一種のハイパーメリトクラシー、学力や事務処理能力だけでなくコミュニケーション能力や性格、外見の良し悪しなども含めて採用する人材を決める、という考え方の極致です。しかし今は、人間をそのように評価することが「正しい」という世の中になっている。昔は縁故主義がまかり通っていたり、逆に試験の点数だけで採用する人材を決めたりする会社もあって、それはそれで問題があったかもしれないけれど、現代では大学のAO入試にも象徴されるように、多元的な軸で人物評価をし、値踏みするのが当たり前で、それが新たな格差や生きづらさの根源になっている。これを一言で「ナイスガイ採用」と呼ぶことにしよう。 この対談記事で危惧される社会全体のナイスガイ圧力の高まりと新たな疎外者の増加は理解できる。 ヨーロッパ随一のアニメーション教育機関におけるアクセラレータープログラムに参加した時、参加者や学校関係者がナイスガイばかりであることに感