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テレビアニメ『涼宮すずみやハルヒの憂鬱』の放送が開始されたのは二〇〇六年四月のことです。つまり、私が「ハルヒ」と出逢ったあの衝撃から、もう十三年近い年月が経ったことになります。 私の運命を大きく変えたといっても決して過言ではない、ハルヒとの出逢い。 子役からスタートし、十四歳で声優を始めた私が、大学進学を機に本格的に声優業に取り組もうと決めたちょうどその頃、「こんなオーディションがあるんだけど、挑戦してみない?」と声をかけていただいたのが、すべての始まりでした。 資料として購入した原作小説の表紙の、愛らしいけれどなんだか生意気そうな女の子と、ちょっと不思議なタイトルに首を傾げつつページをめくってみて、読後の第一印象は「こんな女の子、出逢ったことない!」。 イラストの愛らしさに助けられる部分はありながらも、その傍若無人さといい、唯我独尊具合といい、こんな女性のキャラクターは今まで絶対にいなか
中国大ヒット映画原作、SF短編集!『流浪地球』レビュー 書評家・作家・専門家が《新刊》をご紹介! 本選びにお役立てください。 SFと「科幻」――劉慈欣文学の魅力 書評:加藤 徹(明治大学教授) サイエンス・フィクションを、日本人は「空想科学」と訳し、中国人は「科幻(かげん)」(科学幻想)と訳す。 空想科学と科幻。英訳は同じSFでも、文学ジャンルとしての両者の性格は違う。 私たちが暮らしているこの地球は、二つの世界に分かれている。ゴジラ的な映画を作れる「空想科学」系の国々と、作ることが許されない「科幻」系の国々だ。 日本人は、怪獣が東京を焼き、自衛隊の戦車を踏みつぶす映画を好む。アメリカ人も、宇宙人がホワイトハウスを壊し、UFOが米空軍の戦闘機をハエのようにバタバタと落とす映画を楽しむ。イギリス人も、十八世紀の小説『ガリバー旅行記』でガリバーが小人国の王宮の火事を小便で鎮火して以来、実在の国
西尾維新、舞城王太郎、佐藤友哉……2000年代初頭にムーブメントとなった“ゼロ年代作家”たち。その中心に屹立していた滝本竜彦が、長年の沈黙を破り新作『ライト・ノベル』を上梓した。「読むと幸せになれる」という小説の新フォーマット、「光の小説」の論理を初めて本格的に導入したという話題の最新作を著者自らが読み解く“光のインタビュー”! 闇の作家だったけれど ずっと光の小説を書きたかった──『ライト・ノベル』という、すでにジャンル名として定着している単語がタイトルに掲げられていることに驚きました。どんな意図があったのでしょうか。 滝本:正直に言ってしまうと、実は未だに自分でもなにを書いたのかわからないんです。 ただ、目指していたのは「光の小説」であり、読み終えた人たちが本を閉じたその瞬間、幸福に包まれる小説です。でも、そういう小説を書くことができなかった、僕自身の力不足をずっと悔やんでいたんです。
涼宮すずみやハルヒという名詞がついたタイトルの文庫本が文庫の売れ筋ランキングでずらずらずらずらと上位を占めはじめたことに気づいたのはもう何年前になるだろう。シリーズとして十巻十一冊が並んでいて、それぞれが何十版も版を重ねていることにずいぶん驚いたものだ。ちょうど文芸書の売上げ低迷が続いていておれの本も滅多に重版がかからなくなっている時だったから、これはずいぶん羨ましかった。調べてみるとそれまでも何度か耳にしたことがあるライトノベルという種類の小説であるらしい。そして文庫のランキングを見ると「涼宮ハルヒ」シリーズを書いた谷川たにがわ流ながる以外の作家のライトノベル(以下ラノベと略称)も、結構版数を伸ばしているのである。大文豪でありながら言うまでもなくそもそも節操のないおれであるから、ようしおれも書いてやれ、書いて版数を伸ばして大儲けしてやれと思ったのは当然のことであったろう。しかしそのラノベ
ウクライナ人の妻を持つ日本人ジャーナリスト。人々が戦い続ける理由とは 『ウクライナ・ダイアリー 不屈の民の記録』レビュー 書評家・作家・専門家が《新刊》をご紹介! 本選びにお役立てください。 『ウクライナ・ダイアリー 不屈の民の記録』 著者:古川英治 書評:小泉 悠(東京大学先端科学技術研究センター専任講師) 2022年2月24日にロシアがウクライナへの侵略を開始して以降、多くの「ウクライナ本」が出た。日本で出版されたものだけでも相当の数に上る。ロシアのウクライナ侵略を歴史的観点から説明しようとするもの、軍事的な戦況分析、日本であまり知られていないウクライナという国について書かれたものなど、その内容も多彩だ。 しかし、本書『ウクライナ・ダイアリー』は少し毛色が違うように思う。ちょっとおかしな話かもしれないが、一読した上で想起したのは椎名誠の『パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り』だった
第三節 戦前・戦後の豊臣秀吉像 矢田挿雲の『太閤記』 欧州諸国に甚大な被害をもたらした第一次世界大戦後、世界的に反戦感情が広がっていく。大正十年(一九二一)七月三十日の朝日新聞夕刊に掲載された「今日の問題」は、シベリア出兵を批判する中で朝鮮出兵に言及している。すなわち「国論の後援を待たずして日本が出兵し、しかして失敗したのは、豊太閤の三韓出兵と今後のシベリア出兵とである」と説く。世界的な軍縮の流れの中、豊臣秀吉の朝鮮出兵を礼賛する風潮は衰えていく。 豊臣秀吉は人気者であったので、明治以来、講談や芝居はもとより、秀吉を主人公とした小説も少なからず発表された。だが、『太閤記』を大衆文学として完成させたのは、矢田やだ挿雲そううんの『太閤記』であると言われている。 矢田挿雲の『太閤記』は、「報知新聞」の夕刊に大正十四年(一九二五)から昭和九年(一九三四)までの長期にわたって連載された豊臣秀吉の一代
はじめに 織田おだ信長のぶながや豊臣とよとみ秀吉ひでよしや徳川とくがわ家康いえやすといった戦国武将に関しては、だいたいこういう人物だろうというイメージを皆が持っている。その人物像は小説やドラマ、映画などに淵源えんげんしていることが多いので、人それぞれ違う、ということはあまりない。秀吉は人たらし、家康は狸親父たぬきおやじといったイメージが世間一般に広く流通している。 だが、そうした人物像は必ずしも固定的なものではない。昔からずっと同じイメージで語られてきたわけではなくて、時代ごとにイメージは変わっている。我々が抱いている信長像や秀吉像は何百年も前に作られたものではなく、意外と最近、たとえば司馬しば遼太郎りょうたろうが作ったイメージに左右されている、ということが結構ある。そこでこの連載では、信長像や秀吉像が時代によってどう変遷したかということと、実際はどういう人だったのかということを、述べたい
くすっと笑えてエッチなパロディーの名手として有名な田中圭一さんが、自身のうつ経験を下敷きに、うつ病からの脱出に成功した人たちをレポートしたマンガ『うつヌケ』。周囲とはなかなか話し合えない「うつのリアル」が描かれた内容が好評を博し、ベストセラーになっています。 そのベストセラー化を記念し、インタビュー集『サブカル・スーパースター鬱伝』の著者であり、プロインタビュアーの吉田豪さんとの対談イベントが開催されました(実施日・2017年2月22日)。その内容を再構成し、三回にわたってお届けします。多くの職業の人にインタビューしてきた吉田さんが考える「病みやすい」職業とは?
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崎義一の優雅なる生活 フラワー・シャワー 著者 ごとうしのぶ 発売日2024年04月25日 オレも、このストラディバリウスも、託生と出会うために生まれてきたんだよ 試し読み 書籍詳細 amazon 楽天
「怪と幽」とは? お化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン「怪と幽」 世界で唯一の妖怪マガジン「怪」日本初の怪談専門誌「幽」が劇的に融合した、 すべてのお化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン! 特集では「妖怪」「怪談」のそれぞれのアプローチからテーマを深堀し、 「怪と幽」でしか読めない豪華執筆陣の連載を一度に楽しめるお化けの総合誌です。 刊行ペースは年三回(4月、8月、12月)で電子版も同時発売。 お化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン! 「怪と幽」15号の特集は「怪と湯」! 世界有数の火山国である日本では、縄文時代から温泉が親しまれていたという。およそ名湯と呼ばれる古い温泉地には決まって開湯伝説があり、神々、鳥獣、名僧、そして異形なるモノが発見した霊泉は、時代を超えて人々を魅了し続けている。本来、湯治場は死に近い場所であり、信仰と深く結びつき、多様な文化を生んだ。『
「カドブンノベル」2019年12月号では、井上純一さんの新連載「それって全部お金デスヨ!!」の連載がスタート。 記念すべき第1回をまるごと公開します!
この本に注目! 異例の発売前重版で話題となったSF短編集『なめらかな世界と、その敵』は、発売後も版を重ね、現在七刷。 文壇注目の覆面作家にお話をうかがいました。 ――変わったペンネームですね。 伴名:よくハンナ・アーレントからですかと訊かれますが、違います。元ネタはあるのですが、秘密にしています。学生の頃からあたためていた名前です。 ――その学生時代に小説を書きはじめたきっかけは? 伴名:京都大学のSF研究会に所属していたときに、会員がSFマガジンで賞を取り、雑誌に掲載されました。綾辻あやつじ行人ゆきと先生時代の京大ミス研ほどではないのですが、身近な人の受賞に刺激を受けてSF研でも創作が盛んになり、その機運に乗って自分も書き始めました。 ――ただ、デビューはSFの賞ではなく角川書店の日本ホラー小説大賞です。 伴名:当時はSFの新人賞が存在せず、小林こばやし泰三やすみ
2020年4月3日、望月新一教授の宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論が、2月5日付で専門誌にアクセプト(受理)されたというニュースが世界を駆け巡りました。IUT理論は、人類にとっての超難問「ABC予想」の証明をも含み、その斬新さから「未来からきた論文」とも称されています。 今回、望月教授と20年来の友人であり、かつ、理論構築の際に定期的にセミナーを行っていた加藤文元先生に緊急でインタビューを行いました。加藤先生はIUT理論の斬新さを一般向けにわかりやすく紹介する『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』の著者でもあります。「ABC予想」の証明とはどういうことか、なぜ「未来からきた論文」と言われるのか、できる限り簡単に解説していただきます! 【関連記事】※リンクはページ下部「おすすめ記事」にもあります。 >>独占! 初公開! 『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』の幻の3ページとは?
※本連載は書き下ろしも含めて、5月10日に角川新書から刊行します。 いま、私たちが抱く信長像や秀吉像は最近つくられたものだった!? 時代ごとに変わった武将像を追い、日本人の歴史認識の変遷を解明する!
AV女優・コラムニストの戸田真琴さんが、新刊『人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても』を発表。消費されること、女性として生きること、愛の渡し方について正面から向き合った1冊です。刊行を機に、フェミニズムや他者との関わりについて人気連載を持つライターのヒラギノ游ゴさんと対談。女性が被る理不尽、男性の生きづらさについて、それぞれの立場から語り合います。 ヒラギノ:フェミニズムに触れる内容だというのは伺っていたので、まずこの本を受け取って装幀が“ピンクじゃない”ことに安心しました。 戸田:ありがとうございます(笑) デザイナーさんが原稿を読んで、この鮮烈な赤い装幀を提案してくれて嬉しかったです。 優しさは技術でしかない ヒラギノ:戸田さんが映画『ジョーカー』評で、「自分が男性に生まれたら、強者に虐げられる弱者男性になっていたと思う」と書かれていたのが印象的でした。戸田さんの文章はそう
2019 年末に初めて確認された新型コロナウイルスの感染者が、増加の一途をたどっています。医学が発達し、衛生面でも格段に向上した現代社会でなぜ、これほどまでに拡大するのでしょうか。『感染症の世界史』の著者、石弘之さんに緊急でお話をうかがいました。 【あわせて読みたい】 ▷人類史が教えるパンデミック収束の道筋と、コロナ後の世界(2021.2.5 更新) ※リンクはページ下部にもあります。 風邪の原因でもある実は身近なコロナウイルス ――最初に石さんの紹介をしたいと思います。新型コロナウイルスのニュースが増えていますが、石さんと感染症のかかわりは深いものがあります。『感染症の世界史』のあとがきを読んだときの衝撃は忘れられません。 人間ドックで書類をわたされて、検診の前にさまざまな質問の回答を記入せよという。面倒な書類なのでいい加減に欄を埋めて提出したら、若い看護師さんから「既往歴をしっかり記入
新型コロナウイルス感染症の流行により、収入が減ってしまう人が増えています。これから、私たちの生活はどうなってしまうのでしょうか。経済のキモをわかりやすくマンガで描いている『キミのお金はどこに消えるのか』の著者であり、ご自身のツイッターでも「国が家賃を払ってくれる制度が緩和されました」などの一般市民の役に立つマンガを発信されている井上純一さんにお話をうかがいました。 新型コロナウイルスで不幸の連鎖が始まった ――連載中の「キミのお金はどこに消えるのか」の新シリーズでは、新型コロナウイルス感染症の影響によるマスク不足についても触れていますね。 井上:新型コロナウイルス感染症の影響は幅広く出ていて、我が家もマスクが買えなくなりました。中国人妻の月(ゆえ)さん自身が、なぜ値段が高騰するのか、「転売ヤー」が全ていけないんじゃないか、買い占めている人がいけないんじゃないかと疑問を持っていて、まさしく経
聞き手:杉江松恋 怒涛のクライマックスに感想、続々‼ 『図書館の魔女』著者が描く前代未聞のミステリーホラー『まほり』が待望の文庫化 “まほり”の意味は明かさないでください――。謎めいた惹句の本書。本のカバーにもある蛇の目紋には恐るべき真実が隠されているという。累計32万部を突破したデビュー作『図書館の魔女』シリーズはファンタジーだが、本作『まほり』は青春ありホラーあり謎解きありの民俗学ミステリー。土俗の闇を古文書で読み解くという前代未聞の謎解き。杉江松恋さんが解説で“奇妙ミステリー”と名付けた本作。な、なんと著者、“初”のインタビューで著者の神髄&素顔に迫る。 ▼『まほり』試し読みはこちら https://kadobun.jp/trial/mahori/cnhi8ln6qb4s.html ――『まほり』は説話の〈話素〉を巡る刺激的な物語です。語り継がれる中でどのような話素が抜け落ち、あるい
本屋大賞&日本SF大賞受賞作家・冲方丁さんの人気ライトノベル「シュピーゲル」シリーズの最終巻『テスタメントシュピーゲル3 下』が7月1日に刊行されました。 国際都市〈ミリオポリス〉を舞台に機械化された少女たちの闘いを描いた<冲方丁、最後のライトノベル>。角川スニーカー文庫『オイレンシュピーゲル』シリーズ(全4冊)、富士見ファンタジア文庫『スプライトシュピーゲル』シリーズ(全4冊)、そして両シリーズが合流する角川スニーカー文庫『テスタメントシュピーゲル』シリーズ(全5冊)と続いた大河小説がついに完結となります。 総ページ数はなんと5,502ページ! 冲方さんが10年がかりで書き上げた「シュピーゲル」シリーズの完結を記念して、シリーズの熱烈ファンである文芸評論家・吉田伸子さんによる激熱インタビューをお届けいたします。
文芸ファンとミステリーファンから熱烈に支持されているベストセラー・シリーズ「ビブリア古書堂の事件手帖」の約2年ぶりとなる新刊『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』が、いよいよ発売。今回はミステリー小説界のレジェンド、横溝正史を一冊まるごと扱っています。その刊行を記念して、著者の三上延さんと、横溝研究の第一人者・山口直孝先生の対談が実現。小説家と研究者、それぞれの視点から横溝正史について語ります。 なぜ『雪割草』を取り上げたのか? 三上:山口先生には昨年秋に取材をさせていただきましたね。2018年に、横溝正史が戦時中に書いたという新聞連載小説『雪割草』が初めて単行本化され、その存在を突き止めたのが山口先生であると知って、お話を伺うならこの方だと思ったのです。その節は大変お世話になりました。 山口:実はあのとき『雪割草』を題材にした小説を書きたいとお聞きしても、ぴんとこなかったん
今年もインフルエンザが猛威を振るっています。厚生労働省の発表によれば、今シーズンの累計患者数は 1799 万人となり、統計を取っている 1999 年以降で過去最高の患者数に達しています(厚労省 2018 年 1 月 26 日、および 2 月 23 日発表)。これだけ衛生環境が発達し、栄養面でも十分な現代日本において、なぜ毎年のようにインフルエンザは流行するのでしょうか。先日、角川ソフィア文庫から『感染症の世界史』を刊行した著者で環境学の専門家、石いし弘之ひろゆきさんにお話を聞きました。 関連記事▶人類史が教えるパンデミック収束の道筋と、コロナ後の世界『図解 感染症の世界史』インタビュー(21.2.5 UP)※ページ下部「おすすめ記事」からも移動できます。 インフルエンザ・ウイルスも必死 ――今シーズンもインフルエンザが大流行しています。わたしの近くの小学校も 12 月から大流行で学級閉鎖や
書評家・作家・専門家が《今月の新刊》をご紹介! 本選びにお役立てください。 (評者:暦本 純一 / 東京大学大学院 情報学環 教授) プログラミングを習い始めたときに、基本的なデータや制御構造を覚えた次に学ぶのがデータ構造である。そのデータ構造として最初に出てくるのが「配列」、つまりデータのリストだ。リストはすべての情報構造の中でもっとも基本的なものだといえる。日常生活でも、買い物リストのような、何かを箇条書きにしたものはふつうに作ったり使ったりしているだろう。そんな、皆がもう使っている「リスト」をあらためて取り上げて、それを知的生産の道具として見直してみようというのが本書である。リストのような簡単なもので、いったい何ができるかと不思議に思うかもしれないが、読んでいくうちにリストの強力さや奥深さが分かってくる。 本書『「リスト」の魔法』では、さまざまな種類のリストについて、その使い方から実
『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジをはじめ、『幽☆遊☆白書』の蔵馬、『カードキャプターさくら』の月城雪兎/ユエ、『遊☆戯☆王』の武藤遊戯など、数多くの人気作に出演してきた声優・緒方恵美さん。4月28日に刊行された『再生(仮)』は、日本のアニメシーンに大きな足跡を刻んできた緒方さんが、自らの人生をふり返った初めての自伝エッセイです。幼少期から今日までの歩み、出演作にまつわるエピソード、コロナ禍で変わるアニメ界のこれから――。秘蔵写真満載のカラーグラビア16ページも収録した、ファン必読の一冊について、緒方さんにお話をうかがいました。 「お芝居をすれば人と繋がれる」とインプットされた ――『再生(仮)』は、緒方さんが幼少期から今日までをふり返った、初めての自伝です。こういう本を書いて欲しいというオファーは、以前からあったそうですね。 『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビシリーズが終わった1996
書評家・作家・専門家が《新刊》をご紹介! 本選びにお役立てください。 (評者:東畑 開人 / 臨床心理学者、白金高輪カウンセリングルーム 主宰 http://stc-room.jp/ ) はじめに断っておく。広い読者に向けられた本でもあるけれど、ひとりの心理士として書きたい。この書評の題は、そういう思いからつけたものだ。 私は信田さよ子を知らなかった。不明を恥じる。だけど、私だけじゃない、と言い訳したくなる。誰も信田さよ子を知らなかったのではないか。 もちろん、みんなが信田さよ子を知っている。それもわかっている。彼女はおそらく、日本で最も有名な心理士だ。アディクションとDVの第一人者であり、数えきれないほどの本を書き、多くの良き読者がいる。 それでも思う。信田さよ子は孤独ではなかったか。この25年間、彼女はたった一人で体系を編み上げ、オルタナティブな臨床心理学を構築してきたのではなかっ
『角川新字源 改訂新版』 小川環樹 、西田太一郎、赤塚忠、阿辻哲次、釜谷武志、木津祐子 定価 3240円 (本体3000円+税) 発売日:2017年10月30日 突然ですが、みなさんは漢和辞典を使ったことがありますか? 「家にない」 「引き方がわからない」 「国語辞典はおもしろいけれど、漢和辞典は難しくてつまんない」 ……というのが、おおよそのご意見ではないでしょうか。 『舟を編む』や『新解さんの謎』のヒットによって、メジャーの地位を獲得した国語辞典。その一方で、漢和辞典はいまいちマイナーかもしれません。 しかーし! 近年世界では漢字がブームとなり、誰もがスマートフォンやパソコンを使うようになった結果、歴史上、日本人がいま一番漢字に触れているということに、お気づきでしょうか? いやいや、触れてはいるけど意味はわからない? なんとなく使っているけれど、正しい選び方がわからない? 漢字に対して
『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』 大樹 連司(ニトロプラス) 監修:虚淵 玄(ニトロプラス) 定価 562円(本体520円+税) 発売日:2018年04月25日 前作『GODZILLA 怪獣惑星』に続き大ヒット中のアニメーション映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』――その前日譚である角川文庫の『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』今回も売らせていただいてます売れてます! ありがとうございます!……というわけで、またまたやりますよ舞台裏対談。 すでに次の企画で超絶多忙な著者の大樹連司(ニトロプラス)氏と、前作より小説のバックボーンを支えてきた設定協力の白土晴一氏を起き抜けに拘束し、ニトロプラスさんの会議室に押し込めてとことん語り尽くしていただきました! >>【試し読み】『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』 >>【試し読み】『GODZILLA 怪獣黙示録』
佐藤亜紀さんの新刊『黄金列車』の刊行を記念して、三鷹「SCOOL」にて深緑野分さんとの公開対談が企画されました。『黄金列車』を巡る話から創作論にまで飛翔した濃密な対談から、一部をご紹介します! 削ぎ落された文体で描き出される「人間」の姿 深緑:今回帯の推薦文を担当させていただいたのですが、どうしようか、まるまる1週間パソコンの前で悩みました。この本は読んでいて本当にいろんな感情が湧きあがってくるので、深いところまで潜って感情を整理するという作業をする必要があって。読み終わったとき、ぼろぼろ泣いてしまって、感情が走りまくったメールを担当編集さんに送ってしまいました。そしてようやく出た言葉がこの「ここに人間がいる」だったんです。対談のために読み返していても、読みどころがたくさんあって、付箋の数が大変なことになってさっき佐藤さんにも引かれたんですけど(笑) 佐藤:読み込んでいただいていて、嬉しい
第一章 八月十二日 ここに断言する。いまだかつて有意義な夏を過ごしたことがない、と。 一般に夏は人間的成長の季節であると言われている。男子ひと夏会わざれば刮かつ目もくして見よ! ひと皮剝むけた自分を級友たちに見せびらかす栄光の瞬間を手に入れるためには、綿密な計画、早寝早起き、肉体的鍛錬、学問への精進が不可欠なのである。 しかし下宿生活三度目の夏、私は焦燥に駆られていた。 京都の夏、我が四畳半はタクラマカン砂漠のごとき炎熱地獄と化す。生命さえ危ぶまれる過酷な環境のもとにあって、生活リズムは崩壊の一途を辿たどり、綿密な計画は机上の空論と化し、夏バテが肉体的衰弱と学問的退廃に追い打ちをかける。そんな境遇で人間的成長を成し遂げるなんて、お釈しや迦か様でも不可能である。嗚あ呼あ、夢破れて四畳半あり。 大学生時代という猶予期間も折り返し点を過ぎた。にもかかわらず、私はまだ一度たりとも有意義な夏を過ごし
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