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  • 【第2版】史学研究とゲーム研究の徒・蔵原大―遺稿と追悼― - 岡和田晃 - BOOTH

    2020年2月に急逝した、蔵原大氏の遺稿を精選・集成し、関係者30名の追悼文を添えた本文540頁の大著です。戦略学研究から出発し、ウォーゲーム史・シリアスゲームを通じた産官学の連携の研究といった分野で重要な仕事をなした故人の業績、および人柄を偲ぶよすがとして、電子書籍版を非営利で無償頒布いたします。 【[編]石塚正英・岡和田晃、[発行]蔵原大遺稿集刊行会】 2020年12月31日電子版初版 2021年3月31日電子版第2版、印刷版初版 【2021年5月19日追記】 このたび、諸般の事情により散逸したものと思われていた蔵原大氏の遺稿が見つかりましたので、同書の補遺としまして、あわせてダウンロード可能にしました。題して「「現実の戦争」としてのウェルズ『宇宙戦争』」。2018年12月5日、岡和田晃が東海大学文芸創作学科で開講したSF論のゲスト講師としての特別講演のレジュメとなります。戦略論および

      【第2版】史学研究とゲーム研究の徒・蔵原大―遺稿と追悼― - 岡和田晃 - BOOTH
    • 名著136「偶然性・アイロニー・連帯」 - 100分de名著

      「トランプ現象」を予言したとして、SNSで大きな反響を巻き起こした哲学者がいる。リチャード・ローティ(1931-2007)。現代アメリカを代表する哲学者であり、現代哲学界で最も多くの論争を巻き起こした人物と評される。彼が哲学の新たな役割を提示し、あるべき社会の在り方を論じた名著が「偶然性・アイロニー・連帯」(1989)だ。SNSによる社会の分断、ポピュリズムによる民主主義の劣化など厳しい局面に立たされている私達現代人は、どんな社会を構想し、どんな言語空間を創出していけば問題解決につながっていくのか? ローティの哲学を手掛かりに、その解決の道筋を探っていく。 ローティは、伝統的な哲学を葬り去った哲学者ともいわれる。古代ギリシャに端を発し、デカルト-カントによって完成されたとされる近代哲学は、「究極の真理を見出し、それによってすべての学問や知を基礎づけ直す」という野望をもっていた。しかし、ロー

        名著136「偶然性・アイロニー・連帯」 - 100分de名著
      • 新しいことを学ぶときに気をつけていること|catnose

        才能や適正について考えない 最初はうまくいかないものだ。「自分はこの分野に向いていないんじゃないか」「才能がないんじゃないか」などと考えない。 できるようになる気がしないことも、何百時間・何千時間と積み重ねれば脳が最適化され、できるようになると信じる。 そのあれこれ考えている時間を手を動かすことに費やそう。 他人と比べない その道の上級者と比べない。「このレベルまで達することができるんだろうか」とか考えない。 同世代と比べない。「この人はもうここまで出来ているのに自分は」とか考えない。 そのネットを見て一喜一憂してる時間を手を動かすことに費やそう。 小さく欲しいものを作る 小さくても、拙くてもいいから自分が欲しかったものや表現したかったものを作ってみる。小さなゴールが学び始めの苦痛を和らげてくれる。 何が足りていないのか考える 「何が理解できていないのか」「何が上手く出来ていないのか」を把

          新しいことを学ぶときに気をつけていること|catnose
        • サステナビリティから「リジェネレーション」の時代へ : サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan

          サステナブル・ブランド(SB)国際会議の新しいテーマは、「We are Regeneration」です。この秋開催のSB国際会議(カルフォルニア州ロングビーチ)では、この「リジェネレーション:再生」というコンセプトを切り口に、持続可能性というステージから、どう私たちが「新たに再生していく力」を創りあげていくか。世界に向けて大きく発信される予定です。 日本ではまだ馴染みの薄いこの「リジェネレーション/リジェネレーティブ」という言葉。ここ数年、欧米のサステナビリティ関連の記事の中で、企業や市民レベルの動きの中で急速に扱われるようになりました。この言葉の奥に秘めた可能性のエネルギーが、深い地層の中から動き出している感覚です。 しかしながら、この「リジェネレーション」という言葉は、日本語としてまだ明確に訳されてもおらず、コンセプトも広がっていません。一般的には、「再生」や「新生」と訳されますが、こ

            サステナビリティから「リジェネレーション」の時代へ : サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan
          • 現代認識論入門 上枝 美典著

            英米哲学の確固たる一分野でありながら、問題が多様化し、全体像を見通すことが困難となっていた現代認識論。ゲティア問題とその解決のための試みを軸に、外在主義の流れとその反動としての内在主義、さらに文脈主義や徳認識論、知識第一主義といった最新の動向まで、ダイナミックな展開を一望のもとに描く画期的な入門書が遂に登場。 正誤表(PDF) まえがき 第1章 知識の標準分析 1.1 知識とは正当化された真なる信念である 1.2 真という要素 1.3 信念について 1.4 真の信念は知識に足りない――正当化 1.5 定義をマスターしよう――必要・十分・必要十分 1.6 三つの要素がすべて必要なのか 第2章 ゲティア問題とは何か 2.1 ゲティアはどのように標準分析を批判したか 2.2 正当化された真なる信念が知識でない二つの事例 2.3 ゲティアは二つのことを前提する 2.4 ゲティア問題へ接近してみる

              現代認識論入門 上枝 美典著
            • 古い訳文をサルベージ:アルヴァ・ノエ「ジェンダーは死んだ! ジェンダーよ永遠なれ!」(2011年)

              Alva Noë, "Gender Is Dead! Long Live Gender!" NPR, June 24, 2011. バークレーの哲学教授が NPR に書いた文章を,むかし訳してたなぁと思って掘り出してきた.この文章は,たとえば「女性とはこういうもの」「男性とはこういうもの」という概念カテゴリーが,プライミング(呼び水効果)をとおして当人の行動に影響するという点を強調している. 以下,訳文. 頭のなかで,物理学教授のすがたを思い描いてほしい.彼の暮らしがどんなものだか,想像してみよう.ほんの一時でいいから,彼になったつもりになってみよう.この物理学教授であることがどんなものだか,感覚をつかんでみるんだ. さて,ここで仕切り直し.こんどはチアリーダーのことを思ってみよう.彼女を思い描いてみよう.彼女の暮らしがどんなものだか想像してみよう.彼女になったつもりになってみよう.このチ

              • 柄沢祐輔「『空間へ』再読」 | ÉKRITS / エクリ

                『空間へ※1』は、磯崎新の膨大な著作の数々の中で最初に刊行されたものであり、全体で82冊※2という膨大な著作の数を誇る氏の著述のキャリアの中で、その輝かしい思考の経緯の出発の地点をなまなましく記録したドキュメントである。磯崎新という稀代の建築家が世の中でデビューを果たし、その長いキャリアを通じて世界的な建築家として活動を繰り広げるきっかけとなった、すべての思考の原点がいわば無数の宝石の原石の如く散りばめられ、その精緻な議論と視点の斬新さ、議論の射程の巨大さ、学問領域としてカヴァーする範囲の広大さに、『空間へ』に触れた人間は誰でも驚愕することであろう。 磯崎新の活動の全容とその日本の建築界、そして世界の建築界への影響力について今ここで改めて振り返る必要はないだろう。丹下健三の弟子としてのキャリアを開始し、メタボリズムの建築運動の最中に彼が発表した数々の都市計画案は世界の若い建築家達を即座に魅

                  柄沢祐輔「『空間へ』再読」 | ÉKRITS / エクリ
                • Amazon.co.jp: 世界哲学史2――古代II 世界哲学の成立と展開 (ちくま新書): 邦武,伊藤, 志朗,山内, 隆博,中島, 信留,納富: 本

                    Amazon.co.jp: 世界哲学史2――古代II 世界哲学の成立と展開 (ちくま新書): 邦武,伊藤, 志朗,山内, 隆博,中島, 信留,納富: 本
                  • ようこそケアの世界へ (COVID-19と文化人類学発表資料)

                    Enter the email address you signed up with and we'll email you a reset link.

                      ようこそケアの世界へ (COVID-19と文化人類学発表資料)
                    • 哲学に入門するための最短コース - 川瀬和也 研究ブログ

                      哲学の入門書は様々にありますが、どれから読んでいいのかわからないという方も多いでしょう。この記事では、学問としての哲学に入門するための「最短コース」を私なりに提示してみます。 ここで「最短コース」というのには二つの意味があります。一つは、最も効率的に、専門的な哲学の書物を読みこなせるために読むべき本の順番を示したものだということ。そしてもう一つは、決して誰でも通れる楽な道ではないということ。「近道」なので、少し急な階段を上るようなイメージです。この順番で読んでみて途中で歯が立たないなと思った場合には、もう少し回り道をしながら進んでいく方が良いでしょう。 さて、以下のガイドは三つのステップに別れています。 STEP1は、「イメージをつかむ」。なるべく楽しく読みながら、哲学ではどんな議論がされているのか、イメージをつかんでもらうのが目的です。 STEP2は、「リテラシーを身につける」。どんな哲

                        哲学に入門するための最短コース - 川瀬和也 研究ブログ
                      • 「人間の理解を超えた証明」は証明だろうか - 論理学FAQのブログ

                        2019年7月1日のコメントペーパーより。レジュメは古典述語論理。 コメント:「人間の理解を超えた証明」とは何なのだろうか。その価値判断をできない証明はあくまで形式的なものでしかなく、誰に向けたものかすらわからなくなっている。 回答:前エントリ takuro-logic.hatenablog.com のもとになったリプライへの再リプライです。いや、疑念はおっしゃるとおりではあるんですが、簡単に片付けられない問題でもあるのです。 というのは、数学の証明についてはもともと、人間の理解とは関係なく形式的なものだからこそ、証明は重要なのだという考え方があるのです。つまり、機械的な手続きに任せるからこそ、人間の不注意や偏見から自由な正しい結論が得られる、という考え方です。前回紹介したハッキングの本 (また宣伝しますが) www.morikita.co.jp の中では「ライプニッツ的な証明の理念」と呼

                          「人間の理解を超えた証明」は証明だろうか - 論理学FAQのブログ
                        • 世界最先端の研究が教える すごい哲学 | 総合法令出版

                          稲岡大志(いなおか ひろゆき) 1977年生まれ。大阪経済大学経営学部准教授。2008年神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。専門はヨーロッパ初期近代の哲学、数学の哲学、スポーツの哲学・倫理学、アニメーションの哲学など。著書に『ライプニッツの数理哲学―空間・幾何学・実体をめぐって』(昭和堂、2019年)など。 森功次(もり のりひで) 1981年生まれ。大妻女子大学国際センター専任講師。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程終了。博士(文学)専門は美学・芸術哲学(特に美的価値・芸術的価値の理論)。主な著作・論文に、『ワードマップ現代現象学』(新曜社、2017年、共著)、「美的なものはなぜ美的に良いのか:美的価値をめぐる快楽主義とその敵」(『現代思想』2021年1月号)など。主な訳書にロバート・ステッカー『分析美学入門』(勁草書房、2013年)、ノエル・キャロル『批評について

                          • 『宗教哲学研究』バックナンバーがすべてWebでご覧いただけます

                            『宗教哲学研究』のバックナンバーの公開作業が9月18日に完了いたしました。現在刊行されているすべての論文をJ-STAGEのサイトよりお読みいただくことができます。 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sprj/-char/ja/ みなさまバックナンバーをご覧いただきますようお願いいたします。

                            • 樋口恭介|note

                              SF小説自動生成GPTsを作成しました 2023年より(前身となったワークショップも含めると2022年より)御縁をいただき、東京大学大学院情報学環「講談社・メディアドゥ 新しい本寄付講座」・渡邉英徳研究室にて客員准教授をさせていただいています。 この講座では「新しい本」の姿を模索し、議論し、ワークショップをしたりプロトタイピングをしたりしているのですが、その一環として(もあって)SF小説自動生成AIをGPTsで作成しました。本稿では以下でそのツールの概要・作成経緯・仕組みの解説をしていきたいと思います。 ツールの

                                樋口恭介|note
                              • 言語哲学がはじまる - 岩波書店

                                フレーゲからラッセル、そしてウィトゲンシュタインへ――二十世紀初頭、言葉についての問いと答えが重なりあい、つながりあっていった。天才たちの挑戦は言語哲学の源流を形作っていく。その問いを引き受け、著者も根本に向かって一歩一歩考え続ける。読めばきっとあなたも一緒に考えたくなる。とびきり楽しい言葉の哲学。 はじめに 第一章 一般観念説という袋小路 1 どうして言葉は新たな意味を無限に作り出せるのか 新たな意味の産出可能性という問題 言語は有限の語彙と文法からなる 2 「猫」の意味は何か 「富士山」と「猫」 指示対象説 3 個別の猫と猫一般 太郎は「猫」の意味が分からない 個別性と一般性のギャップという問題 4 心の中に猫の一般観念を形成する? 「猫」は猫の一般観念を指示するという考え 批判その1――一般観念とは何か 批判その2――一般観念説はコミュニケーションを不可能にする 批判その3――観念も

                                  言語哲学がはじまる - 岩波書店
                                • 2019年度 描写の哲学研究会 - 描写の哲学研究会

                                  概要描写の哲学研究会は、科学研究費補助金若手研究「描写の哲学を現代ポピュラー文化における画像使用の実践に接続する」(課題番号:19K12985、研究代表者:松永伸司)の一環として開催する一般公開の研究会です。 描写の哲学(philosophy of depiction)とは、絵や写真などの画像による表象にまつわる諸問題を扱う現代美学の一分野です。 2019年度は、描写の哲学が専門の銭清弘、難波優輝、村山正碩の3氏を招いて、画像表象をめぐる最先端のトピックについて議論します。 画像が描く内容のレベルは複数あるのか(あるとすればそれぞれどう区別できるのか)、コラージュやモンタージュのような画像/映像の切り貼りでは何か起きているのか、キャラクターの画像を倫理的にわるいと言えるのか(言えるとすればどのような点で言えるのか)、といった論点が出る予定です。 内容は少なからず美学・芸術哲学の専門家向けに

                                    2019年度 描写の哲学研究会 - 描写の哲学研究会
                                  • レジュメ|ケンダル・ウォルトン「画像とおもちゃの馬」(2008) - obakeweb

                                    昨年の夏に碑文谷公園で見かけた猫 Walton, Kendall L. (2008).Pictures and Hobby Horses: Make-Believe beyond Childhood. In Kendall Walton, Marvelous Images: On Values and the Arts. Oxford University Press.*1 はじめに|ウォルトンによる描写の哲学 レジュメ 1.ゴンブリッチの代用品説 2.ごっこ遊びが生み出す虚構世界 3.ごっこ遊び世界と画像世界 4.画像世界の拡張 5.想像の役割と心理的な参与 6.ごっこ遊び説の理論的メリット ✂ コメント はじめに|ウォルトンによる描写の哲学 今回はケンダル・ウォルトン(Kendall Walton)による描写の哲学。ウォルトンが描写について書いている論文はいくつかある。参照文献を兼ねて

                                      レジュメ|ケンダル・ウォルトン「画像とおもちゃの馬」(2008) - obakeweb
                                    • 宇宙と存在の震え - 日々帳

                                      ツイッターの良いところは瞬発的な思いつきを発散できることであるが、時間がすぎれば記憶の霞のむこうに消えいってしまう。 セルフまとめしたりもできるけど、それもそれでなんだか恥ずかしいしな。 というわけでブログにつらつらと書いておくことにした。 ツイッターでつぶやいたばかりの話を。 * 仕事中にBGM的にYoutubeを流したりするけど、ドキュメンタリーとか講義とかは、単調な仕事のおともにとても良い。 認知行動療法の基礎と展開 - YouTube はてなブックマークでひろった認知療法の講義、実際に自分が試すかどうか別として、認知や人の記憶の仕組みなど、体系立てて知っていくのは面白い。 まだ半分くらいしか見てないので総評はできないけど、とくに印象に残ったのは、考えすぎる人はうつ病になりやすいということだった。「考えすぎる」というのを自動思考ともいうようで、たんなる好き・嫌いから、なぜあの人は、な

                                        宇宙と存在の震え - 日々帳
                                      • ピンカーのハーバード講義「合理性」 その7 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                        harvard.hosted.panopto.com 合理性講義,一旦応用編に入っていたが,第13回はヒトの非合理性が社会的動機,特に部族主義的動機からも来ているという記述モデル的なピンカーによる講義が1回挟まる形になっている.第14回は応用編に戻り,双曲割引問題を扱う. 第13回「社会的,政治的バイアス」 いよいよCOVID19によるパンデミックの影響が出始め,講義参加者が大きく減り,教室では社会的ディスタンスをとるように教示がある.その中でピンカーの講義が始まる. これまでヒトの意思決定のいくつかの非合理性を見てきた.コストや計算リソースの限界,それを解決するためのヒューリスティックス,フレーム,用語,会話文脈の影響などだ.今回はまた別の非合理性のソースを考えよう,それは社会性の影響だ メルシエはヒトの合理性は議論で相手を説得するための適応だと論じた.では何故そもそも他人を説得しようと

                                          ピンカーのハーバード講義「合理性」 その7 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                        • 井庭崇のConcept Walk | 2021夏プロ「新しい世界観の概念装置を組み立てる:ホワイトヘッド哲学を学び、アレグザンダー思想の理解を深める」

                                          井庭研2021夏の特別研究プロジェクト 「新しい世界観の概念装置を組み立てる:ホワイトヘッド哲学を学び、アレグザンダー思想の理解を深める」 担当:井庭 崇(総合政策学部教授) タイプ:特別研究プロジェクトA(4単位:2021秋学期に履修申告) 実施形態:オンラインですべて実施 2021年8月5日〜9月30日の間の15回 【概要】 本プロジェクトでは、クリストファー・アレグザンダーがしばしば参照する哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドの哲学について、文献読解を通じて理解を深めます。単にホワイトヘッドの哲学を理解するだけでなく、全体性、有機的秩序など、アレグザンダーに通じる概念を改めて深く理解する機会としたい。 アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド(1861-1947)の哲学がどういうものかは、『ホワイトヘッドの哲学』(中村昇, 講談社, 2007)の次の紹介がわかりやすい。 「われわれ

                                          • 「物理への拘り」を捨てた方がいいと考える複数の理由のうちのひとつ|山口尚

                                            「物理への拘りはときにサスペンドされるべきだ」と私は考えますが、その理由は複数あります。そして私にとって最も重要な理由のひとつは〈自由意志〉と〈刑罰の正当性〉に関わるものです。以下、簡単に説明します(より詳しい説明が聞きたい方は個別に質問して頂ければと思います)。 物理学が扱うものの外部の何かを持ち出さないと理解できないもののひとつが人間の自由意志です。私たちは《自分が自ら選んで行為している》と考えており《自分が自らの選択のために自分の行為とその結果に関して責任をもつ》と考えいます。そして、〈ひとをその行為に関して責めること〉や〈ひとをその行為のために罰すること〉などの社会実践がそれとしての意味をもつためには、《ひとは自分の行動を自分で選んでいる》という意味の自由意志あるいは自己コントロールが必要になります。とはいえこうしたもの――すなわちこの意味の〈自由意志〉あるいは〈自己コントロール〉

                                              「物理への拘り」を捨てた方がいいと考える複数の理由のうちのひとつ|山口尚
                                            • 【書評】ユヴァル・ノア・ハラリ著『21 Lessons for the 21st Century』 (序文)

                                              【2018年10月26日追記:書評(前編)のリンクを追加】 【2018年12月19日追記:書評(後編)のリンクを追加】 書評(前編) (2018年10月26日掲載) 書評(後編) (2018年12月19日掲載) 先日、イスラエル人歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリの最新作『21 Lessons for the 21st Century』(邦題:21世紀のための21つの教訓)を完読した。待望していた新刊だけに入手してから一気に読み切った。 今回の本は三部作の三作目に当たるものだ。三部作の著書リストは次のようになっている: サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福 (英題:Sapiens: A Brief History of Humankind、ヘブライ語で2011年に初発行) ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来 (英題:Homo Deus: A Brief History of To

                                                【書評】ユヴァル・ノア・ハラリ著『21 Lessons for the 21st Century』 (序文)
                                              • 人工知能が大学を解体する①

                                                しばらくこのブログを書かなかったのは、特に理由があるわけではない。忘れていたわけでもないのだが、少し間が空くと、何となく書きにくくなる。動画の配信の場合と同じである。そういえばこの数ヶ月、どちらかというと動画の方に気が向いていて、書くことがちょっとおろそかになっていた。それはたしかだ。 室井尚さんが3月21日に亡くなったこと、その前後のことや、彼と計画していた「哲学とアートのための12の対話」についても、ここではまだ書かなかった。学会誌に訃報や追悼のテキストを書いたり、「対話」については彼の亡くなる9日前の3月12日に銀閣寺でプレトークを行い、その記録は動画でもテキストでも公開しているのだが、そうした作業に追われてこのブログでの投稿に戻ってくる余裕がなかったかもしれない。ちなみにそれらについての情報は以下↓にあります。 https://mxy.kosugiando.art/?fbclid=

                                                • 新美南吉 二ひきの蛙

                                                  緑の蛙(かえる)と黄色の蛙(かえる)が、はたけのまんなかでばったりゆきあいました。 「やあ、きみは黄色だね。きたない色だ。」 と緑の蛙(かえる)がいいました。 「きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね。」 と黄色の蛙(かえる)がいいました。 こんなふうに話しあっていると、よいことは起(お)こりません。二ひきの蛙(かえる)はとうとうけんかをはじめました。 緑の蛙(かえる)は黄色の蛙(かえる)の上にとびかかっていきました。この蛙(かえる)はとびかかるのが得意(とくい)でありました。 黄色の蛙(かえる)はあとあしで砂(すな)をけとばしましたので、あいてはたびたび目玉から砂(すな)をはらわねばなりませんでした。 するとそのとき、寒い風がふいてきました。 二ひきの蛙(かえる)は、もうすぐ冬のやってくることをおもいだしました。蛙(かえる)たちは土の中にもぐって寒い冬をこさねばならないので

                                                  • 影の歴史/ヴィクトル・I・ストイキツァ|棚橋弘季 Hiroki Tanahashi

                                                    「絵画の誕生について知られていることはほとんど何もない」。 古代ローマの博物誌家・大プリニウスが『博物誌』で書いたのを引きながら、『影の歴史』の著者ヴィクトル・I・ストイキツァは、「しかし」といって、こう続ける。 ひとつだけ確かなのは、人間の影の輪郭を初めて線でなぞった時に絵画が誕生したということである。影。対象物によって光が遮られた部分を示す、ネガとしての図像だ。 「西洋の芸術表象の誕生が「陰画=否定(ネガティヴ)」にあるということは、きわめて重要だ」とストイキツァは書く。 その誕生からはるか時が流れた啓蒙主義(en•light•ment)の時代なら、蒙(くら)いものに光を当てて明らかにすることこそが絵画の役割と考えられた。しかし、その起源においては、むしろ真逆な形で光を閉ざしたところで絵画は始まったというわけだ。 この本は、これまで光の芸術として描かれてきた視覚芸術の歴史を、影という正

                                                      影の歴史/ヴィクトル・I・ストイキツァ|棚橋弘季 Hiroki Tanahashi
                                                    • エル・グレコの人体解剖:病理的産物か、芸術的選択か - #EBF6F7

                                                      Laios, K., M. Moschos and G. Androutsos. (2017). “Human Anatomy in the Paintings of Dominicos Theotokopoulos”. Italian Journal of Anatomy and Embryology 122: 1–7. El Greco, Saint Jerome as Scholar, ca. 1610. 今回はマニエリスムの画家エル・グレコの絵画に関する美術史の論文を紹介する。 エル・グレコの絵画はその細長く引き伸ばされた人体で知られているが、彼はなぜそのように描いたのだろうか。 この問題をめぐって、伝統的に二種類の説明が与えられてきた。 一つは芸術的選択と見なす美術史的説明であり、もう一つは病理的産物と見なす医学的説明である。 今回扱うコンスタンティノス・ライオスらの論文では、医

                                                        エル・グレコの人体解剖:病理的産物か、芸術的選択か - #EBF6F7
                                                      • 思想家・柄谷行人が、コロナ禍で揺れる世界に語る、新たなる社会変革の可能性|じんぶん堂

                                                        記事:作品社 2021年1月、作品社より刊行された『ニュー・アソシエーショニスト宣言』――「世界変革への“新たなる宣言”!」 書籍情報はこちら 「NAM」後のアソシエーション運動 私は2000年に新アソシエーショニスト運動(NAM)を大阪で開始した。それは、簡単にいえば、「資本と国家への新対抗運動」である。そのとき、その理論的枠組として『NAMの原理』を出版した。組織としてのNAMは、2年で解散することになった。しかし、それでアソシエーションの運動そのものが終わったわけではない。NAMの解散に際して、私が反省したのはつぎの点である。NAMのような組織が意味を持つのは、多くの小さなアソシエーションがあった上で、それらがアソシエート(連合)するときである。NAMを組織するのは、早すぎた。 現代のアソシエーショニズムに影響を与え続けているカール・マルクス ゆえに、NAMの解散後も、私を含め、多く

                                                          思想家・柄谷行人が、コロナ禍で揺れる世界に語る、新たなる社会変革の可能性|じんぶん堂
                                                        • 動物に「心」は必要か - 東京大学出版会

                                                          動物の行動実験や脳研究から,比較によってヒトの心に迫ろうとしてきた著者が,心の多様性への理解を促す警鐘の書.擬人主義の起源を探り,何が問題なのか,いかに危険性をはらんでいるのかを,擬人主義に飲み込まれつつある心理学の歴史を振り返りながら明らかにしていく. ※長谷川眞理子氏(総合研究大学院大学長)より推薦コメントをいただきました。 「私たちは、他の動物の行動を自分たちの言葉で描写し、ついつい自分たちの心の動きで理解しようとする。動物心理学は、この障壁を乗り越えて「自然科学」たり得るのか?」 ※本書の一部をこちらから試し読みいただけます(クリックするとPDFが開きます) まえがき――反擬人主義の旗の下に 序 章 擬人主義のなにが問題か 第1章 観相学における擬人主義と擬動物主義 第2章 ダーウィンをルネ・デカルトは知らざりき 第3章 哀れなり,ラ・マルク 第4章 ダーウィン,ダーウィン,ダーウ

                                                          • アドラー心理学の問題点

                                                            アドラー心理学というのが少し前から流行しています。 『嫌われる勇気』という著書がおそらく火付け役だったと思われますが、出版不況と言われるこのご時世では珍しく数百万部も売れました。 そして、驚くべきは、その後も一時のブームで終わるのではなく、今日に至るまで、大量のアドラー心理学に関連した本が出されているところです。 現代社会において、なぜアドラー心理学がこれほどまでに流行するのでしょうか。私は3つほど理由があると考えています。 1つ目が現状の悩みに対して解決策を与えてくれるからでしょう。とにかく今は悩みがある人がかなり多いですからこれが登場した時に非常にありがたい存在だったことでしょう。 ただし、これだとその他の自己啓発に関する本と変わりません。ですので、2つ目と3つ目の理由が重要になります。 その、2つ目の理由ですが、アドラー心理学が流行したのは、そういった我々の悩みを解きほぐす言葉に「学

                                                              アドラー心理学の問題点
                                                            • 自己、自己、自己、自己、意識しすぎ|shinshinohara

                                                              この記事で自己肯定感の話題に疑問を呈したけど、私はそのほかの自己効力感とか自己省察とか自己の確立とか、自己自己自己自己してるのに前から違和感がある。 私はソクラテスの「汝自身を知れ」とばかり、自己省察を繰り返した結果、「私はタマネギである。むいてもむいても何もない」と感じた。 https://note.com/shinshinohara/n/nc2258df2a312?s=09 それは「自己」だけの話だけではない。たとえば鉄をどうやって理解するか。触るとヒンヤリ、夏日に当たるとヤケドしそう、刀、トンカチ、クギ、溶けると赤く光る、さびやすい、銀色、赤錆、電気を通す、磁石にくっつく。鉄を理解するには、鉄以外との出会いを観察するしかない。 鉄を取り巻く鉄以外のものとの出会い方を見て、おぼろげに私たちは「鉄とはこんなものだ」をおおよそ理解する。概念(おおむねの意味)とはよく言ったもの。鉄以外との関

                                                                自己、自己、自己、自己、意識しすぎ|shinshinohara
                                                              • 今の社会って他人の悪意に弱すぎじゃね? : 哲学ニュースnwk

                                                                2019年07月19日08:00 今の社会って他人の悪意に弱すぎじゃね? Tweet 1: 名無しさん@おーぷん 19/07/19(金)00:51:18 ID:vXD 職場で仕事してるところにいきなりガソリンぶっかけたらどうしようもないし せっかく幸せな家庭を作っても妻と子に路上で暴走車が突っ込んで来るかもしれない 他人が善人でそういうことをしないっていう信頼の上に成り立ってるけどそれって脆弱過ぎじゃん? 2: 名無しさん@おーぷん 19/07/19(金)00:58:03 ID:vXD 自分の身を自分で守るなんて不可能やろ? 悪意に対して人間は無力や 3: 名無しさん@おーぷん 19/07/19(金)00:58:44 ID:XFY 法学部で最初の最初に学ぶ事やで 6: 名無しさん@おーぷん 19/07/19(金)01:00:04 ID:ncU >>3 なんて教えられるの? 9: 名無しさん

                                                                  今の社会って他人の悪意に弱すぎじゃね? : 哲学ニュースnwk
                                                                • 「気」の中国通史――趙翼『廿二史箚記』(新書余滴)

                                                                  学生時代、わたくしがはじめて手にした漢文の歴史書は、趙翼の『廿二史箚記』だった。学部2年生の史料講読のテキストに用いた。卒業まで3年間つきあい、漢文史料の訓読、出典の調べ方、解釈の基礎をならった。テキストは、入手しやすかった台湾の世界書局刊行本であった。句読点はついていたが、小さな活字がぎっしり並んでいる。最初見たときは、吐く息をわすれた。ただ1年もたてば、漢字の行列も平気になった。これが、史料講読の最大の成果だった。 大学の教員となってからも、中国通史のテキストがわりに『廿二史箚記』を史料講読に用いた。理由は、もはや言うまでもなかろう。中国史専攻の教員・学生は、たいていなんらかのかたちで『廿二史箚記』の恩恵をこうむっているはずである。ちなみに、いまは老眼が進み、字が大きい『史学叢書』所収本と謙謙舎版和刻本を使っている。

                                                                    「気」の中国通史――趙翼『廿二史箚記』(新書余滴)
                                                                  • 波乱の株式相場を乗り切るために投資初心者が知っておきたい「株式投資6つの格言」 | マネーの達人

                                                                    2021年がスタートしました。2020年は新型コロナウイルス一色の年でしたが、株式や投資信託などの資産運用においても波乱の1年でした。 今年も首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令されるなど、まだまだ新型コロナウイルスの猛威はとどまる所を知りません。 P��� V��$� V株式や投資信託においては、年内に日経平均株価が3万円を超えるという意見もありますが、半信半疑の方もいることでしょう。 株式や投資信託は自分で売買の判断をするため、孤独な世界でもあることからストレスも溜まりやすく、いつでも冷静な判断ができるとは限りません。 そこで、このご時世だからこそ知っておきたい「株式の6つの格言」を紹介します。

                                                                      波乱の株式相場を乗り切るために投資初心者が知っておきたい「株式投資6つの格言」 | マネーの達人
                                                                    • 気鋭の哲学者に聞く グローバリズムと国家の相克<上>|日刊ゲンダイDIGITAL

                                                                      1強政治、少子高齢化進行のひずみが顕在化する中で迎えた参院選。ネオリベラリズムの競争社会の中で、既得権益に守られた層と取り残された層の格差は拡大するばかり。日本はどうなってしまうのか。気鋭の哲学者・千葉雅也立命館大学大学院准教授を直撃した。 ■ワンチャンにかける若者たちと…

                                                                        気鋭の哲学者に聞く グローバリズムと国家の相克<上>|日刊ゲンダイDIGITAL
                                                                      • 「友人全員失った」元“反ワクチン”派の女性が語る陰謀論の代償と後悔(女性自身) - Yahoo!ニュース

                                                                        妊娠検診で風疹抗体が陽性だった理由ピンクドルフィンさんは、すでにコロナワクチンを打っていた母に、自分も接種を決めたことを報告した。すると、母の口から衝撃の事実が明かされたという。 「母が『ワクチン怖がってるけど、実はお父さんがあなたに打ってたみたいよ』とさらっというんです。それまで私はワクチンを1本も打ったことがないと思っていました。けれど、父は母に黙ってこっそり私にMR(麻しん風しん混合ワクチン)と子宮頸がんワクチンを打っていたんです」 お父さんは母子手帳を最後の最後まで隠していたが、亡くなった後に母が見つけたようだった。確かに高校生の頃、父と病院に行った記憶がある。 実は、妊婦検診で風疹の抗体が陽性だったピンクドルフィンさん。妊婦にとって、非常に重要な風疹抗体の有無。妊娠中に初めて風疹に感染すると、赤ちゃんが心臓などに障害を持つ可能性があるといわれている。女性の場合は、幼児期に風疹ワク

                                                                          「友人全員失った」元“反ワクチン”派の女性が語る陰謀論の代償と後悔(女性自身) - Yahoo!ニュース
                                                                        • ニヒリズムとテクノロジー | 翔泳社

                                                                          ニーチェだったら、現代テクノロジーをどう見るだろう? 挑戦的「思想実験」の書が上陸 【本書の概要】 ・ニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解く ・SNSや有名アプリ・サービスを題材に、人が「無」に向かう構図を解説 ・現代の研究や調査、理論を反映、ニーチェの哲学が現代に通用することを示す 【人を虚無に導く企業やサービス】 Facebook, Twitter, Netflix, YouTube, Google, Pokemon GO, Fitbit, Uber, Airbnb, Tinder, etc. 【対象読者】 ・哲学的観点から現代テクノロジーとの向き合い方を考えたい人 ・AIやアルゴリズムが人に与える影響が気になる人 ・テクノロジーと自己の関係を見直し、批判的かつ楽観的な思考を得たい人 ※哲学理論が登場します。不慣れな方は事前に目次や内容をご確認ください ※テクノロジー

                                                                            ニヒリズムとテクノロジー | 翔泳社
                                                                          • レジュメ|ベンス・ナナイ「マクロとミクロ:アンドレアス・グルスキーの美学」 - obakeweb

                                                                            アントワープ大学の売れっ子ブンセキ哲学者といえば、ベンス・ナナイ(Bence Nanay)。ホストっぽい見た目とは裏腹に、知覚・心の哲学から、美学、存在論、倫理学まで、あちこちの分野で活躍する秀才です。 Nanay, Bence (2012). The Macro and the Micro. Journal of Aesthetics and Art Criticism 70 (1):91-100. そんなナナイによるアンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)論。 グルスキーといえば、デカい+幾何学的+超高画質な作品で有名な写真家。いまでは、ドイツのみならず世界を代表するアーティストの一人です。 グルスキーの美学を解剖しつつ、それを描写の哲学における「二重性(twofoldness)」の議論に接続した一本。Journal of Aesthetics and Art Crit

                                                                              レジュメ|ベンス・ナナイ「マクロとミクロ:アンドレアス・グルスキーの美学」 - obakeweb
                                                                            • 私がひそかに「檜垣型」文章と呼んでいるもの|山口尚

                                                                              檜垣立哉が最も良い文章を書くときは彼が競馬について語っているときだ、と考えたりする。私は競馬のことをほとんど知らない(人間の乗った馬が競争し観客がそれでもって賭博するということくらいしか知らない)。だが「オグリキャップ」について語った次の一節はそれだけで私の心を揺さぶる。《ここには真実がある》と感じさせる文章だ。檜垣曰く、 誰もがそうであるように、二十代の一時期の私は、自分がなにものであるのかも、なにをしているのかもわからない時間を過ごしていた。荒川沿いの薄暗いアパートで彼女と暮らしながら、競馬場かウィンズに向かう以外に自分の身のもちようがない日々をすごすなか、オグリキャップの走る姿はとにかく驚異だった。そこでは確かになにかが生きており、ともあれ生きていることには意味があるのだということを、オグリはあまりに自明にみせてくれたからだ。タマモクロスに追いすがり、中央いり以降ではじめて負けたオグ

                                                                                私がひそかに「檜垣型」文章と呼んでいるもの|山口尚
                                                                              • 外界の認識論と懐疑論の根深さ――バリー・ストラウド『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか』(永井均監訳、岩沢宏和・壁谷彰慶・清水将吾・土屋陽介訳、春秋社、2006年)|山口尚

                                                                                外界の認識論と懐疑論の根深さ――バリー・ストラウド『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか』(永井均監訳、岩沢宏和・壁谷彰慶・清水将吾・土屋陽介訳、春秋社、2006年) バリー・ストラウドの著書『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか』は、言ってみれば、知識にかんするひとつの宿命を語るような本である。ではその宿命は何か。それは或る種の「懐疑論」が払拭されないという不可避性である。「知識」概念をどのように構想しようとも懐疑論はつねに残響する。逆から言えば、懐疑論の息の根を止めることはできない、ということだ。 同書はデカルト、オースティン、ムーア、カント、カルナップ、クワインを取り上げる――本ノートでは《各々の哲学者がどのような仕方で懐疑論と関わっているか》についてのストラウドの理解をひとつずつ押さえていく。6人のうちで懐疑論に最も好意的な者として描かれるのはデカルトであり、それ以外の

                                                                                  外界の認識論と懐疑論の根深さ――バリー・ストラウド『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか』(永井均監訳、岩沢宏和・壁谷彰慶・清水将吾・土屋陽介訳、春秋社、2006年)|山口尚
                                                                                • 山田尚文さん | Research | Asa Ito

                                                                                  「ヴィジュアル系視覚障害者」を自認する山田尚文さん。弱視の世界は全盲とは全然ちがっていて、「いろいろ変なことが起こる」そう。医学的には「視野が欠けている」という症状になっても、脳が補完しているので、本人にはそのように見えるわけなく、ドライブ中に高架がひんぱんに現れたり、人間違いが増えたり。在宅勤務になり、オンラインのコミュニケーションになったことで、かえって同じ土俵に立てるようになったというのは意外な発見でした。 山田尚文さんプロフィール 1955年、三重県生まれ。30代で緑内障を発症し、ロービジョン(弱視)の視覚障害者。 電機メーカー勤務。趣味は、音楽鑑賞、絵画鑑賞、読書。 ◎オンラインだとむしろ同じ土俵に立てる 山田 ついさっきまで在宅で仕事をしていました。 伊藤 お疲れのところありがとうございます。オンラインでの仕事はいかがですか?オンラインでの会議などもあったりすると思いますが。