食育って、そんなベタなことをしなくったっていいのに。僕たちは一年育てた……一緒に過ごした豚を食べる。先生がそう言うから。僕は、隣にいるブリギッテをちらりと見た。一年前のあの日から、彼女は飼育係を勤めていたのだから。 新学期はいつだってドキドキする。新しいクラス。クラスメイトに友達はいるか?いじめっ子はいないか?可愛い女の子はいるか?そんな思いをするのも、もう三回目くらい。特に女の子に関しては、一年生の頃は意識していないかったと思う。 席順を見て、僕のドキドキは最大限に加速した。マドンナB!学年一の美少女ブリギッテが、僕の隣の席なのだったから……しかし、そのドキドキは、次に起きた珍事件により、霧散してしまった。 校庭に犬?が迷い込んだ。犬にしては、動きがたどたどしい。なんだか、ドタドタと走っている。ちょうど、僕たちのクラスはLHR中で、校庭でダンスレッスン中だった。 「豚だ!捕まえろ!」 誰