昨年11月5日、立憲民主党の菅直人・元首相が記者会見を開き、次期衆院選には立候補しないことを正式に表明した。1974年、女性の地位向上に取り組んだ市川房枝氏の選挙を手伝ったことから、次第に政治の世界に入った菅氏は、1980年に初当選して政治家としてのキャリアをスタートさせた。 1996年に民主党を結党し、2009年には政権交代を実現し、翌年には鳩山由紀夫氏の後を継いで総理大臣に就任した。ところが、総理就任から半年強で東日本大震災が発生。以後は東京電力福島第一原発の事故への対応に追われた。 「菅直人」とはどのような政治家だったのか。『市民政治50年 菅直人回顧録』(筑摩書房)を上梓した菅直人氏本人と、本書の執筆に携わった菅直人氏をよく知る作家の中川右介氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──「回顧録」というタイトルで今回、本を出版されました。なぜ本書をお書きになったのでしょ