東京・多摩地域で、発がん性の恐れが指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の汚染は、生活に欠かせない飲料水を通じて人体にも広がった可能性が高い。市民団体による住民650人分の血液検査がそれを強く示唆する。PFASは1度摂取すると、体内への残留性が高い特徴がある。発がん性など有害性が指摘され、国際的に規制も進む。京都大の小泉昭夫名誉教授(環境衛生学)への取材から健康への影響についてまとめた。(松島京太) Q 健康への影響は? A 米国の学術機関「全米アカデミーズ」が2022年、5000本以上の論文を分析し、(1)腎臓がん(2)脂質異常症(3)抗体反応の低下(4)胎児・乳児の成長阻害-の四つのリスクをまとめました。3と4は、日本での調査でも認められています。 Q 健康リスクが高まる目安は? A 米国の臨床上のガイダンスでは、今回の血液検査で公表されたPFAS4種を含む7種の合計値が血中1ミリリッ