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medium.com/@koichirohonda
ずいぶんと昔、ボトムアップな経営スタイルについて記事を書いたことがあるのだが、現在は米国の大きなスタートアップに勤めているので完全なるトップダウン経営の組織にいる。 日本にいたときは、トップダウンのチームというものに縁がなかったし、体験したこともなかった。米国に来て初めて、部下としても上司としてもこれを体感しているわけだが、なるほどこれは面白いなあと思ってちょっと書いてみようと思ったわけである。 もしアメリカ(の非日本企業)で働きたいと思っている人には何かしらの役に立つかもしれない。 「トップダウン」=「実力主義」一言で言ってしまえば、トップダウン経営とは実力主義である。 だが日本で「実力主義と聞いたときの嫌な感じ」とは全く違う。 実力主義とは「最も優秀な人」「最も判断力がある人」「チームを率いることができる人」が重要な位置につく・昇進するというシンプルなルールであって、「実力があれば何を
巷によく、人材輩出企業と言われている企業群がある。 社員が若くして会社を辞め、他社に行って活躍したり、起業したり、海外にいってしまったり。どんどん社員が流出しているにもかかわらず、それをよしとしている会社である。それどころか辞めることを後押しすらしている。 「卒業生」と呼ばれる元社員は、事あるごとに出身企業に感謝をし、会社もまたその卒業生を誇らしげに紹介したりしている。 だがよくよく考えると、変な話ではある。普通に考えれば「ただただ社員がやめているのに、強がっているだけなんじゃないのか」「なんで辞めさせたいのか?」と思うはずだ。 でも実はあれ、ぜんぜんそれでいいのだ。 巡り巡って、このモデルはとてもうまく機能している。社内に政治家がはびこるのを防ぎ、ちゃんと組織に貢献しようとする人間だけを残すのに貢献しているのである。 だがどうして辞めさせるだけでそんな結果になるのかおわかりだろうか。この
以前、英語がえらい大変だという人柱的な記事を書いてみたこともあり、その後の経過を書くことにしました。何かしらの参考になれば。15ヶ月より前の暗黒時代については上記の記事を見てください。 15ヶ月~18ヶ月自分が理解しているトピックに限定すれば、全員ネイティブのトップスピードの議論にも一応ついていけようになる。ネイティブ達が白熱して最高速度になった議論の合間に少し長めのコメントを挟むくらいはできるようになる。 瞬間的に英作文して同じスピードで発話しなきゃいけないので、1年目のときは全くできなかった。でもこれができないと結構嫌なやつになるのだ。なんでかというと、大声を出して会話を停止させる以外に、白熱した議論に割り込む方法がないのだ。これは控えめにいってもめちゃくちゃ無礼なので、やられる方はとても嫌な気持ちになる。加えて癇癪を起こしているように見えるので、プロフェッショナルな人間に見えない。本
なんとなく仕事をしていく上で、「僕にはこれができない人間」という自分の勝手な思い込みが、人の評価にものすごい影響を与える場合が場合があるような気がしている。 「天才エンジニア」とかでありがちだが、自分のよくしらない領域のそれっぽい専門家にあった途端、なんのチェックもせずに手放しで褒め称え、その人を特殊能力を持った天才かのようにもてはやしているような場合がある。 得てしてそういう類の話は偽物の場合が多いのだが、ほとんどの場合ノーチェックでトップダウンに物事が進み、一気にスターダムにのし上がる。かつ、かなり長いこと気づかれずに済む。 こうしたときに中身が分かっている人の間では「なんで実力もないのにあの人評価されてるの」という疑問が回ったりする。妬みとかではなくて、本当になぜそうなったのかも理解できないといった質問だ。 こういうヨミ違いは、実際ほとんど、素人の側が「これはすごくむずかしくて、自分
(この記事のその後の経緯をこちらに書きました) 今は日本で働いているけど、いつか一度は海外で働いてみたいという人もきっと多いだろう。 海外で働く一般的な手段は駐在員かと思うが、日本企業の駐在員というのは様々なパターンがある。任期付きの研修風な扱いか、採用目的のただの福利厚生的な位置づけか、社内の「期待の星」を育成するポストみたいになっているか、いっちょ若いやつに任せてみるか的なノープランポストか、そんな感じのイメージかもしれない。 メーカーさんや商社さんなどは、既に現地の市場か生産拠点があり、現地マネジメント、現地オペレーションという意味合いが強いかもしれない。バリューチェーンの中で欠かせないピースとして、海外子会社が存在する。 一方、インターネットの場合はちょっと様相が違うようだ。大半が、買収した海外の会社に行くか、もしくは全くの別事業を展開しているところに行く感じになる。こういった事業
最近いまさら気づいたことの一つに、Internet領域の買収と、他の領域の買収の作法が、どうやらずいぶん違うようだ、ということがある。 買収の書籍をかれこれ数十冊は買ったけど、考え方が違くてあまり参考にならない。他の領域の買収を今までやったことがあっても、最初は違いに当惑すると思う。 他の領域の買収が簡単だと言う気はまったくないし思ってもないのだが、色々差し引いても特殊な気がするので、書いてみたい。 なお、日本ではM&A件数が多くなくExit市場も特殊なので、いちおうアメリカのInternet sectorの一般的な事情として書いてみたいと思う。 違いを一言でまとめてみると、ファイナンスの比重がかなり低く、プロダクト/戦略に近くなるといえるかもしれない。 以下、重要そうな特徴をざっと上げてみるとこうなる。 超ミッションドリブン超プロダクトドリブン払う価値のほとんどは、存在するかどうかわかっ
コーポレートの仕事を多くしていると、プロフェッショナルワーカーと仕事をする機会は非常に多い。いまの仕事だけでも、弁護士、会計士、投資銀行(、コンサル)のような職種の人はよく仕事をするし、そうでなくてもエンジニア、デザイナー、広告代理店、IR、サイエンティスト、人事労務、税務、・・・など、非常に幅広く専門職の仕事に関わる可能性がある。そもそもCorporate Developmentの仕事自体も専門職のような感じだ。 かつて『どういう人がすごい◎◎(専門職)なのでしょうか』という、どストレートな質問が飛んできたことがあった。何がスゴい弁護士とそうでない弁護士を分けるのか。何がスゴい人事とそうじゃない人事をわけるのか。ついでにいえば、何がスゴい買収担当と、そうじゃない買収担当を分けるのか。これはちょっと面白そうな話だ。 すごい専門家さんを構成するもの一言でいえば、専門職というのは『求められてい
CorpDevのような、非常に経営に近く、あいまいで、かつたくさんの要素がある意思決定を求められる部門では、とにかくモラル(倫理観、道徳性)が意思決定に大きな影響を及ぼす。基本的な能力だけではチームビルディングができないし、どの段階にいるかですっかり結論が変わってしまう。 このあたりのことをもやもやしている時に読んだ組織行動論の本、組織行動のマネジメントにヒントになる概念が書いてあったので紹介したい。 書かれているのは、人は社内で昇進をするに従って、モラル(倫理感, 道徳性)のステップを刻んでいく、ということである。本はずいぶん抽象的に書いてあるので、ざっくり言い換えて書く。会社員には6つのステップがあるらしい。 「怒られるのを避けるためにルールを守る。」これは研修中の新人とかの段階である。怒られたくないから遅刻をしない、というステージ。「直接自分の利益になるように行動する。」これはメンバ
新卒で入っていまいちピンとこないものの代表格が、会社のビジョンというやつだと思う。 日本の会社にはそもそもないところもあるし、明文化されていない会社もあるが、たぶん大体の会社にはあるはずだ。Googleなら『世界中の情報を集めて整理し、アクセシブルにする』という初期のミッションや、IPOの目論見書で創業者が書いたレターが有名だ。 Corp Dev(買収/投資/提携)や企業戦略風な仕事をやっていると、この『ビジョン・ミッションがいかに会社の舵取りにリアルに影響を与えているか』を実感することがある。 はっきりいって、僕も入社したての頃は、ビジョンというものがなぜ必要なのかわからなかった。「ビジョンは何で必要なのか」と聞いてみても、パキッと答えられる人はあまり多くはないと思う。僕も「会社の存在理由だ」なんていわれて、煙に巻かれた気分になったことがある。 だが今は、具体的にビジョンがないと前に進ま
Full stack startups | cdixon blog Andreesseen HorowitzのGPのChris Dixonが、Full stack startupという概念を紹介している。Full stackとは、ソフトウェア開発の用語で、アプリケーションからインフラまで全部の要素を持つ、ということで、この場合は「既存企業に依存せずに、すべての要素を自前で持つスタートアップ」のことを指す。 F-1で言うところのフルワークス参戦みたいなものだ。 フルスタックアプローチを取るスタートアップの事例として、電気自動車のTesla Motor, アイウェアブランドのWarby Parker、タクシー配車のUber、髭剃りのHarry’s、空調コントローラのNest、それからBuzzfeedやNetflixなどが挙げられている。 Chris Dixonによれば、多くのFull stac
ずいぶんと昔、ボトムアップな経営スタイルについて記事を書いたことがあるのだが、現在は米国の大きなスタートアップに勤めているので完全なるトップダウン経営の組織にいる。 日本にいたときは、トップダウンのチームというものに縁がなかったし、体験したこともなかった。米国に来て初めて、部下としても上司としてもこれを体感しているわけだが、なるほどこれは面白いなあと思ってちょっと書いてみようと思ったわけである。 もしアメリカ(の非日本企業)で働きたいと思っている人には何かしらの役に立つかもしれない。 「トップダウン」=「実力主義」 一言で言ってしまえば、トップダウン経営とは実力主義である。 だが日本で「実力主義と聞いたときの嫌な感じ」とは全く違う。 実力主義とは「最も優秀な人」「最も判断力がある人」「チームを率いることができる人」が重要な位置につく・昇進するというシンプルなルールであって、「実力があれば何
ナシーム・ニコラス・タレブの書いたベストセラー、ブラック・スワンという書籍の中で「講釈の誤り」というアイディアが紹介されている。アマゾンのジェフ・ベゾスの本にも出てくる。 インターネット業界のような、とにかく毎年市場に激変が走る業界の会社にとって陥ると致命的になってしまう罠を、的確に言い表している概念だったので、ここに紹介しておこう。実際にこういう悩みはいろんな会社の方から聞いたりする。特に大企業が多い。でも国や規模を問わない気がしている。参考になる人もあるだろう。 ブラック・スワンとは、名の通り黒い白鳥のことで、オーストラリアで20世紀に発見された。それまでは「白鳥は白い」という当たり前すぎる概念を根底から覆した事件だった。 本書が指摘するのは、その事件の特徴であり、現実社会で起こりうる類似する現象を指す。著者が「ブラック・スワン」的な現象だと呼ぶのは 第一に、今まで観測できたことのない
いま所属している会社は、ボトムアップな会社ということになっている。正確にはボトムアップとトップダウンが混在していてたまにミスリーディングなのだが、だいたいはボトムアップな会社といえるだろう。 それで、たまに、学生と会ってくれといわれて、うちの会社がボトムアップの会社なんですよ〜、と話すことがある。だがこのボトムアップというやつ、採用活動では『いかに若いうちから活躍できるか』をぐいぐいアピールするための文句ではあるのだが、実際、現場でどういうコミュニケーションになっているのか、あまり説明されない。どういう会社が「良い」ボトムアップの会社なのか、わりとみんな意識していない。 とりあえず適当に若いのに丸投げてみたら、いつの間にかイケてる提案を持ってきた、なんてことは、ありえない。それを実現するためには、上司側の見えない努力がたくさん必要なのだ。 こんなマニアックな話をしている人は多くないと思うの
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