。「女性用風俗」で検索すると、さまざまな店舗のサイトがずらりと表示され、クリックすると「女性のためのファンタジーマッサージ!」「35億の女の楽園!」などの宣伝文句が踊るトップページが迎えてくれる。 大手女性用風俗検索サイトに登録されているサイトは2018年の段階で約100店舗(※)だ

                      女性用風俗はなぜ急増する? 低リスク・低コストなビジネス構造と、過剰サービスに疲弊する男性セックスワーカーたち|FINDERS
                    • 是枝裕和監督最新作『怪物』レビュー──わかろうとすることの先にある希望

                      ※以下、ネタバレを含みます。 火と水と怪物と映画の冒頭、スニーカーをはいて暗い草むらを歩くこどもの足が映る。こどもは湖の岸辺に着くと火事を遠目に見る。ライターかチャッカマンらしきものを手にしているようだ。けたたましいサイレンを鳴らして走る消防車。燃え上がるビル。そして夜の空に立ち上る炎と黒煙、火の粉の上に赤い文字で「怪物」というタイトルが浮かび上がる。 映画『怪物』は、このように不穏な火事で幕を開ける。はたしてこどもが放火したのか? 心をざわつかせるこの問いは、怪物というタイトルと結びついて火を噴くドラゴンのイメージをほんの一瞬喚起したりもするが、クリーニング店で働く麦野早織(安藤サクラ)とその息子・湊(黒川想矢)の平穏な朝のシーンによってかき消され、宙づりにされる。やがてその穏やかな日常も、湊が学校で担任の保利道敏(永山瑛太)にいじめられているのではないかという疑惑に浸食されていく。 は

                        是枝裕和監督最新作『怪物』レビュー──わかろうとすることの先にある希望
                      • 映画『ハケンアニメ!』レビュー|Ryuichi Taniguchi

                        【人生の覇権を取るために必要なこと】 映画やテレビドラマに登場するような、権力に噛みついて不正を暴き、警察を出し抜いて真犯人に迫り、世界的な文豪の幻の作品を屋根裏から発見し、挫折したアスリートを励まして競技の第一線へと送り返すことをする新聞記者は、万人に1人もいないだろうことは分かっている。 それでも、過去にウォーターゲート事件が暴かれて、大統領の犯罪が白日の下にさらされ、リクルート事件が報道されて、戦後50年続いた政治体制が崩壊したように、新聞記者の仕事が何かを成したという実績はある。だからこそ新聞に携わる人たちは、忙しい日々をルーティンの作業に追われ疲弊しながらも、心のどこかで新聞記者にはそうあって欲しいと思っている。 そんな新聞記者が増えれば、世の中にもなにかしら変化が起こって、真っ当な正義が貫かれて、誰もが幸せな日々を送れるようになるだろうと信じて。 現実の権力に阿って筆を曲げ、社

                          映画『ハケンアニメ!』レビュー|Ryuichi Taniguchi
                        • ラノベには正典や古典は存在しないーー『ライトノベル・クロニクル』が描き出す現状

                          直木賞や本屋大賞で候補になる作品だけがベストセラー小説ではない。ライトノベルの世界には、関連書籍を含めた世界累計が3000万部を超える鎌池和馬「とある魔術の禁書目録」シリーズや、2000万部に及ぶ伏瀬「転生したらスライムだった件」といった人気シリーズがごろごろしている。 飯田一史による『ライトノベル・クロニクル2010―2021』はこうした、"大人"たちがワイドショーやニュースで取り上げないラノベの現況を教えてくれるガイドブックであり、同時にスマホの普及やボカロの台頭といった状況が、ラノベ好きですら追い切れない変化をジャンルにもたらしている様子を露わにした研究書だ。 ジャンルとしてのラノベには現在しかない――『ライトノベル・クロニクル2010―2021』に登場するこの言葉が、ライトノベルというジャンルの傾向を、的確に捉えている気がしてならない。時雨沢恵一『キノの旅―the Beautifu

                            ラノベには正典や古典は存在しないーー『ライトノベル・クロニクル』が描き出す現状
                          • 革命と救世主|藤崎剛人

                            宇宙小戦争 3月に公開された『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』は、1985年の旧作ストーリーを全体的には踏襲しつつ、幾つかの点で改変が見られた。「女の子を危険な目に合わせるわけにはいかない」から「君ひとりを危険な~」への台詞変更などジェンダー的視点からの改変もみられたが、根本的な作品テーマに関わる変更としては、巨大化が果たす役割の違いがある。 旧作では、巨大化はドラえもんたち及びピリカ星を救うための決定的な役割を持つ。今作でも、巨大化はドラえもんたちの生命にとっては確かに決定的なのだが、巨大化が始まる前から革命はすでに始まっている。ピリカ市民を決起させたのは巨大な異星人たちではなくパピの演説である。パピは姉を救うために独断行動したとみられていたが、実はそうではなかった。パピは自身と姉の生命をもろとも差し出して、ピリカ市民を立ち上がらせようとしたのだ。物語の転換点はこの瞬間にあ

                              革命と救世主|藤崎剛人
                            • 映画「THE FIRST SLAM DUNK」花道、リョータたち湘北の“今”が動き出す―【藤津亮太のアニメの門V 第90回】 | アニメ!アニメ!

                                映画「THE FIRST SLAM DUNK」花道、リョータたち湘北の“今”が動き出す―【藤津亮太のアニメの門V 第90回】 | アニメ!アニメ!
                              • 『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』 種崎敦美はなぜ重用される?

                                超能力を持った少女のアーニャ・フォージャーと、1000年を生きるエルフの魔法使いフリーレン、そして後宮で皇帝の妃として生きる玉葉姫と、まるで共通したところのないアニメのキャラクターを、たったひとりで演じている声優が種﨑敦美だ。そのキャリアを振り返ると、実に多彩な役どころを演じてきたことが分かる。どうしてこれほどまでに重用されるのか。ここからどれくらいの名優になっていくのか。これまでの演技や言葉から想像してみた。 アニメファンはいつ、種﨑敦美を意識したのか。12月20日にBlu-rayが発売となる『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』にも登場していたオーボエ奏者の鎧塚みぞれが、主役となった映画『リズと青い鳥』での繊細な演技だった人がいるだろう。『残響のテロル』でいつもいじめられていた三島リサの、怯えて震えるような演技だった人もいるかもしれない。 そうした、ネガティブ感が漂

                                  『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』 種崎敦美はなぜ重用される?
                                • 宮崎駿に地平線はあるが庵野秀明にはない?(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル

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                                    宮崎駿に地平線はあるが庵野秀明にはない?(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル
                                  • 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が僕らの心をこれほどまでに強く揺さぶるのは|別所隆弘

                                    結論から書きますね。それは、近年に稀に見る「ベタなストーリー」だからです。勿論これは批判ではありません。ベタというと、何かお決まりの定型のストーリーでお約束のクリシェの集合体のような物語を想像するかもしれませんが、今書いた「ベタ」とは「メタ」との対義として使っています。そしてこの15年ほど、アニメに限らず物語世界において勢力が強かったのは、明らかにメタの物語の方でした。そして僕ら自身が疲れ、ポストモダンの寒々しさが少ししんどく思えるこの2020年のコロナ時代において、極限まで丁寧に「ベタ」を描き切ったヴァイオレット・エヴァーガーデンの物語は、これまでメタな物語が「クリシェ」として冷笑的に切り捨てる傾向があった人間の感情の根源的な部分を繊細に丁寧に描き切ったからこそ、僕のような擦れっからしのメタ大好き人間でも、嗚咽で喉が詰まってしまうような物語になりえたわけです。 さて、ここから物語の中身に

                                      「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が僕らの心をこれほどまでに強く揺さぶるのは|別所隆弘
                                    • 柳樂光隆が語る、専門性の大切さ アーティストの微細な違いを知る | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                      サンダーキャット、フライング・ロータス、ソランジュやジェイコブ・コリアー、果てはロックバンド、Alabama Shakesのフロントマン、ブリタニー・ハワードまでもが、ジャズのネットワークの中で音を鳴らしている――音楽評論家の柳樂光隆が監修したムック『Jazz The New Chapter 6』は、そう語っている。上記したミュージシャンの多くが近年の『グラミー賞』受賞者であること(しかも多部門にまたがっていること)を踏まえれば、ジャズをとりまく宇宙を考えることは、そのまま今の音楽を考えることにつながるだろう。 「ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平」を謳った、2014年の衝撃的な『Jazz The New Chapter』シリーズ開始から早6年。本シリーズを世に送り出してきた柳樂に、話を聞いた。もう一度、耳を世界に開くために。 音楽に関するテキストで、最も多く触れてきたのはライ

                                        柳樂光隆が語る、専門性の大切さ アーティストの微細な違いを知る | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                      • ネタバレ『竜とそばかすの姫』感想。匿名でカッコイイ事言っても無意味。爆ぜろ!って叫びを感じる - 社会の独房から

                                        細田守監督がパンフレットで 『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』から『サマーウォーズ』と、ずっとネットを肯定的に描いてきた世界で唯一の監督だと自分で思っています(笑) と仰っていて、令和最大の「こやつめ、ハハハ」って気持ちになった初夏の香が街頭に満つ時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。 趣味と性癖全開の路線から、川村元気などのセーブ役を見つけ、趣味と性癖を内包しながらもエンタメ路線へと舵を切り、日本を代表する監督となった新海誠。 一方で『時をかける少女』や『サマーウォーズ』の大ヒットで、宮崎駿の後継者と期待されながらも、奥寺佐渡子脚本から監督自身が脚本に手を入れるようになり、『バケモノの子』や『未来のミライ』とパーソナルで独特の倫理観、雑さが目立つようになり、夏休み映画として予算とか人員を貰いながらもエンタメで終わらない自由な作品を作るようになった現代の海賊王こと細田

                                          ネタバレ『竜とそばかすの姫』感想。匿名でカッコイイ事言っても無意味。爆ぜろ!って叫びを感じる - 社会の独房から
                                        • 2021年の劇場アニメが良作ぞろいだった理由【藤津亮太スペシャル対談】 | アニメージュプラス - アニメ・声優・特撮・漫画のニュース発信!

                                          藤津さんが今年の収穫に選んだ1作『サイダーのように言葉が湧き上がる』(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会 2021年もあとわずか。数多くのアニメ作品が放送・上映・配信された。そこにはどんな注目作があったのか、またアニメ界の今後を占うどんな動きがあったのか――アニメ評論家・藤津亮太とアニメージュプラス編集長・治郎丸が1年のアニメシーンを振りかえり、2022年への期待を語った対談を全3回で掲載する。 第1回は、なぜ今年の劇場アニメ作品が良作ぞろいだったか、その理由と各作品の魅力に迫った。 ▲(左から)藤津亮太さん、アニメージュプラス編集長・治郎丸。 編集長 2021年のアニメシーンを振り返るにあたり、藤津さんからいくつかキーワードを戴いています。まず「長編の豊作」。これは劇場アニメということですか。 藤津 はい、もうその言葉に尽きちゃう感じですね。 編集

                                            2021年の劇場アニメが良作ぞろいだった理由【藤津亮太スペシャル対談】 | アニメージュプラス - アニメ・声優・特撮・漫画のニュース発信!
                                          • アニメ『BNA』とBLM運動。「選ぶ権利を奪うあなたのやり方は、マジで!最高に!キモいから!」獣人の叫びが示した視点 - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

                                            人類から差別される獣人が主人公のアニメ『BNA』を観ていると、激化する「Black Lives Matter」運動のニュース映像が重なってしまう。アニメに何ができるんだろうか。アニメ評論家・藤津亮太は厳しい現実のなかで悶々とする。悩みながらまた『BNA』を観て、日々を繰り返しながらひとつの啓示を受ける、それもまた、アニメ作品の言葉だった。 差別をめぐる状況が点描される テレビアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』を観ながら、改めてアニメと現実の距離を考えた。 僕は、アニメ評論家という肩書で仕事をしているんだけれど、この肩書だと、アニメのことしか考えてないんじゃないかと思われることもある。けれどごく普通の有権者で、ローンを抱えた納税者で、夫で2児の父なので、現実に心配しなくちゃならないこともそれなりにあるから、アニメを観つつ現実のことを考えてしまうことだってよくあるのだ。 『BNA』は、動物の個

                                              アニメ『BNA』とBLM運動。「選ぶ権利を奪うあなたのやり方は、マジで!最高に!キモいから!」獣人の叫びが示した視点 - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
                                            • cakes(ケイクス)

                                              cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日

                                                cakes(ケイクス)
                                              • ライトノベル評論について纏めてみた

                                                ライトノベル評論について、主だった書籍などを年代順にまとめてみました。 2004年8月に出版された『ライトノベル完全読本』がライトノベル評論のはじまりと言われてますが、遡ると2001年頃から「ライトノベル」という呼び方が広まりだし(「ライトノベル」という言葉自体は1990年に誕生)、2003年頃にはネットを中心に盛り上がるようになり、2004年になると読売、朝日、日経などの全国紙で取り上げられ、そして、2004年の夏から冬にかけて次々と関連本が出た、という流れですね。 「ヤングアダルト」からの看板の書き換えではあるんですが、「ライトノベル」という聞きなれない小説群が、新しい最先端の文学としてもてはやされたのが、この00年代初めのムーブメントでした。 もともとライトノベルに強かったのは「SFマガジン」、そして、三村美衣や大森望といったSF系の書評家だったので、初期のライトノベル評論が「SF史

                                                  ライトノベル評論について纏めてみた
                                                • あいみょん、その「なつかしさ」と「新しさ」が人々に刺さった「音楽史的理由」(伏見 瞬) @gendai_biz

                                                  あいみょん、その「なつかしさ」と「新しさ」が人々に刺さった「音楽史的理由」 「女性のフォーク」という空白 男性音楽家たちからの影響 あいみょんの曲に「なつかしい」とか「どこかで聞いたことがある」と思う人は決して少なくないだろう。と同時に、彼女の存在にはどこか新鮮な空気、新しいなにかを感じさせるものがある。あいみょんについて考えると、なつかしさと新しさのアンバランスがどうにも気になって仕方がないのだが、おそらくそれは、日本の大衆音楽史において彼女が得た位置と関係している。*1 あいみょんが影響元としてしばしば言及する音楽家はスピッツ、吉田拓郎、小沢健二、浜田省吾、尾崎豊などで、父親からの影響が大きいという。たしかに、これらのミュージシャンに似たフィーリングは、あいみょんの曲の節々から感じられる。*2 また、ひとつ上の世代のバンドからの影響も滲ませる。andymoriへの直接的なオマージュであ

                                                    あいみょん、その「なつかしさ」と「新しさ」が人々に刺さった「音楽史的理由」(伏見 瞬) @gendai_biz
                                                  • 【連載】タニグチリウイチの「今のアニメを知るために」第3回:誰にも関わりのある問題を仕込み未来で待ってるアニメ監督、細田守編

                                                    2006年に2人のアニメ監督が、SF作家の筒井康隆作品を原作にした2本のアニメ映画を作った。1本は今敏監督の『パプリカ』。世界で賞賛されながらも今監督は2010年8月24日に死去。映画としては遺作になってしまった。もう1本は、細田守監督の『時をかける少女』。東映アニメーションで『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』や『明日のナージャ』の演出を手がけ、『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000年)、『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』(2005年)を監督した後、独立して名作ジュブナイルSFの映画化に挑んで大評判を得た。ここから細田監督の大躍進が始まり、2018年の『未来のミライ』で第46回アニー賞の長編インディペンデント作品賞を獲得するに至る。今監督が没し、宮崎駿監督が長編アニメから退いた現在、世界が期待を寄せる日本のアニメ監督の最前線に立つ細

                                                      【連載】タニグチリウイチの「今のアニメを知るために」第3回:誰にも関わりのある問題を仕込み未来で待ってるアニメ監督、細田守編
                                                    • 『王様ランキング』が2022年に蘇らせた「漫画映画」という鉱脈【藤津亮太のアニメの門V 第81回】 | アニメ!アニメ!

                                                        『王様ランキング』が2022年に蘇らせた「漫画映画」という鉱脈【藤津亮太のアニメの門V 第81回】 | アニメ!アニメ!
                                                      • 夏目房之介インタビュー マンガはどう語られてきたのか(後編) ――夏目房之介が語る、「僕らのマンガ」への違和感と「いいマンガ」の基準

                                                        マンガはどう語られてきたのか(後編) ――夏目房之介が語る、「僕らのマンガ」への違和感と「いいマンガ」の基準夏目房之介インタビュー 2019.06.17 本記事は、豊島区役所本庁舎にて2月1日~11日にかけて行われた東アジア文化都市2019豊島マンガ・アニメ部門のオープニング展示「区庁舎がマンガ・アニメの城になる」にて上映されたインタビュー映像の採録である。お話をうかがったのは、クリヨウジ先生、さいとう・たかを先生、里中満智子先生、しりあがり寿先生、夏目房之介先生の5名。インタビューでは、「過去と現在を繋ぎ、未来を想像すること」をテーマに、日本のマンガ・シーンを作り上げてきた作家・マンガ研究者の方々に、「マンガ・アニメと社会・未来」という題材で語ってもらった。 採録の第4回目はマンガ表現論の第一人者ある夏目房之介先生。この後編(※前編はこちら)では、「マンガを語ること」の歴史の振り返りから

                                                          夏目房之介インタビュー マンガはどう語られてきたのか(後編) ――夏目房之介が語る、「僕らのマンガ」への違和感と「いいマンガ」の基準
                                                        • 『すずめの戸締まり』はなぜ東日本大震災を描いたのか 『君の名は。』ブームの決算に

                                                          20年ほど前、坂本龍一のピアノ・ソロ・コンサートを聴きにいった。当時の日本は、「三共リゲインEB錠」のCM曲「energy flow」が人気を集めた後。坂本氏はコンサートのなかで、これも自身の作曲である「サントリー ウイスキー 山崎」のCM曲「Yamazaki2002」を例に出して、なぜ同じように作った曲がヒットになったり、ならなかったりするのか不思議だということを語っていた。 『君の名は。』(2016年)で、記録的な大ヒットを飛ばすことになった新海誠監督も、たしかに方向性を大きく変えたとはいえ、社会現象といえるほどの大反響を生み出すことになった結果について、公開当時、少なからず不可解さを覚えたのではないだろうか。大きな成功に喜ぶ一方で、『君の名は。』がここまで人気を集めるのならば、自身の過去作にもっと観客が入ってもよかったのではないかとも、おそらくは考えたはずだろう。 日本の劇場アニメが

                                                            『すずめの戸締まり』はなぜ東日本大震災を描いたのか 『君の名は。』ブームの決算に
                                                          • 「本を読まない人」に読書の楽しさを伝えるためには?文芸評論家・三宅香帆が「ゆる言語学ラジオ」の水野太貴と考える | 集英社オンライン | ニュースを本気で噛み砕け

                                                            「本を読まない人」から見た「読書論」水野 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』、とても興味深かったです。こうしたテーマだと、どうしても「本を読まない人はダメだ」という、読書家による「上から目線」の語り方に終始してしまうイメージがあります。でもこの本は、普段、本を読まない人の目線から書かれていて、そこが新鮮でしたね。 三宅 ありがとうございます。 水野 僕は、読書家が読書しない人を見下す態度が好きではないんですよ。本業が編集者でもあるので、そうした層にアプローチしないと、出版界の未来は明るくないと思っています。 三宅   読書が一部の好事家だけの趣味になってしまうと寂しいですよね。もっとたくさんの人に刺さるエンタメであってほしい、と私もどうしても思ってしまいます。以前会社員をしていたとき、心底それを感じました。たとえば会社の人との会話に「本屋大賞」や「直木賞」なんて言葉が出てくることはな

                                                              「本を読まない人」に読書の楽しさを伝えるためには?文芸評論家・三宅香帆が「ゆる言語学ラジオ」の水野太貴と考える | 集英社オンライン | ニュースを本気で噛み砕け
                                                            • 「シン・エヴァ」評 アニメ評論家・藤津亮太の場合:朝日新聞デジタル

                                                              ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                                「シン・エヴァ」評 アニメ評論家・藤津亮太の場合:朝日新聞デジタル
                                                              • 栗原裕一郎 on Twitter: "原稿のネタにしようと虎視眈々と見守っていたのだが(笑) 今回はトヨザキさんが失言気味だと思うが、行き違いは書評の二面性に起因しているでしょう。このコラムに書いたように、書評は出自的にも広告性を帯びている。一方で評論的性格も持ってい… https://t.co/x83nseyxo4"

                                                                原稿のネタにしようと虎視眈々と見守っていたのだが(笑) 今回はトヨザキさんが失言気味だと思うが、行き違いは書評の二面性に起因しているでしょう。このコラムに書いたように、書評は出自的にも広告性を帯びている。一方で評論的性格も持ってい… https://t.co/x83nseyxo4

                                                                  栗原裕一郎 on Twitter: "原稿のネタにしようと虎視眈々と見守っていたのだが(笑) 今回はトヨザキさんが失言気味だと思うが、行き違いは書評の二面性に起因しているでしょう。このコラムに書いたように、書評は出自的にも広告性を帯びている。一方で評論的性格も持ってい… https://t.co/x83nseyxo4"
                                                                • アニメの多様性を考える - 批評・ジャーナリズムがほぼ存在しないアニメ業界|さぶかるもん

                                                                  前回のブログ記事の最後に、ドラマ『カルテット』のパセリの話題を引用して、アニメ業界は他のエンタメ業界に比べてパセリに注目するような土壌がほぼないと書きました。パセリだとなくてもいいとなっちゃうかもしれないので、ラーメン業界に例えると、味のバリエーションが少なく、各店舗による違いがあまりないという寂しい状況にアニメ業界はなってきていると危惧します。散文になってしまいますが、アニメ業界と他業界の違いを中心にアニメの現状を考えていきたいと思います。 映画業界の場合、様々な映画祭があり、キネマ旬報や映画秘宝(廃刊してしまいましたが…)などの批評雑誌の存在もあって、興行だけでは計れない指標があり、一定程度の多様性や新人育成の機会が保たれていると思います。片渕さんへのインタビューへの反応として映画賞に対して否定的な意見もありましたが、賞が全てではないにしろ、海外含めたコンペなどで注目をされることの効果

                                                                    アニメの多様性を考える - 批評・ジャーナリズムがほぼ存在しないアニメ業界|さぶかるもん
                                                                  • Vaporwaveの終わりについて~1.Vaporwave小史~|パウエル

                                                                    前書き COVID-19流行によって、「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方が容易い」というテーゼの誤謬が露呈した。少し消費活動が麻痺するだけで、資本主義のシステムは揺らぐ。そこには以前のような絶対性は存在しない。そして、その絶対性に立脚していたVaporwaveもまた、である。 もはや以前のようにVaporwaveが受容されることはないだろう。Vaporwaveはついに「死ぬ」運命にある。そこで、Vaporwaveに引導を渡し、その思想を受け継ぐために、「Vaporwaveは一体なんだったのか」を考える必要があるように感じた。その一歩として、自分が書いた「Vaporwaveの文化社会学的考察」を、一部修正・加筆して公開する。 本論考は”Vaporwave"についての文化社会学的考察である。現代思想2019年5月増刊号「現代思想47のキーワード」で取り上げられたほか、ユリイカで特

                                                                      Vaporwaveの終わりについて~1.Vaporwave小史~|パウエル
                                                                    • 秀逸だった「青天を衝け」今までの幕末大河ドラマと何が違う? 渋沢栄一と時代を生きた人々(28)「歴史家が語る幕末大河ドラマ」 | JBpress (ジェイビープレス)

                                                                      (町田 明広:歴史学者) 大河ドラマと幕末維新 2021年度の大河ドラマ「青天を衝け」が終了した。コロナ禍による放送開始の遅れや、東京オリンピック・パラリンピック期間中の中断があるなど、関係者の皆さんのご苦労は、言葉では言い尽くせないのではなかろうか。筆者は全41回をすべて視聴したが、見応えのある素晴らしいドラマであったと感じている。 本作に併行して、「渋沢栄一と時代を生きた人々」を27回にわたって連載させていただいた。今回は特別編として、私の主として幕末を扱った「大河ドラマ論」をお届けさせていただくことにした。締めくくりの回として、お付き合いいただければ幸いである。 大河ドラマは、1963年(昭和38)の「花の生涯」から始まり、再来年2023年(令和5)の徳川家康までタイトルが公表されている。この計62作のうち、幕末を描いたのは「青天を衝け」を含めて15作品であり、およそ4本に1本に及ん

                                                                        秀逸だった「青天を衝け」今までの幕末大河ドラマと何が違う? 渋沢栄一と時代を生きた人々(28)「歴史家が語る幕末大河ドラマ」 | JBpress (ジェイビープレス)
                                                                      • 藤津亮太が語る、2010年代のアニメ評論「回答を作品の中に探していく」

                                                                        「アニメを言葉でつかまえる」。 アニメ評論家の藤津亮太氏はそんな課題に挑み続けている。2010年代のその実践をまとめた『ぼくらがアニメを見る理由ーー2010年代アニメ時評』が8月24日に刊行されて以来、好評だ。発売2週間で重版が決定、今年の話題作『天気の子』や『プロメア』『海獣の子供』などもさっそく収録されており、『魔法少女まどか☆マギカ』などの2010年代初期の話題作から、海外アニメーションについてまで網羅的に語り尽くしている。国際的にも注目される日本のアニメだが、アニメを主戦場にした評論家は実写映画に比べて圧倒的に少ない。長年一貫した姿勢でアニメを批評し続けてきた氏の言葉の集積は、現代の日本アニメを理解する上でのヒントに満ちている。 そんな藤津氏に改めてアニメを評論することの難しさや楽しさ、自身の評論のスタイルについて話を聞いた。(杉本穂高) アニメが心を震わせる秘密を書くのが仕事 ―

                                                                          藤津亮太が語る、2010年代のアニメ評論「回答を作品の中に探していく」
                                                                        • ゴーン氏の「クリスマスに一人」発言と人権の本質 - 米山隆一|論座アーカイブ

                                                                          日産のカルロス・ゴーン前会長の衝撃的な逃亡事件の後、日本の司法制度のあり方や、ゴーン氏自身、そして刑事被疑者・被告人に対する議論が様々になされています。 ゴーン氏の会見発言めぐりSNSで盛り上がり そのなかで、1月8日にゴーン氏自身がレバノンのベイルートで記者会見を行い、 「私は無期限で独房に拘束された。何度か保釈を申請したが却下された。クリスマスも新年の休暇も一人で過ごした。6週間も家族に会えなかった。家族との接触は弁護士からガラス越しに見せられた手紙だけだった。1日8時間以上も弁護士なしで尋問を受けた。何の容疑に問われているのかもまったく分からず、証拠に接することもできなかった。人権と尊厳を損なわれた」 と主張したところ(デジタル毎日2020年1月9日)、これを産経新聞系列のスポーツ新聞であるサンスポが、 「『クリスマスも新年も1人だった。私の人権と尊厳を奪われる事態だった。…』と語っ

                                                                            ゴーン氏の「クリスマスに一人」発言と人権の本質 - 米山隆一|論座アーカイブ
                                                                          • 星おちて 海が宇宙を 産み直し(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル

                                                                            7日から公開が始まったアニメ映画「海獣の子供」は、大変な作品です。大変なスケール、大変な密度、大変な映像美、大変な陶酔感、そして大変な難解さ。根本はとてもシンプルな物語なので、「なぜ難解なのか?」は割と説明しやすいと思います。やってみましょう。例によってネタバレありです(でも鑑賞の妨げにはならないんじゃないかな……)。 その根本とはズバリ「宇宙の産み直し」。地球が女体であり、海が子宮で、そこに隕石(いんせき)という精子が落ち、全ての生命と宇宙全体が生まれ変わる。これは開闢(かいびゃく)以来、定期的に繰り返されているらしく――神道の言葉で言えば「弥栄(いやさか)」と「常若(とこわか)」ですな――劇中でそれは「祭り」とか「誕生祭」とか「本番」と呼ばれていて、「産み直し」が行われるポイントに向かってあらゆる海の生物がお祝いに集まり、ドーン!と海上から発した光が無限の彼方(かなた)へ広がっていき、

                                                                              星おちて 海が宇宙を 産み直し(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル
                                                                            • 「アニメ史上最も長いキスシーン」(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル

                                                                              ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                                                「アニメ史上最も長いキスシーン」(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル
                                                                              • 屈折した戦争観、アニメに 作り手の世代軸に分析した本刊行 「ヤマト」後ろめたさ「マクロス」サブカル化:朝日新聞デジタル

                                                                                ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                                                  屈折した戦争観、アニメに 作り手の世代軸に分析した本刊行 「ヤマト」後ろめたさ「マクロス」サブカル化:朝日新聞デジタル
                                                                                • 【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第36回 「スーパーカブ」で日常系アニメの歴史に思いを馳せる

                                                                                  ひところ「日常系」なんて言葉がアニメファンの会話を賑わせたことがありましたが、最近はそんなでもないですよね。もちろん、今でもそうカテゴリー分けされるようなアニメは作られ続けていますが。 この言葉が強いインパクトを持ったのは、ごく大雑把にまとめるとこんな感じかと。戦争などの大状況を背景に、「愛とは、平和とは、人が生きるとは、一体どういうことなのだろうか?」と壮大なテーマを語る作品の方が高尚であり、優れているのだ……そんなものの見方は、今も昔も根強くあります。限界状況にこそ人間の本質があらわれるといった思想が、その根底にはあるんでしょう。それに対して、等身大の世界で描かれる穏やかなコミュニケーションにこそ人生の真実があると考える人がいます。日々の営みの中にある何気ない感情の動きを拾い上げることこそが、人間の本質をより深く描き出すということなのだ……と。どちらも一面の真実があると思いますけど、と

                                                                                    【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第36回 「スーパーカブ」で日常系アニメの歴史に思いを馳せる