常に相手を支配したがる独裁者 「こんなに口うるさい人だとわかっていたら、結婚なんてしなかったわよ!」 結婚二年目になろうとする彼女は、このセリフを繰り返している。ため息まじり、愚痴まじり、心の中では後悔の念と夫に対する怒りの念、そして自分自身に対する怒りの念をためこみながら、唯一のはけ口として友人たちにこぼしているのである。 夫は何から何まで自分の思い通りにしなければ気のすまない人間だ。たとえば、ふとした時に、無言でテレビの上にそっと指を滑らせる。 指に少しでもほこりがついていれば、目をつり上げて(しかもどこかほくそ笑みながら)「何だこれは? お前、きちんと掃除しているのか?」と叱りつけられる。 会計士よろしく、月に一度、家計簿を綿密にチェックされる。冗談かと思うような理由で、「浪費」を指摘されることも多い。コンビニエンスストアで牛乳を買った(スーパーで買うよりも数十円高くなる) だけで、