ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)は、ビール大手4社にはかなわないが、クラフトビールメーカー国内約600社ではシェアトップだ。たくさんある「地ビール」のなかで埋没しないのは、なぜなのか。『LOCAL GROWTH 独自性を活かした成長拡大戦略』(クロスメディア・パブリッシング)より、同社の井手直行社長とPR TIMESの山口拓己社長との対談を紹介する――。 地ビール冬の時代、売れ残りを廃棄する日々 【山口】いまは絶好調のヤッホーブルーイングさんですが、どん底も経験されていると伺っています。 【井手】ええ。もともとうちは、「観光地・軽井沢で美味しいエールビールをつくろう」ということで、星野リゾート代表の星野佳路がつくった会社です。私は当時、軽井沢の広告代理店を辞めてふらふらしていたところを、星野に拾ってもらって、営業として入社しました。 その頃は、ちょうど地ビールブームが来ていて、どこの