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  • 【特別版】芥川賞・九段理江さん「芥川賞を獲るコツ、わかりました」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。|好書好日

    九段理江さん=撮影・武藤奈緒美 第170回 芥川龍之介賞受賞作「東京都同情塔」 舞台は、ザハ・ハディドによる国立競技場が世論に翻弄されることなく完成した、もう一つの東京。犯罪者を同情されるべき人々=「ホモ・ミゼラビリス」として手厚く扱うべきという社会学論が一世を風靡し、まるでタワマンのような刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。建築家・牧名沙羅は、それが当に建てられるべきなのか、生成AIやナンパした美しい青年・拓人と言葉を交わしながら自身の考えを構築しようとするが――。 読むより先に書いていた 「私、よく人間ぽくないって言われるんですよ。小さい時から親にも、りえちゃんは人間じゃないからねって言われてました」 そう言って逆光のなか悠然と微笑む九段さんは、たしかにVRのようだ。 受賞歴も常人離れしている。2017年、18年と2年連続で文學界新人賞の最終候補に。2021年で見

    【特別版】芥川賞・九段理江さん「芥川賞を獲るコツ、わかりました」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。|好書好日
    ueshin
    ueshin 2024/04/07
    幼稚園のときからなにかを書いていたんだってね。友だちと話すより、聞き手の友だちが書きものだったんだろうね。友だちに承認してもらうより、書くことで自己承認を手に入れたのでしょうね。
  • 〈セカイ系〉のアニメから読み解くスコラ哲学 山内志朗『中世哲学入門』|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 フラ・アンジェリコ《受胎告知》(サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ聖堂付属美術館所蔵) 書籍情報はこちら エヴァンゲリオン・シリーズ、新海誠映画から立ちのぼるスコラ哲学的な匂い アニメをそんなに見るわけではないのだが、庵野秀明のエヴァンゲリオン・シリーズや新海誠映画はかなり見てきた。なぜか昔から気になるのだ。関連文献もかなり読んだ。どうもスコラ哲学的な匂いがするのだ。なぜなのだろう。 それらには、戦闘系美少女キャラが登場することが多い。そういうキャラに「萌え」を見出すという構図らしい。 こういう形式は、〈セカイ系〉と整理される。〈セカイ系〉とは何か。二十一世紀の初頭(ゼロ年代、Z世代)に、アニメ、マンガ、ゲームライトノベルなどに見られる「オタク文化」という言説空間の中で成立した文化形態だ。〈セカイ系〉のファンは、青年男子というのが標準的な捉え方だが、流行は、享受してい

    〈セカイ系〉のアニメから読み解くスコラ哲学 山内志朗『中世哲学入門』|じんぶん堂
    ueshin
    ueshin 2023/07/07
    セカイ系の自分探しの困難と、普遍論争はどうつながるのか。もうすこし説明がほしい。
  • 「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日

    藤巻一保さん=撮影・北原千恵美 藤巻一保(ふじまき・かずほ)作家・宗教研究家 1952年、北海道生まれ。中央大学文学部卒。編集者を経て著述活動に入る。東洋の神秘思想、近代新宗教に関する著作を数多く手がけている。主な著書に『密教仏神印明・象徴大全』『役小角読』『秘説 陰陽道』『愛と呪法の博物誌』『偽史の帝国 “天皇の日”はいかにして創られたか』など。 異常な時代の正体を明らかにしたかった ――藤巻さんの『戦争とオカルティズム 現人神天皇と神憑り軍人』は、陰謀論や超古代史などのオカルトに魅了された旧日軍の軍人たちを通して、日を〈聖戦〉へと導いたイデオロギーに迫った異色の戦争裏面史です。執筆のきっかけを教えてください。 若い頃から秘教的な世界に興味があって、長年その分野のを書いたり編集したりしてきましたが、一方で日は神の国であるという信仰に支えられた明治から昭和までの日についてもず

    「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日
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    ueshin 2023/04/17
    「明治政府が打ち出した現人神天皇・神国日本信仰という官制神話を、若い頃からたたき込まれたのがエリート軍人たち」「何で勝てるのかといえば、古代から現在まで連綿と天皇家が続いているという、万世一系の神話」
  • 今なぜ哲学者スピノザ? 関連本の刊行相次ぐ 國分功一郎さん新書・全集は異例の売れ行き|好書好日

    國分功一郎さん 社会問題先取り 人の根底探る 岩波書店によると、國分さんの新書は現在2刷3万2千部。スピノザは西洋哲学の歴史上、デカルトやライプニッツと並び17世紀の合理主義の哲学者とされる。デカルトが残した哲学の根原理をめぐる著作を徹底して読み込むことを通して、自らの思索を深めた「読む人」という視点で、スピノザの思想をたどる。スピノザ全集の初回配『3 エチカ』も3刷6千部と、学術書では異例の売れ行きを見せている。岩波文庫のスピノザの主要著作(畠中尚志訳)もこれを機に重版したという。 國分さんは「構想から10年かかって出版にこぎつけた」と新書執筆の苦労を振り返る。スピノザは、國分さんにとって自らの哲学の道しるべとなる存在だ。『暇と退屈の倫理学』(2011年)や『中動態の世界』(17年)などでその思想を手がかりにしてきた。「この10年で読みが深まり、ようやくスピノザの生涯と思想を一の線

    今なぜ哲学者スピノザ? 関連本の刊行相次ぐ 國分功一郎さん新書・全集は異例の売れ行き|好書好日
    ueshin
    ueshin 2023/03/20
    ポストモダンのころからスピノザはいわれていたのだけど、デカルト、ライプニッツの時代の分岐点までさかのぼるみたいなことなのかな? にしてもスピノザは汎神論なんだよな。
  • 「産業革命は黒人奴隷たちの血と汗の結晶である」 歴史学の常識を覆した研究者とは 川北稔さんが解説|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 iStock.com/vivalapenler 書籍情報はこちら 「周辺」から世界の歴史を見る 植民地など、「周辺」とされる地域から世界の歴史をみようとする立場は、いわゆる世界システム論をはじめとして、いまではそれほど珍しくはない。そうした見方は、学問的にも市民権を得ているといえる。しかし、ほんの半世紀まえには、そうした立場は、まともな学問とはみられないものでもあった。先頭を切って、この困難な局面を切り開いたひとりが、書の著者エリック・ウィリアムズである。 トリニダード・トバゴの郵便局員の息子として生まれたウィリアムズは、秀才の誉れ高く、周りの期待を背負って、宗主国イギリスのオックスフォード大学に送りこまれた。古典学を専攻した彼は、抜群の成績で卒業したものの、当時のイギリスには─―というより、日をふくむ世界には─―、西洋文明の根源にかかわる古典学、つまりギリシア語やラテ

    「産業革命は黒人奴隷たちの血と汗の結晶である」 歴史学の常識を覆した研究者とは 川北稔さんが解説|じんぶん堂
    ueshin
    ueshin 2020/09/10
    産業革命はピューリタンの勤勉と禁欲と合理主義の精神によって生まれたと聞かされ、黒人や植民地の酷使がまったく見られない歴史観でわれわれは育ちましたね。歴史の正当化イデオロギー? 慢心イデオロギー?
  • 朝日新聞「平成の30冊」 村上春樹さんインタビュー 平成を映し、時代と歩む|好書好日

    ――平成という時代を象徴する作品として『1Q84』と『ねじまき鳥クロニクル』が、多くの識者の支持を得ました。 平成が始まってまもなく、1991年1月にプリンストン大学の客員研究員として招聘され、渡米しました。ちょうど湾岸戦争が始まって米国は重い雰囲気の中で、『ねじまき鳥クロニクル』を書き始めました。仕切り直しという気持ちが強かったですね。 昭和の末に『ノルウェイの森』(87年)が思いもよらずベストセラーになって、ストレスフルだった。日を離れ日人にも会わず、こもりっきりで、集中して書けた。『ねじまき鳥』は僕にとっても象徴的で意欲的な小説。一番大事なのは『壁抜け』です。主人公が井戸の底でひとりずっと考えていて、別の世界に通じる。深層意識の中に入って行き、出入り口を見つける。『ねじまき鳥』で初めて出てきた『壁抜け』は、小説的な想像力を解き放ち、物語の起爆装置になりました。 ――暴力や根源的な

    朝日新聞「平成の30冊」 村上春樹さんインタビュー 平成を映し、時代と歩む|好書好日
    ueshin
    ueshin 2019/03/08
    個人的にねじまき鳥以降読んでないこともあって、インタビューもどうなのという気がしました。
  • 本の記事 : 「若さ」を軸に解いた 三浦雅士「青春の終焉」 - 高久潤 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ずいぶん昔に書いたように感じられる不思議なです。「青春」や「青年」という概念に注目すれば社会や文学をこれまでと違うように捉え直すことができる。そのアイデア自体は若い頃からずっと持っていたし、周囲にもよく話していた。だからそう感じるのかもしれません。 「青春」はいつの時代にでもあったのではなく、産業資主義と同時に生まれた。英国でシェークスピアが書いたときには意識されていなかったのが、18世紀ドイツのゲーテやシラーが「ハムレット」の影響を受けたときにはそれは青春の文学になっていた。ルソーの影響下に革命前夜のフランスで青春賛歌が起こり、産業革命の伝播(でんぱ)とともに青春、そして革命という考え方が広がってゆく。19世紀ロシアのデカブリストの乱も、日の明治維新もそうです。20世紀には中国をも席巻する。近代とは「若さ」が特権化していく時代でした。 こうした「青春」の世界的な席巻を背景に、日

    本の記事 : 「若さ」を軸に解いた 三浦雅士「青春の終焉」 - 高久潤 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    ueshin
    ueshin 2017/08/02
    未読なんだな。漱石の母=承認論に瞠目したので読むべきなのか。
  • 「工作舎物語-眠りたくなかった時代」書評 俊才に迷いなし、もの作りの気概|好書好日

    工作舎物語-眠りたくなかった時代 [著]臼田捷治 80年代後半、学生だった私は、アルバイト先のグラフィックデザイナーの松田行正(ゆきまさ)の事務所から、よく工作舎にお使いに出された。 およそ出版社のイメージにそぐわない瀟洒(しょうしゃ)な洋館に、『キルヒャーの世界図鑑』や『平行植物』など知的かつ遊び心溢(あふ)れる刊行物の数々。この世離れしたを作って生きる大人たちに、衝撃を受けた。 「昔はもっとすごかったんだから」。かつて工作舎に君臨した編集者松岡正剛(せいごう)と、デザイナー杉浦康平が71年に創刊した雑誌『遊』の現場伝説は、のデザインに関わる人間なら、一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。 『遊』の濃厚な組み版デザインは、当時多くの若者たちに衝撃を与え、身ひとつで会社に転がり込んでは不眠不休の雑誌作りを手伝うこととなる(松田行正もまさにそのひとりだった)。 書は松岡正剛と、工

    「工作舎物語-眠りたくなかった時代」書評 俊才に迷いなし、もの作りの気概|好書好日
    ueshin
    ueshin 2015/02/03
    ニューサイエンスの出版社でしたね。『タオ物理学』とか『ライプニッツ著作集』とかね。
  • 「石の虚塔」書評 科学的議論ではなく、自己実現の場と化す|好書好日

    石の虚塔 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち 著者:上原 善広 出版社:新潮社 ジャンル:歴史・地理・民俗 「岩宿遺跡の発見」相澤忠洋と、「旧石器の神様」芹沢長介。2人がもたらした、歴史を塗り変える「新発見」から旧石器発掘捏造事件まで、石に魅せられた者たちの天国と地獄を描く。『… 石の虚塔―発見と捏造、考古学に憑かれた男たち [著]上原善広 毎日新聞による2000年の旧石器捏造(ねつぞう)事件スクープは今も記憶に鮮やかだ。数十万年前の石器を次々と掘り当て「神の手」とまでもてはやされた男が、明け方こっそり偽物を土の下に埋めている姿は、人間の浅ましさを余すことなく晒(さら)しており、怖いぐらいだった。 その男、藤村新一が事件後どうなったのか気になっていただけに読み応えがあった。著者は元々この事件を追っていたわけではなく、岩宿遺跡発見で有名なアマチュア考古学者・相澤忠洋とその盟友・芹沢長介という

    「石の虚塔」書評 科学的議論ではなく、自己実現の場と化す|好書好日
    ueshin
    ueshin 2014/10/17
    「学者たちは学閥にとらわれ、業績に執着するあまり目が曇り、考古学は科学的な議論ではなく単なる自己実現の場と化していたのである」
  • 『「肌色」の憂鬱―近代日本の人種体験』書評 外面を通して創造した「近代」|好書好日

    「肌色」の憂 近代日の人種体験 (中公叢書) 著者:眞嶋 亜有 出版社:中央公論新社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 明治以降、西洋化を追求し、唯一の非西洋国として列強に参入した近代日を待ち受けていたのは西洋からの人種的排除だった。西洋と日を分かつ「差異」をめぐる心性の系譜を、近代日… 「肌色」の憂―近代日の人種体験 [著]眞嶋亜有 書にはしばしば、「(近代日の)エリート層」という語が登場する。たとえば「日人の背丈や体格、容貌(ようぼう)や肌の色を醜悪視する傾向は、その後(注・日露戦争後)、エリート層のあいだで長きにわたり、懸念され続けていく」といった具合だ。著者が「日人の人種的劣等感に直面した代表的存在」とみる漱石から遠藤周作まで日の代表的知識人や思想家、官僚が外国留学体験を通していかなる人種差別に出あい、そこから何を学んだのかを具体的に分析していく。 外面を通し

    『「肌色」の憂鬱―近代日本の人種体験』書評 外面を通して創造した「近代」|好書好日
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    ueshin 2014/10/03
    黄色人種差別は近代の動因にとっての表糸だったのか、裏糸だったのか。
  • 「琉球独立論」書評 緊張の東アジアへ、今こそ普遍的意義|好書好日

    過去の琉球で何が起きたか、そして現在何が起きているのか−。琉球人教授が書き下ろした私的「琉球独立論」。「琉球の独立」をテーマとして、歴史、理念、政治経済、国際関係等、多角… 琉球独立論―琉球民族のマニフェスト [著]松島泰勝 書は「琉球独立」を提唱するものである。たとえば、スコットランドがイギリスからの独立を求めて住民投票を行ったことに驚いた日人が多かっただろう。なぜスコットランドが独立を望むのか、私にもよく事情が理解できない。しかし、むしろそれ以上に理解しがたいのは、琉球が日から独立しないでいることである。 そもそも琉球は独立した王国であった。1872(明治5)年に琉球藩とされたが、他国との外交関係が残っていたし、はっきりと日に領有されたのは、日清戦争後である。以来、琉球人は差別されてきた。太平洋戦争では、沖縄は米軍との決戦場とされ、大量の死者を生んだだけでなく、戦後も米国の統治

    「琉球独立論」書評 緊張の東アジアへ、今こそ普遍的意義|好書好日
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    ueshin 2014/09/25
    民主国家だからいえるのだろうね。中国では民族学の人が逮捕されていたね。
  • 「敗戦とハリウッド」書評 米国映画浸透の歴史、多面的に|好書好日

    敗戦とハリウッド SCREENING ENLIGHTENMENT 占領下日文化再建 著者:北村 洋 出版社:名古屋大学出版会 ジャンル:社会・時事・政治・行政 占領政策の一環としてハリウッド映画を利用したGHQとその到来を歓迎した日人。両者の関係を多面的な交渉のプロセスと捉え、検閲・配給・宣伝をめぐる試行錯誤、ファン文化形成等… 敗戦とハリウッド―占領下日文化再建 [著]北村洋 ハリウッド映画は、米国が第2次世界大戦で打ち負かした日に、「良きアメリカ」を埋めこみ、そのパワーの傘下へと導く装置となった。 書は、戦勝国から押しつけられたともいえる映画が日社会に歓迎され、浸透していった歴史を多面的につづる。事例として、ヒチコック監督の作品やゲーリー・クーパー、エリザベス・テイラーらが出演した懐かしい作品が数多く登場する。映画好きにはとりわけ興味がそそられる占領の外交史であり、文化

    「敗戦とハリウッド」書評 米国映画浸透の歴史、多面的に|好書好日
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    ueshin 2014/09/25
    戦前からもアメリカは憧れだったのだけどね。敗戦を機に洗脳されたのではなく。
  • タバコを吸わない人の書いた「禁煙ファシズム批判」の書 - 下呂のイクローさんのレビュー | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいい 2014年09月22日 読了 ジャンル :医学・福祉キーワード : 平山論文 現代版魔女狩り 禁煙ファシズム 肺ガンから副流煙そして心筋梗塞へ  著者自身はタバコを吸わないのに、「タバコという文化は人類にとって大切だと思っている」という度量の広い姿勢に貫かれていて好感が持てる。 喫煙者率は1968年をピークに減少し続けているのに、肺ガン死亡者数は逆に増え続けてるというデータを示し、タバコを吸うと肺ガンになるという根拠となった1981年の「平山論文」の欺瞞性が明らかにされる。その後、この論文の問題点が指摘されるようになると、厚生省が「データ隠し」を行い始めたという驚くべき事実も、当時「21世紀のタバコ対策検討会」審議員であった評論家山崎正和氏の証言から明らかにされる。さらに喫煙と肺ガンの因果関係が薄弱になり、禁煙自体が個人の権利の侵害にもつ

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    ueshin 2014/09/24
    ファシズムや魔女狩りとも噂されるように、この空気をそろそろむかし語りとして冷静な検証が必要かもね。武田邦彦の本ね。
  • 「嘘と絶望の生命科学」書評 今や日本の科学は、金もうけに堕した|好書好日

    難病の治療、糧危機解決など、あらゆる夢を託された生命科学。だが予算獲得競争は激化、若手研究者の奴隷化が進むなかで、研究不正が続発…。今や虚構と化した生命科学研究の実態を… 嘘と絶望の生命科学 [著]榎木英介/〈科学ブーム〉の構造 [著]五島綾子 ピペド。 この耳慣れない言葉が、今の日における生命科学の研究現場を象徴していると、榎木英介は言う。 「ピペット奴隷」の省略形だ。大学院生や大学院を終えた後の研究員(ポスドク)たちが、朝から晩まで、黙々と実験道具のピペットを使って実験にいそしむその姿を、奴隷になぞらえた表現である。 国からの多額の研究費を獲得することに血道を上げる教授。その下で成果を出すために奴隷のように使い捨てられていくピペド。生命科学は労働集約型の研究活動なので、手を動かせば動かしただけ、成果が出る。だからピペドたちは、朝から晩まで、酷使される。実験室には監視カメラが設置され

    「嘘と絶望の生命科学」書評 今や日本の科学は、金もうけに堕した|好書好日
    ueshin
    ueshin 2014/09/17
    科学・学問も、新自由主義、商業主義に呑みこまれていった中で、STAP事件も。
  • 「江戸しぐさの正体」書評 眉つば「ニセ歴史」にツッコミ|好書好日

    江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書) 著者:原田 実 出版社:星海社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 「江戸しぐさ」とは、現実逃避から生まれた架空の伝統であり、実際の江戸時代の風俗からかけ離れたものである。教育現場で道徳教育の教材として用いられるまでになった「江戸しぐさ」… 江戸しぐさの正体——教育をむしばむ偽りの伝統 [著]原田実 「江戸しぐさ」なるものがはやっている。要約すると、〈すれ違う際に傘を傾けてすれ違う「傘かしげ」など、江戸時代には優れたマナーがあった。商人たちは小さなしぐさの中にも思慮深い行動哲学を込めていた。それが今や、数々の江戸しぐさが失われている。今こそ江戸しぐさに学ぶべきでござる〉といったもの。 ほほう、すばらしい伝統じゃないの。やっぱりお江戸はユートピア。今後の「お・も・て・な・し」に活用しましょう……って、おっと危ない、そのままうのみにし

    「江戸しぐさの正体」書評 眉つば「ニセ歴史」にツッコミ|好書好日
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    ueshin 2014/09/12
    マユツバと聞く前にそもそも「江戸しぐさ」なんて聞いたこともなかった。みんな知っているの?
  • 本の記事 : 上橋さんにアンデルセン賞「物語が他者に成る力くれる」 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ueshin
    ueshin 2014/09/11
    多文化主義、相対主義を教えている物語?
  • asahi.com(朝日新聞社):大正期からゼロ年代まで 時代のベストセラー - 特集 - BOOK

    ueshin
    ueshin 2014/08/24
    大正期からのベストセラー。簡潔にまとめているね。
  • 「神と黄金―イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか」書評 「変化=進歩」の驚くべき楽観性|好書好日

    神と黄金 イギリス,アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか 上 著者:ウォルター・ラッセル・ミード 出版社:青灯社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 秘密は2つのG、神(God)と黄金(Gold)の特殊な接合にある。つまり、資主義と結託した特異なキリスト教こそが鍵だ−。17世紀以降、1度も負け組に回ったことがない英米… 神と黄金―イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか(上・下) [著]ウォルター・ラッセル・ミード [訳]寺下滝郎 書名のとおり、書の中心テーマは宗教(神)と資主義(黄金)の関係にある。著者はかつて外交問題評議会(CFR)の上級研究員だった。CFRにはキッシンジャーら米外交政策の大物が名を連ねており、米保守流の考え方を窺(うかが)い知ることができる。 原著は2007年に出され、リーマン・ショック(08年)や、オバマ米大統領の「米国は世界の警察官ではない」発

    「神と黄金―イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか」書評 「変化=進歩」の驚くべき楽観性|好書好日
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    ueshin 2014/08/10
    「普通の暮らしを追い求めることは、(略)不道徳(ヴィシャス)な欲望なのである」
  • 本の記事 : 隠れキリシタン、意外な素顔 長崎純心大教授、現地訪ねて新説 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    徳川幕府などの禁教政策によって300年近く弾圧され、潜伏を余儀なくされた日のキリスト教徒たち。「隠れキリシタン」とも呼ばれる彼らの信仰は、キリスト教とは全く異なる「土着信仰」になっていた――。長崎純心大の宮崎賢太郎教授(宗教学)が、『カクレキリシタンの実像』(吉川弘文館)でこんな説を唱えた。隠れキリシタンは、キリスト教徒ではないのか? 宮崎教授は1986年以来、隠れキリシタンが暮らす長崎県生月島(いきつきしま)や熊県天草などを訪れ、「信仰の姿をじかに確かめてきた」。その結果、分かったのは「表面的にはキリスト教に由来する部分もあるが、中身は完全に日的である」ということだ。 たとえば祈祷(きとう)文に相当する「オラショ」。宣教師の祈りが原型だが、長い間に呪文化し、「中身は、ほとんど理解されていない」という。 実際、口伝えで伝わってきたオラショを大正~昭和初期に文章化した際には、「デウス(

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    ueshin 2014/07/19
    土着化した信仰になっていた。西洋化の波にともなってロマン化されたのだろうね。
  • 星野智幸「夜は終わらない」書評 物語を欲望するニセ暴君の時代|好書好日

    婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。しかし彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去る… 夜は終わらない [著]星野智幸 『アラビアンナイト』はご存じのように千夜もの間、暴君に物語を語って聞かせ、自らの命をながらえるばかりか、それなしではいられなくしてしまうシェヘラザードという女性が主人公であった。 よき文芸は先行作品をたたえ、笑い飛ばし、価値をひっくり返す。星野智幸がまさに千夜ほどの時間をかけて書き上げたのは、反対に「出逢った男たちに物語を語らせる」玲緒奈という女性を“暴君”とした小説である。 玲緒奈はスタイリッシュな服や宝飾品で自らを飾って男たちをだまし、金を奪い取り、命を奪う。メールを利用し、睡眠薬を溶かし、パソコンからデータを消去しては結婚詐欺を繰り返す。 まさに今どきの犯罪者・玲緒奈だが、『アラビ

    星野智幸「夜は終わらない」書評 物語を欲望するニセ暴君の時代|好書好日
    ueshin
    ueshin 2014/07/16
    「『アラビアンナイト』はご存じのように千夜もの間、暴君に物語を語って聞かせ、自らの命をながらえるばかりか、それなしではいられなくしてしまうシェヘラザードという女性が主人公であった。」