〇安倍元首相の国葬については、ことの性格上あまり論評したくはなかった。私の所属する「有志の会」としては、国葬に反対の立場ではない。かつて安倍元首相に多少なりともお世話になった私自身も、どのような形式の葬儀であれ、心からの哀悼の意を示すべく参列するつもりである。 輿論が熟する前に、おそらくは何らかの政治的な思惑があって珍しく岸田首相が政治決断した結果、現在のような無惨な状況になってしまったことに、安倍元首相が可哀そうでならない。もっと静かに粛々と故人を見送ることができなかったのか。その責任の多くは、政治的に拙い決定をした岸田首相にある。 安倍元首相の国葬をめぐっては、いろいろな立場からいろいろな論評が行われているが、「国葬とは何か」という本質が論じられていることは、稀だ。専門家は「国葬とは国が主催して国費で営む葬儀を指す」としているが、そんな形式的なことが問題なのではない。法的根拠云々の議論