市場業者、ネット販売強化でしのぐ コロナ禍で水産物の取引が縮小傾向にある東京・豊洲市場(江東区)【時事通信社】 世界を一変させた新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されてから、1年以上が経過。2度の緊急事態宣言で、夜の街から多くの明かりが消えた。政府の要請に伴う飲食店の休業や時短営業により、「日本の台所」である東京・豊洲市場(江東区)は、かつてないほどの危機に陥り、魚の活発な取引が影を潜めた。コロナが収束する兆しは見えておらず、卸や仲卸業者の途方に暮れる姿が目立つ。(時事通信社水産部長・川本大吾) 昨年秋に感染者急増 2018年10月に築地市場(中央区)から移転・開場した豊洲市場では、昨年秋に水産仲卸を中心に感染者が急増した。一時は「クラスター発生か」と警戒されたが、年末までには落ち着きを取り戻した。仲卸や卸は自主的に大規模なPCR検査を行うとともに、開設者である都の呼び掛けの下で