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WWDC24
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先日、韓国のインターネット事情を書いた。もう少しその話を続けてみる。 アメリカでブログが流行し始めたのは、2001年だと言われている。つまりセプテンバー・イレブンの同時多発テロが、起爆剤となった。事件をきっかけにアメリカ国民の政治意識が急速に高まり、そしてブログがその噴火口としての役割を果たすようになったのである。左右両派の論客が次々にブログを開設し、それまでオールドメディアではまったく知名度のなかった大学教授や評論家が、ブログによって知名度を向上させるという現象を生み出した。そしてブログのテーマはテロ戦争から、政治、宗教、思想と広がっていき、さまざまな論客たちがトラックバックやコメントによってお互いの意見を交換し、あるいは批判しあうという文化を作り出した。 言ってみれば、ネット上に「論壇」ができあがってしまったのである。これに触発されてオールドメディアでもブログがひんぱんに取り上げられる
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)を舞台にした不正アクセス事件の第5回公判が11月下旬にあった。専門家の意見ということで、北陸先端科学技術大学院大学の篠田陽一教授が弁護側の証人として出廷した。 結論から言えば、篠田教授の主張は「office氏の行為は不正アクセスには当たらない」というものだ。その論拠として教授は、次の2点を挙げた。 まず第1の論拠は、不正アクセス禁止法をめぐる新たな解釈である。同法では、「アクセス制御機能を有する特定電子計算機」のアクセス制御を回避してサーバにアクセスすることを禁じているが、この「特定電子計算機」というのは物理的なマシンを指すのではなく、FTPやHTTPなどのサービスを指している――と篠田教授は指摘した。 この裁判で検察側は「問題のWebサーバがFTPでID、パスワード認証されているのにも関わらず、office氏はこれを回避してHTTPプロトコル
2月6日に開かれたWinny開発者、金子勇被告の公判で村井純慶応大教授の証人尋問が行われ、村井教授は次のように語っていた。 「インターネットの共有メカニズムでは、規模が大きくなって情報量が増えるとネットが負荷に耐えられなくなり、新しい技術が必要になってきます。そうした中でP2Pはきわめて注目されており、その中でもWinnyは性能を高める洗練された機能を持ったソフトでした」 P2PソフトウェアとしてWinnyは非常に高性能で、インターネットの技術としては最先端を走っている。そしてその技術は、ネットのテクノロジそのものをドライブさせる役割を担っている――村井教授の証言は、おおむねそのようなトーンに貫かれていた。私は技術者ではないので、Winnyの技術がどの程度なのかを明確に語る言葉は持っていないけれども、しかし金子被告が卓越した技術者であり、Winnyの持っている技術が素晴らしいものであること
先ごろ上場したドリコムの内藤裕紀社長は、昨年秋に宮崎シーガイアで開かれたNILS(New Industry Leaders Summit 2005 Autumn)で、Web2.0について次のように発言している。CNETの記事からの引用。 「僕たちが考えた本質は3つあります。1つはデータベースという部分が一番大きなポイントだと考えています。何のデータを企業がどういうかたちで保有しているのかということです」 データベースの重要性については、もちろんティム・オライリーも言及している。オライリーは、伝説的なあの記事『Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル』で、こう書いている。 「コアデータをめぐる争いはすでに始まっている。こうしたデータの例としては、位置情報、アイデンティティ(個人識別)情報、公共行事の日程、製品の識別番号、名前空間などがある。作成に多額の資金が必要と
心理学者の山岸俊男氏が書いた「安心社会から信頼社会へ」(中公新書)という本があり、このなかで山岸氏はある実験を行い、日本人の行動パターンについて従来と反する驚くべき結果が出たことを報告している。 この実験では参加者は4人一組になり、はじめに自分に与えられた100円のうちどれだけを他の3人に分け与えるかを決める。分け与えられた金額は2倍して、その3分の1ずつが他の3人に与えられる。たとえばひとりが100円のうち40円を寄付することにすれば、倍の80円を3人で分けて、ひとり26円ずつがもらえることになる。 もし自分がいっさい分け与えずに100円をキープし、他の3人がそれぞれの100円をすべて分け与えてくれれば、自分だけが200円得できる。逆に自分が分け与えたのに、他の3人が分け与えてくれなければ、一方的に損をして持ち金はゼロになるる。4人全員が100円全額を分け与えれば、みんなが200円をもら
ライブドアへの強制捜査にからんで、「フジサンケイグループが東京地検にネタを持ち込んだのではないか」という噂が、マスコミの中を駆けめぐっている。 ある全国紙記者の話。「フジテレビと産経新聞は昨年春にニッポン放送問題が和解で決着してからも取材班を解散せず、ライブドアの不正を追い続けていた。その中で今回のライブドアマーケティングをめぐる疑惑をつかみ、司法クラブ記者を通じて東京地検にネタを持っていったという話が出ている」 その噂話の出所は明らかではないが、地検がらみのこうした大事件が起きると、必ず「地検はどこからネタを引っ張ったのか?」という話題になる。地検や警視庁捜査二課が手がける経済犯罪捜査では、新聞やテレビが当局にネタを持ち込むのは決して珍しいケースではない。 テレビ業界関係者の証言として、以下のような話もある。「年末のパーティーでフジテレビの役員に会い、『ライブドアとの提携を進めるのはたい
『911 ボーイングを捜せ』というドキュメンタリービデオが、一部で注目を集めている。すでに日本語版DVDやガイドブックまで発売されており、盛り上がりぶりはかなりのものだ。公式サイトはここにある。 このビデオの主張は、ひとことでいえばこうだ。「セプテンバー・イレブンの同時多発テロではハイジャックされた民間航空機が世界貿易センタービルや国防総省に激突したとされているが、あれは真っ赤な嘘。ミサイルか爆発物が使われている」 いやはや、なんとも??。しかし著名な平和運動家がこのビデオの日本語版翻訳とプロデュースに関わり、さかんにPRを行っているものだから、大きな注目を集めるようになった。市民運動系情報のハブとなっているオルタナティブ運動メーリングリスト(AML)では、このビデオの真偽をめぐって大論争が起きる騒ぎとなった。 さらに年が明けると、今度は著書『ヤクザ・リセッション』で有名な元フォーブス記者
ライブドアの堀江貴文社長は、何とも不思議な魅力をたたえた人物である。実のところとっつきはきわめて悪く、性格には温厚さがかけらもない。以前私がある月刊誌で編集者をしていたころ、若い女性ライターに創業間もないオン・ザ・エッヂ(現ライブドア)の取材を頼んだことがある。その彼女は堀江社長への取材を終えて、編集部に戻ってくると、半泣きになってこう言った。 「もうあんなところ、二度と取材に行きたくありません!」 聞いてみると、どうも堀江社長にさんざん無知を馬鹿にされ、なかば逃げ返るようにして取材を終えたらしい。彼女の気持ちは分かる。堀江社長は相手がモノを知らなかったり、自分よりもバカだと思うと、露骨に白けきった顔になり、態度も変わってしまうのだ。 その一方で、自分にないものを持っている人間に対しては、かなりていねいに遇する。尊敬の念もきちんとあるし、決して冷たい人間ではない。 その心持ちは、どう言葉で
「打ち合わせやミーティングに出ても、新しいことをやろうという気概をまったく感じない。新しいビジネス、サービスを生み出せる組織体制がきちんとできあがっていないように見えるし、社内全体に大企業病的な雰囲気が蔓延してしまっているように思えますね」 ある業界関係者は、そう言い放った。どこの会社の話かといえば、ヤフー日本法人のことである。日本最大のポータルであり、収益力もネット業界の中で群を抜いているヤフーは、いったいどこへ向かおうとしているのか。 ネット業界はここのところウケに入ってきていて、ものすごい勢いで新語や新テクノロジ、新サービスなどが飛び交っている。Web2.0だマッシュアップだと、なんだかわけのわからない状況になっている。 つまるところWeb2.0といわれているのは、1990年代的なネットのビジネス/サービスとは異なる要素をもったビジネスがあちこちに出現してきて、「どうも何かパラダイム
ワイヤレスP2Pのパイオニア的存在であるスカイリー・ネットワークスが先日、都内で「Wireless P2P DAY」と題したセミナーを開いた。 同社は無線LANやBluetoothなどを搭載した無線機器をダイレクトに相互通信させ、P2Pのネットワークを生成するツール「DECENTRA」シリーズを開発、販売している企業である。設立は2001年7月。当時、たいへんな盛り上がりを見せていたキーワードであるP2Pとワイヤレスの双方を融合させたベンチャーとして、非常に注目されていた企業でもあった。 スカイリーの技術は非常に巧みで、アドホックにつながっていくP2Pのネットワークを保つため、たとえば最初にブロードキャストを行ってネットワークの全体像をつかみ、このキャッシュを使って随時ネットワークを再構成するといったことが行われている。DECENTRAは無線LANカードやBlutooth端末を順にホップさ
ラジオはかなり危機的状況に陥っているようだ。 先日、とあるセミナーで文化放送デジタル事業局の南理子さんと同席する機会があった。彼女によると、文化放送は週間500万~800万のリスナーにリーチし、かろうじてマスメディアとしての規模を維持してはいるものの、市場は縮小し続けている。ハードウェアのラジオ受信機は出荷台数が毎年10パーセントずつ減っているし、広告市場も2004年にインターネットに抜かれた。長期低落傾向が続き、毎年のように前年割れしているという。 そんな中で文化放送は生き残りを賭け、さまざまな戦略を打ち出している。その最大のものが、アニメ・ゲーム系の番組コンテンツだ。文化放送ではこれらの萌え系コンテンツを総称して「A&G(アニメ&ゲーム)」と呼んでいるようだが、A&G番組は週になんと33本。聴取者数は100万人近くに達しているという。それ以外に衛星放送や携帯コンテンツ、イベントなどのサ
前回の続きをもう少し。 世の中にある事象は、デジタル化しただけでは使えない場合も多い。美崎さんの例で言えば、本をスキャンしてデジタル化し、画像として保存しても、そのままでは再利用は難しい。検索ができないからだ。検索ができるようにする――つまり可視化するためには、テキスト化するか、もしくはアノテーションやタグを付加する必要がある。 これは考えてみると、実のところの私の取材にも同じことが起きている。 取材にはいつも、ノートブックパソコンとICレコーダー2台を持って行く。インタビュー中はICレコーダーで録音しながら、ノートブックパソコンで相手のしゃべっていることばを同時タイプしていく。このタイプがうまくいけば、デジタル化と可視化が一気に行われることになって、その後原稿にするのにとても便利だ。 だが相手のしゃべり方が非常に速かったりすればタイプが追いつかないときがある。また、非常に微妙な取材(たと
竹田茂さんのスタイル株式会社が運営している「携帯大学」の会合で、未来生活デザイナー、美崎薫さんのレクチャーを聴いた。 美崎さんは自宅で「記憶する住宅」というプロジェクトを実施している。これまでの人生で出会った人や読んだ本、観たビデオ、見た風景などありとあらゆる体験をデジタルコンテンツ化し、ハードディスクに蓄積するというものだ。そしてこの蓄積したデータは、Smart Calenderなどのアプリケーションソフトを使って閲覧することができる。このソフトは2004年度のIPA未踏ソフトウェア事業にも採択されているが、非常にすぐれたインターフェイスを持っている。このソフトを使って過去の写真を見る体験は、不思議な感動を伴っている。 美崎さんの試みは、マイクロソフトのゴードン・ベル博士が行っているMyLifeBits(私の人生の断片)プロジェクトと同等のものといえる。 これらのプロジェクトを総称して、
少し古い話になるが、映画の字幕にからんだ問題を週刊誌に書いたことがある。映画「ロード・オブ・ザ・リング」の日本語字幕について、原作「指輪物語」のファンたちが、「あまりにも翻訳がひどすぎる」と映画会社に異議を申し立てていることを紹介した内容だった。 ファンたちの活動は、主にインターネットのウェブ掲示板上で行われていた。そこで私は取材にあたり、ウェブ開設者に「できれば取材をお願いしたい。会ってお話をおうかがいできればベストだが、不可能であれば電話やメールでもかまわない」という旨のメールを送った。 開設者からはすぐに返事が来た。メールには「これまで私たちの趣旨をきちんと理解して報道していただいた例はまったくなく、報道されるたびに不満と怒りが渦巻いているような現状です」という趣旨のことが書かれていた。 そしてメールは、こんな風に続いていた。「私たちの趣旨をきちんと理解いただけるのであれば、取材には
はてな、イー・マーキュリー、グリーという今をときめくネットベンチャー3社を取材した。 いずれもC2C(消費者間取引)やCGM(Consumer Generated Media)、あるいはソーシャルメディアなどと呼ばれているようなコミュニティベースのビジネスを展開している。流行の言葉で言えば、Web2.0企業である。 ……余談になるが、デジタルガレージが「Web2.0」という名前の会社を設立したという。何ともデジタルガレージらしいというか、あるいは機を見るに敏な伊藤穣一氏らしいというべきか、あざといまでに単刀直入なネーミングには思わず笑ってしまった。ブログブーム初期の2002年にJBA(Japan Blogging Association)という団体を立ち上げて、日本の先駆的ブロガーたちから批判を浴びたのを思い出してしまう。 余談はさておいて、上記の3社にはいずれも共通点がある。広告に依存し
前回に引き続き、「通信と放送融合モデル」の話をしたい。 通信と放送の融合とは、すなわち放送コンテンツを運ぶコンテナー(メディア)が多様化し、最終的に通信と融合する形であらたな進化を遂げることだと、私は思っている。 その視点から現在のネット業界を見渡してみると、コンテナーの進化を象徴するふたつのできごとが起きている。 ひとつはTivoの出現であり、もうひとつはiPodへのビデオ機能の実装である。 Tivoは会社名/サービス名で、一般的にはPVR(パーソナルビデオレコーダー)という用語の方が的確かもしれない。日本で販売されているハードディスクレコーダーと似たようなものだが、日本のハードディスクレコーダーがハードウェア製品として電気店で販売されているのに対し、PVRは月額料金制のサービスであるという違いがある。加入者はハードディスクレコーダーをTivoなどのPVRサービス会社を経由して購入し(D
楽天はTBSに対して、「共同持株会社を通じた統合に関する提案およびその要旨」という100ページあまりの文書を提出していた。この文書には、楽天がどのような「テレビとネットの融合モデル」を考えているかが具体的に書かれているらしい。そこで新聞や雑誌などのメディアはどこも必死で入手を図っていたのだが、とうとう読売が入手したようだ。20日の読売新聞東京本社版朝刊は「TBSへの統合提案全文判明、番組視聴に楽天ポイント」と題した記事を掲載した。 <放送と通信を融合させた具体的な事業としては、(1)楽天グループ3000万会員の基盤を活用して「見たい番組」情報を提供(2)TBS番組や広告を視聴することで、買い物に利用できる楽天ポイントを付与(3)ブログを活用した視聴者同士のコミュニケーションの拡大――などを挙げ、「視聴者個人の好みに合わせ、番組と広告を統合的に組み合わせる」ことによって、相乗効果を図るモデル
先の総選挙が「ブログ選挙」と呼ぶのにふさわしいものだったのかどうか。実のところその議論はかなり拡散してしまっており、焦点は自民党圧勝による今後の政局に移りつつある。 とはいえ、今回の選挙ではきわめて面白い状況がいくつもあった。自民党の世耕参院議員が仕掛けたブロガー懇談会はそのひとつであるし、そしてもうひとつ大きな動向は、「取材するブロガー」が出現し、精力的に各政党に実際にインタビューして回ったことだった。 そのブロガーは、すでにブロゴスフィアの中ではかなり有名になっているGripBlogの泉あいさん。「ルポライターになる」とOLを退職し、ブログ上でジャーナリスト活動を今年初めに開始した女性である。 私は彼女にインタビューし、その記事を書いた。私が彼女にインタビューしようと思った理由は、簡単だ。 マスメディアの側からは最近、ブログに対して「しょせんはわれわれの一次情報を利用して、うだうだ言っ
新聞社というところは昔から、派閥抗争の激しい世界である。特に東京本社編集局ともなると、人数が多いだけに、その諍いの激しさは尋常ではない。私は1990年代、およそ8年間にわたって毎日新聞東京社会部に所属し、延々と事件取材やら選挙取材やらを続けていたが、このころの毎日社会部にもやっぱり派閥抗争みたいなものがあった。社会部記者たちは警視庁グループと東京地検グループというおおよそ二つの流れに分かれ、お互いが日々反目し合っていた。政治の世界ほどの明確な派閥ではないため、別にそれぞれが独自の集会を開いたりしていたわけではないが、「毎日社会部の10年抗争」などと揶揄する関係者もいたりして、やはりあれはれっきとした派閥抗争だったのだろう。 一方の派閥の記者が、他方の派閥の記者に「おまえなんか次はぜったい地方に飛ばしてやるからな!」と恫喝するという場面もあったりした。支局からあこがれの社会部に栄転してきたば
デジタルデバイドという言葉は、この日本国内に限って言えば、消滅に向かっているのかもしれない。 デジタルデバイドというのは、パソコンやインターネットを使いこなせるかどうかによって社会的待遇や富、機会などに不平等が生まれてしまうことだ。 私はパソコン雑誌の編集部に籍を置いていた2000年、次のような短い原稿を書いたことがある。 ------------------------------------------------------------------------------ デジタルデバイド。パソコンやインターネットを使えるかどうかで生じる格差のことだ。格差は情報量だけでなく、貧富の差を拡大させる結果にもつながるという意味を持つ。 日本では今年に入ってこの言葉が急に流行りはじめ、新しいもの好きのIT雑誌などではさっそく「デジタルデバイド」「デジタルデバイド」と大騒ぎだ。米国では人種間や
キーワード広告企業のオーバーチュアが、同社の「スポンサードサーチ」広告に出稿しているクライアントを対象にした「オーバーチュア サーチマーケティング・カレッジ」(SMC)を開校した。 9月22日にオープニングのイベントがあり、私も参加してきた。約100人も集まっていた出席者は全員がキーワード広告のクライアントだが、大半は個人事業主や中小企業である。地方の商店も多い。そしてイベントで多くの参加者の方々に会ってみて、こうしたスモールビジネスの世界で、急激にネットビジネスのリテラシーが高まっていることを実感した。 オープニングイベントで会場の最前列に座り、熱心にゲストスピーチに耳を傾けていた中年女性は、各種測定器のネット通販を行っている会社の営業担当だという。要するにB2Bのビジネスである。 「もうたいへんだったのよ! 最初は化粧品とか健康食品を売ってたんだけど、なかなか売れなくてねえ。それがお肌
gooの衆院選特集に『ブログは選挙に影響を与えたか』という原稿を書いた。この中で、日経ビジネス今週号の記事のこんなくだりを引用した。 <ネット世論が実際の選挙結果にどの程度影響を及ぼすかは、未知数だ。2004年の参議院選挙でもネット世論は盛り上がった。だがその内容は実際の投票結果と乖離していた。「2ちゃんねるなどに頻繁に意見を書き込む人々は、もともと反民主党の傾向が強い。今回の選挙は新聞やテレビが早くから自民優勢を予見したため、彼らにとって(民主党たたきの書き込みが)絶好の遊び場となった」と北田(暁大・東大大学院)助教授は分析する。 政治談義が好きな2ちゃんねらーたちは自民党に投票する可能性が高いが、特定の人が複数の名前で書き込んでいるためネット世論は実際より大きく見える。「選挙権を持たない若年層の書き込みも少なくない」(若者の社会文化を研究する国際大学グローバル・コミュニケーション・セン
六本木ヒルズにオフィスのある外資系企業幹部は、羽田空港からヒルズまでの距離を計算し、旅客機の飛行速度を計算したという。そして「羽田で飛行機がハイジャックされたら、わずか2分でヒルズに着いちゃうな」と慨嘆したというのである。 いったい何の話かと言えば、セプテンバー・イレブン(同時多発テロ)4周年を迎える9月11日の話である。この日にイスラム系のテロ組織「アルカイーダ」が何らかの行動を起こすのではないかという予測が、世界各地で語られている。ロンドンでは7月に地下鉄を狙った同時多発テロが起きたばかりで、いまも記憶に生々しい。日本では郵政解散から続く総選挙で話題は持ちきりだが、投開票日の9月11日が同時多発テロの日であることを忘れている人は多い。しかしスペインでは昨年3月、総選挙の3日前にマドリードの駅で同時爆破テロが発生し、有権者の意識を大きく揺り動かした結果、与党が敗北。イラクから軍を撤退する
2002年春ごろのことである。渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで「P2P Conference in Japan」が盛大に開かれ、ネット世界の論客として知られるGLOCOMの公文俊平氏らがP2Pの将来について熱く語った。当時のパンフレットを資料棚から引っ張り出してみると、こんなふうにうたいあげられている。 「米国ではP2Pをコアコンピタンスにした企業の起業ラッシュが一巡し、現在はグループウェアやコンテンツ配信など、第2世代ともいうべきP2Pテクノロジーが広がっています.また日本でもコンテンツ配信、検索、プラットフォーム、ワイヤレスなどの分野で次々と製品が発表され、P2Pはすでに著作権問題などの話題先行型のテーマから、実際にビジネスを行う段階へ確実に移行したと言えます」 P2Pというのは、ご存じのようにピア・トゥー・ピアの略。クライアント・サーバモデルと異なり、中央サーバを介さずにマシン同士
前々回のエントリー「事故を引き起こした企業の側の姿勢」に対して、微風さんのブログ「格闘の日々」で、以下のようなご指摘をいただいた。 <もうひとつ、氏はカカクコムの無責任体質を批判しているが、よく考えてみたい。そもそもカカクコムが責任を負えるのだろうか。件の事件で仮にカカクコムが逆に「悪うございました」と謝罪したとしよう。どうも日本では「潔しを良し」とする風潮があり、その後何事も無かったのように終わったりするのでそこで収束してしまうのだが、それは本当に謝罪の上で責任を負うことになるのか疑問だ。> この指摘は、きわめて重要な問題をはらんでいると思う。 従来、日本では「責任を負う」というのは、社長なり役員なりの責任者が記者会見を開き、頭を下げ、「世間をお騒がせして申し訳ありませんでした」と謝罪することを意味していた。そうやっていったん謝罪してしまえば、確かに微風さんの言うように、「潔しを良し」と
blogWatcherというブログ検索システムを研究開発している東京工業大の奥村学助教授を、iNTERNET magazineの記事執筆のために取材した。奥村助教授は言語処理やデータマイニングの専門家で、ブログのエントリーが大規模な情報集合体になりつつある状況に注目し、そこに集まっているさまざまな情報をマイニングすることを考えたのである。 blogWatcherは、情報処理推進機構(IPA)のスーパーハッカー発掘事業こと、「未踏ソフトウェア創造事業」にも採択されている。blogWatcherの持つ意味やブログ検索の現状についてはiNTERNET magazineに書いたのでそちらを読んでいただければと思うが、私が原稿の趣旨とは別に興味を持ったのは、ブログの信頼性についての考え方だった。 ブログのリテラシーという問題は、実はきわめて困難な課題である。一次情報についてそれなりのオーソリティーを
少し旧聞になるが、さる7月26日にセコムトラストネット主催の「サイト攻撃!緊急対策セミナー」というイベントがあり、カカクコムの取締役である遠藤玄声氏が、不正アクセス事件の対応の一部始終を話した。この講演の内容についてはすでにITmediaなどでも報じられている。 私が驚いたのは、この講演の中で遠藤氏がカカクコムを新潟中越地震の被災者にたとえたことだった。この話は、ITmediaの記事にも出てこない。以下、講演の該当部分のテープ起こしである。 <もっと驚いたのは、取材が来るのは分かっていたが、こういう不正侵入が起きたときに、その技術的な原因は何だというのを明らかにすべきだとマスコミに言われたことだった。それは一理はあるけれど、その時点では回復は行われていないし、確認も行われていない。警察に証拠を提出してる段階で、警察はあまり(外部に)言ってほしくないと言っている。状況はどんどん変わっているし
少し旧聞になるが、VISAやMASTER、Dinersなどのカードの情報が米国のカードシステムズ・ソリューションズから漏洩し、6万8000枚ものカードが不正利用されてしまうという事件があった。日本の利用者のカード情報も少なからずが流出しており、実は私が使っているカードのうちのSuicaビューカードからも「お客様のカード情報が流出してしまいました」と連絡があった。もちろんカードは再発行され、実害はまったく生じなかったのだが、カード番号が変わってしまったことによる不都合はいくつかあった。 それはともかく、これらの流出カードの多くは、ロシア・東欧圏に流れていることが各国の捜査当局で確認され、メディアでも報道されている。かつてアイデンティティセフト(なりすまし)事件が大流行したころから、カード情報の闇市場といえばロシア・東欧圏が中心だった。東欧あたりに置かれているウェブサーバには、ウェブベースのク
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