2011年3月の福島第一原発事故を機に、日本のエネルギーを取り巻く状況は大きく変わった。2016年4月に電力が自由化され、2017年4月からは都市ガスの自由化も始まった。 そんななか、サハリンから東京湾までパイプラインを敷設する構想が「現実的なプロジェクト」としてロシアで発表された。有力紙が明かしたのは、日本側が水面下で進めている壮大な計画の詳細である。実現すれば、日本は従来の5分の2の価格でガスを得られるようになる。世界最大の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本にとって、大きな意義をもたらすはずだ。 プーチン・安倍会談の“成果” ロシアと日本が急接近し、両国の関係強化が図られていることにより、ロシアから日本へのガスパイプライン建設プロジェクトがにわかに現実味を帯びてきている。我々が独自に入手した日本側の資料によると、総工費約60億ドル(約6600億円)で総延長1500km、年間輸送能力