赤ちゃんは日々驚くべきスピードで成長し、毎日違った表情を私たちに見せてくれます。ついこの前までベッドの上で寝転んでいただけだったのに、ふと気づいたら、這って、立って、歩いて、話して……。こうした行動は脳によってコントロールされています。脳の機能は神経細胞のネットワーク(神経回路)により担われており、神経回路は胎生期に遺伝的プログラムにより大まかに形成されたのち、主に出生後に使われながら再編され、成熟した回路になっていきます。赤ちゃんの驚異的な成長スピードはこの回路再編機構のなせるわざであり、また回路再編が適切に進まないことが自閉症などの発達障害の一因となることも示唆されています。しかし、新生児期に神経細胞が実際にどのように姿を変えて機能的な回路を形作っていくのかはほとんどわかっていませんでした。今回、私たちは生きた新生仔マウスの脳内で、特異的な回路を作るために神経細胞が形を変えていく様子を
シアトル生まれの慈善家であり、テクノロジーの改革者だったアレンは、非ホジキンリンパ腫のため死去した。 アレンの家族は次の声明を発表している。 私の兄はありとあらゆる面で素晴らしい人でした。ほとんどの人にとってはテクノロジーの人、慈善家として知られるポール・アレンですが、私たちにとっては愛する兄であり叔父、そして類まれなる友人でした。 ポールの家族・友人は、彼のウィット、温かい心、寛大さ、親切心を知ることができて幸せでした。厳しいスケジュールだったのにもかかわず、彼は常に家族のための時間、友人のための時間を作ってくれました。私たちにとってのーーそして、大勢の人にとってのーー喪失と悲しみの中、彼が毎日のように示してくれた優しさと気遣いに心から感謝したいと思います。 アレンは高校時代にビル・ゲイツと知り合い、1975年に巨大テック企業となったマイクロソフトを創業した。 アレンはフットボールのシア
肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)の株価が、5日急騰した。制限値幅上限の前日比1000円(19.42%)高の6150円だ。 それも朝一番にストップ高を記録してそのまま終値まで継続している。 急騰の理由は、バカマツタケの完全人工栽培に成功したと前日に発表したから。季節を選ばず大量栽培の道が開けたというので、投資家は飛びついたのだろう。バカマツタケが株価を大きく動かしたのだ。 バカマツタケはマツタケの近縁種。名前が名前だけに、マツタケより劣るように思いがちだが、実は姿もよく似ているうえに味と香りはこちらの方が美味しくて強いと言われるキノコである。 別名がサマツ(早松)であるように、マツタケより早く8~9月に発生することから名に「バカ」がついてしまった。なお生えるのは、松林ではなくミズナラやコナラなどの広葉樹林に多い。分布は全国ながら、あまり見つからないのでマイナーなキノコ扱いでほとんど市
神経科学:線虫におけるDEETの作用機構 2018年10月4日 Nature 562, 7725 DEETは、兵士を蚊媒介疾患であるマラリアや黄熱による脅威から守るために第二次世界大戦中に開発された化合物で、70年にわたって一般の人にも使用されてきたが、その作用機構についてはまだ結論が出ていない。DEETは実際にさまざまな無脊椎動物を抑止することから、L Vosshallたちは今回、遺伝学的に扱いやすい線虫の一種Caenorhabditis elegansを用いて、DEETの活性を説明する、1つの遺伝子、2つのニューロン、1つの回路機構を突き止めた。この研究は、DEETにより動物の他の化合物に対する応答が破壊されると考える「かく乱物質(confusant)」仮説を裏付けており、また、病害虫防除のための新しい分子標的や細胞標的を示している。
<最新の研究で分かったグラスの巨大化は、ワイン消費量の増加にも貢献しているようだ> グラス1杯のワインを飲むという経験は、300年前と今では全く違う。現在の一般的なグラスに注がれるワインの量は、1700年代のグラスの7杯分近くに相当するという。 昨年12月に医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された研究によると、平均的なワイングラスの容量は1700年代の66ミリリットルから、今では449ミリリットルに増えている。 ケンブリッジ大学のテリーザ・マートウ教授(健康行動科学)の率いる研究チームは、イギリスの博物館や小売店が保有している1700年代から現代までのワイングラス411個のサイズを測定。この期間にグラスのサイズは着実に大きくなっていると結論付けた。 「食器が大きくなると1度に提供される量が増え、気付かないうちにより多くの量を食べたり飲んだりしている」と、彼女は本誌
昨日の論文紹介をもう一度まとめると、上部消化管の上皮細胞内に存在する腸管内分泌細胞の一部が迷走神経節細胞末端と直接シナプス接合をもち、グルコースやショ糖(分解されてグルコースになる)に反応し、直接脳へ短い間隔で刺激を伝達するというものだった。ただこの論文を読んで、このような回路が存在する意味がもう一つピンと来ないと私は結んでしまった。というのも、腹からの感覚は、良い感覚というのがない。満腹でも膨満感だし、腹が気になる場合はすべていい感覚ではない。お腹が快調という場合は、要するにお腹を意識していない場合を指す。と考えると、これほど速い反応をわざわざ開発しても、あまり意味がないように感じたからだ。 こんな疑問を出してすぐ、昨日論文を読んでいると、迷走神経回路の中にご褒美回路を直接刺激するシステムが存在することを示し、昨日の私の疑問を少しは解いてくれる論文に出会ったので、今日続けて紹介することに
これまで行なわれた視覚についての研究で、素人の私が最も感銘を受けたのは、私たちが記憶から過去に見たシーンを引き出すとき、脳のさまざまな場所にしまわれていた記憶の断片が、一次視覚野に集められ、私たちがあたかも今見ているように思い出していることを示した様々な研究を知った時だ。すなわち、1次視覚野は決して網膜からのシグナルがまとめられる領域にとどまらず、言って見れば記憶と現実の視覚が出会う場所だと言える。 とすると、同じものを見ていても、鮮明な記憶を持つ対象については、違ったように見えるという経験や、通常あまり意識されることなく消え去る網膜からの視覚インプットが、鮮明な記憶があると、似た対象については意識に上る可能性が高まるのも、一次視覚野のこの機能が反映されていると想像できる。 今日紹介するロンドン大学からの論文は1次視覚野でのこのような統合をわかりやすい形で定量できる可能性を示した論文で9月
メモ。 Nature公式、論文要旨の書き方。 授業でこれを扱うと国籍問わず大半の大学院生が知らなかったと言うので簡易和訳版を作成。 もちろん、Nature以外の論文にも流用する事が可能。 注目は、[結果]に使える文の少なさ(2~3文。全体の20~25%)。 和訳の修正案、大歓迎です。 英語版:https://t.co/RQEbeOWoNX pic.twitter.com/DcIePZhD6Y— 遠山 祐典 (@ToyamaYj) September 19, 2018 Nature Researchの松田と申します。このアブストラクトの書き方について、Nature日本法人の方で作っているPDFもありますので、よろしければご自由にお使いください。下記URLのp11となります。https://t.co/7ze0gbfpCW— 松田 栄治 Eiji Matsuda (@matsuda_eiji)
先日、あるテレビ番組でタレント・いとうまい子さんとご一緒した。彼女は、二つの顔を持っていることで知られている。 一つはテレビタレント、そしてもう一つは「研究者」の顔。早稲田大学人間科学部大学院博士課程に在籍し、自ら作成するロボットで介護予防を実現することに情熱を燃やしている。 梶原「新宿音楽祭でいとうさん(当時は伊藤麻衣子さん)と仕事したのは何年前でしたっけ?」 いとう「歌手デビューした1983年ですから35年前です」 梶原「ひえ?!」 1983年といえば、スマートフォンどころか、携帯電話(肩掛けタイプ)登場まであと2年、バブル経済の始まりの前であり、もちろん昭和で20世紀だった。まだ生まれてもいなかった読者も少なくない、そんな「昔」だ。 本論から横道にそれるが、新宿音楽祭とはラジオの文化放送が年に1度、日本武道館を会場に開く、その年にデビューした新人歌手を対象にしたコンテストだ。文化放送
ノシセプチン受容体およびμオピオイドペプチド受容体に対する2機能性のアゴニストは霊長類において有害な作用のない鎮痛薬になりうる 木口倫一・Huiping Ding・Mei-Chuan Ko (米国Wake Forest School of Medicine,Department of Physiology and Pharmacology) email:木口倫一 DOI: 10.7875/first.author.2018.091 A bifunctional nociceptin and mu opioid receptor agonist is analgesic without opioid side effects in nonhuman primates. Huiping Ding, Norikazu Kiguchi, Dennis Yasuda, Pankaj R. Daga,
From his production company founded in the late 1970's, Leo Fender labored to produce the highest quality stringed instruments ever made. After his passing in 1991, Leo's company, now in the qualified hands of John McLaren of BBE Sound, continued to push the envelope by producing quality instruments with unique innovations. From the Dual-Fulcrum Vibrato's mellow bend to the Magnetic Field Design p
「スマホ(モバイル)顕微鏡」をご存じだろうか。スマートフォンのカメラの上にレンズ付きの小さな器具をおくだけで、スマホが顕微鏡に早変わり。器具の改良とスマホの性能向上で、おもちゃの域を脱し、今や科学研究にも使われる。開発に携わってきた合同会社、Life is small.(LISCO=リスコ、横浜市)の白根純人さん、永山国昭さんにモバイル顕微鏡の進化を聞いた。「偏光顕微鏡、蛍光顕微鏡など普通の光
「脳内に蓄積されたアルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドベータ(Aβ)が減少し、症状の進行を抑える効果が確かめられた」 7月25日、米シカゴで開かれていたアルツハイマー病協会国際会議。製薬大手のエーザイと米バイオジェンは、共同開発中のアルツハイマー型認知症治療薬「BAN2401」の臨床試験(治験)で良好な結果が得られたことを公表した。エーザイの株価は学会を前に連日急騰し、公表直前の25日に上場来高値を更新するなど期待の大きさをうかがわせた。 エーザイの小川智雄日本・アジア臨床開発部長は「アルツハイマー型を引き起こすと考えられる毒性の高い因子を的確にターゲットとして捉えた結果だと考えている。多くの医療関係者から『勇気づけられる結果だ』という言葉をもらった。開発に弾みがつく」と力を込める。 今回公表したのは、少数の患者に投与して安全性や有効性を確かめる第2段階の治験結果。プラセボ(
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