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ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)の『The Ominichord Real Book』は2023年を代表するアルバムになったのと同時に、長いキャリアの中で数多くの傑作を発表してきたミシェルにとっての新たな代表作にもなった。 ジャズの名門ブルーノートからリリースされた同作には数多くのジャズミュージシャンが参加し、素晴らしい演奏を聴かせている。だが、このアルバムの凄さはそれだけではない。ミシェルはここに収められた曲に様々な文脈を込めている。それは曲名や歌詞、サウンドに様々な形で埋め込まれている。宇宙観や死生観を含めて、ミシェルの哲学のようなものが詰まっているとも言えそうなくらい壮大なものだ。 近年、両親を亡くしたことをきっかけにミシェルはアフリカ系アメリカ人としての自身と祖先への思いを強めていた。そんな思考を、彼女は音楽による壮大な物語の制作に向かわせた。そし
Sister Rosetta Tharpe, Mdou Moctar, Randy Rhoads, Carlos Santana, Wes Montgomery, Yvette Young, Prince, King Sunny Ade, Jimmy Page and Odetta PHOTOGRAPHS IN ILLUSTRATION BY CHRIS WARE/KEYSTONE FEATURES/HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES; PAUL BERGEN/REDFERNS/GET ローリングストーン誌が選ぶ史上最高のギタリスト250人をカウントダウン形式で一挙紹介。あらゆるジャンルの名手をピックアップした壮観極まりないランキングをお届けする。 「ギターは単なる楽器ではない。私の身体の一部であり、私自身のアイデンティティを特徴づける存在」と、ジョーン・ジェットはかつ
「Everyone Knows That」と名付けられた、いまだに出所不明の楽曲(JO GTZ/ADOBE STOCK) 少々お時間ありますか? しばしお耳を拝借――ひょっとしたら、音声解析オタクを長年悩ませてきた疑問の答えをご存じじゃないかと思いまして。 【動画を見る】謎ソングの音声 Shazamなどのアプリが登場する以前、知らない曲を突き止める作業はチームワークで行われていた。そうした作業を世界規模でサポートした仲介役が、Web 2.0黎明期の2006年に開設されたソーシャルネットワークWatZatSongだ。気になって仕方ない曲をアップロードすると、みんなで寄ってたかって曲の出所を推測した。だが後世に残るもっとも有名な投稿がWatZatSongに登場したのは2021年。投稿者はハンドルネーム「carl92」というスペイン在住のユーザーだった。 投稿された音声ファイルには、ジャンルと歌
HOME 【2023 アワード発表】森敬太、tofubeats、西村ツチカらがおくるトーベヤンソン・ニューヨーク・アワード トーべヤンソン・ニューヨーク(TJNY)のギタリスト、アートディレクター/グラフィックデザイナー森敬太による連載第15回。今年は昨年末公開の記事に加えて、2024年の幕開けにふさわしい雑談と昨年のTJNYアワードをお届けします。(2023年11月28日収録) [2023年度TJNYアワードのイントロはこちらから] 座談会参加者 森敬太(ギター担当、グラフィックデザイナー)/オノマトペ大臣(ラップ担当、サラリーマン/ラッパー)/西村ツチカ(ギター担当、漫画家)/澤部渡(ドラム担当、ミュージシャン)/唐木元(ピアノ担当、ミュージシャン)/玉木大地(キーボード担当、プログラマー)/金子朝一(ボーカル/ホイッスル担当、編集者)/mochilon(ベース担当、ミュージシャン)/
HOME 【2023 イントロ】森敬太、tofubeats、西村ツチカらがおくるトーベヤンソン・ニューヨーク・アワード トーべヤンソン・ニューヨーク(TJNY)のギタリスト、アートディレクター/グラフィックデザイナー森敬太による連載第14回。本誌では掲載できなかったトピックを加えたイントロ増量版をお届け。2023年度のアワード発表は、別記事にて年明け2024年1月3日に公開予定です!(2023年8月11日収録) ※この記事は2023年12月25日発売の『Rolling Stone Japan vol.25』に掲載された内容に、加筆を加えたものです。 座談会参加者 森敬太(ギター担当、グラフィックデザイナー)/オノマトペ大臣(ラップ担当、サラリーマン/ラッパー)/西村ツチカ(ギター担当、漫画家)/澤部渡(ドラム担当、ミュージシャン)/唐木元(ピアノ担当、ミュージシャン)/玉木大地(キーボード
左からミシェル・ンデゲオチェロ、カッサ・オーバーオール、セシル・マクロリン・サルヴァント、ジョン・バティステ(Photo by Charlie Gross, Patrick O'Brien-Smith, Karolis Kaminskas, Emman Montalvan) 2023年はジャズにとってどんな一年だったのか? 本誌ウェブで数多くのジャズ周辺ミュージシャンを取材してきた音楽評論家・柳樂光隆が徹底解説。文中で紹介している柳樂の過去記事や、記事末尾の2024年のジャズ注目公演まとめもチェックしつつ、シーンの最前線を体感してほしい。 文中に登場するアーティスト/作品の楽曲をまとめたプレイリスト UKジャズを支えるエコシステム これはジャズに限った話ではないと思いますが、コロナ禍前〜渦中に作られた作品もおおよそ出尽くしたことで、新しいモードが始まった感じがしますよね。トレンドみたいなも
旅行時にスーツケースをぐるぐる巻きにする用のラップで簀巻きにされた電柱。もはやポスター読めなくなっているのだがそんなことはどうでもよく、両陣営とも意地になっているだけのような気がしている。その間にガザでは1万8000人が死んだ。(Photo by Gen Karaki) 中年ミュージシャンのNY通信、今回はめずらしく時事ネタが届きました。イスラエルによるガザ地区への軍事侵攻によって揺れているアメリカの政情。それをに呼応するようにストリートでは別次元のバトルが繰り広げられているようで……。 この原稿を書いている12月初旬、ニューヨークはハヌカーの後半にさしかかったところです。ユダヤ暦の9月25日、西暦だと今年は12月7日からの8日間を、火を灯したキャンドルを増やしながら祝うハヌカーですが、今年はどうにも不穏ムードが拭えません。理由はもちろんイスラエルとハマスとの大規模衝突、およびそれに続くガ
デビュー作『Gabi Hartmann』でいきなりフランスのチャートを席巻し、同国屈指の人気アーティストになったギャビ・アルトマン(Gabi Hartmann)。彼女は成功を収めたあとも自分のペースで活動を続けており、今年10月にはギニアのシンガーソングライター、モー・クーヤテの楽曲「Tanoun」にフィーチャーされている。 ギャビの音楽にはジュリアン・ラージを起用したようにジャズが中心にあり、ジョアン・ジルベルトに傾倒するなどブラジル音楽からの強い影響も反映されている。ただ彼女の好奇心はそれだけに留まらない。大学で南アフリカの音楽を研究していたこともある彼女は、スーダンのフルート奏者ガンディ・アダムをアルバムに迎え、エチオピア音楽からの影響を公言するなど、アフリカの音楽にも強い関心を持ち続けてきた。メランコリックな歌もののなかに様々な要素が意図的に組み入れられており、多様な音楽文化への深
12月25日発売の音楽カルチャー誌「Rolling Stone Japan vol.25」では昨年までに引き続き、川谷絵音がこの一年の音楽シーンを総括。ここではインタビュー記事のリードテキストと、川谷が選んだ「2023年の10曲」をプレイリストと共にお届けする。 【画像を見る】川谷絵音インタビューの誌面 Spotifyの年間ランキングから川谷絵音とともに国内外の音楽シーンを振り返る恒例企画を2023年もお届けする。テイラー・スウィフトやSZAがこの一年の顔となった一方で、ランキングの常連だったバッド・バニーやBTS「以降」の動きも顕在化し、TikTok発のバイラルヒットの新潮流も見え始めた海外の音楽シーン。Mrs. GREEN APPLEやVaundyが活躍する一方で、日本のアーティストを世界に紹介する新たなグローバルプレイリスト「Gacha Pop」がスタートし、アニメ関連以外でも海外で
HOME YOASOBIの仕掛け人に学ぶ J-POPを海外に伝えるための信念、ストリーミングやSNSとの向き合い方 2023年、YOASOBIの「アイドル」は数々の記録を打ち立てた。Spotifyでは国内アーティストの楽曲として最速で1億再生/2億再生を突破し、Spotify年間ランキング「日本で最も再生された楽曲」で1位に。さらに、ビルボードのGlobal Excluding USチャートでは日本語オリジナル楽曲として初めて首位を獲得するなど、国内外問わず「アイドル」現象を巻き起こした。 さらに、今年5月にはSpotifyの月間リスナーが1000万人を突破し、年間ランキング「海外で最も再生された日本のアーティスト」で3連覇を達成したYOASOBIは、昨年12月にインドネシアとでフィリピンで開催された88rising主催のフェス「Head In The Clouds」に出演したことを皮切り
ノウワー、ルイス・コールとジェネヴィーヴ・アルターディ(Photo by Yukitaka Amemiya ) ルイス・コールとジェネヴィーヴ・アルターディによるLA発のユニット、ノウワー(KNOWER)が前作『Life』から実に7年ぶりとなる最新アルバム『KNOWER FOREVER』をリリースした。共にブレインフィーダーに所属しながら充実したソロ活動を送ってきた二人だが、ここからはその意味深なタイトル通り、ノウワーというユニットでしか生まれえない何かが確実に聴こえてくる。 今回、11月に「なぜか」来日していた二人に話を聞く機会を得たので、この機会にノウワーについてゼロから掘り下げることにした。お互いのことをどう見ていて、一緒に活動するうえでどんなことを考えているのか。現在の活躍ぶりを考えたら今更な質問をしているように思われるかもしれないが、二人とも7年前とは立ち位置がすっかり変わってい
ブリング・ミー・ザ・ホライズンがキュレーターを務めたフェス「NEX_FEST」は、Extra公演の「NEX-FEST -Extra-」を含めて、10月31日から11月4日にかけて東京・兵庫・愛知で開催された。ヘッドライナーは英シェフィールド出身のブリング・ミー・ザ・ホライズン。全公演に帯同したのが、日本が誇るメタルダンスユニット、BABYMETALである。 【写真をすべて見る】「NEX_FEST」のステージに立つBABYMETAL 2019年にRolling Stone Japanでは両者のインタビューを実施しているが、その時にブリング・ミーのボーカルのオリーことオリヴァー・サイクスは「BABYMETALが、いかにしてショウとしてステージを成立させているかという部分に僕らはインスパイアされたし参考にしたよ。単なるロック・バンドとかメタル・バンドとかっていう見方ではなく、ビッグなショウにおけ
シンガー・ソングライター/ギタリストのReiが、通算10枚目となる7曲入りのミニアルバム『VOICE』をリリースした。「声」を意味するタイトル通り、本作は彼女の「歌声」はもちろん、シンガーソングライターとしての「心の声」をフィーチャーした内容となっている。サウンド面でも、山下達郎や大瀧詠一ら日本のポップスに大きな影響を受けている日系アメリカ人のアーティスト、ジンジャー・ルートとのコラボレーションや、最前線のJ-POPを数多く手がける気鋭のプロデューサー、ESME MORIとの共同プロデュースにより、これまで以上に「ポップミュージック」と向き合った内容に。先日開催されたライブのMCで、「次のアルバム(本作)ではギタリストではなくシンガーソングライターとして本音を曝け出したい」と打ち明けていたとおり、Reiにとってまさに新境地といえる作品に仕上がった。 ─Reiさんは作品を作るときに、明確なテ
今のところ最後のスタジオ録音アルバム『リヴァー・オブ・ドリームス』が世に出てから早30年。「もう新しいアルバムは出さない」という決意がどうにも固く、それを現在まで守り通しているビリー・ジョエル(Billy Joel)だが、ライブ活動は現役で精力的に続けており、2024年1月24日には東京ドームで16年ぶりの来日公演も決定した(すでにソールドアウト)。 「ピアノ・マン」に代表されるシンガー・ソングライター然とした面しか知らない方には想像がつきにくいかもしれないが、ビリー・ジョエルというアーティストは表現の振れ幅が非常に広い。自身のルーツであるR&Bやオールディーズへの憧憬を露わにしたコンセプト・アルバム『イノセント・マン』(1983年)がある一方で、ビートルズ『アビイ・ロード』のB面メドレー的な展開を1曲に凝縮した「イタリアン・レストランで」(Scenes From An Italian R
2021年7月28日に11枚目となるフルアルバム『サンバースト』をリリースしたThe Birthday。このアルバム、詞、歌、演奏、サウンド、全てが素晴らしい傑作だ。The Birthdayのフロントマン・チバユウスケへのインタビュー。2年半前の前作『VIVIAN KILLERS』のインタビューの時と同様、アルバムのこと、音楽のことを聞いた。 ーインタビュー本編とは関係ないですけど、フィッシュマンズの映画は観ましたか? 観てない。(明治学院)大学の先輩だったけど(笑)。 ーフィッシュマンズとは絡みはなかったんですか? もちろん仲は良かったよ。(茂木)欣ちゃんも、ベースの(柏原)譲も。でもタイプが違うじゃん。チケット買わされて、ラママに観に行って。カッコいいバンドだなぁと思ったよ。スカとかロックステディみたいなことをやってて、その辺の良さはフィッシュマンズに教わったところもあると思うよ。 ー
マネスキン(MÅNESKIN)の来日ツアーがついに開幕。昨年8月のサマーソニック/豊洲PIT単独公演で鮮烈な日本デビューを飾った彼らは、飛躍の一年を経てさらなる進化を遂げていた。12月2日・有明アリーナで開催された公演初日のライブレポートをお届けする。 【写真ギャラリー】マネスキン来日公演初日・ライブ写真(全23点) ※以下、セットリスト等ネタバレあり 東京・豊洲PITでの初来日公演から16カ月、初めてのジャパン・ツアーにして4夜のアリーナ公演――東京3公演と神戸1公演――をソールドアウトにする快挙を成し遂げたマネスキン。この間に3rdアルバム『RUSH!』を発表して世界中で大ヒットさせ、グラミー賞の新人賞候補に挙がり、グラストンベリー・フェスティバルなどの大舞台を踏んで、9月にアリーナ級の会場を周る『RUSH! World Tour』をスタート。その一環でこうして2度目の来日が実現したわ
昨年待望の初来日を果たしたビッグ・シーフ(Big Thief)に続き、ギタリストのバック・ミーク(Buck Meek)のソロ公演が12月14日に東京・渋谷WWW、15日に大阪・東心斎橋CONPASSで行われる。 実はビッグ・シーフよりもソロとしての実績の方がわずかに長く、ミークが本人名義の作品を自主制作で初めて発表したのは2013年のこと。以来、ビッグ・シーフの活動と並行してソロ作品の制作を継続してきたミークは、その過程で様々なミュージシャンの手も借りながら自身の作家性を確かなものへと築き上げてきた。今年の夏に4ADからリリースされた3枚目のアルバム『Haunted Mountain』は、フォーク・シンガーのジョリー・ホーランドとの共作も含む充実したソングライティングと、作品を重ねるごとに輪郭を増すヴォーカルが「ソロ・アーティスト」としてのミークの魅力を力強く伝える一枚。そして、ミークが最
ビョーク、ロザリア(Photo by Santiago Felipe/Getty Images; Aldara Zarraoa/WireImage) ビョーク(Björk)とロザリア(Rosalía)のデュエット曲「Oral」がリリースされた。母国アイスランドにおける商業的規模のサケ養殖が生態系に与える深刻な影響を懸念するビョークは、新曲の収益を養殖場造成の反対運動にあてたいと考えている。米ローリングストーン誌による最新インタビュー。 ビョークは、ここ数年の間に何千匹もの「フランケンシュタイン・フィッシュ」なる生物がアイスランドの河川に生息するようになったことに、激しい憤りを感じるという。 フランケンシュタイン・フィッシュとは、ビョークがつけた養殖サーモンの別名である。パニック映画『ピラニア』(1978年)の肉食魚ピラニアを想起させるこの不気味な魚は、ここ数カ月にわたってアイスランド西部の
元NSA契約諜報分析官のリアリティ・ウィナー:2021年7月3日、テキサス州キングズビルにて(Photo by Christopher Lee/Redux) 2017年、米国家安全保障局(NSA)の契約社員だったリアリティ・ウィナーがジョージア州で逮捕された。「ロシアのハッカー」についての機密報告書をメディアにリークした罪で実刑判決となり、連邦刑務所で4年間を過ごした。 【写真】米国防総省が公開した「未確認飛行物体(UFO)」 ウィナーが6月に連邦裁判所から釈放されて最初にしたことは、トラブルと名付けた馬の放牧場と、その隣にジム用具専用の小屋を建てることだった。 「放牧場のすぐそばにトレーニング用の小屋を建てたので、いつも馬が忍び込んでくるんです」とウィナー。「自分は今デッドリフトをして、セットの合間に馬を撫でている、と実感する瞬間ですね。今は完璧な人生です」 「完璧」と言っても、4年間連
今年のサマーソニックで来日し進化し続けるバンドの姿を提示したエヴァネッセンス(Evanescence)が、デビュー・アルバム『Fallen』発売20周年のデラックス盤をリリースした。エイミー・リーのボーカルのみで録られた「Bring Me to Life」のデモバージョンをはじめ、「My Immortal」のストリングスバージョンも収録している。以前より「Bring Me to Life」はレーベルの意向によって男性ボーカルを入れられたことが明らかにされてきたが、当時のシーンにおける女性ミュージシャンの境遇、その中でエイミー・リーが果たしてきた功績は改めて注目されるべきだろう。ニューメタルのリバイバルも起きる中、メンバーチェンジを経ながらもバンドを牽引し続けているエイミー・リーに話を訊いた。 ―今回のデラックス版は『Fallen』リリース20周年を記念しているとのことですが、企画の構想はど
夢のようなフェスだった。11月3日に幕張メッセで開催された「NEX_FEST(ネックス・フェスト)」。主催を担当したブリング・ミー・ザ・ホライズン(以下BMTH)のオリヴァー・サイクスは、開催前のインタビューで「このフェスはどの出演者もオルタナティブなんだけど、多様なスタイル、多様な音楽を表現してるし、ヘヴィなものからライトなものまでいろいろある。でもそれこそがフェスのあるべき姿だと思うんだ」と述べていたが、まさにそれが理想的な形で成し遂げられた一日だった。 【写真まとめ】「NEX_FEST」ライブ写真 演者および観客の世代交代。メタルとハードコアパンクを軸に多方面に繋がる音楽的越境。コアとポップの橋渡し、メジャーからアンダーグラウンドへの動線。そうしたテーマが日本のバンドをメインに実現され、実力本位で集められたラインナップが比較的適正なジェンダーバランス(出演した12組のうち6組に女性メ
ザ・ビートルズ(The Beatles)「最後の新曲」こと「Now and Then」が本日11月2日23時(日本時間)に配信開始。11月10日には曲数を追加したベスト・アルバム『赤盤』『青盤』が2023エディションとして世界同時発売。ファブ・フォーからの永遠に色褪せることのないプレゼント、その制作背景を関係者の証言とともに掘り下げる。 デビューシングルの「Love Me Do」のリリースから60年、文字通り満を持して発表されるザ・ビートルズ最後の曲は、世界で最も愛されるバンドの物語の最終章を新たに書き換えるだろう。11月2日、ビートルズは最後の曲「Now and Then」を公開する。ジョン・レノンが作曲し、ピアノとボーカルを担当した同曲は、1977年に彼の自宅でレコーディングされた。ジョン以外の3人で臨んだ『Anthology』(1995年)のセッションで、ジョージ・ハリスンはギターパ
ベイエリア出身のベテランプロデューサー、DJシャドウ(DJ Shadow)が新たなアルバム『Action Adventure』をリリースした。近年はラン・ザ・ジュエルズやデ・ラ・ソウルなど客演を迎えて作品を作ってきたシャドウだが、今作はゲストを入れず自身のプロダクションのみで聴かせる作品だ。歌声をサンプリングした「You Played Me」を除く全曲がインストで、ヒップホップを軸にしつつエレクトロニカやジュークなどとも隣接するシャドウの越境的なセンスが光るものとなっている。 本人のInstagramによると、この方向性の変化は「パーソナルになり、再び自分自身のために音楽を作る必要があった」「作曲全体を『自分のもの』にしたかった」ことから生まれたという。先行シングル「Ozone Scraper」のリリース時に発表したステートメントでは、「これは私と音楽との関係について。コレクター、キュレー
モーニング娘。’23が通算73作目となるトリプルA面シングル「すっごいFEVER!/Wake-up Call〜目覚めるとき〜/Neverending Shine」をリリースした。リーダーの譜久村聖にとって最後のシングルとなり、新たに加入した17期メンバーにとっては初めての作品となる。1997年から続くモーニング娘。のスピリッツを「継承」するという点でも、2011年からグループを支えてきた譜久村を送り出すという点でも、意義深い3曲が揃った。譜久村と17期の井上春華に話を聞いた。 【写真を見る】譜久村聖・井上春華 —今回のトリプルA面シングルの「すっごいFEVER!」を聴いたとき、つんく♂さんがライナーノーツでも書いていた通り、つんく♂さんの近作の中でもこれは特別な一曲だと直感的に思いました。譜久村さんは最初にこの曲を受け取ったとき、どう感じましたか? 譜久村:愛情の塊だと思いました。ライナー
Silica Gel(실리카겔)は現在韓国のインディロック・シーンで一番勢いのあるバンドだ。今年は20近い韓国国内の音楽フェスに出演したし、来月予定しているソウル市内では最大級の一つである、3000人弱のキャパのホールでの3日間の単独公演も即完。いま韓国で最もライブのニーズが高い彼らは、決してバンド・ミュージックが主流でないこの国で、いまやトップ・バンドの1組だ。そんな彼らが11月3日に開催される、アジアの注目アーティストが多数集結するイベント『BiKN shibuya 2023』で5年半ぶりの来日を果たす。 Silica Gelが発表する作品は常に新鮮で、聴き手に驚きを与えてきた。モダンなサイケデリック・サウンドを基盤に、ドリームポップ、エレクトロニカ、フォークなど多様なジャンルを昇華し、ミックスさせる音楽性自体はもちろん、近年はメンバーが作ったアイデアの断片を一つの曲の中で無数に繋ぎ合
マーキュリー・プライズを受賞した2017年の1stアルバム『Process』から約6年。サンファ(Sampha)の6年ぶりとなる最新作『LAHAI』はとんでもない傑作だ。ケンドリック・ラマー、ストームジー、トラヴィス・スコット、ドレイク、ソランジュといった超一流からも信頼され、いまやUKを代表するシンガーソングライターになった彼は、ここで実験的かつスピリチュアルなサウンドを提示している。 サンファのミドルネームであり、祖父の名前から取られたというタイトルが明示しているように、彼はこの最新アルバムを通じて、アフリカのシエラレオネからイギリスへと移住してきた両親のもとに生まれた自身のルーツへと思いを馳せつつ、同時にロンドンで育ちながら世界中の様々なアーティストに影響され、実際に交流もしてきたイギリス育ちとしてのアイデンティティにも向き合っている。アフリカン・ディアスポラの文脈と、今日の世界中で
ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の新作スタジオ・アルバム『Hackney Diamonds』がついにリリースされた。彼らは2023年の今、半世紀ぶりに誰もが何度でも聴き返したくなるアルバムを作り上げた。ローリングストーン誌US版のレビューをお届けする。 ザ・ローリング・ストーンズは2016年リリースのブルーズ・カバーアルバムを除き、ジョージ・W・ブッシュ政権時代の1枚を最後に、新作をリリースしていない。2005年の『A Bigger Bang』は、勢いのあるアルバムだったが、特に印象に残る作品とは言えなかった。それから約20年が過ぎ、ストーンズ自身も、これ以上新しい作品を出す必要があるかどうか迷い始めていた。長いブランクの後で再び新作を出してツアーをするというプロセスに、バンドが(ファンも巻き込んで)突き進むなら、それなりの価値がなければ意味がない。ところ
LAを拠点に活動するラッパーでモダンファンクアーティストのXL・ミドルトン(XL Middleton)が、10月下旬に来日公演を行う。日程は27日(金)・28日(土)の二日間。28日は東京都町田市の「CLASSICS」、29日は東京と渋谷区の「DESEO」に登場する。 沖縄にルーツを持つ日系アメリカ人のXL・ミドルトンは、Gファンクとモダンファンク、シティポップを繋ぐような活動を行っているLAのアーティストだ。2000年代前半にはGファンクを中心としたラッパー兼プロデューサーとして、LAのヒップホップシーンで活躍。自らキーボードを弾いて制作するファンキーなスタイルで、西海岸ヒップホップファンの間で支持を集めた。DJ PMXやGIPPERなど日本のヒップホップアーティストともたびたび制作しており、ここ日本でも人気の高いアーティストだ。 しかし、キャリアを重ねるにつれ、その音楽性には変化が見ら
サックス奏者のヌバイア・ガルシア(Nubya Garcia)は今日のUKジャズにおけるシンボルであり、その理由は2020年に発表された現時点の最新アルバム『Source』のインタビューでもたっぷり語ってもらった。トゥモローズ・ウォリアーズをはじめとしたロンドンの教育機関の出身であること、レゲエを取り入れるなどカリブ海やアフリカからの移民が持ち込んだ文化を反映していることもそれにあたるが、彼女にはもう一つ重要な文脈がある。エズラ・コレクティヴのリーダー、フェミ・コレオソは「UKジャズはダンスミュージック」だと以前語っていたが、クラブミュージック的な文脈を一貫して取り入れてきたのがヌバイアだ。 ナラ・シネフロ、カイディ・テイタム、モーゼス・ボイドなどが参加した『Source』のリミックス・アルバム『Source ⧺ We Move』(2021年)はひとつ象徴的だろう。ジャズがハイブリッドになり
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