遙から 「また介護が始まる」。私はある時、沸々と怒りが湧いたことがある。ひとことで介護と言っても、なぜ介護することになるかの流れは人によって違う。老いや病気、と、ひとことで片づけられない個人差がある。老いだけでも健やかに老いる人もいればいくつもの病気とともに迎える老いもある。 前者はハイキングコースに参加するし、後者は10年来の寝たきりになったりする。その後者もまた、今の時代のように健康啓発が盛んになる前の時代の病気と、バラエティ番組でも健康のノウハウを伝え、「あれ?」と思った時にはインターネットで情報を調べられる時代の病気がある。その現代でも注意していてもなってしまう不可避な病気(ストレスなどが原因で)と、「そりゃなるだろうよ、病気」という生活習慣系の病気がある。 私が腹が立つのはあきらかにその後者の末の介護の場合だ。つまり、健康啓発に満ちあふれた現代で、避けられた病気に巻き込まれる介護