映画「ゴッドファーザー」の舞台であるイタリア・シシリー島のタオルミナで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議で、ドナルド・トランプ米大統領は「悪役」を演じた。「米国第一主義」にもとづく強硬な保護主義の主張を繰り返した。 他の首脳の説得でサミット宣言ではかろうじて「保護主義と闘う」ことを明記したが、2国間の貿易摩擦の激化を予見させる。地球温暖化防止のためのパリ協定を拒む姿勢は変わらず、米国抜きの協定再確認という異例の展開になった。G7が貫いてきた国際主義を真っ向から否定するトランプ大統領の反国際主義は、国際社会を深刻なリスクにさらしている。 イタリアで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議。「米国第一」を掲げるトランプ米大統領の参加により、G7の足並みの乱れが浮き彫りになった。(写真:Sipa Press/amanaimages) あからさまな反国際主義 超大国の自国第一主義がいかに危険か、トランプ