伊藤計劃×円城塔「屍者の帝国」を読み終えた。 屍者の帝国 作者: 伊藤計劃,円城塔出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/08/24メディア: 単行本購入: 43人 クリック: 1,717回この商品を含むブログ (158件) を見る 夭折した伊藤計劃の遺作、わずか30ページほどの書き出しと未完の構想メモを元に円城塔が書き継いだ「合作」。時は19世紀末、産業革命華やかなりし倫敦から話は始まる。日本で言えば江戸幕府が終焉を迎え、文明開化の真っ只中。丁度この時期のこの場所から、ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングはスティームパンク小説を合作したが、奇しくも同じ時代の同じ場所で同じ合作の形を取った本作もまた、「現実には存在しない技術が花開いた別の世界線」を描いている。そこにはディファレンス・エンジンに描かれるような解析機関の織り成す機械情報化社会までもが存在するが、その礎を成す