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Beyerdynamic DT 770 PRO X Limited Editionを購入したので感想を書いておきます。 DT770 PRO X ベイヤーダイナミック創業100周年を記念して、2024年4月に35,000円で登場した新作ヘッドホンです。単なる外観だけの記念モデルというわけでなく、歴史的名機「DT770 PRO」と最新鋭機「DT700 PRO X」を融合させた、見た目以上に手の込んだアイデアです。 DT770 & DT700ドイツのベイヤーダイナミック社は100年の歴史があるメーカーだけあって、似たようなモデル名が多くてややこしいです。私自身もこれを書いていて混同してしまいそうになります。 まず1980年代から続く密閉型ヘッドホン名機DT770 PROがあり、2021年に次世代のSTELLAR.45ドライバーを搭載したDT700 PRO Xがラインナップに加わりました。 DT7
MADOOの平面型イヤホンTyp821を聴いてみたので、感想を書いておきます。 MADOO Typ821 2023年発売で22万円という比較的高価なモデルですが、Acoustuneの兄弟ブランドという事もあり、個人的に楽しみにしていました。 MADOO価格コムなどを見るとメーカー名がAcoustuneに分類されているなど、MADOOとAcoustuneは密接な関係にあり、オーディオイベントでも同じブースで展示されている事が多いです。 2013年に発足したAcoustuneがダイナミック型ドライバーを中心の製品を出しているのに対して、MADOOは2021年に生まれた新しいブランドで、平面型ドライバーに特化した企画のようです。 私自身も以前からAcoustuneが好きでイベントブースに新作を聴きにいったところ、そこにあったMADOOのサウンドに興味をひかれてしまった一人です。 MADOOとAc
Astell & KernのKANN ULTRA DAPを試聴してみたので感想を書いておきます。 AK KANN ULTRA2023年11月発売、AKの中でも大柄なKANNシリーズの最新作で、約27万円だそうです。最近のAK DAPの中でも中堅に位置するようなモデルなので、どんな感じなのか気になります。 AK KANNKANNシリーズというのも、2017年の初代モデルから、ずいぶんと紆余曲折を辿ってきたDAPだと思います。 その頃はまだポータブルDAPは「イヤホンを鳴らすための非力な小型デバイス」というイメージがあり、そんな中で大型ヘッドホンでも余裕で鳴らせるDAPとして登場したKANNは画期的な製品でした。デザインもこれまでの高級志向なAKとは一味違う無骨なワイルドさが魅力的で、初代KANNは私も発売時に購入して、かなり使い倒した記憶があります。 それ以降、FiioやiBassoなど中華
Ultrasoneの密閉型ヘッドホンSignature Pureを聴いてみたので感想を書いておきます。 Ultrasone Signature Pure2023年9月発売、3万円という手頃な価格帯でありながら、ドイツ製で50mmドライバーにS-Logic 3を搭載するUltrasoneらしいモニターヘッドホンです。 UltrasoneUltrasoneというのは二面性のあるメーカーです。我々ヘッドホンマニアにとっては金銀財宝のような超高級ヘッドホン「Edition」シリーズで有名で、創業者の独創的な感性による驚きを楽しむ鬼才ブランドという印象があります。 その一方で、ヨーロッパでは古くから楽器店で販売するような普及価格帯ヘッドホンでも大きなシェアを持っていました。日本はオーテクやソニーなどが強いので、そちらの側面が注目される機会も少なかったように思います。ゼンハイザー、ベイヤーダイナミック
Empire EarsのRavenというイヤホンを試聴してみたので感想を書いておきます Empire Ears Raven2024年3月発売、2DD+5BA+4静電+1骨伝導の12ドライバー構成ということで、値段もそれに見合うような60万円という超高級モデルです。 Empire Ears私自身Empire Earsはそこそこ縁のあるメーカーで、予算的に手が届くかは別として、主要なモデルは一通り試聴してきたのですが、これまで当ブログで紹介する機会もほとんど無かったように思います。 音が悪いとか、メーカーの方向性に共感できないわけではありません。しかし、このメーカーの特色というか悪いクセとして、モデルごとに音作りのスタイルがあまりにも違いすぎて、ラインナップの一貫性が伝わってこないため、レビューするにしても、なんて書けば良いのかわからないという難点があります。 Raven 他のモデルも色々と聴
シンガポールのDITA AudioからProject Mイヤホンを購入したので、感想を書いておきます。 DITA Audio Project M2023年12月発売、1DD+1BAの2WAYハイブリッド型で、高級志向のDITAとしては珍しく5万円という比較的手が出しやすい価格です。ついでにドングルDACのNavigatorも試聴してみました。 Project M今回Project Mを購入した理由は、身も蓋もない話ですが、値段が意外と安かったからというのが一番大きいです。 これまでのDITA Audioというと40万円超のPerpetuaを筆頭にかなり高価格帯に寄せており、サウンドに感銘を受けても私の財布では手が出せなかったところ、そんなDITAのイヤホンが5万円でということで、どうしても気になってしまいました。 安さに釣られたというよりは、この値段で本当にDITAらしいサウンドが実現でき
iBasso新作の最後はアナログポタアンのPB5 Ospreyです。写真でも見えるようにNutube真空管を二つも搭載している贅沢な構成で、値段も前回のD16と同じUSD$1,500です。 Nutubeが点灯しますDACは非搭載、アナログ入力のみのヘッドホンアンプなので、ラインソースにヘッドホン出力を追加したり、ドングルDACからのブースターアンプとしても活用できます。 PB5 OspreyPB5のシャーシは前回紹介したDACアンプのD16 Taipanと全く同じで、あちらでは液晶画面があったところがPB5では窓になっており、Nutube真空管が点灯しているのが見えるようになっています。電源スイッチが見えにくい場所にあるので、切り忘れ確認にも役に立ちます。 D16 Taipanと比較Nutube真空管は2016年の登場以来オーディオ機器ではずいぶん見慣れた光景になりました。あいかわらず6P
前回のDC-Eliteに続いて、iBassoからのポータブルDACアンプD16 Taipanを試聴してみました。 iBasso D16 Taipanバッテリー搭載の大型DACアンプなので、IEMイヤホンから大型ヘッドホンまで何でも鳴らせる万能機として活用できます。値段もUSD $1500という高級機です。 D16 Taipanこの手のポータブルDACアンプでは、iBasso以外にも古くはiFi Audio micro iDSDや最近はFiio Q7・Q15などを筆頭に、各メーカーが作り続けているあたり、あいかわらず人気ジャンルなのでしょう。 ポータブルでここまで大掛かりな機器を使いたがるのは相当なマニアだけですし、ヘッドホンも存分に鳴らせるとなると、高級ヘッドホンに見合う高音質が求められるわけで、価格帯も最近では10万円以上のモデルが多くなっています。40万円もするChord Hugo 2
iBassoからDACアンプ関連の新製品が続々登場しているので、いくつかまとめて試聴してみようと思いました。 DC-Elite D16 Taipan PB5 OspreyドングルDACの最上級機DC-Elite、ポータブルDACアンプD16 Taipan、NutubeアナログアンプPB5 Ospreyの三種類です。まず最初に一番シンプルなDC-Eliteから聴いてみます。 iBassoiBassoというとFiioと並ぶ中国最古参のポータブルオーディオメーカーなので、古くからイヤホンを使っている人なら懐かしい思い出がたくさんあるだろうと思います。 発足当初はポタアンに強いメーカーというイメージでしたが、DAPやドングルDACなど時代に沿った製品ジャンルを展開しており、最近ではイヤホンなんかも好評を得ています。 緑色のケースで統一されています今回試聴してみた三機種はセットとして登場したわけでは
少し前にヤマハのヘッドホンYH-5000SEについての感想を書いたのですが、今回はそれと同じシリーズのヘッドホンアンプHA-L7Aを聴いてみました。 YH-5000SE+HA-L7A 約44万円のDAC内蔵ヘッドホンアンプで、YH-5000SE専用というわけではなく、他社のヘッドホンでも使えるモデルです。 ヤマハのヘッドホン 今回紹介するヘッドホンアンプHA-L7Aは、本来はヤマハYH-5000SEヘッドホンとのセットで使うべく開発されたモデルなのだと思いますが、私がYH-5000SEを試聴した時点ではアンプの方が手に入らず、ヘッドホンのみを借りて、身近にあるアンプで鳴らしました。 当時はChord DAVEやiFi Pro iCAN Signatureで鳴らしました それから数ヶ月が経ち、2023年末にHA-L7Aアンプをようやく借りる事ができたので、今回これらを合わせて試聴することがで
例年通り、2023年に聴いたクラシック新譜の中でもとりわけ演奏内容と音質が良かったものをいくつか紹介します。 2023年も色々聴きました クラシックをあまり聴かない人も、オーディオ機器のテストに活用するなどで、その魅力に目覚めてもらえると嬉しいです。 2023年のクラシック音楽毎年書いているこの記事も、2022年はちょっと諸事情により取り下げることになってしまったので、二年ぶりになりますが、今回はそのあたりにも気をつけてまとめようと思います。2022年のも文章は残っているので、いつか再編集して上げることができればとは思っています。 サブスクリプションストリーミング全盛期の2023年でも、私の一年を振り返ってみると、あいかわらずクラシックの新譜だけで400枚近く購入しました。 タワー限定SACDとかを除いて、物理盤で買うことはほとんど無くなりましたが、まだまだFLACやDSFのダウンロード購
例年通り、2023年を通して試聴したり購入した中で、気に入ったイヤホン・ヘッドホン製品の話題を振り返ってみます。 もちろんすべての新作を網羅しているわけではないので、ご了承ください。 個人的によく使ったイヤホン、ヘッドホン まず最初に、この一年で私自身が個人的によく使ったモデルを思い返してみます。こういうのは必ずしも自分が持っている一番高価なモデルではなかったりするのが面白いです。 Hi-X60が個人的な一年のベストです 自宅で使う大型ヘッドホンは数年前からフォステクスの開放型TH909が自分にとっての最高峰で、それについては変わっていないのですが、2023年を通して最も長時間活用したヘッドホンとなると、意外とAustrian Audioの密閉型Hi-X60が圧倒的な一位になりました。 Austrian AudioのヘッドホンはHi-X55とHi-X65も買っており、それらは「プロモニター
QuloosというメーカーのポータブルUSB DAC・ヘッドホンアンプ「MUB1」を試聴してみたので、感想を書いておきます。 Quloos MUB1最先端のスペックで、価格はUS$500程度という比較的安価なモデルです。バランス駆動はもちろんのこと、Bluetooth受信やS/PDIF出力といった豊富な機能を搭載してるので、USBドングルDACからのアップグレードに最適かもしれません。 Quloos MUB1以前からQuloosというメーカーの名前は知っていたものの、これまで実機を触る機会が無かったのですが、身近な友人が今回MUB1を貸してくれたおかげでじっくり試聴することができました。 Quloos MUB1Quloos、もしくはQLS Hifiというのは中国のメーカーで、漢字では乾龍盛電子科技というそうで、中国語読みの頭文字の三文字オーディオブランドが近頃あまりにも多い中で、さらにQL
Dan Clark Audioの静電型ヘッドホンCORINAを試聴してみたので、感想を書いておきます。 Dan Clark Audio Corina米国では2023年5月に発売したモデルで、価格はUS$4,500くらいだそうです。STAX用アンプ(ドライバーユニット)で駆動することを想定した静電型ヘッドホンです。 CORINADan Clark AudioというとEtherやAeon、最近ではExpanseとStealthといった平面駆動型ヘッドホンが有名ですが、静電型にもたびたび挑戦しており、まだ社名がMr Speakersだった2018年にはVoceというモデルを出しているので、今作はそれの後継機という事になります。 平面駆動型のExpanseとStealth CorinaとVoceハウジングやケーブルなどの見た目はVoceとよく似ており、一方ヘッドバンド部品はStealthやExpa
ヤマハのヘッドホンYH-5000SEを試聴してみたので感想を書いておきます。 YH-5000SE平面振動板の開放型ヘッドホンで、2022年12月登場、価格は約50万円というハイエンド製品です。最近はこの価格帯で主に海外からのライバルが多いので、新参のヤマハがどれくらい健闘しているのか気になります。 ヤマハオーディオにおけるヤマハというのはかなり謎の多いメーカーです。 一般的にはヤマハというと楽器やプロオーディオのメーカーというイメージがありますが、私のようなCD世代の人にとって、ヤマハは家庭用の据え置きオーディオ機器でも結構名を馳せていた印象があり、私自身、子供の頃自宅にあったNS10Mモニタースピーカーで相当音楽を聴きましたし、初めて自分で買った本格的なオーディオ機器も中古のCDX-640 CDプレーヤーだったなど、かなり身近な存在でした。 その後私はオーディオ機器を解体修理するようにな
QDCの現行イヤホンの中から面白そうな四機種をまとめて試聴できる機会に恵まれたので、感想とかを書いておきます。 QDC Superior, Folk, Tiger, Anole V14 一万円台の新作エントリーモデルSuperiorから、Folk、Tiger、そして40万円のAnole V14に至る幅広いラインナップの中で、それぞれの音質差やQDCというメーカー全体の特徴などを探ってみたいと思います。 QDC私にとってQDCというのは長らく謎に包まれた存在です。中国のイヤホンメーカーで、かなり昔からハイエンドに君臨している由緒正しいブランドだという事は知っていましたが、これまでなかなかじっくりと試聴する機会にも恵まれず、若干敬遠してきた感じもあります。 その理由としては、QDCの主なマーケットはプロミュージシャンがステージで使うような、自分の耳型で特注するカスタムIEMイヤホンであって、我
Fiioの新作DAP M15Sを聴いてみたので、感想を書いておきます。 Fiio M15S2023年4月発売、価格は約15万円ということで、Fiioの中でもM17に次ぐ上級モデルです。前回紹介したHibyやAKの新作DAPと合わせて試聴してみたので、メーカーごとに実際どれくらい違いがあるのか気になります。 Fiio M15S近頃のFiioのイメージというと、多色LEDにマットブラックの角ばったデザインや高出力アンプといったマッシブさをテーマに掲げており、オーディオファイル的な嗜好品というよりは、ゲーミングパソコンのビデオカードのような最先端のハイスペック感を強調しています。 現行Fiioラインナップ 最近のFiioヘッドホンもゲーミングっぽさが強いです特にコロナ中は店頭試聴ができなかった事情もあり、ネットでスペック性能を頼りに購入する人や、初心者でもそこそこ良いヘッドホン機器を買いたい人が
前回に続いて最新DAPを色々と聴いてみたので、今回はAstell&KernからAK SE300の感想をまとめておきます。 2023年6月発売で価格は約30万円、AK初の自社製フルディスクリートR2R DACを搭載する意欲作です。 AK SE300Astell&Kern(AK)というと王道な高級DAPメーカーというイメージがありますが、その中でもSEシリーズだけは、A&futuraというサブネームからも想像できるとおり、かなり奇抜で未来感や冒険心あふれるモデルが集中しています。 AKのラインナップは単純に価格差による上下関係というわけではなく、シリーズごとに明確なテーマを設けており、それぞれ全く異なる開発手法をとっているのが面白いです。まるで自動車メーカーなどと同じような感覚でしょうか。 SE300 & SP3000フラッグシップのA&ultima SPシリーズはその時点で技術的に可能な限り
新作DAPが続々登場しているので、いくつか個人的に興味があるものを試聴してみました。まずはHiby R6 III & R6PRO II、続いてAK SE300とFiio M15Sについて感想を書いておきます。 Hiby R6 III & R6PRO II個人的にHiby RS6というモデルを長らくメインのDAPとして使ってきたので、そろそろ買い替える頃合いなのか検討してみたいと思います。 2023年のDAPヘッドホンやイヤホンと比べて、DAPのレビューというのはなかなか難しいです。ここ数ヶ月で、Hiby R6 III & R6PRO II、AK SE300、Fiio M15Sといった新作DAPを試聴してみたのですが、どれも単体であれこれ書くほどの内容が思い浮かびませんし、似たような文章を繰り返す事になってしまいます。 よっぽど不具合があるとか音質のクセが強いモデルなら、それなりに書く事も見
Ultimate Earsの定番モデルUE Reference Remastered(UE-RR)のカスタムIEM版を作ってみました。 UE-RRのカスタムとユニバーサル版すでに同じモデルのユニバーサル版を長らく愛用してきたので、今回は両者の真っ向勝負という事になります。遮音性や音質などの違いについて比較してみたいです。 UEのカスタム前回はUEの最上級モデルUE Premierを試聴してみたわけですが、それとほぼ同じ時期にUE Reference Remastered (UE-RR)というモデルのカスタムIEM版を作りました。ショップやメーカーのデモとかではなくて、個人的に定価で購入したものです。 UE-RR カスタム&ユニバーサル さすがプロ向けの大手メーカーだけあって、耳穴の3Dスキャンをした日から二週間ほどで現物が届いたのには驚きました。これなら普通の製品を取り寄せてもらうのとそこ
Ultimate Ears (UE)から久々の新作で最高級モデルのUE Premierを試聴してみたので、感想を書いておきます。 UE Premier米国で2023年4月発売、ベース価格は$2,999という、地味なプロ機のイメージがあるUEとしては破格の存在です。ちなみにカスタムIEMを想定したモデルで、今回は店頭試聴用のユニバーサルタイプを聴いてみました。写真の緑色デザインもカスタムの一例にすぎません。 UEUltimate Ears (UE)というのは実に不思議な会社です。2008年にマウスやキーボードで有名なLogitech社(日本ではLogicool社)の子会社になって以来、家電量販店とかではUltimate Earsブランドの安価なBluetoothスピーカーとかも沢山売っているわけですが、なぜかプロ部門のカスタムIEMだけは頑なに独立した事業として継続しているので、そのへんはL
水月雨 Moondropのイヤホン「Stellaris」を買ったので、感想とかを書いておきます。 水月雨 Stellaris2022年12月発売、大変珍しい平面駆動型ドライバー採用のイヤホンで、しかも価格は2万円以下という魅力的な製品です。 Stellaris水月雨、海外のオンラインストアを日々巡回している人にはMoondropと言った方が馴染み深いかもしれませんが、数ある中国発の高コスパイヤホンメーカーの中でも、個人的にずいぶん気に入っているブランドです。 大抵の中国メーカーは深圳など湾岸都市のスマホ製造拠点に付随する形で起業しているのに対して、こちらはパンダと三国志で有名な内陸の成都に本社を構えており、サウンドやデザインのプレゼンテーションが極めて魅力的なのが、ライバルが多い中でも埋もれてしまわない理由だと思います。 特に低価格モデルとなると、他社はどうしてもハイテクな高解像っぷりを主
ソニーの新作ヘッドホンMDR-MV1を聴いてみたので、感想とかを書いておきます。 SONY MDR-MV12023年5月発売、価格は約6万円弱のプロ用モニターヘッドホンで、ソニーとしては久々の本格的な開放型ヘッドホンということで注目されています。 MDR-MV1数ヶ月前にこのヘッドホンが発表されてから、この手の製品としては珍しくガジェットニュースなどでずいぶん話題になり、盛り上がっていました。 私自身も発売前のイベントや店頭試聴機などで数ヶ月前から聴き込んできたのですが、こういうのは先行デモ機と実際の製品版のデザインやサウンドが結構違っていることがたまにあるので、発売されるまで感想は控えていたところ、その辺はさすがソニーらしく、実際の製品版も全く遜色ない仕上がりのようです。 MDR-MV1とMDR-M1STこのMDR-MV1が注目されている理由として、まず由緒正しいソニーの「プロ機」である
ベイヤーダイナミックの2015年新作ヘッドホン「DT1770 PRO」を紹介します。 密閉型スタジオモニターヘッドホンのロングセラー「DT770」の上位モデルという位置づけで、価格帯もDT770の2万円台から一気にランクアップして、現在7万円前後で販売されています。 上質なルックスや、着脱可能なケーブルなど、DT770とくらべて、色々と値段相応のアップグレード感がありますが、一番の見どころは、フラッグシップ機「T1」ゆずりの「テスラテクノロジー」ドライバを搭載していることです。さらに今回DT1770では、新開発の「テスラテクノロジー 2.0」という技術が使われているそうです。 年末年始の新製品ラッシュの中、色々なヘッドホン関連商品を試聴する機会がありましたが、唯一気に入って購入したのは、このDT1770でした。開封してからそろそろ100時間以上鳴らしているので、音質についての感想も大体まと
Astell&KernのヘッドホンアンプPA10を買ったので、感想とかを書いておきます。 Astell&Kern PA102023年発売で価格は約9万円、DAC非搭載の純粋なアナログヘッドホンアンプです。近頃こういう製品は極めて珍しく、以前から欲しかったジャンルだったので、思い切って購入しました。 AK PA10このPA10という製品はAstell&Kernの中でもずいぶん異色の存在です。DACを搭載していない、単体のアナログヘッドホンアンプというだけでも初めての試みですが、さらに「A&futura」「A&norma」といったこれまでのシリーズに収まらず、立ち位置や存在意義がいまいちわからない一匹狼のような製品です。 私はこういう使い方をしていますハイパワーで無骨なKANNシリーズとか、家庭用のACROシリーズの仲間に入りそうですが、本体にもパッケージにもそのような記載はありません。 だか
ゼンハイザーから久々の本格的な新作ヘッドホンHD660S2が登場したので、試聴してみました。 Sennheiser HD660S22023年2月発売で価格は約9万円弱です。ゼンハイザーを象徴する伝統的な開放型モデルの最新バージョンということで、ファンからの期待も大きく、一体どのように変わったのか非常に気になります。 HD660S2このHD600番台は、HD25と並んでゼンハイザーが現在まで製造を続けている最古のヘッドホンシリーズということで、かなり歴史と伝統があるデザインです。 レコーディングスタジオから楽器店の試聴用まで、音の良し悪しを判断する現場で広く愛用されてきたシリーズなので、ヘッドホンマニアであれば必ずどれか一台は持っているでしょうし、無意識にでも一度は使ったことがある人は多いはずです。 1993年に登場したHD580にて基本的なフォルムが決定され、その後HD600(1997年)
FinalのA5000イヤホンを買ったので、感想とかを書いておきます。 Final A50002022年12月発売、約35,000円のダイナミック型イヤホンです。同じAシリーズには、これまで価格順にA3000、A4000、A8000とあったので、それらの中間に収まるモデルということになります。 Final A5000今回購入したA5000はFinalの中でもAシリーズというスタイルのイヤホンになり、ABSプラスチック製ハウジングに6mm f-Core DUダイナミックドライバーを搭載している、極めてオーソドックスなデザインです。 シングルダイナミック型ですこのAシリーズの最上位モデルA8000になると、ステンレスハウジングにベリリウム振動板を採用しており、価格も20万円超と全くの別物といった感じなのですが、A3000、A4000、A5000の三機種は、公式サイトの説明を読むとどれも6mm振
オーテクの60周年記念モデル「ATH-WB2022」を聴いてみたので、感想とかを書いておきます。 ATH-WB2022 2022年発売、Bluetoothワイヤレスヘッドホンなのに発売価格は40万円という、かなり挑戦的な製品です。 ATH-WB2022前回、最新高級ヘッドホンを何種類か聴き比べた時に、このヘッドホンも仲間に入れてみようと思っていたのですが、こちらは密閉型で、しかもBluetoothワイヤレスということもあり、あまりにも毛色の違う製品ということで、単独で紹介することにしました。 そのため、前回の追記という感じで手短に済ませようと思います。 ATH-WB2022今回試聴してみたATH-WB2022ヘッドホンは、発売価格が40万円、名前に「2022」とあるように、2022年オーテク60周年記念という事で、現時点での技術の粋を結集させたモデルだそうです。 ATH-W2022 同じく
ちょっと前にStaxやAbyssなどの高価なヘッドホンを一気に試聴する話を書いたのですが、今回はそれの第二弾ということで、Audeze LCD-5、Focal Utopia SG、Dan Clark Audio Expanseという三つの2022年新作ヘッドホンについて、まとめて感想を書いておきたいと思います。 どれも私では手が出せないくらい高価なヘッドホンばかりなので、こうやってじっくり聴き比べる事ができるだけでも光栄です。 高級ヘッドホンたち普段このブログでは各モデルごとに紹介記事を書いているのですが、こういう超高級ヘッドホンというのは、とりわけ個別に書く内容も思い浮かびません。 ある程度の高級機になってくると、私のようにカジュアルな音楽鑑賞に使っている程度なら、明らかな欠点や不具合が見つからなくなるので、どれも「とてもいい音」という程度の感想になってしまいます。高級スポーツカーを一般
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