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文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 今年6月からはじまる図書館から個人へのデジタル化資料のメール送信等の補償金額が、書籍の場合でページ単価の10倍、新聞・雑誌は最初のページが500円で2ページ目から100円(それに図書館の手数料を加算)になることが、図書館等公衆送信サービスに関する関係者協議会で決まったとの報道があった(2023.5.22追記:正確には協議会で協議し、図書館等公衆送信補償金管理協会が認可申請した)。 「図書館資料のメール送信制度、利用者の負担金額は「ページ単価の10倍」に」讀賣新聞オンライン、2023年3月27日。 (2023.3.29追記:本日の朝日新聞記事によると、補償金が500円を下回る場合は500円に、送信できるのは原則、著
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) ブルーレイのディスクレコーダーに新たに私的録音録画補償金を課すことについて、パブコメ(9/21締切)が募られている。(報道はこちら) この問題がくすぶりつづけていたことは知っていたが、表だって検討された気配がなく、いきなりのパブコメには唐突感が拭えない。 これまでの経緯や問題点については、StereoSoundONLINE掲載の麻倉怜士氏へのインタビュー記事によくまとめられているので、まずはこちらを読んでほしい。 補償金課金案に対するJEITAの見解はこちら。 筆者がとりわけ問題と思うのは、エアチェックしたテレビ放送のダビングを10回までに制限するいわゆる「ダビング10」や、リッピングソフトの違法化などで私的な範
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) あるコラム投稿記事(2022/4/28修正;2022/5/10追記:こちらから読めます)のことがTwitterでいくつか流れてきたので、もとの文章(末尾の文献)を確認した。それは、元国立国会図書館(NDL)司書で歴史学者の方が書いた短いコラムだ。 コラム投稿記事の要点はこうである。著作権保護期間が満了した著者の著作にネット公開されていないものがあるのでNDLに問い合わせた。その結果から、以下のような状況だという。 ・当該ネット非公開著作物には、校正者と索引作成者への謝辞がある。奥付に名前がなくても彼らも著作者として扱っている。 ・当該著作物には他の文献からの引用(15行程度)が含まれているので、その文献の著者の保
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 本日の参議院文教科学委員会で著作権法改正案の審議があり、そのなかで図書館資料の海外へのデジタル送信について答弁があったので、要点をまとめておきます。わたしの理解した範囲でのまとめなので、正確なところは中継映像なり、後日出てくる議事録なりで確認してください。 動画はこちらを参照。 赤:赤池誠章議員(自民)、文:文化庁・矢野次長 (13:45〜)赤:海外在住の研究者等から利用したいとの声があがっている。どう対応していくのか。 (16:53〜)文:海外からの利用の可否については、法律上、図書館資料のメール送信等に関する送信先を国内に限っているわけではない。しかしながら、個々の図書館等がその設置目的等に応じて、送信先の範
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 平成30年の著作権法改正で「授業目的公衆送信補償金」ができたときに、何だかなーと感じていた。 これによって、予習復習用に授業以外の機会に生徒の端末に他人の著作物を使った教材を送ったり、授業をオンデマンド配信したりを、比較的簡単な手続きでできるようになったのは確かだ。 ところが先日、教員をしているある大学から具体的な書類がきて、補償金制度は長期的には悪手だったのではないかとの思いを強くしている。 【引用等の例外を忘れさせたいのか】 送られてきたのはまず、授業目的公衆送信補償金管理協会(SARTRAS)が作った「「授業目的公衆送信補償金制度」の概要」というPDF。それから、利用報告書のエクセルフォーマット。 同補償金
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) ある国際会議での報告のために書いたものをここに載せておきます。 日本の図書館のデジタル・ネットワーク対応のための著作権法改正案について (海外の日本研究者のかたがたに向けて) 1.背景 国立国会図書館(NDL)がデジタル化した資料のうち、著作権が残っているが入手が困難な資料等(約150万点)については、承認を受けた図書館に設置されたPCで読むことができます。「NDLオンライン」で検索した結果に「図書館送信」と表示される資料がそれです。海外においても同様のサービスを受けることができるのですが、厳しい基準があって、現在までに承認を受けた海外図書館は北米の1館、欧州の1館だけです。そのサービスでは利用者が図書館の指定P
本ブログでもたびたび取り上げてきた「違法ダウンロード拡大」の著作権法改正案が、本日の参議院本会議で可決・成立した。昨年時点の法案からくらべたら、だいぶ危険の少ないものにしてくれたと思う。だが、そもそも漫画以外のコンテンツに同様の規制を課すだけの立法事実があったのか、海賊版漫画の被害額は過大ではなかったか、学術利用を萎縮させる恐れがあるなどの問題は、残されたままになっている。 何よりも、著作権法がさらに複雑になった。 今から思えば、1年ちょっと前に自民党内でほとんど決まりかけていた法改正を、世論によってストップさせたことが、歴史的なことだったかもしれない。それは、おなじ問題意識をもった者が緩やかに連携しながら、同時に多発的に動いたことの結果だったと思う。 最近、新型コロナ対策の給付金や検事官の定年延長が、閣議決定までしておきながら世論によって覆ったが、そのさきがけ的なことが昨年起きていたのか
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 違法DL拡大法案のまき直し検討が、またしても大急ぎで進められている。11月27日に第1回の検討会があり、年度内(2月はじめ頃まで?)にあと2回開いて結論をまとめるそうだ(第2回は12月18日開催)。既視感のある、スケジュールありきの強引な進め方というべきだろう。 まき直しにあたって、数千人規模のアンケートを実施すると聞いたときから、少しいやな予感がしていたのだが、このたび公表された結果をみると、やはりという印象が否めない。 この調査は、ネット調査会社に事前に登録してあった有報酬の協力者に対して行ったようだ。男女・年齢・地域の層別で有効サンプル数は2,580。 設問(2)侵害コンテンツのダウンロード経験の有無(その
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 国立国会図書館が持つ絶版等資料をデジタル送信するサービスが、国内の大学・公立図書館に普及している。2018年には、それを外国の図書館にも広げる著作権法改正がされ、2019年4月22日からは、海外からの受付もはじまった。これが広がれば、海外の日本研究にとっては大きな福音になるはずだ。 ところが、である。北米の蒼々たる有名大学の図書館が、いまだ一館もこれに申請すらできないでいる。(欧州では一館が申請しており、北米では二館がようやく申請できそうなところまできているとのこと。) その最大の理由は、国会図書館側が求める条件が、海外図書館にとって厳しすぎることにあるようだ。 国会図書館は、それぞれの大学のUniversity
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) ダウンロード違法化の適用範囲を拡大する著作権法改正案は、3/13に自民党が今国会提出を見送ったことで一安心の空気が広がっているが、それはたいへんまずいことだ。自民の政治家自身による最近のツイートやブログから、事態が好転していないことがみえるからだ。 第一は、山本ともひろ衆議院議員の3/19のツイートである。 午後、文科省と文化庁の方々が来所。見送りとなった著作権法改正案の経緯を説明に来られました。スクショが違法になるなどのデマが出回り、それを信じる人達も出始め、法案の中身より誤った情報の錯綜やマスコミの誤報など様々な要因が重なり、結果、見送りに。今後、更に丁寧な説明が必要です。 写真には担当官僚とみられる二人が資
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 本日(2019/3/13)、この法案の今国会成立を見送ることが自民党内で決定されました。ですが、これは先送りなので終わりではありません。 なので、どうしてこういうことが無理無理にでも審議会を通り、法案になって与党に示されてしまったのかを検証する必要があると思います。 文化庁はいったいどこで間違えたかの結論は出ていませんが、今後の検証のための情報源をまとめておきます。タイムラインは随時修正・更新していきます。 2018/6/22 知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会インターネット上の海賊版対策に関する検討会議(タスクフォース)(第1回) 「資料4-1:タスクフォースにおける主な論点(案)」に「違法アップロードされ
そもそもユーザーがDLしたことをどうやって証明するのか疑問だったのだが、文化庁案ではファイルごとDLしたら違法サイト側にログが残るからわかるのだという。 それならば、その段階ですでにアップローダーが割れているわけだから、そこで海賊版流通をストップできるはずで、その先のユーザーまで摘発する必要があるのかということだ。 DL型サイトならログでわかるかもしれないが、そうしたいならば原作を丸ごと一定の固まりでDLすること、権利者の利益を不当に害する場合に要件を絞ることに、何ら不都合はないはずだ。 それだと分割DLが抜け道になると文化庁はいうが、分割DLでも「原作丸ごと」と解釈することはできるのではないか。 ストリーミング型サイトからスクショや画面保存をしたかどうかまでは、サーバー側のログだけではわからないから、ログを頼りに警察が家宅捜索してユーザーのスマホやPCを差し押さえ、そこに該当するファイル
今日の午後に出回った信頼できそうな筋の情報では、ダウンロード違法化範囲の拡大を含む著作権法改正案(おそらく≒文化庁案)を、自民党の総務会が文部科学部会に差し戻したらしい。もしそうならば、時計の針が一週間戻ったことになる。 これから自民が直々に漫画家などからヒアリングをするらしいが、今国会の法案提出期限が今月半ばらしいので、たぶん今日から10日間ほどが正念場になる。 現在の案をおさらいしておく。 違法にアップロードされたものと確定的に知ってダウンロード(スクショを含む)する行為を違法にする。 有償著作物を継続・反復してDLする行為に刑事罰を科す。ただし二次的著作物は除く。 このままでは危険なので、地元の自民党代議士につぎのようなことを、有権者の意見として伝えてほしい。そんな大それたことできない、というひとはSNSでつぶやくのでもいい。 現在の案では、国民生活への影響が大きすぎる。 スクショが
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 2月16日掲載の弁護士ドットコムNEWSのインタビューで、わたしは「文化庁は失格」だと強いことをいった。一方で、小委員会委員の生貝先生は、著作権課の過労を心配する記事を掲げられた。そういう観点からみれば、たしかに著作権課のみなさんは、そうとう疲れていらっしゃるのではないかという気持ちも芽生えてくる。 先週2月22日に自民党の文部科学部会で違法ダウンロード拡大を含む著作権法改正の方向性が、概ね了承されたとの報道がある。そのさいにどういう説明があったかについて、あちらこちらから情報が入ってきている。 一番「おや?」と思ったのは、原作者が問題視していなければ、二次創作のアップロードもダウンロードも「違法ではない」と、文
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 本日(2月22日)自民党文部科学部会と知的財産戦略調査会の合同部会で、違法ダウンロード拡大のより具体的な方向性が文化庁から示され、部会はそれを丸呑みしたようだ。 現時点では朝日新聞の報道と弁護士の水野祐先生のツイートくらいしか情報がないのだけど、それがあまりにもな内容なので指摘しておく。 朝日の記事によると、赤池誠章部会長は、「『知りながら』という主観要件があり、情報収集するときにダウンロードした中に違法なものが紛れ込んでいても、それは知らなかったということ。権利者に指摘されたら削除すればいいという話」だと語ったという。 知らないでダウンロードしたものは違法にしないのはその通りなのだが、これはダウンロードする行為
昨日、参議院議員会館で掲題の集会があり、主催者の求めに応じてメッセージを寄せましたので、以下に掲載します。 2012年に録音・録画の違法ダウンロードが議員修正で刑事罰化されたときに、日本の著作権法の底が抜けたと、わたしはみています。底が抜けたとは、審議を尽くさないまま、政治主導で法改正をするようになったということです。保護期間延長がその悪い例です。 先の法制・基本問題小委員会で、とても残念だったことがふたつあります。ひとつは、少なくない委員が審議の継続を求めるなか、事務局が強引に議論を打ち切ったことです。ダウンロード違法化拡大のための法改正を、とにかく今国会で行うというスケジュール以外に、審議を打ち切る理由はなかったようです。 もうひとつは、パブリックコメントで出された国民の懸念に対して、「価値ある創作活動が行われ得るといった理由により、違法にアップロードされた著作物の利用を正当化すること
本日の法制・基本問題小委員会で、違法ダウンロードの拡大は避けられなくなったのだが、パブコメや慎重派委員の意見が本文に反映された重要な部分もあるので、そこを紹介しておきたい。 パブコメにかかった案では、違法化を限定する選択肢として、 (ア)民事においても有償で提供・提示される著作物に限定する (イ)いわゆる海賊版サイトからのダウンロードに限定する (ウ)「原作のまま」ダウンロードを行う場合やデッドコピーの場合に限定する (エ)「権利者の利益を不当に害しない場合」を違法化の対象から除外する があって、それらに対して「課題」をあげるという名目で反駁を加える体裁だった。 今日出された修正案では、それに (オ)TPP整備法における非親告罪化の対象範囲に準じた限定を行う (カ)反復継続して行う場合に限定する が加えられた。 やはり「課題」と称してすべてに反駁する姿勢は変わらないのだが、大きな違いはつぎ
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 今日の委員会の結論は、違法化拡大に慎重で審議の継続を求める複数委員の意見が出たものの、スケジュール最優先の事務局が押し切り、報告書案を承認せず文言修正が主査預かりになったことはツイッターで述べたとおり。(ちなみに、違法ダウンロード拡大以外の部分は、パブコメ案に一部修正が入ったものの、異議なく承認された。) 方向性としては、ダウンロード違法化の拡大は行うものの、その条件については限定し(たとえば原作のまま、商業的規模など)、民事よりも刑事でさらに限定するといったことになりそうだ。 したがって、案の実態から「包括的ダウンロード刑事罰化」とわたしが勝手に呼んできたことを改めることにして、これからは「違法ダウンロード拡大
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) これまでわたしは、『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』と『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』で著作権法の改正プロセスについて、また『〈海賊版〉の思想』で「海賊版」を文芸史と文明史の観点から研究してきた。いま検討されている著作権法改正案は、日本がネット社会になったここ20数年間で最悪の「改正」になってしまう恐れがある。議論の本来の目的(漫画海賊版対策)に対する効果が極めて限定的なのに、ネットの利便性を下げ創造性を萎縮させるマイナスの効果が絶大だからだ。 もともとは、漫画海賊版対策の静止画ダウンロード違法化(それからして、漫画海賊版対策としては、本命のストリーミング配信とは関係ない)の議論だった。それが委員
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