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  • ドラえもんと同じ「すこし(S)・ふしぎ(F)」を描くSF作家、レイ・ブラッドベリの作品が名作揃いな件。

    いきなり全然関係ない話から始まって申し訳ないんですが、皆さんドラえもん好きですか? しんざき家では、子どもたちが全員くまなくドラえもん好きでして、長男は今でも原作ドラえもんをちょくちょく読み返していますし、毎年大長編ドラえもんを家族5人で観に行っては、長女次女辺りはルナとルカごっこをやったりセーラごっこをしたりしている訳です。 ドラえもんで一つ、私が凄いと思っているところが 「40年近く前に出てきたひみつ道具が、最新の映画でも何の違和感もなく使われている」ということです。 例えば月面探査記ではお馴染み「桃太郎印のきびだんご」が出てくるんですけど、これ初出1975年なんですよ。44年前。 44年前の漫画で出てきたアイテムが、最新の映画で何の違和感も古臭さもなく使われている。 40年以上くさらないアイディアと発想っていうのも凄いですけれど、そこを中核にして、大人も子どもも何の違和感もなく同じ土

      ドラえもんと同じ「すこし(S)・ふしぎ(F)」を描くSF作家、レイ・ブラッドベリの作品が名作揃いな件。
    • 「知識の扱い方の初歩」を学んだときの話。

      つい先日の「解決法の「とっかかり」をなんとなく把握しておくことが大事だという話」を読んで、思い出したことがあるので、忘れないうちに、ここに言語化しておく。 * 初めて「人類の知識の膨大さ」に触れたのは、大学の研究室で、論文を読んで発表をするという、単純なタスクを与えられたときのことだった。 それまでは、論文1つを読んで、その発表をするなんて、とんでもなく簡単なことだと思っていた。 しかし予想は甘かった。 開始15分で、途方に暮れ、「これはとんでもなく時間がかかる作業だ」と気づいた。 というのも、一つの論文の内容を正確に把握し、その研究の意義を完全に理解しようとすると、その研究の背景となる論文や、先行研究を読まねばならない。 結局、1つの論文を発表するためには、その他に5つも10も、他の論文を読む羽目になる。 予想の5倍、10倍の時間がかかる作業を延々と繰り返し、ようやく発表にこぎつけること

        「知識の扱い方の初歩」を学んだときの話。
      • なぜ「ChatGPTは、使う人次第で能力が大きく変わる」のか、使ってみてはっきりした。

        最近おきた大きなイノベーションのひとつが、ChatGPTのリリースだったことは、多くの人の共通の認識でしょう。 正直なところ、Googleを脅かすほどの存在が、こんなに早く出てくるとは思っていませんでしたが、Googleなどのプラットフォームは大きい割には技術革新に対して脆弱であり、「短命」なので、必然の流れなのかもしれません。 逆に、プラットフォーム上に流通する「コンテンツ」には、とても長命なものが存在します。 例えば「イーリアス」「論語」「原論」などの古典などもそうです。 これらは時の試練に耐え、プラットフォームを乗り換えながら2千年以上もの間、全く変わらずに生き残っています。 では、ChatGPTもしばらくすれば時の彼方に消える……かというと、少しこれまでのプラットフォームと事情が異なるかもしれません。 なぜなら「コンテンツ流通させるだけ」の、Google、Twitter、Amazo

          なぜ「ChatGPTは、使う人次第で能力が大きく変わる」のか、使ってみてはっきりした。
        • 知識を詰め込みまくると、知識が勝手に動き出すようになる

          「勉強なんてしても無駄だ。なんの役にも立たない」 よくこのような事をいう人がいる。 この意見に対しては色々な反論の仕方があるだろう。実際に役立った勉強の例を持ち出す人もいるだろうし、不勉強で被った被害の例をあげる人もいるだろう。 僕も一応医者をやっているわけなので、この手の意見に色々な反論は思いつく。 思いつくのだが…そういう具体的な話を用いるまでもなく、このような意見をいう人は「知識が勝手に有機的にくっついて、動き出すという経験をしたことがないのだろうな」と思う。 だってこれを一度経験したら、面白すぎてとてもじゃないけど勉強が無駄だなんて思わないだろうから。 この体験の面白さを知らずに勉強嫌いでいるのは勿体ないので、今日は具体例を用いて勉強の面白さ、そして仕事の面白さと個性についてアレコレ書いていこうかと思う。 最初に勉強の面白さを見いだせたのは確か中学校の数学だったように思う。 それま

            知識を詰め込みまくると、知識が勝手に動き出すようになる
          • 仕事は、キレたら負け。

            時間があったので、北野武(ビートたけし)監督の、2010年の映画作品、「アウトレイジ」を見直した。 基本的には「ヤクザ映画」なので、最初から最後まで、ひたすら殺人、暴力、奸計、そして理不尽が飛び交う。 凄惨なシーンも多いので、好きな人は理由なく好き、嫌いな人は受け付けないだろう。 まあ、エンタテインメントの本質は「非日常」であるから、娯楽としては正しい。 しかし、今になって見直してみると、ちょっとした発見もあった。 北野武自身も、「拳銃を使った人間は幸せになれないようなシナリオにしている」と述べているそうだが、*1 この映画で生き残るのは「冷静で頭の切れるヤツ」だけ。 「感情的なヤツ」はさんざん利用された挙げ句、皆殺されてしまう。 身も蓋もない。 おそらく、この映画は 「感情的になったら、その時点で負け。」 というメッセージを強烈に発している。 それは、私が社会人になって最初に学んだ「最重

              仕事は、キレたら負け。
            • 「面倒くさがり屋」につけるクスリはあるのか。

              以前「依頼された仕事をやらない人」は、要するに「面倒くさがり」だと書いた。 「依頼された仕事をやらない人」は、なぜあれほど言われても、仕事をしないのか ではなぜ、彼らは「やれる能力」があり「引き受けた」のに、仕事をしないのか。いろいろと考えた挙句、私がたどり着いた結論は、「たぶん、面倒になった」だった。 「面倒くさがり」は、かけるべき手間をかけないという意味で、「怠け者」と呼ばれてしまうことも。 例えばこんな具合の、リーダーとメンバーのこんなやり取りを、見たことがある。 リーダー 「お客さんに説明するときには、「顧客満足」という言葉を正確に使わないとダメです。「顧客満足」の正確な定義を覚えてますか?」 メンバー 「……えーと……正確な定義、ですか……?」 リーダー 「そう。」 メンバー 「……申し訳ないです……覚えてないです……。」 リーダー 「用語集に載っているから、すぐ調べておくように

                「面倒くさがり屋」につけるクスリはあるのか。
              • 精神科の医師「アル中は治らないから診ないと決めたけど、君はインテリだから診てあげよう」の意味。

                つい先日、Twitterで連ちゃんパパという作品が話題になっていた。 全てのピカレスク漫画の頂点 ウシジマくんのいないウシジマくん クズの珍道中「連ちゃんパパ」https://t.co/QNo4SAlXTd pic.twitter.com/GB8kVL54Nu — 益荒男 (@kandana_i) May 11, 2020 Twitterでのこの漫画に対する評価はこんな感じだ。 「登場人物、みんなクズ」 「コボちゃんみたいなカワイイ絵柄でヤミ金ウシジマくんみたいなストーリー展開」 「あまりにも展開が残酷すぎて読めない」 と、いうわけで僕も興味をもって読んでみたのだが、読後感は上とは随分違う。 個人的にはギャンブルの恐ろしさを見事に表現した傑作だと思った。 なお、連ちゃんパパはマンガ図書館Zにて全巻無料で読めるので、興味がある人は一読してもいいかと思う。 www.mangaz.com 人は依

                  精神科の医師「アル中は治らないから診ないと決めたけど、君はインテリだから診てあげよう」の意味。
                • 「続けられない人」は、「練習方法」にフォーカスすると良いかも。

                  努力はそんなに裏切らない 最近は「努力せよ」と言うと、批判されることも多いと聞く。 「努力は報われるとは限らない」 「努力できるのも才能」 「努力できない人もいる」 などというのが、その反論の骨子だ。 まあ、そうかもしれない。 もちろん「無駄な努力」があることは知っているし「努力を強要すること」の不毛さも知っている。 だから、「努力はムダ」という人々へ、私はあえて反論はしない。 でも。 私は現実的には、子供たちに「努力したほうがいい」と言うし、部下にも「努力して」と普通に言うだろう。 なぜなら、「とりあえず努力しておく」と、大体は良い結果になる事を知っているからだ。 むしろ、そういうシーンで「努力したほうがいい」と強調しないのは、かなり不誠実な態度だと思う。 実際、世の中にある大半の仕事は、「起業して上場させる」とか「売れっ子漫画家になる」あるいは「政治家の頂点に上り詰める」といったような

                    「続けられない人」は、「練習方法」にフォーカスすると良いかも。
                  • 部下の心身をぶっ壊す日本人的なマネジメントは、もういい加減に止めなければ。

                    「部長、5件でいいので見本を見せてください!」 証券会社の1年生だった頃、所属長にこんな懇願をしたことがある。 ことの発端は、”高額納税者リスト”に片っ端から電話をしろと、業務命令を受けた時のことだ。 令和の今では信じられないかもしれないが、当時は「日本のお金持ちランキング」とも言うべき高額納税者が地域ごとに詳細に発表され、毎年ニュースを賑わしていた。 そして高額納税者は住所、氏名が世間に公表され、当然のことながら金融機関からの営業電話がなり続けることになる。 しかしかけてもかけても、 「忙しいんに、クソ電話してくんな!」 「儲かる株なら自分で買えばええやろ!」 とガチャ切りされるばかりで、全く受注を頂けない。 そりゃあそうだろう。こんなリストで実名や連絡先を公表されたら、怪しい投資から詐欺のような話まで、全国から電話が殺到しているに決まっている。 部長はイラ立ち、 「お前ら、それでも大学

                      部下の心身をぶっ壊す日本人的なマネジメントは、もういい加減に止めなければ。
                    • 仕事ができる人は、人に期待しない。

                      仕事ができる人は、おしなべて「人に期待しない」というイメージがあります。 悪い意味ではなく、いい意味で「過剰な期待が身を滅ぼす」と知っているからです。 「仕事ができる人は冷たい」って言うイメージがある。 けど冷たいわけじゃない。 「あんまり人に期待してない」だけ。 仕事って、人がやるのを待っていると、たいていうまく行かないので どうしても思考が「まあ、あんまり期待してないけど、やれるんならやって。できないなら仕方ないよ。」 になる — 安達裕哉(Books&Apps) (@Books_Apps) March 12, 2020 もちろんこれは「人」、つまり他者だけではなく、「自分にもあまり期待しない」ことも含んでいます。 まあ、「やれること」と「やれないこと」の区別が徐々についてくからなのでしょう。 もちろん、上司や経営者が、面と向かって「お前には特に期待してないよ」などとは絶対に言わないほ

                        仕事ができる人は、人に期待しない。
                      • 直感に頼らず、あえて「ゆっくり」仕事をしたほうが、結果として早く仕事が終わる。

                        「脳の働きで驚くべき特徴の一つは、めったにうろたえないことである」 これは行動経済学者であるダニエル・カーネマンによる言葉だが、いわれてみると私達はとにかくなんでも決めたがりである。 <出典: ファスト&スロー> 人は中途半端な状態で行動するのがとにかく苦手な生き物だ。 AもありえるしBもありえる、とか全てにわたって検討する事など普通の人には不可能である。 「私、はっきりしない男嫌いなんだよね」 なんかいかにもな感じのセリフだが、こう言いたくなる人の気持ちもわからなくはない。 はっきりしないは物凄く疲れる。 自ら進んで疲弊したがる人間はあまりいない。 それが男女の仲のような根本的に疲れる関係でなら、なおさらである。 こうして、人はどんどんと直感を研ぎ澄ましていくようになる。 プロフェッショナルによる素早い意思決定は、みていて非常に気持がいいものの一つだ。 うろたえず、自信をもって、素早く行

                          直感に頼らず、あえて「ゆっくり」仕事をしたほうが、結果として早く仕事が終わる。
                        • 「頭が悪そうに見える言い方」の正体とは。

                          以前「地頭の良さ」についての記事を書いた事がある。 「地頭の良い人」と、そうでない人の本質的な違いはどこにあるか。 コンサルタントをやっていた頃、良いか悪いかは別として、採用に関して「地頭の良さ」を重視する風潮があった。 地頭の良い人間は一定の訓練でそれなりのコンサルタントになる。だが、お世辞にも地頭の良いとはいえない人間は、いつまでたっても一人前になれなかったからだ。 実際、私が20代半ばで所属していた部署では、中途採用にあたって「学歴」をさほど重視していなかった。 重視していたのはとにかく「地頭」だ。 記事に書いたが、私は「地頭の良さ」というのは、「インテリジェンス」、すなわち「僅かな情報から、多くの事象を読み取る能力」だと考えている。 実際、「地頭が良い人」から得られる情報の中で最も貴重なのは、「思考の切り口」だ。 「そのような見方があるのか」との気づきを与えてくれる人々と話すのは、

                            「頭が悪そうに見える言い方」の正体とは。
                          • 良い人生のためには『やりたいこと』ではなく『やるべきこと』をやり続けること。

                            『佐久間宣行のずるい仕事術』(佐久間宣行著/ダイヤモンド社)という本を読み終えて、「佐久間さん、これ、全然『ずるくない』よ!」と思ったのです。 佐久間宣行さんは、1975年生まれのテレビプロデューサーで、テレビ東京で『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などの人気番組を制作し、2021年3月にフリーに転身されました。 テレビ東京に勤めていた2019年から、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』という深夜ラジオのパーソナリティも担当されており、僕はこのラジオを偶然聴いたのがきっかけで、佐久間さんに興味を持つようになったのです。 「仕事術」の本って、世の中に、たくさん出ていますよね。 「ずるい」とタイトルにつけるくらいだから、「コスパのいい、裏技」みたいなものがたくさん載っているのだろうな、と想像していたのですが、「読みやすくて、正攻法のど真ん中のストレート」な内容だったのです。 佐久間さんは僕

                              良い人生のためには『やりたいこと』ではなく『やるべきこと』をやり続けること。
                            • 数年にわたるマンションの「管理費未納者問題」がやっと片付いたので、淡々と経緯を書く。

                              ブチ大変でした。 しんざきはとある家族向けタウンマンション(建物が分かれている戸建て風のマンション)に住んでいまして、ここしばらく管理費の未納問題と戦っていました。 つまり、「居住者の中に、本来は毎月払わないといけない管理費をずっと納めてくれない人がいた」という問題です。 発生から解決までは数年に及びまして、正直めちゃ大変だったんですが、幾つか得られた知見もありまして、誰かの役に立つかも知れないと思ったので振り返りを記事にしてみます。 細かいところをぼかすのはご容赦ください。 ただ淡々と起きたことを綴っていくだけの記事でして、それ程胸糞なことは起きませんし、スカッとカタルシス展開もありませんし、特に誰も幸せにはなりません。 ご了承の上お読み頂けると助かります。 当初の経緯 ある居住者の方(仮にAさんとします)が、マンションの管理費を収めてくれなくなりました。 管理費は、マンションの管理会社

                                数年にわたるマンションの「管理費未納者問題」がやっと片付いたので、淡々と経緯を書く。
                              • 上司は「気に入った部下」だけ育てればいい。

                                コンサルティング会社に在籍していたときのこと。 ある時期私は、「人材育成」をテーマにしていました。 企業内研修や教育プログラムを企業向けに売っていたのです。 その中で、私の人材育成観にたいして大きな影響のあった話がいくつかあります。 これはその一つです。 それがタイトルにもある、上司は「気に入った部下」だけ育てればいい、という経営者の話です。 実は私はそれまで、「上司は、部下に対して贔屓をしてはならない、あるいは極力フラットに接する」という考え方でした。 具体的には、 ・スキルアップ・教育研修の機会は出来得る限り平等に与える ・昇進・昇格の機会も、可能な限り均等にする ということになるでしょうか。 もちろん、研修や教育についても同様で、私は、社員研修の対象者を「社員全員」とすることを当然のことと考えていました。 これは、研修を売る身として、できる限り研修の対象者を広げたほうが儲かる、という

                                  上司は「気に入った部下」だけ育てればいい。
                                • わかりやすくするためであっても、「どっちかを上げて、どっちかを落とす」論法は、危険。

                                  どうもこんにちは、しんざきです。 しんざきは暑いのが極めて苦手な生き物でして、在宅勤務中は大半の時間をタンクトップで過ごしています。 5月だというのに既にこんなに暑いと、正直7月8月を生きて乗り切れる気がしない。 ちょっと前の記事で、こんなことを書きました。 「会議でトンチンカンな発言をするベテランエンジニア」の、深い洞察。 やっぱ絶対評価って難しいんですけど、相対評価ってわかりやすいんですよ。 対立軸が発生すると面白いし、理解もしやすい、参加もしやすい。 「悟空が一人で飯食ってるだけのドラゴンボールはただのニート漫画だけど、べジータと戦い始めるとなんだか面白いよ理論」というヤツです。 ごめんなさい、私自身は「悟空が一人で飯食ってるだけのドラゴンボール」も多分割と好きなんですけどそれは一旦置いておいて。 「人間、絶対評価よりも相対評価の方が遥かに理解しやすいし、話も飲み込みやすい」 ってこ

                                    わかりやすくするためであっても、「どっちかを上げて、どっちかを落とす」論法は、危険。
                                  • 行動できたら、もうその時点で勝ったも同然。

                                    最近気がついた事の一つに「走り続けている人間が痩せるのは何故か?」の正体がある。 ダイエット神話の一つに「運動しても消費カロリーなどほとんど増やせないのだから、運動しても痩せない」というものがある。 僕も随分と長い事この理屈を信じていて 「痩せたいのなら運動なんてしても無駄だ」 と思っていた。 だが実際に毎日10キロ走ってみて、運動して痩せるという事の理屈を心の底から理解した。 走ると何故痩せるのか。 結論から言うとそれはランニングが下半身の筋トレだからである。 実際にやっていると嫌というほどに痛感するのだがランニング動作は脚を持ち上げて地面に叩きつけての繰り返しだ。 これを約1時間ものあいだ休むこと無く延々と繰り返すのだから、下手な筋トレよりも間違いなく高密度で高負荷であろう。 故にランニングを何ヶ月にも渡って続けていると下半身のみならず下腹部がバッキバキに割れてくる。 だから消費カロリ

                                      行動できたら、もうその時点で勝ったも同然。
                                    • 新人のときに「最初の仕事を頑張りなさい」と言われた。時が経ってその意味がわかった。

                                      2001年の春。 就職氷河期にかろうじて会社に滑り込んだ私は、勝どきのオフィスで、同期たちと新人研修を受けていた。 研修の内容はシンプルで、ディスカッション、プレゼンテーション、チームワークといったスキル的なもの。 あるいは、メールの出し方や勤怠管理システム、人事評価システムの使い方などのルーティンワークまで、多岐にわたっていた。 その新人研修で、一つ残っている思い出がある。 私は何気なく、研修の講師に「新人のときに頑張っておいたほうが良いことってありますか?」と聞いた。 ごく普通の質問だ。 研修の講師はちょっと考えて、こう言った。 「最初の仕事をとにかくがんばりなさい」。 その時は「なんの変哲もない、普通の答えだな」と思った。 新人だろうが給料をもらっている以上、ベストを尽くせ、そういう意味だと思ったのだ。 だが、働くうちに、徐々にわかってきた。 「とにかく最初の仕事を頑張る」のは、私が

                                        新人のときに「最初の仕事を頑張りなさい」と言われた。時が経ってその意味がわかった。
                                      • 「センター試験の点数をいつまでたっても自慢する人間」は、いったい何に囚われているのか。

                                        インターネットで時々話題にあがるものの一つに、センター試験の点数をいつまでたっても自慢する人間というものがある。 僕がこの現象を初めて目にしたのは確か村上春樹のエッセイであった。 エッセイのあらすじは官僚の人が村上さんが突然「あなたのセンター試験の点数は何点でしたか?」と尋ね、村上さんが困惑するといったものだ。 数点単位で寸分違わずに己の点数を流れるようにそらんじて自慢する姿をみて村上さんが 「大の大人がこの歳になって一体なにをやっているんだ…」 と呆然するこのエッセイを読んで当時の僕は爆笑した。 だが、実はこのセンター試験の点数自慢おじさんのエピソードには人生において成功する為の秘訣のようなものが詰まっている。今日はその話をしよう。 成功したいのなら、狂人になりなさい 前回、僕は徳島スタンフォード事件を例にあげて個人が努力する事の難しさを書いた。 繰り返しになるが、普通の人間にとって努力

                                          「センター試験の点数をいつまでたっても自慢する人間」は、いったい何に囚われているのか。
                                        • 最近ハマっている瞑想について相当に深く突っ込んで書いてみた(1万4千字)

                                          これから最近ハマっている瞑想について相当に深く突っ込んで書いていく。 スピリチュアルさや超越体験、宗教色はほぼ皆無なので、そういうのが嫌いな人こそむしろ楽しめるかと思う。 瞑想に興味を持ったのはランナー&僧侶の人が書いた本を読んだ事がキッカケだ。この本が良くも悪くも僕の瞑想に対するイメージをぶっ壊した。 その本「限界を乗り超える最強の心身 チベット高僧が教える瞑想とランニング」はランニングを瞑想的な観点で眺め、瞑想で得られる効用をランニングという視点から、より一般化させて紹介するというものだ。 走ると何故か妙にスッキリする 「ランニングに瞑想的な要素がある」というのは前々から思ってはいた。 肉体・精神的に疲弊しきっていても走ると身も心もスッキリし、辛くて仕方がなかった現実を何故か「まあ、なるようにしかならないな」と処理できた事が何度かあり 「たぶん瞑想で得られる効用ってこれなんだろうな。じ

                                            最近ハマっている瞑想について相当に深く突っ込んで書いてみた(1万4千字)
                                          • 生活を楽にしてくれるもの。それは体力と精神力であり、カネではない。

                                            SNS上で「人生観が変わる」との絶賛の触れ込みでもって流れてきたこの本だけど、確かにとても面白い。 内容を一言でいえば「お金に振り回されずに、ちゃんと人生を楽しめ」というものである。 現代人は脳みそがお金に占領されすぎているが、そもそもお金なんて命ある限りの資産なのだから、死ぬ直前に資産がゼロ円になるのを目指す位が一番いいじゃないかという提言を著者はしている(だから題名がDIE WITH ZEROなのだ) こう内容を一言でいってしまうと「そりゃそうだ」でしかないのだが、実際にはこの本は著者の半生記でもあり、要旨以上に色々と得るものは多い。 本を読むと著者の筆力もあってグイグイと引き込まれ、いろいろな考えが頭に思い浮かぶこと間違いなしである。 「自己啓発本はちょっと…」という人にも素直にオススメできる素晴らしい本だ。 拝金主義から逃れる為には一旗あげなくてはいけない? さてこの本の分類だが、

                                              生活を楽にしてくれるもの。それは体力と精神力であり、カネではない。
                                            • 「結婚するな」と発信しておいて、実は結婚していた上野千鶴子氏は、本当にすごい。

                                              「おひとりさまの教祖」と呼ばれる上野千鶴子氏が実は結婚していたと報じられ、SNSを中心に今も騒ぎが収まらない。 それもそのはずで、同氏は「結婚は奴隷契約」「なぜ恋愛と性の自由を放棄して結婚などするのか」と、婚姻制度そのものを厳しく攻撃してきた過去があるからだ。 ツイッターで上野氏に関するハッシュタグを検索してみると、著名人から一般人まで幅広く、攻撃的な言葉で同氏を批判するものが目立つ。 おひとりさまの生き方について本を書いて「結婚という制度がイヤ」と公言してきた上野千鶴子さんが結婚してた。 嘘を書いて本にして情弱からお金を取ってたわけですね。いやはや。。。https://t.co/V6gHbSTj0j >独身を貫く上野氏は“おひとりさまの教祖”として女性たちから絶大な人気を誇ってきた。 — ひろゆき (@hirox246) February 21, 2023 上野千鶴子氏の様な二枚舌の嘘つ

                                                「結婚するな」と発信しておいて、実は結婚していた上野千鶴子氏は、本当にすごい。
                                              • 貞淑な大学生だった私がチャットレディで女帝になった話

                                                これは今まで誰にも話したことがない、墓場まで持っていくつもりだった話です。 ただ、あれから10年近くの時が経ち 「もう時効ってことにしてもいいのかな」 とも思えてきたので、この気持ちが変わる前に振り返ってみようと思います。 *** 「在宅ワーク可能なチャットレディ★未経験から簡単高収入♪」 ネットサーフィン中にふと目に入ったこんなバナー。 冷静に考えれば胡散くさすぎますが、引きこもり気質かつ金欠だった当時の私には 『在宅ワーク』 『簡単高収入』 という煽情的な文言にグっとくるものがあったのです。 チャットレディとは、カメラで映像を映しながら男性と話す仕事のことで、いわばインターネットキャバクラのようなものです。 当時の私は高収入が得られる”お水”の仕事に興味を持っていたのですが、漫画やドラマで見る女の園はヘドロのような人間関係が描かれていて、とても自分が生きていける世界ではない、と応募を断

                                                  貞淑な大学生だった私がチャットレディで女帝になった話
                                                • 「意識を変えて行動する」は誤りで「行動を変えると意識が変わる」が正しい。

                                                  最近、人間の意志なんて当てにならないなぁ……と思うことが増えてきた。 いや、ざっくり「人間」といってしまうと、強い意志をもって大きなことを成し遂げた人たちに失礼かもしれない。 でもわたしのように、意志が弱くてすぐ楽なほうに流されてしまう人は多いんじゃないだろうか。 意志の弱い人間が意識を変えたって、どうにもならない。 変えるべきは、まず行動なのだ。 「タイマーをオンにすれば、モチベ関係なくやらなきゃって気分になるよ」 少し前から、夫が「毎日30分家事をする」というマイルールを自分に課している。 残業した日でも変わらずに、ちゃんと30分家事をするのだ(主に掃除)。 「もう3か月くらい続いてるよね」と言ったところ、「大事なのはとにかく行動することだから」だと言う。 「今日はどこを片づけよう?と考えずに、タイマーをオンにして目についたものを片づけていく。モチベーションがどうであれ、タイマーを回し

                                                    「意識を変えて行動する」は誤りで「行動を変えると意識が変わる」が正しい。
                                                  • 体力がつくという事が、どういうモノなのかやっとわかった。

                                                    去年の5月から走り始めて、もうそろそろで一年たつ。 ランニングについてはこれまでにも色々と書いてきた。 念のため簡単に得られる効用を書いておくと、いま現在の僕はメンタルが強靭になって超激務な仕事も耐えられるようになり、どんなに食べても太らない体質を獲得した。 健康になるのみならず、仕事における生産性という意味でもランニングの効用は凄い。 なので個人的には物凄くオススメなのだが、まあそうはいってもこれまで運動をやってこなかった人が一念発起して走り始めるのが難しいという事も重々承知している。 何を隠そう、自分自身がどうやったら運動せずに健康体でいられるかを10年以上かけて試行錯誤していたのだから、運動をしない皆さんの気持ちは痛いほどによくわかる。 結局、僕は健康目的というよりも仕事がキツすぎて走り始めるようになってしまったのだが、みなさんもマジで心がヤバくなった時はランニングがメンタルにキくと

                                                      体力がつくという事が、どういうモノなのかやっとわかった。
                                                    • この騒動で「孤独なコロナウイルス後」になりそうな人が可視化されている。

                                                      当分、「コロナウイルス禍」は継続しそうな気配だ。 まあ、1年程度続くことを覚悟したほうが良いのかもしれない。 多分、専門家たちですら「今後どうなるんでしょうか?」と聞かれても、 「そりゃー、わかんないですよ。」と答えざるを得ないんだろう。 まあ、人類の認識の限界ってやつだ。 「ブラック・スワン」の著者のナシーム・ニコラス・タレブは 「極端な事象=統計的な外れ値」は、原理的に予想できない、と述べている。 これはまさにそのとおりで、今回のコロナウイルス禍は3.11やリーマンショックと同様に、 予想もヘッジも不可能な事柄のひとつなのだろう。 まあ、それは良い。大きな流れは個人がどうにかできるようものではない。 ただ、一人ひとりが全くの無力であるかと言えば、私はそうは思わない。 ・外出を控えること ・手をよく洗うこと ・情報の出所をあたること ・困っている人をできる範囲で助けること ・家の中ででき

                                                        この騒動で「孤独なコロナウイルス後」になりそうな人が可視化されている。
                                                      • 『この世は所詮「何をいうか」ではなく「誰が言うか」』は完全に正しい。

                                                        少し前に受けた、R25の記事の取材で、人間関係の「信頼残高」の話になった。 「“好きを仕事に”は、マーケットを無視してる」moto×安達裕哉が語る「いい転職」の本質 悪い状態で評価が確定するというのは「信頼残高」が尽きてるという状態です。 「信頼残高」が尽きてしまったら、その会社では何をやっても認められない。 (R25) 実際、組織での評価は多くの場合「成果」だけで決まるわけではない。 多くの組織では「成果」がどこまで個人のものかを、厳密には切り分けていないからだ。 だから、多くの場合、成果は評価の一部に過ぎず、「信頼残高」が大きくものを言う。 ところでこの「信頼残高」とは何か。 信頼残高とは、世界的ベストセラーで自己啓発書の古典である「7つの習慣」に登場する概念だ。 端的に言えば「信頼」とは銀行口座のお金のようなもので、人の信頼を得る行為をすれば残高が増え、人の信頼を裏切る行為をすれば、

                                                          『この世は所詮「何をいうか」ではなく「誰が言うか」』は完全に正しい。
                                                        • 100冊の本よりも、1回の経験の方がはるかに強い

                                                          もう随分と前のことだが、遠足の行き先をめぐり、保護者の間でちょっとした騒ぎになったことがある。 聞けば、小学2年生の子どもたちの目的地が石舞台古墳とのことで、賛成できない親御さんがいるとのこと。 ご存知のように石舞台古墳といえば、奈良県明日香村にある、日本を代表する史跡だ。 しかしその見た目は、乱暴に言えば「岩を積んだだけの何か」といえなくもない。 幼い子どもたちが連れて行かれても、喜ぶ姿は確かになかなか想像できないだろう。 石舞台古墳 画像引用:農林水産省「棚田に恋」より そのため反対する親たちの意見は、 「そんなところに幼い子どもを連れて行って何になるのか」 「子ども向け遊園地に連れて行ったほうが、良い思い出になるのに」 といったもののようだった。 思えばこの論争は、私たちが「大人の都合」で旅行先を決められていた子ども時代に、いつも感じていた疑問だ。 せっかくの修学旅行なのに、なぜ京都

                                                            100冊の本よりも、1回の経験の方がはるかに強い
                                                          • 「好きな仕事はキツくない」伝説だが、個人的には”ウソ”だと思っている

                                                            好きを仕事にしよう。好きな事なら努力なんて苦しくもなんともないんだから。 実に様々な場所でよく聞く言葉である。最近も下の記事で似たような内容を読んだ。 「私は“努力の仕方”を学べなかった」――SUSURUと指原莉乃が語る、「好きを仕事に」するために必要なこと(Yahoo!ニュース オリジナル 特集) さてこの「好きな事はキツくない」伝説だが、個人的には”ウソ”だと思っている。 もちろん世の中には色々な人がいる。だからそういう人がいる可能性を否定はしないけど、少なくとも僕は好き≒ラクではない。自分の周りの人間も大体似たような事を言っている。 好きしか無い仕事なんてありえない 僕は医者とライターという二足のわらじを履く生活をしている。 ライティングについては一応得意で好きな分野ではあるのだけど、じゃあライティング業務がキツくないかと言われたらぶっちゃけキツイ。 全ての仕事にいえる事だと思うのだ

                                                              「好きな仕事はキツくない」伝説だが、個人的には”ウソ”だと思っている
                                                            • 瞑想は、心が悲鳴をあげた時にやるべきものであると分かった。

                                                              いろいろあって最近物凄く忙しい生活が続いている。 具体的に言うと週休一日以下で、毎日ほぼ仕事しかしていない。 最初の頃は「頑張ってりゃそのうち慣れるだろ」と気楽にやっていたのだが、一ヶ月ほどこの生活を続けていたところ、胸の奥に拭い去れない苦痛のようなものが宿るようになってしまった。 現時点でこの苦況を完全に乗り切れているとは言い難いのだが、最近になってほんのちょっとだけ頑張れるコツみたいなのが見出だせてきた。 今日はそれについて書こうかと思う。 似たような境遇に居る人の参考になれば幸いである。 人は心に余裕が無くなると、遊べなくなる これまでは比較的時間に余裕があったので、時間をかけて脳の疲労を取り除く事ができた。 具体的に言えばダラダラTwitterをしたりアクションゲームに没頭したりしていれば、ゆっくりとではあるが心が回復した。 だが現在はそんな事をする余裕が無い。 あまりにも忙しすぎ

                                                                瞑想は、心が悲鳴をあげた時にやるべきものであると分かった。
                                                              • 負けを認められる人間には次がある

                                                                久々に週末集中してゲームをやった。タイトルはBLACK SHEEP TOWN。傑作である。 本作は僕がこよなく愛している瀬戸口廉也さんというシナリオライターが関わったゲームである。 内容を簡単にいえば、架空の街を舞台にマフィアがドンパチやるというものだ。 何人もの人間が深く交錯する、いわゆる群像劇と言われるジャンルで、人間の様々な行動や選択が他人の人生に強く影響を与えていく様は、人生が色々な人の思惑で想定外の方向に動くんだなという事を感じさせてくれる。 純粋に人間劇としても面白いのだが、作中に挿入されている身体的障碍をモチーフとした超能力と精神的障碍のモチーフとした超能力が描かれており、これが実に素晴らしい。 この能力の使い分けによって描かれる世界に「当たり前だけど、才能も障碍も良いこともあれば悪いこともあるよな…」と深く感心させられてしまうこと必死である。 3000円程度で20時間近くも

                                                                  負けを認められる人間には次がある
                                                                • 「家の中の様子」には、その人の精神性が反映される。

                                                                  ちょっと前に訪問診療の現場にて悲劇的な事件が起きた。覚えている人も多いだろう。 <参考 「寝たきりの親にパラサイト」訪問診療医射殺事件にちらつく”8050問題”家庭の末路 親の年金目当てに延命リクエスト | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)> 1月27日、渡辺宏容疑者(66歳)は埼玉県ふじみ野市の自宅で、前日に死亡した母親(92歳)の担当医だった鈴木純一さん(44歳)を人質に立てこもり、散弾銃で撃って殺害した疑いで逮捕された。 訪問診療は来院困難な患者さんに向けられたサービスで、僕も経験がある。 医療は患者さんが病院を訪れて医者が診察をするというように通常であれば医療機関にて行われるものだ。 だが、世の中には様々な理由で持ってそれが困難な方がいる。 そうした人達にも医療を提供する窓口として訪問診療という制度はある。 在宅医療は患者さんにだけメリットがありそうにもみ

                                                                    「家の中の様子」には、その人の精神性が反映される。