「戦略PR」の提唱から約10年。未来のマーケティングPRはどこへ向かうのか。「ブームをつくる」「時代に名前をつける」というPRの役割の変化について、最前線を見てきた嶋浩一郎氏、新世代を牽引する三浦崇宏氏が語り尽くす。 Yahoo! の配信媒体見直しが転機 ──昨今のマーケティングPRの潮流についてどう見ていますか。 嶋:海外の広告賞で、PRの分野でも社会課題を解決する仕事が大きく評価されるようになってきたと感じます。2019年のカンヌライオンズPR部門グランプリ「THE TAMPON BOOK」(ドイツ)は19%の消費税が課される生理用品を消費税7%の本の付録として添付し、「生理用品が高額で困っている」という女性たちの悩みを解決した点が評価されました。 三浦:ここ数年で「戦略PR」を拡大解釈したような、安っぽい「バズる」PRは完全に死にましたよね。それはPRにとって、とても良いことだったと