人は、なぜか世界が終わる物語が好きだ。 古くは最古の宗教と称されるゾロアスター教やアブラハムの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム)で共有される、全ての人類が善悪のふるいにかけられ天国行きか地獄行きかが決定される「最後の審判」。地上の堕落した人類を滅ぼすために神が大洪水を起こす「ノアの方舟」。善と悪の争いを終わらせるための最終戦争「ハルマゲドン」。 または、北欧神話において巨人族との戦いで主要な神が滅んでしまう「ラグナロク(神々の黄昏)」。「劫」と呼ばれる43億2千万年という壮大なスケールで描かれるヒンドゥー教における宇宙の終わりと創造。 「末法思想」は釈迦が説いた教えが時代を経るにつれて正しく伝わっていかないのではないかというのが元来の意味だが、平安時代に疫病が流行るとともに呼応して広まっていったという点においては、これも一種の終末思想として当てはまるかもしれない。 さて、現代において