米国株はリセッション(景気後退)を切り抜けると予想する強気派の大合唱は、歴史を指針とするなら、間違いのようだ。 楽観主義者は株式相場について、2022年に今サイクルの安値を付けており、今年あるいは来年早期の景気縮小は株価持ち直しを鈍らせるだけだという。相場動向はこうした見方を裏付けており、S&P500種株価指数は年初から8%余り上昇し、3月のシリコンバレー銀行(SVB)破綻を受けた下げ局面から、急速に巻き返している。 しかし、1929年以降に米国が陥ったリセッション全てに目を向けると、株式相場の急落は起きるかどうかではなく、いつ起きるかが問題だということが示唆される。過去約100年に、景気が縮小局面に入った後で新たな底値を付けるのを回避したという例は一度もない。相場が底打ちするのは、リセッションが始まってから平均で9カ月後であることが、ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータで示されている