ニューロン1,000個を用いたシミュレーションの結果 © Masaya Hirashima and Daichi Nozaki AとBは、運動誤差の推移を示している。CとDの各曲線は、各初期条件から開始したニューロン活動の二乗和の推移を示している。忘却が全くない場合には、運動誤差は減少するものの(A)、ニューロン活動度は減少せず、最適解には到達しない(C)。一方、軽微な忘却がある場合には、運動誤差が減少したのち(B)、ニューロン活動度は初期条件に依らず最適解に達する(D)。全ニューロンの活動パターンを示したヒストグラムも、初期条件に依らず最適状態に収束する。また、このパターンは、実験で観察されるパターンを再現している。 忘却というと、記憶を阻害するものとして悪いイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、今回、東京大学大学院教育学研究科の平島雅也助教と野崎大地教授は、運動を学習する場合、